貯金4000万円の割合【30〜60代】

貯金4000万円を超えたら

まず貯金4000万円の世帯の割合を、金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査(令和4年)」のデータを元に解説します。ただし、金融広報中央委員会が公表しているの「3000万円以上」の世帯のみであるため、貯金4000万円の世帯の割合は、データから推測した数値になります。

ポイント
  • 単身世帯・年代別「貯金4000万円以上」の割合
  • 2人以上世帯・年代別「貯金4000万円以上」の割合

単身世帯・年代別「貯金4000万円以上」の割合

まずは、単身世帯・年代別「貯金4000万円以上」の世帯の割合を表にまとめました。

■単身世帯・年代別「貯金4000万円以上」の割合

20代0.5%
30代2.7%
40代5.7%
50代9.3%
60代16.4%
70代15.6%

参照:家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和4年)|金融広報中央委員会

上記データには預貯金以外にも、株式や債券、投資信託、生命保険などが含まれています。

年代の上昇とともに割合も増加している傾向がありますが、特に退職金がもらえる60代での増加が顕著です。

2人以上世帯・年代別「貯金4000万円以上」の割合

続いて、2人以上世帯・年代別「貯金4000万円以上」の割合を表にまとめました。

■2人以上世帯・年代別「貯金4000万円以上」の割合

20代1.2%
30代2.1%
40代4.8%
50代10.5%
60代19.7%
70代17.8%

参照:家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和4年)|金融広報中央委員会

年代の上昇とともに割合も増加しているのは、単身世帯のデータと同様の傾向です。しかし、夫婦ともに退職金を貰える世帯があることにより、60代以降の割合は単身世帯と2人以上世帯との間で差が拡がっています。

貯金4000万円を超えたらできること

貯金4000万円を超えたら

貯金4000万円を超えたらできることを知っておくと、達成へのモチベーションが上がるでしょう。また、貯金4000万円を有効活用できるようになります。以下の見出しで解説することは、どれも魅力的な内容です。

ポイント
  • サイドFIREも充分視野に入る
  • 金融資産をより大きく増やしやすくなる
  • 不労所得で生活費の大半を賄うこともできる
  • マイホームや投資用不動産を一括購入できる

サイドFIREも充分視野に入る

サイドFIREとは、資産運用の運用益と労働収入で生きていくライフスタイルのことです。完全なFIREではないため労働は続けることになりますが、今の仕事が嫌な場合、退職して別の好きな仕事で生きていくことも可能です。

貯金4000万円あれば、サイドFIREを実現できる可能性が十分にあります。例えば4000万円を年利5.0%で運用する場合、年間運用益は200万円です。

年間の支出を300万円とした場合、労働収入は100万円程度で足ります。この程度の金額であれば、アルバイトでも十分稼げるでしょう。

金融資産をより大きく増やしやすくなる

資産運用は、元手が大きいほど資産を増やしやすいです。そのため、4000万円を資産運用に回せる場合、資産を大きく増やせる可能性があります。

元手が大きいほど資産を増やしやすい理由は、以下のとおりです。

  • 同じ利回りでも運用益が大きくなる
  • 安全性が高い代わりに利回りが低い金融商品でも十分な運用益を得られる

1点目についてはイメージしやすいでしょう。同じ利回り5.0%で運用する場合、元手が3000万円の場合の年間運用益は150万円、4000万円の場合は200万円です。さらに複利運用することで、その差は非常に大きなものになります。

2点目については、例えば利回り3.0%の商品であっても、元手が4000万円の場合は年間で120万円の運用益を得られます。リスクを抑えてもこれだけの大金を得られるのは、大きな魅力でしょう。

不労所得で生活費の大半を賄うこともできる

貯金4000万円あれば、不労所得を作ることも可能です。例として、不動産投資で毎月家賃収入を得たり、投資信託で資産運用をファンドマネージャーに任せて運用益を得たりするケースが挙げられます。

仮に4000万円を年利5.0%で運用する場合、年間200万円の不労所得を得られます。働かずとも生活費の大半を賄えると、経済的にも精神的も安定しやすいでしょう。

他にも不労所得を得る方法として、ヘッジファンドやREIT(不動産投資信託)があります。ヘッジファンドとREITの詳細は、記事終盤で解説します。

ただし、株式投資や不動産投資などを行う場合は、投資に関する知識が求められます。自身で資産運用する自信がない場合は、投資信託やヘッジファンドを利用してプロに運用を任せると良いです。投資信託の詳細についても、記事終盤で解説します。

