ひふみプラスとは
ひふみプラスとは、主に日本の成長企業を対象とした投資信託のことです。ひふみプラスの基本情報は、以下の表のとおりです。
投資対象 | 主に国内株式 |
---|---|
購入できる場所 | 銀行証券会社その他金融機関 |
購入単位 | 販売会社が定める単位 |
購入価額 | 購入の申込受付日の翌営業日の基準価額(1万口当り) |
購入代金支払期日 | 販売会社が定める日 |
換金単位 | 販売会社が定める単位 |
換金価額 | 解約の請求受付日の翌営業日の基準価額(1万口当り) |
換金代金支払日 | 解約の請求受付日から起算して5営業日目以降 |
申込締切時間 | 購入・換金ともに、毎営業日の15時までに受け付けたものを当日申込みとして扱う ※販売会社によって受付時間が異なる場合がある |
信託期間 | 無期限(2012年5月28日設定) ※約款の規定に基づき、信託契約を解約し、信託を終了させることがある |
決算日 | 毎年9月30日(休業日の場合には、翌営業日) |
信託金の限度額 | 2兆円 |
運用報告書 | 原則、毎年9月の決算時および償還時に、交付運用報告書を委託会社が作成し、販売会社を通じて交付 |
つみたてNISA取扱い | 有(販売会社によっては無) |
買付手数料 | 無料 |
信託報酬 | 純資産総額500億円まで:1.078%(税込) 純資産総額500億円を超える部分:0.968%(税込) 純資産総額1,000億円を超える部分:0.858%(税込) |
監査費用 | 信託財産の純資産総額に対して年率0.0055%以内 |
参照:商品概要|ひふみプラス
ひふみ投信の設立者:藤野英人氏について
ひふみ投信の設立者である藤野英人氏は、元々裁判官や検察官を志望していました。しかし、学生時代の司法合格は叶いませんでした。
その後、社会勉強も兼ねて野村投資顧問(現:野村アセットマネジメント)に入社し、中小型株の運用部門に配属されました。そこで数年間働くうちに、司法試験への熱が冷め、代わりに「いつか会社を作りたい」という希望を抱くようになりました。
入社6年半後には、外資系の運用会社に転職します。そこでは、32歳の時点で「カリスマファンドマネージャー」と呼ばれるほどの手腕を発揮しました。しかし、運用会社で働いていくなかで「日本に良い投資信託はないな」という危機感を抱くようになりました。
そこで立ち上げたのが、ひふみプラスを提供する企業「レオス・キャピタルワークス株式会社」です。現在では「良い人が、好きな人と楽しく働ける場」を作ることを信念に、理想の投資信託を作り上げるべく日々奮闘しています。
ひふみプラスの組入上位銘柄
ひふみプラスの組入上位銘柄は、以下の表のとおりです。
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順位 | 銘柄名 | 銘柄コード | 規模 | 上場市場 | 業種 | 組入比率 |
---|---|---|---|---|---|---|
1位 | アドバンテスト | 6857 | 大型 | プライム市場 | 電気機器 | 2.80% |
2位 | 三菱UFJフィナンシャル・グループ | 8306 | 大型 | プライム市場 | 銀行業 | 2.32% |
3位 | 東京海上ホールディングス | 8766 | 大型 | プライム市場 | 保険業 | 1.99% |
4位 | ソニーグループ | 6758 | 大型 | プライム市場 | 電気機器 | 1.92% |
5位 | 三井住友フィナンシャルグループ | 8316 | 大型 | プライム市場 | 銀行業 | 1.79% |
6位 | 日本電信電話 | 9432 | 大型 | プライム市場 | 情報・通信業 | 1.79% |
7位 | 第一生命ホールディングス | 8750 | 大型 | プライム市場 | 保険業 | 1.75% |
8位 | インターネットイニシアティブ | 3774 | 大型 | プライム市場 | 情報・通信業 | 1.70% |
9位 | ディスコ | 6146 | 大型 | プライム市場 | 機械 | 1.69% |
10位 | GMOペイメントゲートウェイ | 3769 | 大型 | プライム市場 | 情報・通信業 | 1.64% |
ひふみプラスの信託報酬は高い?
