ピクセラの企業概要

ピクセラの企業概要

ピクセラとは、デジタル機器およびソフトウェア開発、販売を行う企業です。主にテレビ関連のAV機器を主力として製造・販売を行っています。

1982年6月に大阪府堺市で株式会社堺システム開発として創業。1997年10月に株式会社ピクセラに商号を変更し、2002年に株式上場しました。

上場先は2回変更されましたが、現在は東京証券取引所スタンダード市場に上場しています。2024年現在、ピクセルグループとしてピクセラ、A-Stage、Biz-Creaveの3社が経営されています。

企業名株式会社ピクセラ
設立1982年6月
資本金56億円(2023年4月1日現在)
従業員数55名(2023年4月1日現在)

ピクセラの事業内容

ピクセラの事業内容

現在ピクセラでは、パソコン関連事業、ホームAV事業、AVソフトウェア事業、海外事業、IoT関連事業などさまざまな事業が展開されています。

それぞれの事業内容について紹介していきます。

ポイント

  • パソコン関連事業
  • ホームAV事業
  • AVソフトウェア事業
  • 海外事業
  • IoT関連事業

パソコン関連事業

ピクセラが企画・開発したパソコン向けデジタルキャプチャーのハードウェアと、付属デジタル放送視聴録画ソフトウェアをOEMおよびリテールで販売する事業です。

OEMとは、委託された企業の名前で売り出す事です。

主力製品はStationTVシリーズで、近年はXitブランドで展開しています。

また、一部製品に対してロイヤリティを受け取るOEM販売も行っています。

ホームAV事業

AV家電分野、モバイル分野、オートモーティブ分野にてピクセラが企画・開発したハードウェアやソフトウェア製品を自社ブランドまたはOEM販売する事業です。

中小型モデル中心のデジタル液晶テレビを自社ブランドで展開しています。

その他、Androidスマートフォン向けテレビ受信アプリケーションソフトウェアのOEM販売などを行っています。

AVソフトウェア事業

ピクセラが企画・開発したパソコン向け映像編集アプリケーションソフトウェアをデジタルビデオカメラに付属させ、ロイヤリティを受け取る事業です。

主なブランドとして、MediaBroweser、VideoBrowser、ImageMixerシリーズなどが挙げられます。

既に2つのシリーズはサポートを終了しており、2024年現在稼働しているのはMediaBrowserです。

MediaBrowserは、パソコンに映像を取り込んで直感的に管理、編集できるソフトウェアです。

海外事業

AV家電分野を海外に展開する事業です。

海外向けチューナー製品などのAV家電分野の展開を継続しています。

2023年度通年売上高の90%以上は日本であり、海外売上高比率は10%未満です。

海外向け製品として、緊急警報放送対応の海外向けセットトップボックスが挙げられます。

セットトップボックスとは、ケーブルテレビ放送や衛星放送、地上波テレビ放送、IP放送などの放送信号を受信して一般のテレビで視聴可能な信号に変換する装置です。

IoT関連事業

近距離無線通信方式Z-Waveを用いた分野と携帯電話通信規格LTEを用いた分野に、IoT製品を展開しています。

製品の例として、ConteホームサービスやPIX-MT110が挙げられます。

Conteホームサービスはどこからでもスマホで家の中を見守れるサブスクリプションサービスでしたが、2022年にサービスは終了しました。

PIX-MT110は、機器にSIMを差し込むだけであらゆる機器をインターネットにつなげられる製品です。

ピクセラの業績推移|売上・営業利益

ピクセラの業績推移

上図は、直近4四半期のピクセラの売上高および営業利益の変化を表した図です。

今期の売上高成長率は、前年同期比-34%、前期比-1.5%です。

営業利益は常に大きく赤字です。

ピクセラの業績推移

上図は、2020〜2023年度の年間売上高および営業利益を表した図です。

2023年度の売上高成長率は前年比-27.7%で、営業利益率は-85%です。

年々売上高が低迷し、営業利益率も悪化しています。

最新の決算では、ウクライナ情勢長期化による資源や原材料供給網の弱体化、円安の進行、原材料価格や光熱費を始めとした各種コストの高騰が発生し、改善が厳しいと記述されています。

また、既存事業の需要低迷の悪化も大きな要因です。

ピクセラの株価推移|過去10年のチャート

ピクセラの株価推移

出典:Trading View

上図は、ピクセラの過去10年間の株価チャートです。10年間での株価のパフォーマンスは-99.3%で、大幅下落を記録しています。

なぜ、ピクセラの株価が下がり続けているのかについて解説します。

ポイント

  • 2015年に株価が高騰
  • 2017〜2019年にかけて株価が高騰、急落

2015年に株価が高騰

ピクセラの株価推移

出典:Trading View

2015年の株価パフォーマンスは+17.4%でした。

7月中旬から8月初旬にかけて株価は、10200円から30650円まで上昇しました。その理由は、Oakキャピタルを割当先に増資を行った事が挙げられます。

ピクセラは債務超過に悩まされており、上場条件が満たせない状況が続いていました。

7月17日に資金調達を発表し、投資家は経営の立て直しを期待しました。

Oakキャピタルはその前年に類似案件で大相場を作り出しており、株価上昇は投機筋の注目を集めた事も要因です。

2017〜2019年にかけて株価が高騰、急落

ピクセラの株価推移

出典:Trading View

2017年5月末から6月中旬にかけて株価が366%上昇し、年間パフォーマンスは+70.6%でした。この急騰の理由は、2015年の増資を基に設立した新事業に進捗が見られた事です。