マイホームや投資用不動産を一括購入できる

4000万円の貯金があれば、地域や条件にもよりますが、一括で購入できる不動産物件もあります。不動産物件を一括購入することで、利子が発生しなくなるため、総支払額を抑えられます。マイホームだけではなく、投資用不動産も購入可能です。

ただし、ローンを組んで不動産物件を購入することで、レバレッジが利くという側面もあります。そのため、一括購入とローン購入どちらが良いとはいい切れません。ただ、どちらも選べるようになるのは、貯金が豊富にあるためならではのメリットです。

貯金4000万円でセミリタイアは可能か

貯金4000万円を超えたら

貯金4000万円でセミリタイアは可能かについて、結論からいうと可能です。ただし、セミリタイア後の収入や生活水準によって実現可能か、また何年暮らせるかは異なります。

貯金4000万円でセミリタイアした場合何年生きられるのか、収入と支出別に算出しました。

■貯金4000万円でセミリタイアした場合に暮らせる年数(年収、年間支出別)

▼スクロールできます

年間支出
年収
240万円300万円360万円420万円480万円
100万円28年20年15年12年10年
150万円44年26年18年14年12年
200万円100年40年25年18年14年
250万円何年でも生きられる80年36年23年17年
300万円何年でも生きられる何年でも生きられる66年33年22年

たとえば年収300万円の場合、年間支出360万~400万円程度であればかなり長い期間を生きられます。一方年収が100万円程度の場合、生活水準を低めに設定したとしても長期間生活するのは厳しいため、同時に資産運用を行うのがおすすめです。

貯金4000万円は60歳以降の老後資金として十分?

貯金4000万円を超えたら

貯金4000万円は60歳以降の老後資金として十分かどうかですが、結論からいうと充分とはいい切れません。特にゆとりある老後生活を実現したい場合は、貯金4000万円のみではかなり厳しいでしょう。

実際に厚生労働省の調査では「60歳代のゆとりある老後生活費」は平均で月37.8万円であることが分かっています。

60歳から30年間生きると仮定した場合、その間にかかる生活費は1億3608万円です。一方で老齢年金受給額の平均は、厚生労働省の「令和3年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、以下のとおりとされています。

  • 国民年金:月5万6479円
  • 厚生年金:月14万4903円
  • 計:月20万1382円

この金額を30年間受給し続けた場合の総額は、7249万7520円です。先ほど算出した生活費1億3608万円と年金受給額の差額は、6,358万2,480円です。つまり、4000万円では足りません。

生活水準を下げれば、4000万円でも充分な可能性があります。しかし、ゆとりのある老後生活を楽しみたい場合は、労働や資産運用で資産を増やさないと厳しいでしょう。

貯金4000万円を達成するためのポイント

貯金4000万円を超えたら

貯金4000万円を達成するためのポイントを押さえることで、より早く確実に目標を達成できる可能性が上がります。以下の見出しで解説する5つのポイントは、いずれも欠かせないものです。

ポイント
  • いつまでにいくら貯めるのか明確に決める
  • 先取り貯金で毎月一定額を貯蓄に回す
  • 家計簿をつけて収支や貯蓄に回せる金額を把握する
  • 固定費を下げて浮いた資金を貯蓄に回す
  • なるべく早期から資産運用を始める

いつまでにいくら貯めるのか明確に決める

目標達成期限を明確に決めたほうが、資産を早く確実に積み上げられます。受験や仕事などで、期限に追われることでタスクを効率よく実行できた経験があるとわかりやすいですが、貯金も同じです。

たとえば、10年後までに子どもの学費2000万円を用意するという目標を立てたとします。このように具体的な目標と期限がある場合、必要ないものを衝動買いすることが減るでしょう。また、期限を決めることでモチベーションも維持しやすくなるというメリットがあります。

先取り貯金で毎月一定額を貯蓄に回す

先取り貯金とは、収入から先に貯蓄分を天引きし、残りの資金で生活することです。例えば毎月の収入が40万円、貯蓄額が10万円の場合、10万円を除いた残り30万円を生活資金とします。

