セブン銀行の企業概要

セブン銀行は、全国27000台以上のATMネットワークを運営する金融機関です。セブン‐イレブンをはじめとするセブン&アイグループの店舗、商業施設、観光地、空港、駅などにATMを設置し、24時間365日稼働する金融サービスを提供しています。
主要事業は、ATMプラットフォーム事業、決済口座事業、海外事業の3つです。ATMプラットフォーム事業では、590社以上の金融機関と提携し、「共存型ビジネスモデル」を構築しています。
決済口座事業では、普通預金や定期預金、ローンサービス、海外送金サービスなどを展開しています。さらに、海外事業としてATMサービスを提供しているのは米国、インドネシア、フィリピン、マレーシアの4か国です。
名称 | 株式会社セブン銀行 (英名:Seven Bank, Ltd.) |
---|---|
本社所在地 | 東京都千代田区丸の内1-6-1 |
代表取締役会長 | 舟竹 泰昭 |
代表取締役社長 | 松橋 正明 |
設立 | 2001年4月10日 |
開業 | 2001年5月7日 |
資本金 | 30,724百万円 |
発行済株式数 | 1,179,308,000株 |
従業員数 | 666人 |
※2024年9月30日時点
セブン銀行の事業内容

セブン銀行はどのような事業を展開しているのでしょうか。セブン銀行は、ATMプラットフォームビジネスを軸として事業を展開しており、ATM手数料を収入源としています。
主な事業内容について紹介します。
- ATMプラットフォームビジネス
- リテールビジネス
- 法人ビジネス
- 海外ビジネス
- コーポレート
- IT
- 新規ビジネス
ATMプラットフォームビジネス
ATMプラットフォームビジネス事業では、誰もが安心して利用できるように、例として次のような業務内容を展開しています。
- ATM設置台数の増加
- ATMへの現金補填
- 金融機関や事業会社などの新規提携
また、更なる成長へ向けて、現金チャージ促進や、医療・行政サービスとの連携拡大によるATMの新たな社会的価値の追求を行なっています。
リテールビジネス
リテールビジネス事業では、次のような業務内容などを展開しています。
- セブン銀行アプリである「Myセブン銀行」の開発や運用
- コンタクトセンターの運営(コールセンター)
また、ユニークな金融商品の提供や、日本在住の外国人のお客さまへ向けたトータルサポートなども行なっています。
法人ビジネス
法人ビジネス事業では、一部の例として次のような業務内容を展開しています。
- 口座を持たずともATMを利用して現金の受け取りを行える「ATM受取」サービス
- 本人確認サービス
- 銀行事務の受託サービス
- 不正検知サービス
海外ビジネス
海外ビジネス事業では、「世の中のすべての人たちにお金をより便利に」をミッションとして、一部の例として次のような事業内容を展開しています。
- アメリカやフィリピン、インドネシアでのATMサービスの展開
- ATMのグローバルプラットフォームの構築
また、今後は新規マーケットの開拓やATMのグローバルプラットフォーム上へ新規サービスを多層的に提供することなどを目指しています。
コーポレート
コーポレート事業では、一部の例として次のような事業内容を展開しています。
- コンプライアンス体制の構築
- リスク管理体制の構築
- 財務管理などを通じたビジネス推進や庶務、社員の働き方のサポート
こういった、各業務をスムーズかつスピーディーに進めることができるようサポートを行なっています。
IT
IT事業では、一部の例として次のような事業内容を展開しています。
- セブン銀行口座をより便利に、使いやすくするためのスマートフォン向けアプリの開発
- スマートフォンやマイナンバーカードを活用したATMでの取引きや手続き
- 本人認証といった、従来のATMの持つ概念を超えた新サービスの創造
- AIやデータを利用した企業変革をIT技術面から支える
また、最新のIT技術を活用して、時代やニーズの変化にあった最適なシステムの提供への取り組みも行なっています。
新規ビジネス
新規ビジネス事業では、次のような事業内容を展開しています。
- 新商品や新規サービスの企画・開発
- 新規ビジネスやサービスの調査や研究、開発や推進
- 他社との業務提携の検討
- 国内子会社の戦略策定・管理
また、セブン銀行の金融戦略推進部では、7&iグループの顧客に向けた新規決済や金融サービス提供のための企画や開発をセブン銀行、セブン・カードサービス協働で行っています。
セブン銀行の業績推移|売上・営業利益