一つ目は、IoT部門の新製品Conteホームサービスの機能拡充や展望についてプレスリリースが発表されたことです。

二つ目は、大株主のOakキャピタルがピクセラの次世代テレビ事業の進捗を報告し、グーグルが展開する新テレビ事業のパートナー10社のうち1社に選ばれたことを発表したことです。

これにより、株価は4営業日で152.4%上昇しました。

しかし、その後も業績の低迷から脱却できず、株価は長期に渡る下落を経験します。

ピクセラの株主還元|配当・自社株買い

ピクセラの株主還元

ピクセラは、株主還元の一環として配当、自社株買いを行っていた事があります。

業績が低迷し、赤字が続いているピクセラですが、現在どの様に株主還元を行っているかについて解説します。

ポイント

  • ピクセラの一株配当・配当利回り推移
  • ピクセラの自社株買い推移

ピクセラの一株配当・配当利回り推移

ピクセラの一株配当・配当利回り推移

ピクセラの一株配当・配当利回り推移

ピクセラの一株配当・配当利回り推移

1株当たり配当は、2003年(平成15年)が10円、2004年(平成16年)が17円、2005年(平成17年)が12円、2006年(平成18年)が12円でした。

2023年末に1対100の株式併合を行っているため、配当利回りは現在表示株価の100倍で計算する必要があります。

また、2007年(平成19年)も配当が見込まれていましたが、リーマンショックの影響を受けて無配となり、その後も配当金は確認できていません。

ピクセラの自社株買い推移

2024年現在、ピクセラは自社株買いによる株主還元を行っていません。

2008年〜2011年に掛けて毎年数十株程度の保有量増加が確認されていますが、大規模な自社株買いは2005年までさかのぼります。

ピクセラの自社株買い推移

ピクセラは2005年の5月、6月、8月、9月に計120,900株の自社株買いを行いました。

翌年の株主還元は配当に限られており、2005年以降に大きな保有株式の変化は確認できません。この要因は、リーマンショック以降の業績が安定して成長しなかった事が挙げられます。

ピクセラの株価がなぜ安いのか解説

ピクセラの株価がなぜ安いのか

ピクセラの株価は時折急騰する場面があるものの、長年に渡り下落傾向が続いています。2023年末時点で株式併合がなければ100株あたり1円で取引されていました。

なぜ、ピクセラの株価は安いのかについて解説します。

ポイント

  • 業績低迷が継続しており赤字体質
  • 新株発行による資金調達が継続的に行われている
  • 事業内容の転換がうまくいっていない

業績低迷が継続しており赤字体質

ピクセラは過去10年間で営業利益が黒字の年は2017年の一度だけです。

また、売上高が前年比で成長した回数は2017〜2019年の3回で、2020年以降は4年連続でマイナス成長を継続しています。

赤字体質の根本的な問題として、売上総利益が低い事が挙げられます。2023年度の売上総利益は約9%と低く、利益が出せる状況ではありません。この要因は、販売製品の需要が低く、値下げを行っていると考えられます。

2023年度の販売費および一般管理費は売上高の約71%と高く、営業利益率は-85%と黒字の見通しは立っていません。

長年に渡る赤字体質に懸念を持っている投資家が多いため、この様な株価推移になっています。

新株発行による資金調達が継続的に行われている

ピクセラは、キャッシュフローも毎年大きな赤字を計上しており、新株発行などの資金調達を定期的に行う必要があります。

規模は異なりますが毎年新株発行を行っており、その度に既存の株主の利益が減るため、投資家が避ける株式になっています。

2023年9月の決算時の現金及び現金同等物は4400万円で、前年度は3億6700万円でした。

2024年度中の資金調達は必須である事が読み取れる中、2023年12月29日に新株発行が行われ、株式希釈が発生しました。

投機筋により2023年末から株価が一時上昇しましたが、成長が見込めない資金調達は投資家が最も嫌う行為です。

事業内容の転換がうまくいっていない

ピクセラは、テレビに関連したAV製品を主力に経営を行ってきました。

しかし、近年パソコンやスマートフォンの普及、娯楽の多様化によりテレビ需要は明らかに低迷しています。

2015年に資金調達を行った際に、新事業としてIoT関連事業、自動多言語翻訳システム事業、AR/VR事業を展開していますがうまくいっていません。

IoT関連事業の新製品として打ち出したConteホームサービスも2022年7月にサービスを終了しています。

その他の新事業も目立った製品を出すことはなく、2023年にも業績低迷による人員削減を続けており、新分野の成功は遠ざかっている印象を受けます。

注目ファンド

詳細な投資分析によるバリュー投資を中心に実践しており、短期的な利益追求ではなく安全性を追求しながら中長期的な利益を求めているヘッジファンド。

詳細はこちら

ピクセラの株価に対する投資家の口コミ

ピクセラの株価に対する投資家の口コミ

ピクセラは、SNSでどの様な評価をされているのでしょうか。

ピクセラって真面目で優秀な印象
どうしてこんなに落ちぶれてたんだろう
営業が出来なかったのか
まあ、置いといて最近の材料やけど
素人目から見たらどれも儲かりそうな
という訳で黒字やな、これ

