40歳独身の平均貯金額はいくら?

40歳独身で貯金2000万円

40歳代独身の平均貯金額は、金融広報中央委員会(令和4年)の調査によると「657万円」でした。中央値は「53万円」です。平均値と中央値の違いは次の通りになります。

  • 平均値…合計の金額を人数で割った数値。一部突出した金額の人がいた場合、平均値に影響を与えてしまう。例えば突出して高い金額の人がいた場合は、平均値を引き上げてしまうため、中間の目安にはならない。
  • 中央値…金額分布の中央になる数値。一部突出した金額の人がいた場合でも中央の値を示すため、中間の目安になる。

平均値が「657万円」、中央値が「53万円」ということは、少数の人が突出して高い貯金額になっていることがわかります。貯金額が「3000万円以上」の人は、全体の「5.9%」いました。また多くの人が、中央値の「53万円」付近の貯金額であるということも言えるでしょう。

参考:金融広報中央委員会(令和4年)の単身世帯調査(per12201.xlsx - 「4」シート)

40歳独身で貯金2000万円の割合

40歳独身で貯金2000万円

40歳代独身で貯金額が「2000万円以上」の人は、全体の「9.9%」でした。つまり、およそ「10%」の人が基準とされる「貯金2000万円」を満たしている状況です。

下表に40歳代独身の「貯金額」と「人数の割合」を示します。

貯金額人数の割合(40歳代独身)
2000万円以上9.9%
1000万円~2000万円未満10.2%
500万円~1000万円未満5.9%
100万円~500万円未満19.8%
100万円未満14.8%
貯金なし35.8%
無回答3.7%

上記の表より「貯金なし」の人が3割以上いることがわかります。中央値が「53万円」となっているのは、「貯金なし」の人が引き下げているためです。

「貯金なし」の人を除外した場合の中央値は「374万円」、平均値は「1045万円」となります。

40歳独身と既婚(2人以上世帯)の貯金2000万円の割合を比較

40歳独身で貯金2000万円

40歳代の既婚(2人以上世帯)で貯金額が「2000万円以上」の人は、全体の「10.1%」でした。40歳代独身の「9.9%」と比較しても、違いはないと言えます。

下表では、40歳代独身と既婚の「貯金額」と「人数の割合」を比較しました。

貯金額人数の割合(40歳代独身)人数の割合(40歳代既婚)
2000万円以上9.9%10.1%
1000万円~2000万円未満10.2%11.2%
500万円~1000万円未満5.9%15.2%
100万円~500万円未満19.8%22.3%
100万円未満14.8%11.1%
貯金なし35.8%26.1%
無回答3.7%3.8%

表より40歳代独身よりも既婚の方が、高い貯金額であることがわかります。40歳代既婚者では、貯金額の中央値は「250万円」、平均値は「825万円」でした。40歳代独身の中央値「53万円」と比較すると、40歳代既婚の方が大きく上回っている状況です。これは既婚者の方が、将来に備えて貯蓄している人が多いためでしょう。

下表は、40歳代独身と既婚の貯金額「平均値」「中央値」の比較です。平均値、中央値ともに、40歳代既婚の方が貯蓄額が多いことがわかります。

項目40歳代独身40歳代既婚
平均値(貯金なし含む)657万円825万円
中央値(貯金なし含む)53万円250万円

参考:金融広報中央委員会(令和4年)の二人以上世帯調査(per22201.xlsx - 「0004」シート)

40歳独身で貯金2000万円あったら何年暮らせる?セミリタイア可能?

