イオンの企業概要

イオンの企業概要

イオンとは、イオンモールなどのショッピングモールやスーパーやコンビニ、ドラッグストアなどを展開する大手流通企業グループです。

他にも金融業なども展開しています。主な事業は以下の通りです。

  • GMS(総合スーパー)事業
  • SM(スーパーマーケット)事業
  • ヘルス&ウエルネス事業
  • 総合金融事業
  • ディベロッパー事業
  • サービス・専門店事業
  • 国際事業
  • 機能会社・その他

イオンの会社概要は以下の表の通りです。

社名イオン株式会社(純粋持株会社)
設立1926年(大正15年)9月
本社〒261-8515 千葉県千葉市美浜区中瀬1-5-1
代表者代表執行役社長 吉田 昭夫
資本金2,200億700万円
株式の状況発行可能株式総数:2,400,000,000株
発行済み株式総数(自己株式含む):871,924,572株
上場金融商品取引所東京証券取引所
主要取引金融機関株式会社みずほ銀行
農林中央金庫
株式会社三井住友銀行
株式会社りそな銀行
株式会社三菱UFJ銀行
監査法人有限責任監査法人 トーマツ

イオンの事業内容

イオンの事業内容
Kana Design Image - stock.adobe.com

イオンは、イオンモールなどの大型ショッピングモールやスーパー事業をはじめ、大きく8つの事業を行っています。

ポイント

  • GMS(総合スーパー)事業
  • SM(スーパーマーケット)事業
  • ヘルス&ウエルネス事業
  • 総合金融事業
  • ディベロッパー事業
  • サービス・専門店事業
  • 国際事業
  • 機能会社・その他

GMS(総合スーパー)事業

GMS(総合スーパー) 事業は文字通り、食品や日用品などの総合スーパーを九州、沖縄、北海道、東北で展開しています。

その他にもネットショッピング、アパレル、酒類や自転車、オリジン弁当、ハウスクリーニングなどの幅広いサービスを展開しています。

SM(スーパーマーケット)事業

SM(スーパーマーケット事業)は、マックスバリューやミニストップなどスーパーやコンビニを全国に展開しており、関東地方ではまいばすけっと、KASUMI、マルエツなどのスーパーマーケットが代表的な事業です。

関西では光洋というスーパーマーケットがあり、その他にも全国でイオングループのスーパーマーケットやネットショッピングなどが展開されています。

ヘルス&ウエルネス事業

ヘルス&ウエルネス事業は、ウェルシアホールディングスを中心にウェルシアやマルエドラッグなどのドラッグストアや薬局を展開しています。

また、イオンレーヴコスメやイオンボディはコスメや日用品に特化した店舗でネットショッピングも行っています。

総合金融事業

総合金事業では、イオンフィナンシャルサービスを中心に銀行、住宅ローン、保険、投資信託、各種ローンなどの金融サービスを行っています。

特に営業利益はスーパーよりもイオン銀行やクレジットカード、保険などの総合事業の方が好調です。

参考:IRBANK

ディベロッパー事業

ディベロッパー事業では「イオンモール」「イオンタウン」「OPA」を展開しています。

「イオンモール」は商業施設のイオンモール地域のライフデザインに携わり、まちづくりの役割を担うため、開発、運用・管理をトータルで行っています。

「イオンタウン」は地域の特性に合わせたショッピングモールの開発・運営を行っています。

「OPA」事業は都市部や首都圏に商業施設の開発・運営を行っています。

サービス・専門店事業

サービス・専門店事業は100円ショップのキャンドゥをはじめ多くの専門店を展開しています。

例えばスポーツ、映画、書店、子供服やシューズなどのアパレル関係など幅広いジャンルの専門店です。

その他にも、子供向けのアミューズメントパークや設備管理、清掃などのサービスを展開しています。

国際事業

国際事業としては、中国とASEANでイオンモールを出店しています。中国では2008年に第一号店をオープンし、現在は北京・天津・山東省、江蘇・浙江、湖北、広東の4つのエリアの出店を進めています。

ASEANではインドネシア、ベトナム、カンボジアの3カ国で、日本の文化と各国の文化を調和させながら新しいライフスタイルを提案しています。

機能会社・その他

機能会社・その他としては、個人や企業、社会の課題解決のため様々なサービスを展開しています。例えば、アビリティーズジャスコでは障がい者の方に向けた就労サービスです。