ひふみプラスは信託報酬が高いといわれますが、アクティブファンドであるため、確かにインデックスファンドと比べると信託報酬は高めです。しかしひふみプラスの信託報酬は、アクティブファンドのなかでは低めです。
- アクティブファンドのため信託報酬が比較的高い
- アクティブファンドの中では信託報酬が比較的低い
アクティブファンドのため信託報酬が比較的高い
アクティブファンドは、株式指数を上回る運用成績を目指すタイプの投資信託です。一方インデックスファンドとは、株式指数に連動した運用成績を目指す投資信託を指します。
アクティブファンドはインデックスファンドよりも大きな運用益を得られる可能性がありますが、その代わり信託報酬は比較的高めです。実際に、ひふみプラスとインデックスファンドとの信託報酬を比較しました。
金融商品名 | 信託報酬 |
---|---|
ひふみプラス | 純資産総額500億円まで:1.078%(税込) 純資産総額500億円を超える部分:0.968%(税込) 純資産総額1,000億円を超える部分:0.858%(税込) |
eMAXISSlim国内株式(日経平均) | 0.154%(税込) |
インデックスファンド225 | 0.55%(税込) |
参照:商品概要|ひふみプラス
表を見ると、ひふみプラスの信託報酬は、インデックスファンドよりも高めであることがわかります。
アクティブファンドの中では信託報酬が比較的低い
アクティブファンド自体は信託報酬が高めですが、ひふみプラスの信託報酬はアクティブファンドのなかでは比較的低めです。実際に、他のアクティブファンドと比較しました。
金融商品名 | 信託報酬 |
---|---|
ひふみプラス | 純資産総額500億円まで:1.078%(税込) 純資産総額500億円を超える部分:0.968%(税込) 純資産総額1,000億円を超える部分:0.858%(税込) |
セゾン資産形成の達人ファンド | 1.34%±0.2%程度(税込) |
スパークス・新・国際優良日本株ファンド | 1.804%(税込) |
参照:商品概要|ひふみプラス
表を見ると、ひふみプラスの信託報酬は、他のアクティブファンドよりも低めであることがわかります。
ひふみプラスの運用実績・基準価格推移
ひふみプラスの購入を検討している場合、運用実績と基準価格推移も気になるでしょう。以下の見出しでは、ひふみプラスの運用実績と基準価格推移、利回りシミュレーションについて解説します。
- ひふみプラスの運用実績
- ひふみプラスの直近1年の運用実績
- ひふみプラスの利回りをシミュレーション
- ひふみプラスの設定来の基準価額推移
- ひふみプラスの直近1年の基準価額推移
ひふみプラスの運用実績
ひふみプラスの運用実績は、2012年の設定時から基本的に右肩上がりで推移してきています。設定時と比べると361.38%まで成長しており、TOPIXの248.67%を大きく上回っています。
株価指数を上回る運用実績を目指すアクティブファンドには、インデックスファンドより高いリスクがありますが、ひふみプラスは現時点では運用がうまくいっている例の一つといえます。
短期的には、2018年の米中貿易戦争や2020年のコロナショックの影響で暴落したこともあります。しかし、その後は回復しさらに上昇を続けたため、結果的にはひふみプラスを保有し続けた人が大きな運用益を得ることになりました。
短期的な増減はあるものの、長期的に見れば、運用実績は堅調に推移していると見なせます。
純資産総額については、2016年から2018年にかけて急激に増加しましたが、その後は右肩下がりの傾向が見られます。2023年2月時点での純資産総額は4846.90億円です。
ひふみプラスの直近1年の運用実績
ひふみプラスの直近1年の運用実績ですが、+3.21%の微増というかたちで推移しています。ただし、TOPIXもほぼ同様の推移をしているため、これらの運用実績の差は以前として大きいままです。
2021年までは基本的に右肩上がりに成長してきてきたため、直近1年間の運用実績を見て不安を感じることもあるでしょう。しかし、投資信託は長期視点で行うのがセオリーであるため、直近1年間の運用実績だけを切り取って不安視する必要はないと考えられます。
そもそもTOPIXも同様に推移しているということは、市場全体の状況があまり良くなく、他の投資信託も似たような状態になっているでしょう。実際に「スパークス・新・国際優良日本株ファンド」の直近1年間の運用実績を見てみると、リターンが+1.04%と変動は小さいことがわかります。
ひふみプラスの2023年2月度の運用実績は、前月比+1.51%でした。2023年1月の前月比+2.74%と比べるとやや落ち着いています。
ひふみプラスの利回りをシミュレーション
ひふみプラスの利回りを運用期間・毎月積立額別に表としてまとめました。