40歳独身で貯金2000万円

40歳独身で貯金額が「2000万円」あった場合、何年暮らせるのでしょうか。総務省統計局のデータより、1ヵ月の生活費を「16万円」、収入は「0円」として計算してみます。

2000万円÷16万円=125ヵ月=10年5ヵ月

つまり貯金額「2000万円」あった場合、収入なしで「10年5ヵ月」暮らせることになります。40歳の場合は、50歳までです。

日本人の平均寿命は厚生労働省のデータ(令和3年)より、男性が「81.47歳」、女性が「87.57歳」となります。貯金額「2000万円」を平均寿命までの貯蓄として考えると、足りないと言えるでしょう。

不足している金額

現在「40歳」で寿命を「88歳」と仮定した場合、貯金額はどれくらい必要なのでしょうか。収入は「0円」として計算してみます。

88歳−40歳=48年間=576ヵ月
576ヵ月×16万円(1ヵ月の生活費)=9216万円

つまり40歳でセミリタイアする場合、収入なしなら「9216万円」が必要となります。貯金額「2000万円」との差は次の通りです。

9216万円−2000万円=7216万円

貯金額「2000万円」あった場合でも、「7216万円」不足している結果となります。

年金受給を考慮

65歳からは、年金の受給が可能です。厚生労働省年金局のデータ(令和3年)によると、厚生年金の月あたりの平均額は「14万5665円」となっています。ただし最初は少ない支給額で、年齢が上がるにつれて受給額が上がる仕組みです。65歳時点の支給額はおよそ「7.7万円」となります。

「65歳」から「88歳」まで厚生年金を受給すると仮定した場合、不足している金額は次の通りです。計算しやすいように、厚生年金は端数を取り除き「14万円」とします。

88歳−65歳=23年間=276ヵ月
276ヵ月×14万円=3864万円(厚生年金の受給金額)
7216万円−3864万円=3352万円

つまり厚生年金の受給を考慮に入れて40歳でセミリタイアする場合、貯金額「2000万円」あったとしても「3352万円」不足している結果となりました。貯金額「2000万円」では、40歳でのセミリタイアは難しいと言えるでしょう。

参考:家計調査 / 家計収支編 単身世帯 詳細結果表|総務省統計局

参考:令和3年簡易生命表の概況|厚生労働省

参考:厚生年金保険・国民年金事業の概況(Page8)|厚生労働省

40歳独身で貯金2000万円は、老後資金としては不十分

40歳独身で貯金2000万円

貯金額「2000万円」を老後資金として残しておく場合、金額は十分なのでしょうか。3つのケース「年金の受給なし」「国民年金の受給」「厚生年金の受給」それぞれにおいて、過不足金額を計算してみます。

ここでいう老後とは、「65歳」から「88歳」までの23年間のことです。また基本的なデータは、以下の通りとします。

  • 月あたりの平均生活費:16万円
  • 国民年金の月あたりの平均受給額:5.5万円
  • 厚生年金の月あたりの平均受給額:14万円

項目計算過不足金額
年金の受給なし必要な生活費:
・88歳−65歳=23年間=276ヵ月
・276ヵ月×16万円=4416万円

過不足算出:
4416万円−2000万円=2416万円
「2416万円」不足している
国民年金の受給必要な生活費:4416万円

国民年金受給額:
276ヵ月×5.5万円=1518万円

過不足算出:
4416万円−2000万円−1518万円=898万円
「898万円」不足している
厚生年金の受給必要な生活費:4416万円

厚生年金受給額:
276ヵ月×14万円=3864万円

過不足算出:
4416万円−2000万円−3864万円= −1448万円
「1448万円」余る

上記のように単純計算すると、「年金の受給なし」と「国民年金の受給」のケースでは貯金額の不足があります。一方「厚生年金の受給」のケースでは、不足はないという結果でした。

ただしこの結果は、「65歳までは収入がある」「老後も健康で過ごす」「介護施設には入らない」などの前提が含まれています。また生活水準も最低限のレベルを想定しているため、現在の生活水準を下げる必要が出てくるかも知れません。