セブン銀行単体の2022年と2021年3月期の業績ハイライトは、以下の通りです。
セブン銀行の経常収益(銀行における売上高に相当)は、着実な成長を続けています。2022年3月期の1102億円から2024年3月期には1288億円へと、2年間で約17%成長しました。
一方、経常費用は2022年3月期の818億円から2024年3月期には997億円へと増加しています。これにより、経常利益は2023年3月期に391億円と過去最高を記録したものの、2024年3月期は291億円と前年比で減益です。
この収益構造の変化は、ATMサービスの拡充や新規事業への投資による費用増加を反映したものと考えられます。
(※数値は各年度の決算報告に基づく)
セブン銀行の株価推移|過去7年のチャート
セブン銀行の株価チャートを分析することで、市場での評価の変化や今後の展望を読み取ることができます。
ここでは、2018年から2024年までの株価推移を時系列で詳しく見ていきましょう。
- 2018〜2020年にかけて株価が下落
- 2020〜2024年にかけて株価が上昇
2018〜2020年にかけて株価が下落

引用:日経新聞
2018年初頭の株価400円前後から、緩やかな下落トレンドに入りました。2019年には350円を下回り、2020年末までに200円台前半まで値を下げています。
この期間の株価下落の背景には、低金利環境の長期化による収益性への懸念や、スマートフォン決済の普及によるATM利用減少への不安があったと考えられます。
また、2020年には新型コロナウイルスの影響も加わり、人流減少に伴うATM利用の低下も株価の重しとなりました。
2020〜2024年にかけて株価が上昇

引用:日経新聞
2021年初めには230円前後まで下落していたセブン銀行の株価は、2022年以降、徐々に回復基調に転じました。2023年には300円台を回復し、2024年には一時330円台まで上昇しています。
この株価回復の背景には、コロナ禍からの経済活動正常化に伴うATM利用の回復や、行政サービスとの連携による新たな収益機会の創出があります。海外事業の拡大やDXを活用した新サービス展開も、将来の成長への期待を高める要因です。
セブン銀行の株主還元|配当・自社株買い

セブン銀行は、安定的な配当と機動的な自社株買いを通じて、積極的な株主還元を実施しています。
ここでは、同社の配当政策と自社株買いの実績について詳しく解説していきます。
- セブン銀行の一株配当・配当利回り推移
- セブン銀行の自社株買い推移
セブン銀行の一株配当・配当利回り推移
■配当金の状況(円/株)
▼スクロールできます
年度 | 中間 | 期末 | 合計 | 配当利回り |
---|---|---|---|---|
2013年3月 | 3.25 | 3.50 | 6.75 | 2.21% |
2014年3月 | 3.50 | 4.00 | 7.50 | 1.85% |
2015年3月 | 3.75 | 4.25 | 8.00 | 1.35% |
2016年3月 | 4.00 | 4.50 | 8.50 | 1.77% |
2017年3月 | 4.25 | 4.75 | 9.00 | 2.47% |
2018年3月 | 4.75 | 5.25 | 10.0 | 2.95% |
2019年3月 | 5.00 | 6.00 | 11.0 | 3.36% |
2020年3月 | 5.50 | 5.50 | 11.0 | 3.94% |
2021年3月 | 5.50 | 5.50 | 11.0 | 4.35% |
2022年3月 | 5.50 | 5.50 | 11.0 | 4.60% |
2023年3月 | 5.50 | 5.50 | 11.0 | 4.15% |
2024年3月 | 5.50 | 5.50 | 11.0 | 3.72% |
2025年3月 (予想) | 5.50 | 5.50 | 11.0 | 3.59% |
セブン銀行の一株当たりの配当金は、2013年3月期の年間6.75円から順調に増加し、2019年3月期には11円に達しました。その後は11円での安定配当を継続しており、2025年3月期も同水準を維持する予定です。
配当利回りは株価に連動し、2013年3月期の2.21%から上昇傾向を示し、2022年3月期には4.60%まで上昇しました。その後は株価の回復により、2024年3月期は3.72%となっています。この高水準の配当利回りは、安定した収益基盤を持つ同社の特徴を表しています。
セブン銀行の自社株買い推移
金額(円) | 進捗率(%) | |
---|---|---|
2019年6月10日 | 11億2070万 | 22.41 |
2019年7月10日 | 27億1929万 | 54.39 |
2019年8月9日 | 37億4673万 | 74.93 |
2019年9月10日 | 38億5762万 | 77.15 |
2023年12月13日 | 6億7944万 | 52.27 |
2024年1月12日 | 11億5662万 | 88.97 |
セブン銀行の大規模な自社株買いは、2019年と2023年に実施されています。2019年の自社株買いでは、6月から9月にかけて段階的に買い付けを進めました。最終的に38億5762万円の自社株式を取得し、進捗率は77.15%に達しています。
一方、2023年12月から2024年1月にかけて実施された自社株買いでは、2ヶ月という短期間で11億5662万円の買い付けを完了し、進捗率88.97%を達成しました。この機動的な自社株買いの実施は、株主還元と資本効率向上を目指した施策です。
セブン銀行の株価はなぜ安い?上がらない理由は?