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投資金額 | 1年 | 3年 | 5年 |
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1,000円/月 | 約300円増(約2.5%) | 約400円増(約1.1%) | 約4,900円増(約8.2%) |
5,000円/月 | 約1,600円増(約2.7%) | 約2,100円増(約1.1%) | 約24,400円増(約8.1%) |
10,000円/月 | 約3,200円増(約2.7%) | 約4,100円増(約1.1%) | 約48,800円増(約8.1%) |
運用期間を直近3年とした場合、コロナショックの影響もあり、利回りは小さくなっています。一方で運用期間を直近5年とした場合は、約8%と投資信託としては高い利回りを記録しています。
上記のシミュレーションは積立投資を前提に行いましたが、一括投資の場合は複利効果で若干利回りが良くなります。運用期間が長くなればなるほど、その差はより大きくなります。
とはいえ積立投資には、小さく始められかつドルコスト平均法によりリスクヘッジできるというメリットがあるため、一概にどちらが良いとはいえません。
ひふみプラスの設定来の基準価額推移
基準価額とは、投資信託の値段のことを指します。投資信託の単位は「1口いくら」と表しますが、この1口に該当するのが基準価額です。例えば「1口1万円」とは、1万円単位で投資できるという意味です。
ひふみプラスの基準価格は、設定当初の1万円から、2023年2月時点で46,138円まで上昇しています。つまり、ひふみプラスへの投資のハードルはその分上がっていると考えられます。
ただし、金融商品としての良し悪しは基準価格だけで決まるものではないため、あくまで参考程度に留めるのが良いです。
ひふみプラスの直近1年の基準価額推移
ひふみプラスの直近1年の基準価額は、ほぼ横ばいです。実際に、直近1年間の毎月の基準価格を表にしました。
2022年3月 | 46,660円 |
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2022年4月 | 44,802円 |
2022年5月 | 45,053円 |
2022年6月 | 43,689円 |
2022年7月 | 44,627円 |
2022年8月 | 45,504円 |
2022年9月 | 43,613円 |
2022年10月 | 45,283円 |
2022年11月 | 45,864円 |
2022年12月 | 44,236円 |
2023年1月 | 45,450円 |
2023年2月 | 46,138円 |
表を見ると、43,000~47,000円程度の小さな幅で変動していることがわかります。
ひふみプラスがやばい・やめた方がいいと言われている理由
ひふみプラスは、やばい・やめた方がいいといわれますが、それだけを鵜呑みして避けるのは賢明な判断ではありません。事実確認をしたうえで、投資判断するのが良いでしょう。
- インデックスファンドより信託報酬がかなり高額
- 日本の経済状況が悪化すると暴落しやすい
- 値動きが大きいため精神衛生上良くない
- 購入のタイミングを誤ると高値づかみとなる可能性も
インデックスファンドより信託報酬がかなり高額
ひふみプラスは、インデックスファンドよりも信託報酬が高めです。ひふみプラスとインデックスファンドの信託報酬の違いは、以下のとおりです。
金融商品名 | 信託報酬 |
---|---|
ひふみプラス | 純資産総額500億円まで:1.078%(税込) 純資産総額500億円を超える部分:0.968%(税込) 純資産総額1,000億円を超える部分:0.858%(税込) |
eMAXISSlim国内株式(日経平均) | 0.154%(税込) |
インデックスファンド225 | 0.55%(税込) |
参照:商品概要|ひふみプラス
表を見ると、ひふみプラスの信託報酬はインデックスファンドの約2~7倍も高いことがわかります。
とはいえ、ひふみプラスの信託報酬は、他のアクティブファンドと比べると低めです。つまり信託報酬の高さは、ひふみプラス固有の問題とはいえません。
日本の経済状況が悪化すると暴落しやすい
ひふみプラスのおもな投資対象は、日本の成長企業です。2023年2月時点では、資産のうち88.33%を国内株式への投資に割いています。
そのため、日本の経済状況が悪化した場合、ひふみプラスの価値も大幅に下落する傾向があります。実際にコロナショックの発生した2020年2月には、前月比-10.0%も暴落しました。
とはいえ、2020年2月の資産配分を見てみると、国内株式の比率は57.0%となっています。
よってひふみプラスには、状況に応じて投資先を分散させる柔軟性もあると考えられます。