引用:Yahoo!ファイナンス

"快活CLUB「XIT-SQR100」を導入"のプレスリリースが出たのに、もとの価格帯に戻ってくるとは予想できなかった。。。しんどいね。Evo Fund の売りはいつまで続くのか?。早く終わってほしい。

引用:Yahoo!ファイナンス

そもそも ピクセラ この会社は 実質的には 3回ほど 倒産している会社 なんですよ それが 色々な 皆さんの力で 上場を維持して 頑張っている次第ですよ 色々な 既得権益 欲望 未練 しがらみ など などで 現在に至ってるわけですね 中身的には 空っぽの会社ですね 今後は分かりませんが

引用:Yahoo!ファイナンス

ピクセラが人気あるのは、業績は悪いが、株価のボラティリティが高いこと

一日に30%動く株 上にも下にも

だから、初心者さんが入るとミスったら対処が難しいから

プロとアマのデイトレ向け銘柄です。
乱高下激しいから気をつけてください

引用:X

ピクセラ6731株価222円の時に1株のみ購入
現在142円と現在暴落中

(裏優待)議決権行使でQUOカード500円貰える
最早回収済みなので、このまま放置したろ

引用:X

業績が低迷しており、株価が長く下落している事から株価の展望に関してネガティブな声が多い様です。

また、株価変動が大きい事から投機的なコメントも散見しています。

ピクセラの上場廃止リスクは?

ピクセラの上場廃止リスク

ピクセラは、2024年4月現在東京証券取引所スタンダード市場に上場しています。

東京証券取引所スタンダード市場の上場維持条件は下図の通りです。

東京証券取引所スタンダード市場の上場維持条件

出典:JPX

ピクセラが現状問題になりそうな点は、流通株式に関する事項です。流通株式は、下図の定義で示されています。

流通株式

出典:JPX

ピクセラの2024年度3月29日の発行済株式数は23,495,275株で、流通株式数の推定は23,494,078株です。

条件aの流通株式数2000単位以上は、200万株を超えている事から問題ありません。

条件bの流通株式時価総額10億円以上は、2024年4月5日時点の株価の109円で計算すると約25億6085万円であり、上場維持条件を上回っています。

条件cの流通株式比率25%以上は全く問題ありません。

現在の流通株式数で42円を下回った時には新株を発行するなどの対応が必要ですが、一番問題になる流通株式で上場廃止になる可能性は現状低いです。

ピクセラの株価は今後どうなる?将来性を解説

ピクセラの今後の株価

ピクセラは上場廃止が噂されるほど業績と株価が低迷しています。株式併合を行い、資金調達の効率化を図っているほど財務状況も不安定です。

ピクセラの株価は今後どうなるかを将来性と併せて解説します。

ポイント

  • 主力事業の転換とコストカットの継続
  • 家電メーカーに買収されると株価上昇?

主力事業の転換とコストカットの継続

2024年度1Q決算にも記載がある様に、テレビ需要の低迷に伴うAV関連事業の縮小は今後も必要です。

現状、ピクセラに求められることは売上高の成長よりも赤字体質の脱却です。AV関連事業と家電事業はともに赤字であり、売上総利益の改善が急務です。

また、人員削減や事務所縮小など必要な事はやっていますが、一般管理費及び販管費も高水準が続いています。

高い利益率の商品への完全移行とコストカットがなければ、基本的に株価は低迷すると考えられます。

家電メーカーに買収されると株価上昇?

現状、ピクセラが成長性を出すことは難しい環境です。新製品が人気商品になったり、既存製品需要が高まったりする可能性は0ではありませんが、かなり低い状況です。

現状は製品を作れば作るほど営業利益が赤字になる可能性があります。また、製品開発をするだけの資金力もなく、時間経過とともに資金調達が必要です。

株主にとって現実的な株価上昇プランの一つは、競合他社などに現在株価より高い価格で買収される事です。

厳しいようですが、自転車操業以下の現状で株価上昇は容易ではありません。

ピクセラの業績・株価・配当についてまとめ

ピクセラは過去10年間で99%以上の株価下落を記録しています。

2006年までは配当による株主還元がありましたが、リーマンショック以降株主還元は無くなり、2010年代から業績が大きく低迷しています。

赤字体質が続いており、毎年資金調達をしてやりくりしている状況です。株価上昇を期待する事は現状難しく、今後も苦戦が予想されます。

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