現在の生活水準を維持したり、介護施設に入所するなどを検討している場合は、「厚生年金の受給」のケースでも貯金額は不足していると言えるでしょう。

参考:家計調査 / 家計収支編 単身世帯 詳細結果表|総務省統計局

参考:令和3年簡易生命表の概況|厚生労働省

参考:厚生年金保険・国民年金事業の概況(Page8、Page21)|厚生労働省

40歳独身で貯金2000万円貯まったら投資・資産運用しよう

40歳独身で貯金2000万円

40歳独身で貯金額が「2000万円」になった場合、そのまま老後に残しておくことを検討する人も少なくないでしょう。しかし状況によっては、「2000万円」では老後の資金として不足する事態も考えられます。40歳独身で「2000万円」が貯まったら、資金を増やすことを検討するのが良いでしょう。

資金を増やす方法としては、投資や資産運用があります。「貯めた資金がなくなる可能性があるのでは」と心配する方もいるかもしれません。しかし投資や資産運用では、現在の資金を守りながら堅実に進める方法が可能です。

また、まとまった資金があるとその分リターンも大きくなります。増えた利益分も投資や資産運用に回す「複利」で運用すれば、長期的により大きなリターンを得ることが可能です。

下表は「2000万円」の資金を、複利で運用した場合の資産をシミュレーションしています。利回りが「1%」「5%」「10%」それぞれのケースをまとめています。

時間経過利回り1%利回り5%利回り10%
1年後2020万円2100万円2200万円
3年後2061万円2315万円2662万円
5年後2102万円2553万円3221万円
10年後2209万円3258万円5187万円
20年後2440万円5307万円13455万円

例えば、利回り「5%」で20年間複利で運用した場合、「2000万円」の資金が2倍以上の「5307万円」となります。

このように長期的に複利で運用すると、大きなリターンを得ることが可能です。

40歳独身で貯金2000万円の人におすすめの投資・資産運用

40歳独身で貯金2000万円

40歳独身で貯金が「2000万円」ある人は、投資や資産運用で資金を増やすことをおすすめします。まとまったお金を投資や資産運用に使用することで、大きなリターンが期待できるためです。ここでは、おすすめの投資や資産運用について紹介します。

ポイント

  • 個人向け国債で低リスクの運用を可能にする
  • 積立保険で貯蓄しながら保証として活用する
  • 投資信託で専門家に運用を任せる
  • ETFに預けて運用コストを安くする
  • ヘッジファンドで絶対的な収益を求める

個人向け国債で低リスクの運用を可能にする

個人向け国債とは、個人が購入しやすい形に改良された国債です。主に変動10年国債、固定5年国債、固定3年国債の3種類があります。一定期間経過すると国に買い取ってもらうことも可能です。

運用方法個人が1万円から購入することが可能です。半年ごとに利子が支払われ、満期になると元本全額が償還されます。

元本や利子を国が保証してくれるので安全性が高い商品です。
期待できる利回り0.05〜0.33%/年
10年後に期待できる資産増利回り0.33%で運用した場合、元本「2000万円」に対して資産は「約2067万円」となります。
特徴メリットとしては低リスクで運用が可能なことです。また途中で換金しても元本割れはしません。

デメリットとしては、低リスクになっている分、利回りは低く期待できるリターンは小さいです。

積立保険で貯蓄しながら保証として活用する

積立保険とは、貯蓄要素がある保険のことです。例えば学資保険や個人年金保険、養老保険、終身保険などに貯蓄要素が設定されているものになります。保険として万が一のことに備えると同時に、貯蓄も行える商品です。

運用方法掛け捨ての保険とは異なり、保険期間の満期が来たら満期保険金を受け取れる保険です。

保険は万が一の備えという目的があるため、資産運用として考えた場合は、大きなリターンは見込めません。その代わり万が一の保証を担保します。
期待できる利回り2.65〜3.8%/年
10年後に期待できる資産増利回り2.65%で運用した場合、元本「2000万円」に対して資産は「約2597万円」となります。
特徴メリットとしては、保証に備えながら積立ができ、資産形成が可能な点です。半強制的な形ですが貯蓄が可能となります。