また長期的視点では、ひふみプラスの運用実績は右肩上がりで推移しています。数十年単位の長期運用を前提としている場合は、そこまで大きなデメリットとはならない可能性があります。
値動きが大きいため精神衛生上良くない
ひふみプラスをアクティブファンドであるため、日々の値動きがインデックスファンドよりも激しいです。そのために動きによって一喜一憂してしまい精神的に消耗してしまう可能性があります。
短期的な資産運用を検討している人や、値動きが気になって仕事が手につかない人などは、ひふみプラスの購入を慎重に考えたほうが良いです。
一方で長期的な資産運用を前提としている人や、良い意味で預けた資産を放置できる人は、このデメリットはあまり問題とならないでしょう。
そもそも、常に価格が上昇し続けるアクティブファンドなど存在しません。短期的には、必ずどこかのタイミングで下落します。そのことを理解しておくだけでも、日々の値動きによってメンタルが不安定になる可能性は低くなるでしょう。
購入のタイミングを誤ると高値づかみとなる可能性も
高値づかみとは、金融商品を相場の高いところで買った結果、その後価格が下落してしまうことです。
ひふみプラスの基準価格は、設定時から361.38%まで成長しているため、購入のタイミングを間違えると高値掴みとなってしまう可能性があります。
さらにひふみプラスの基準価格は、直近1年では細かい上下を繰り返しておりトレンドが見えないため、購入タイミングを計るのは難しめです。
高値づかみのリスクを避ける方法は、一括投資ではなく、積立投資を選ぶことです。
積立投資であれば毎月決まった金額を投資することになるため、ドルコスト平均法のメリットが活かせます。相場が高いときは少なめに、相場が低いときは多めに金融商品を買うことで、リスクを分散できます。
ひふみプラスの評判・口コミ【掲示板やSNS】
ひふみプラスを実際に購入している人の評判・口コミは、非常に参考になります。そこで、実際にひふみプラスに投資している人の評判・口コミをSNSから探してまとめました。
これらは、直近の口コミですが、以下のような傾向が見られます。
■ひふみプラスの良い評判
- マイナス局面から抜けて上昇傾向にある
- 購入は直販経由でも他の証券会社経由でもそれぞれメリットがある
■ひふみプラスの良くない評判
- 手数料が高すぎて長期保有は厳しい
- ここ数年は全然資産が増えていない
- 直近1年は赤字続き
確かに直近1年は、ひふみプラスの運用実績はあまり良いものでなかったため、ネガティブな口コミのほうが多く見られました。しかし、ひふみプラスの運用実績がプラス局面に入ったという意見もあったため、口コミの傾向は今後変わる可能性があります。
ひふみプラスは解約すべきか
ひふみプラスは解約すべきかどうかですが、一概にどうするのがベストというのはいえません。しかし、現在の一時的な不調を理由に解約を検討しているのであれば、それは慎重になったほうが良いでしょう。
なぜなら、ひふみプラスを含む投資信託は、10年以上のスパンで見れば価格が上昇しているケースが多いためです。そのため、直近数年間の運用実績が良くなくても、その後の数年で状況が変わる可能性は大いにあり得ます。
ただし長期運用を前提としていない場合や、日々の値動きで精神的に消耗してしまう場合は、解約を検討するのも良いでしょう。ひふみプラスは解約手数料が発生しないため、解約手数料によって原本割れする心配も必要ありません。
ひふみプラスの今後の見通し
ひふみプラスの今後の見通しですが、過去の値動きは長期的視点では右肩上がりであるため、今後も成長し続ける可能性が大いにあります。直近2ヶ月はプラスで推移していることからも、復調傾向にあるとわかります。
より長期的な視点では、日本経済の状況によって大きく運用実績が変動する可能性が高いです。ひふみプラスは基本的に資産の約8割を日本株式に充てているためです。
米ドル/円2022年10月頃は150円を超える大幅な円安となっていましたが、現在は133~136円程度で落ち着いています。よってひふみプラスの価格は、またしばらくは大幅に下落する可能性は低いでしょう。
またひふみプラスは、日本の成長企業の株式に投資しており、組入銘柄は常に変更されています。そのため、今後も組入銘柄の新陳代謝によって、価格下落のリスクを抑えてくれると考えられます。
ひふみプラスはやばい?やめた方がいい?【総論】
ひふみプラスはやばい、やめた方がいいという評判についてですが、確かに人によっては向いていないと考えられます。一方で、ひふみプラスが向いている人もいるうえ、ひふみプラスのデメリットはある程度対処できます。
よって、ひふみプラスはやばいという評判を鵜呑みして、それのみを判断根拠とするのは危険です。きちんと自身の状況と照らし合わせたうえで、ひふみプラスが合っているのか検討するのが良いです。
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