セブン銀行の株価は、安定した業績にもかかわらず、なぜ安い水準にとどまっているのでしょうか。
ATMビジネスの将来性への懸念など、株価が上がらない理由について、さまざまな観点から解説していきます。
- キャッシュレス化の進展で将来性に不安
- 業績鈍化と新規事業への不透明感
- ATM更新による投資負担が収益を圧迫
キャッシュレス化の進展で将来性に不安
セブン銀行の株価が伸び悩む背景には、社会全体のキャッシュレス化進展によるATM需要の不透明感があるでしょう。実際、2024年10~12月期の連結経常利益は前年同期比2.9%減の63.5億円となり、ATMビジネスへの懸念が強まっています。
しかし、この見方は必ずしも正確とは言えません。同社は2024年度末までにATM設置台数を27893台まで増加させる計画を持ち、インドネシアでは1万台超の設置と12億円強の黒字を見込んでいます。
さらに、ATMを「あらゆる認証・本人確認の場」として進化させる戦略も展開中で、2025年度には経常収益2500億円を目標としており、積極的な成長戦略を推進しています。
業績鈍化と新規事業への不透明感
セブン銀行の2025年3月期第3四半期累計期間の連結経常利益は、前年同期比0.7%増の231億円と、ほぼ横ばいの結果となりました。さらに、2025年1-3月期(第4四半期)の連結経常利益は前年同期比35.4%減の48.9億円まで落ち込む見通しで、業績の伸び悩みが鮮明となっています。
この状況に加え、ATMのプラットフォーム化戦略にも不透明感が漂っています。「+Connect」サービスを通じてATMでさまざまな手続きや認証を可能にする計画は、新たな収益源として期待されています。
一方で、成功の確実性が見通せないことから、投資家は慎重な姿勢を崩していません。これらの要因が、株価上昇の重しとなっているのです。
ATM更新による投資負担が収益を圧迫
セブン銀行は2019年から第四世代ATMへの置き換えを進めており、QRコード読み取りや本人確認書類の読み取り、スマートフォンとのBluetooth通信、電子マネーチャージ機能など、多彩な新機能を実装しています。
しかし、この大規模なATM更新プロジェクトにより、設備投資費用の増加と減価償却費の上昇が続いています。ATMの減価償却期間は5年程度のため、2019年から開始された更新の影響は2025年現在も継続中です。
会計年度 | 減価償却費 |
---|---|
2020年3月期 | 136億円 |
2021年3月期 | 130億円 |
2022年3月期 | 149億円 |
2023年3月期 | 168億円 |
2024年3月期 | 186億円 |
2025年3月期(計画) | 240億円 |
また、新機能を活用した新たなサービス展開による収益化には時間がかかるため、短期的な収益性を圧迫する要因となっており、これが株価上昇の負担となっています。
セブン銀行の株価に対する掲示板の口コミ