トップバリュの食品や日用品などのネットショッピングやITを活用しています。また店舗と顧客を結ぶプラットフォーム、従業員向けのシステム開発やイオングループのDX促進などを行っています。

イオンの業績推移|売上・営業利益

イオンの業績推移

ここでは、イオンの業績推移について営業収益と営業利益をもとに紹介します。まずはセグメント別の営業収益は以下の通りです。

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2018年2019年2020年2021年2022年
GMS事業3,080,6303,070,5213,360,4173,292,7403,269,042
SM事業3,235,0643,224,3632,547,8792,520,6782,642,119
ヘルス&ウエルネス事業793,962883,220956,5961,031,0201,149,689
総合金融事業436,565484,719487,572472,549456,875
ディベロッパー事業360,259371,926327,017366,743443,482
サービス・専門店事業768,548739,599641,631703,527765,620
国際事業437,567439,202414,413412,232497,428
その他16,89552,62355,03353,22049,097

(単位:百万円)

上記のようにスーパーマーケット事業と総合スーパー事業で多くの売上を占めていることがわかります。またセグメント別の営業利益は以下の通りです。

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2018年2019年2020年2021年2022年
GMS事業11,5157,223-11,115-2,03314,097
SM事業25,19521,50741,65130,53922,844
DS事業4,4952,7593,682
ヘルス&ウエルネス事業26,26935,02941,53241,90944,828
総合金融事業70,83970,46442,64861,79160,313
ディベロッパー事業55,59063,27935,73838,87045,242
サービス・専門店事業19,7625,124-17,679-3,05110,270
国際事業3,41410,3866,0685,59212,859
その他1961,7892,350-178-5,422

(単位:百万円)

※注)2021年度より従来のSM事業を「SM事業」及び「DS事業」に変更しています。セグメント変更に伴い、2020年度実績を組み替えて表示しています。
引用:イオン業績ハイライト

営業収益では総合スーパー事業とスーパー事業が多くの売上を占めていますが、営業利益では総合金融事業がトップを占めています。

このことから、イオンはスーパーや総合スーパー事業で集客し、総合金融事業やディベロッパー事業などで利益を生むビジネスモデルと言えます。

イオンの株価推移|過去5年のチャート

イオンの株価推移

ここでは、イオンの株価について過去5年のチャートを分析して推移を紹介します。

イオンの株価は割高と言われていますが、ここで実際の株価の推移を見て投資をする判断材料にしましょう。

イオンの株価推移

ポイント

  • 2020年1月〜2020年2月にかけて株価が下落
  • 2023年3月〜2023年12月にかけて株価が上昇

2020年1月〜2020年2月にかけて株価が下落

イオンの株価推移

イオンの株価は新型コロナウイルスの流行拡大時の2020年2月と3月頃に下落しています。
しかしこの下落は一時的なもので、イオンの株価は下落・上昇の波はあるものの過去10年は基本的に上昇を続けています。

新型コロナウイルス拡大時の2020年2月は株価が2014.5円まで下落しましたが、その年の12月には3385円まで2020年2月の株価を下回らずに上昇し続けました。

2022年6月にも下落していますが、短期間で回復し2023年10月以降は3000円台をキープしています。

2023年3月〜2023年12月にかけて株価が上昇

イオンの株価推移

イオンの株価は基本的に上昇し続けています。新型コロナウイルスの流行拡大などにより一時的に下落していますが、短期間で回復し上昇しています。

これは、新型コロナウイルスによる「巣ごもり需要」により、食品や日用品などの需要が増加し、総合ショッピングモールやスーパーの売上が好調だったことが考えられます。

過去10年間を見ても基本的に右肩上がりで、多少新型コロナウイルスの感染拡大など社会情勢によって下落の波がありますが、今後も株価の上昇が期待できるでしょう。

イオンの株主還元|配当・株主優待

イオンの株主還元

ここではイオンの株主還元について、一株配当・配当利回り推移と株主優待について解説します。イオンは株主優待が人気の銘柄といわれているので、投資の判断材料の一つにしましょう。

ポイント

  • イオンの一株配当・配当利回り推移
  • イオンの株主優待

イオンの一株配当・配当利回り推移

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2020年2月2021年3月2022年2月2023年2月2024年3月(予想)
年間1株配当額推移3636363636