デメリットとしては、保険として見たとき「掛け捨て型」の保険と比べて保険料が高く、投資効率が悪い点です。

投資信託で専門家に運用を任せる

投資信託とは、多数の投資家から集めた大きな資金を使用して運用するファンドです。大きな資金で運用するため、大きな利益が期待できます。

また、ファンドマネージャーと呼ばれる専門家が運用や管理を行います。株式や債券、その他の金融商品などに分散投資されるため、リスクを軽減することが可能です。

運用方法投資信託はユニット型とオープン型に分かれます。

ユニット型は運用期間が定められており、募集期間内に集められた資金で運用を行い、満期になると償還されます。募集期間を過ぎると追加購入ができません。また運用期間中は解約ができない投資信託もあります。

オープン型は、運用が開始されてからも追加で購入することが可能な投資信託です。
期待できる利回り3〜10%/年
10年後に期待できる資産増利回り3%で運用した場合、元本「2000万円」に対して資産は「約2687万円」となります。
特徴メリットとしては、投資の専門家に運用を任せられる点です。また分散投資でリスクを軽減することもできます。資産の値動きも分かりやすく透明性がある点もメリットです。

デメリットとしては、元本保証がなく結果として原本割れする可能性もあります。また運用の手数料が掛かる点もデメリットです。

ETFに預けて運用コストを安くする

ETFとは、TOPIXや日経平均株価などの指数に連動するように運用する投資信託です。少額から投資することが可能となります。1つの銘柄の中に複数の銘柄が入っているため、1つの銘柄を購入するだけで分散投資が可能となります。

運用方法少額で分散投資が可能となります。特定の銘柄が値下がりしても、他の銘柄が値上がりしていれば利益が下がることはありません。

また保有費用が安く済むため、長期の投資に向いています。

指数の動きに連動しているため、値動きを把握することが容易です。そのためリアルタイムに現在の利益を把握することが可能となります。
期待できる利回り2.7〜4.94%/年
10年後に期待できる資産増利回り2.7%で運用した場合、元本「2000万円」に対して資産は「約2610万円」となります。
特徴メリットとしては、分散投資が可能なため損失が出にくく、少額で始められるという点です。

デメリットとしては、株主優待を受けられない、利益を再投資することができない点です。

ヘッジファンドで絶対的な収益を求める

ヘッジファンドとは、いろいろな取引の方法を駆使して、絶対的な利益を求めるファンドです。厳しい規制が少なく、比較的自由に運用戦略を設定することが可能となります。ハイリスクハイリターンも設定が可能です。

ただし大口投資家や裕福層向けに出資者を募るため、最低購入金額は1000万円以上とも言われており、一般人には手が出しにくい高額な金額になります。

運用方法どのような状況下でも利益が出るように、さまざまな投資を行います。例えば株式、債券、信用取引、先物取引などです。
期待できる利回り15〜30%/年
10年後に期待できる資産増利回り15%で運用した場合、元本「2000万円」に対して資産は「約8091万円」となります。
特徴メリットとしては、複数に分散投資しているため、リスクを減らすことができます。またプロが運用しているため安心です。

デメリットとしては、購入単価が高額になる点です。最低でも1000万円必要と言われています。

注目ファンド

詳細な投資分析によるバリュー投資を中心に実践しており、短期的な利益追求ではなく安全性を追求しながら中長期的な利益を求めているヘッジファンド。

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40歳独身で貯金が「2000万円」に達したら、投資や資産運用がおすすめです。「2000万円」は大きな資金です。投資や資産運用に取り組んだ場合、大きなリターンが期待できるでしょう。

リスクが少ない方法や、専門家に運用を任せる方法、ハイリスクハイリターンなど、さまざまな種類があります。投資や資産運用を一度検討してみてはいかがでしょうか。

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