投資家掲示板では、セブン銀行の株価についてさまざまな意見があります。特に300円前後での推移に対する見方が注目を集めているようです。
富士通のATM撤退はセブン銀行にはチャンス
これを活かせるかは経営次第だが、相対的に企業価値は高まったということにはなる。引用:Yahoo!ファイナンス
今は少し上がってるが、また取引終わり頃には下がる⤵️だろうな
早く爆上げしろ
本当親会社はとっとと売却しろ引用:Yahoo!ファイナンス
久しぶりに見に来たけど、相変わらずセブン銀行預金株だな
264円で買ってもうじき2年。
これからも配当だけ楽しみにしてます^_^引用:Yahoo!ファイナンス
セブン ネット銀行に名前変えるだけで、株価上がるんちゃうか?
今のままやと、セブンに置いてあるATMの運用会社というイメージ
ネットバンクで、おまけにATMまで全国にあるという利点を強調せんと引用:Yahoo!ファイナンス
セブン銀行決算発表。
300きったか、300維持してほしかった引用:Yahoo!ファイナンス
投資家の間では、セブン銀行を「高値期待はできないが、下値も堅い」という安定株として評価する声が目立ちます。多くの投資家が300円程度を妥当な株価水準と見ており、配当を重視して長期で持ち続けようとする意見が多く見られました。
一方で、ATM運営会社というイメージが強すぎることを懸念する声もあり、「セブン ネット銀行」への社名変更でネットバンクとしての特徴をアピールすべきとの提案も出ています。
また、決算発表後に300円を割り込んだことを心配する声も見られます。しかし配当利回りの高さから「預金株」として評価する投資家も多く、安定的な投資対象として支持を集めているようです。
セブン銀行の株価は今後どうなる?

セブン銀行の株価は、今後どうなるのでしょうか。
ここまで紹介した内容を踏まえて、セブン銀行の将来性や倒産のリスクは低くないのかといった内容について考えていきましょう。
- キャッシュレス化に対応できるかどうか
- ATM事業以外での多角化を図れるか
キャッシュレス化に対応できるかどうか

経済産業省が2024年3月に発表したデータによると、2023年時点の日本国内におけるキャッシュレス決済比率は39.3%となっています。また、「キャッシュレス決済比率を2025年までに4割程度にする」という政府目標が掲げられています。
キャッシュレス決済比率が増加し、現金決済比率の減少が進めば、セブン銀行の主要な収入源であるATM手数料にも影響することが考えられます。
このまま大きな動きへの対応が遅れれば、株価は今と変わらず下落の一途を辿ることとなるでしょう。
想定されるキャッシュレス化によるATM利用件数の減少に対して、セブン銀行がATMの更なる社会的価値をいかにして高めることができるかが株価回復の鍵となるといえるでしょう。
ATM事業以外での多角化を図れるか
セブン銀行の収入の柱であるATM事業ですが、キャッシュレス化が進むことによる減収・減益を完全に避けることはできません。
そのため、ATM事業だけを頼りにするのではなく、それ以外にも収入の柱となりうる新規事業による多角化を図る必要があります。
2021年1月から、スタートアップ企業などとともに、新規事業で共創を目指す「セブン銀行 アクセラレーター2021」がスタートしました。
このような試みを用い、時代に合った新たな柱となる事業を創造することができるかがポイントとなるでしょう。
セブン銀行の業績・株価・配当についてまとめ
セブン銀行の収益の柱はATM利用手数料です。しかし、キャッシュレス化による現金利用頻度の低下でATM利用回数の減少が予測されていることによる影響下、株価は下落している傾向にあります。
そのため、セブン銀行の株価の今後を考えていく上で、これからさらに進むであろうキャッシュレス化に対してどのように対応していくのかが非常に重要といえます。また、収益の柱をATM事業以外にも創出することができるのかがポイントとなるでしょう。
日本国内ヘッジファンドランキング20選|高利回りおすすめ企業一覧
この記事では、ヘッジファンドのおすすめをランキング形式でご紹介します。ヘッジファンドと聞くとどのようなイメージをお持ちでしょうか。政府が進める「貯蓄から投資へ」の流れの中で、株...