イオンの一株配当実績は過去10年で着実に増配しています。新型コロナウイルスの感染拡大があり、売上が減少した2020年も減配せずに36円を維持しています。

また2024年3月も一株配当は36円と予想されており、実現されれば5期連続で減配がないことになります。

しかし、イオンの年間純利益は2023年2月時点で一株あたり25.11円で配当金は純利益を超えていることになり、配当性向は100%を超えていることになります。そのことから、赤字が何年も続くと配当が減配されることが懸念されています。

イオンの株主優待

イオンは、株主優待が魅力的です。イオンの株主優待としては、イオン系列のスーパーの購入金額に応じてキャッシュバックが受けられます。

買い物の際にオーナーズカードを提示し、現金、WAON、イオンマークのクレジットカード、イオン商品券、イオンギフトカードのいずれかで支払います。

100株以上の保有から利用でき、保有株数に応じて3%、4%、5%、7%のキャッシュバックが受けられます。

毎月20日と30日のイオンお客さま感謝デーとの併用が可能です。スーパー以外にも映画やスポーツなどのイオン系列の施設で利用できます。

イオンの株が危険と言われる理由

イオンの株が危険と言われる理由

イオン株が危険といわれている理由は5つあります。ここではイオン株が危険と言われている理由を株価、配当、株主優待、商品の原価などの視点から解説します。

これらの危険性を考慮して参考にしましょう。

ポイント

  • 割高で他社よりもPERが高い
  • 配当性向は100%超で高い
  • 株主優待が変更される可能性
  • 原価の上昇で価格維持が難しい
  • 持ち合い株売却で株価下落の恐れ

イオン株が危険な理由1. 割高で他社よりもPERが高い

イオンの株価が危険といわれている理由の一つに株価が割高であることが言えます。

株価が割高か割安かを判断する指標のPER(株価収益率)は約70倍です。(出典:イオン(8267) : 理論株価・目標株価|株予報Pro

この値は小売り銘柄の3.5倍よりも遥かに高い数値です。PERが割高でも株価が右肩上がりなのは、純利益を超えた配当や株主優待が人気のためと考えられます。

これらの配当や株主優待が維持できなくなり改悪して人気が落ちれば、最大50%大暴落する恐れがあります。

イオン株が危険な理由2. 配当性向は100%超で高い

イオンの株価が危険と言われている2つ目の理由は、配当性向が高すぎることです。イオンの一株配当は2020年2月期から2023年2月期まで4期連続で36円となっており、2024年2月期も36円と予想されています。

一方で1株あたりの純利益は29.5円で、利益を超える配当を実施しており、配当性向は100%を超えています。

一般的に性向配当は30%から50%といわれています。イオンは無理に高い配当を出していることになり、減配する可能性が高いと言えます。

イオン株が危険な理由3. 株主優待が変更される可能性

イオン株が危険と言われている3つ目の理由は株主優待が変更される可能性がある点です。

イオンの株主優待は、イオン系列の店舗でキャッシュバックを受けられるイオンオーナーズカードやイオン系列の映画館での割引などがあり、人気が高いです。

イオンの株主数が増加し続けていることから、株主優待にかかるコストも増加していると考えられます。そのため、株主優待の内容を変更したり縮小したりする可能性があります。

イオン株は株主優待を目当てに保有している人が多い銘柄なので、株主優待の縮小などがあればイオンの株を手放す人が増加し、株価の下落が予想されます。

イオン株が危険な理由4. 原価の上昇で価格維持が難しい

イオン株が危険と言われている4つ目の理由は原価の上昇があげられます。近年は原油や原材料の価格が急騰し、仕入れ価格が上昇しています。

イオンはプライベートブランドのトップバリュ商品5000品すべてに値上げをしないことを約束する「価格凍結宣言」を実施しています。

イオンは物流の効率化や販売量の増加によって価格維持に努めていますが、原油・原材料の価格上昇は続いており、厳しい現状です。

また、世界的なエネルギー不足による水道光熱費の上昇も指摘されています。原材料や水道光熱費の上昇が続けば、さらに価格を維持するのが難しいでしょう。

イオン株が危険な理由5. 持ち合い株売却で株価下落の恐れ

イオンの株が危険と言われている5つ目の理由は、持ち合い株の売却で株価が下落する可能性があることです。

株の持ち合いとは、複数の会社同士が任意でお互いの株を保有することを意味します。イオンは1300億円以上の持ち合い株を保有しており、今後は手放していくことが予想されます。

イオンが持ち合い株を手放すということは、他社もイオンの株を売りに出すことが考えられます。株の持ち合いが解消されたら、これまでの安定していた株式の需給が崩れ、株価が下落する要因になります。