先取り貯金のメリットは、毎月確実に決まった金額を貯金に回せることです。実践してみるとよくわかりますが「余ったお金を貯金に回そう」と思っても、なかなか上手くいきません。

天引きしたお金は、銀行の定期積立や勤め先の財形貯蓄など、引き出すのに手間がかかる口座に預けるとより効果的です。そうすることで、つい貯金に手を出してしまう可能性が低くなります。

家計簿をつけて収支や貯蓄に回せる金額を把握する

家計簿をつけて収支を明確にすることで、初めて毎月貯金可能な金額が分かります。また、支出のなかで無駄なものを特定し、浮いた分を貯蓄に回すことも可能です。

家計簿をつけるのが面倒な場合は、家計簿アプリが手軽でおすすめです。家計簿アプリすら抵抗がある場合は、支払をなるべくクレジットカードなどのキャッシュレス決済にするのも良いでしょう。そうすることで、管理画面を家計簿代わりとして使えます。

家計簿を継続するコツは、毎日の習慣にすることです。そうすることで、歯磨きのごとく毎日当たり前のように継続できるでしょう。

固定費を下げて浮いた資金を貯蓄に回す

固定費とは、毎月の支出が決まっている費用のことです。例えば水道光熱費や家賃、スマートフォン利用料、通信費、保険料、サブスクリプションサービスなどが挙げられます。

固定費が高いと、貯蓄に回せる金額が小さくなります。固定費の中で削減可能なものは、なるべくカットしましょう。見直しやすいポイントは、主に以下のとおりです。

  • スマートフォンを格安SIMに変更できないか
  • 不必要な保険に加入していないか
  • 使用頻度の低いサブスクリプションサービスはないか

なるべく早期から資産運用を始める

資産運用を始めるタイミングは、早ければ早いほど良いです。なぜなら、資産運用を早く始めれば始めるほど、複利効果が大きくなるためです。

例えば毎月5万円を資産運用に充て、年利5.0%で運用した場合、運用期間5年と10年でそれぞれ以下の金額が貯まります。

  • 運用期間5年の場合:304万305円
  • 運用期間10年の場合:776万4114円

参照:資産運用かんたんシミュレーション|アセットマネジメントOne

運用期間は2倍にもかかわらず、資産額には約2.5倍もの差が出ます。複利効果はこれだけ強力なものであるため、資産運用はなるべく早く始めるのがおすすめです。

貯金4000万円を超えたらおすすめの投資・資産運用

貯金4000万円を超えたら

貯金4000万を達成するためのポイントについて説明したところで、貯金4000万円を超えたらおすすめの資産運用方法を紹介します。

資産運用方法は、目標金額や許容できるリスクをもとに決めるのが良いです。また、同時に複数の資産運用方法を実施するのも、リスクヘッジの観点からおすすめです。

ポイント
  • ヘッジファンド|富裕層だけが始められる投資
  • 株式投資|配当金で定期収入&売却益で大儲け
  • 不動産投資|運用次第で半自動的に収入を得られる
  • 投資信託|ハードルが低く安全性は高め
  • REIT(不動産投資信託)|簡単に不動産投資できる

ヘッジファンド|富裕層だけが始められる投資

ヘッジファンドとは、機関投資家や富裕層から集めた資金をファンドマネージャーに運用させ、相場の上昇・下落どちらの局面でも利益を狙う機関のことです。

ヘッジファンドの「ヘッジ」とは「避ける」という意味です。資産運用においても、相場の乱高下や長期的な不況などなどさまざまなリスクを想定し、それらを回避しながら利益を目指します。

ヘッジファンドの最低投資額は基本的に1000万円以上、ファンドによっては数千万円~数億円に設定されています。しかし、貯金4000万円あれば多くのファンドを選択肢に入れられるでしょう。

ヘッジファンドの利回り相場は、6.0~30.0%と幅が広めです。想定利回りとリスクの大きさは比例する傾向にあるため、それぞれを考慮してヘッジファンドを選ぶと良いです。