注目ファンド

詳細な投資分析によるバリュー投資を中心に実践しており、短期的な利益追求ではなく安全性を追求しながら中長期的な利益を求めているヘッジファンド。

詳細はこちら

イオンの株価に対する投資家の口コミ

イオンの株価の口コミ

2023年12月
「来年になったらイオン100株を成長投資枠で買う。早く買いたくてウズウズするぞ!」
2024年1月4日
「イオン買うぞ!おらああああ!ポチポチ!おっしゃ買ったぞ!やったぞ!とーちゃんはイオン株買ったぞ!(特定口座)」

引用:X

帰省してきた従妹に、イオン系フジの優待券を冊子まるごと6000円分進呈。

定期的な買い出しにイオンを使っているイオニストなので、毎回喜んでくれます。

自分用に買った株でしたが、今の私の生活動線ではあまりイオン系に行かないこともあり、半分以上は従妹に使ってもらうのが今の最適解ぽい

引用:X

【イオン株の優待が魅力的】

先日、イオン株を持ってる友人と映画を観に行きました!そこでイオン株優待の魅力を教えてもらいました☺

・イオンシネマ通常1,800円のチケット→1,000円!しかもポップコーンorSサイズのドリンク券あり
・四六時中(和食屋さん)10%割引
・半年間の買い物合計金額に応じてキャッシュバック(100株所有A→100万円×3%=3万円もらえる)

引用:X

私、イオン株所有してるけど、ずっと持ち続けると思う。
いつも色んなサービスありがとう。
現地の方、少額ながら寄付させていただきます。
頑張って下さい。
これが南海トラフの余震ということですが、こんなに巨大地震が余震とは恐ろしい。
もう一回地震の備えを見直そう。

引用:X

スーパーは近くのイオンを使う事が多いです。イオンはiAEONというアプリを使うとポイントが貯まります。

毎月24日にポイントが付与されて意外に多くのポイントが貯まります。イオンの株主はこのポイントとは別に半年ごとのキャッシュバックがあり、かなりお感があります。

引用:X

イオンの株価は危険と言われていながらも、株主優待を目当てに保有するという方が多いようです。

イオンの株価は今後どうなる?買い時はいつ?

イオンの今後の株価

イオンの株価は危険と言われていますが、実際はどうなるのでしょうか。ここでは、イオンの株価の今後や買い時について紹介します。

どのような人が保有すべきということも触れていますので、ぜひ参考にしてください。

ポイント

  • イオン株の買い時はいつ?
  • イオン株は今後どうなる?

イオン株の買い時はいつ?

イオンはグループとして業績は好調で、金融、不動産、海外事業なども展開しており、今後も上昇が期待できます。

株主優待が目当ての場合は権利確定日前に購入を検討するといいでしょう。

また、下落・上昇の波があるため、最高値を更新した直後に購入するのは避けたほうがいいでしょう。

またイオンの配当実績は増配を続けており、2020年2月以降は36円を維持しているので、配当利回りが期待できます。

短期運用よりも長期保有を考えている人には向いているでしょう。

イオン株は今後どうなる?

イオン株のPERは小売り銘柄の水準よりもはるかに高く、危険性が指摘されています。

しかし業績は好調で、特に銀行などの金融業や不動産業が好調でスーパーや総合スーパー事業を支えています。

イオングループ全体の業績は堅調といえるでしょう。

また、イオン株は配当が増配していることや株主優待が魅力的なことから人気が高く、保有している人も多くいます。

PERが異常に高い点や株主優待の改悪、配当の減少などによる株価の下落を考慮する必要はあります。

しかし、イオンをよく利用する人は保有するメリットもあるので、絶対に避けるべきとも言い切れないのが現状でしょう。

イオンの業績・株価・配当についてまとめ

この記事では、イオンの株価は割高で危険と言われる理由を紹介してきました。

イオンの株が危険といわれている理由はPERが非常に高く株価が割高、配当が高すぎる、

株主優待の改悪の可能性があることなどがあげられます。

しかし、金融業や不動産業の好調や海外事業などでイオンの業績は堅調を維持しています。

また、株主優待は魅力的でキャッシュバックや映画館などの割引があるなど魅力的です。

イオンをよく利用する人は、株価が下落する可能性を考慮しながら株の保有や購入をすれば魅力的な銘柄といえるでしょう。

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