注目ファンド

詳細な投資分析によるバリュー投資を中心に実践しており、短期的な利益追求ではなく安全性を追求しながら中長期的な利益を求めているヘッジファンド。

詳細はこちら

株式投資|配当金で定期収入&売却益で大儲け

株式投資は、企業が資金調達の際に発行する「株式」を購入し、それを活用して利益を狙う投資方法です。株式投資で得られる運用益の種類は、大きく2つに分けられます。

1つ目は、配当金です。配当金とは、株式発行元の企業が利益を出した際に、持株数に応じて配分されるお金のことです。業績が安定している企業であれば、配当金も毎年受け取れる可能性があります。

2つ目は、売却益です。株式も世の中のあらゆる商品と同様に、安い時に買い高くなったら売ることで、その差額を利益として得られます。

売却益を狙う投資方法は、リスクが高めです。一方で、一度に多額の利益を得られるチャンスがあります。

株式の利回り相場は、4.0~7.0%程度です。売却益をメインに狙う場合は、より高い数値を期待できます。

不動産投資|運用次第で半自動的に収入を得られる

不動産投資は、居住用ではなく投資用に不動産購入し、運用することで利益を狙う投資方法です。不動産投資で得られる利益は、大きく2種類に分けられます。

1つ目は、家賃収入です。不動産を賃貸に出すことで、毎月家賃収入を安定的に得られる可能性があります。物件のメンテナンスや住民対応には手間がかかりますが、これらを管理会社に委託することで、半自動的に収益を得られます。

2つ目は、譲渡所得です。保有している不動産が値上がりした場合、そのタイミングで売れば購入時の価格との差額を利益として得られます。

不動産を購入する場合はローンを活用することが多いですが、貯金が4000万円ある場合は一括購入も可能です。一括購入することで利息を支払う必要がなくなるため、総支払額は小さくなります。

不動産投資の利回りは3.3~6.5%で、地域(首都圏か地方か)や物件タイプ(一戸建て、区分マンションなど)によって異なります。

投資信託|ハードルが低く安全性は高め

投資信託は、資産をファンドマネージャーに預け、自身の代わりに運用してもらう金融商品です。投資信託は最低100円から始められるため、ハードルが非常に低いです。

また投資信託は、資産運用ファンドマネージャーに任せるため、投資の知識があまりなくても問題ありません。投資について勉強するのが厳しいという場合は、投資信託はおすすめの選択肢のひとつです。

投資信託は、資産運用方法のなかでも安全性が高いとされています。なぜなら、ひとつの投資信託で同時にさまざまな銘柄に投資できるためです。

最初から多額の資金を投資信託に回すことで、複利効果によって資産は大きく膨らむ可能性があります。一方で、一気に多額の資金を投入するのに抵抗がある場合は、積立投資によってリスクを抑えながら資産を積み上げるのもおすすめです。

投資信託の平均利回りは、3.0%~10.0%程度です。

REIT(不動産投資信託)|簡単に不動産投資できる

REIT(不動産投資信託)とは、投資家から集めた資金を不動産の購入に充て、運用益を投資家に分配する金融商品のことです。つまり、不動産に特化した投資信託です。分類も不動産投資ではなく、投資信託の一種に該当します。

REITは通常の不動産投資とは異なり、大きな元手がなくても始められます。そのため、いきなり不動産を買うのは怖いという場合にもおすすめです。

ちなみにREITは「クローズドエンド型」であるため、基本的には途中解約できません。しかし、市場での売買はできるため、流動性はある程度担保されています。

REITのなかでも、日本で購入できるのがJ-REITです。J-REITの利回り相場は、一般社団法人不動産証券化協会の調査によると、2023年2月時点では4.09%とされています。

貯金4000万円を超えたら資産運用を始めよう

貯金4000円超えたら、資産運用を始めましょう。なぜなら貯金4000万円では、ゆとりのある生活をするのには不十分であると考えられるためです。また、ただ銀行口座に預けておくだけでは増えないためもったいないです。

貯金4000万円のうち、余剰資金を資産運用に回すことで、ゆとりのある生活を実現しやすくなります。したがって、貯金4000円超えたら資産運用を始めると良いです。

【2024年】日本国内ヘッジファンドおすすめランキング10選一覧

この記事では、ヘッジファンドのおすすめをランキング形式でご紹介します。ヘッジファンドと聞くとどのようなイメージをお持ちでしょうか。政府が進める「貯蓄から投資へ」の流れの中で、株...