セゾン投信の「セゾン投信の達人ファンド」とは

セゾン投信

セゾン投信の「セゾン資産形成の達人ファンド」とは、長期的な視点で個別銘柄の調査を行うファンドへの投資を通じて、世界の株式にアクティブ投資する日本国内のヘッジファンドです。

セゾン資産形成の達人ファンドの主な特徴は、以下の通りです。

  • 株式に投資…長期的に高いリターンが期待できる株式に投資
  • 国際分散投資…世界各国の株式に分散投資。資産配分利率は各国の状況やカントリーリスクなどを勘案しながら長期的な視点で決定。
  • アクティブファンドに投資…主として個別銘柄を追うアクティブファンドが投資対象
  • 為替ヘッジ…原則として為替ヘッジは行わない

※為替ヘッジとは、急激な円高・円安の影響を受けないよう運用する特約です。為替リスクを受けない分、ヘッジコストが必要となります。

ポイント
  • セゾン達人ファンドは世界の株式へのアクティブ投資が特徴
  • セゾン達人ファンドはファンド・オブ・ファンズ
  • セゾン達人ファンドの手数料について
  • セゾン達人ファンドの受賞歴について

セゾン達人ファンドは世界の株式へのアクティブ投資が特徴

2022年12月現在、セゾン達人ファンドは下図の通り、投資地域の約7割が北米・欧州です。また投資領域としてはコミュニケーション・サービスが約4%、一般消費財・サービスが14.6%、生活必需品が8.8%であることが発表されています。

ホームページに記載されている投資先ファンドの選定条件は、「企業分析をしっかり行っていること」「長期的な視点で運用されていること」「費用が適正なこと」の3点です。同じくアクティ運用で人気の高いバーンスタイン米国投信がIT領域に張っていることと比べると、特徴的な投資ポートフォリオといえるでしょう。

セゾン投信 セゾン投信

セゾン達人ファンドはファンド・オブ・ファンズ

セゾン達人ファンドはファンド・オブ・ファンズです。直接有望な企業に投資するのではなく、有望な企業を選別しているファンドへ達人ファンドが投資します。ファン・オブ・ファンズの特徴は特定の企業株に重きを置かない分、下落リスクを軽減できることと、トレーダーの視点を自社と購入先のファンドと二重に入れることができる点です。

2022年12月現在、セゾン達人ファンドは著名なバンガードのほか、前項にてお伝えしたバーンスタイン米国ファンドにも投資しています。2023年3月にアメリカで複数の銀行が破綻するニュースが流れてきているため、セゾン投資ファンドが今後のポートフォリオをどのように考えているか注目されます。

セゾン達人ファンドの手数料について

セゾン達人ファンドの手数料は以下の通りです。

購入時手数料0%
実質的に負担する信託報酬年1.34%±0.2%程度(税込)
信託財産留保額0.1%

似た性格のアクティブファンドと比べると、信託報酬は割高な印象を持ちます。定期的なリバランスと、短期的な収益ではなく社会から見て有益な企業に投資をするという信念を信じてファンドを所有する中野社長をはじめとした同社のファンが多い印象を持ちます。

一方でファンド売却を決断する方は他社と比べての手数料の高さが売却の判断材料になっているようですので、投資家として何を優先するかでしょうか。

セゾン達人ファンドの受賞歴について

セゾン投信は華々しい受賞歴を重ねています。2022年に関しても2月に「Fund of the Year 2021 第7位」、2022年3月に「リフィニティブ・リッパ-・ファンド・アワード・ジャパン2022 最優秀ファンドダブル受賞」、同年4月には「R&Iファンド大賞2022」をダブル受賞しています。

このあたりの受賞歴も、数あるヘッジファンドのなかで誠実性の高い印象が強い根拠となっているのでしょう。

セゾン投信の「セゾン投信の達人ファンド」はどのように投資信託を選んでいるか

セゾン投信

ホームページによると、セゾン投信が投資ファンドを選ぶ基準は以下の3段階です。

  • 運用方針に合致するファンドを選定
  • 幅広い分散を基本として、長期的な視点で組み入れ比率を決定
  • 市場の行き過ぎを活用することを意識しながら投資を実施

ここに限った話ではありませんが、セゾン投資は全体の印象として「長期的」という言葉が並びます。個人投資家にとっては長期投資はリスクとリターンを均一化する手段ですが、リバランスを前提としたヘッジファンドには不釣り合いな印象です。

それでも同社は社会性に秀でた企業を支援することにより、ヘッジファンドとしてのブランディングを高めているようにも映ります。一見リバランスには消極的な印象も受けますが、そのあたりのバランスが秀逸なのでしょう。

中野社長のライフワークに「草食投資隊」がありますが(コモンズ投信の渋沢会長とレオスキャピタルの藤野CIOとの3名で結成)、投資先の傾向としても時間をかけて着実に企業規模を伸ばしていく印象が強いです。

セゾン投信「セゾン資産形成達人ファンド」の運用成績

セゾン投信

上記のセゾン資産形成の達人ファンドの運用成績を見ると、2007年のファンド設定依頼長い時間をかけてファンド資金を集め、2015年前後から純資産総額を積み上げてきました。

2023年現在も右肩上がりで資産は積みあがっていますが、基準価格は停滞・下落している印象を受けます。セゾン投信で運用しているファンドは3本のみで、運用資産残高5000億円超(2022年3月末時点)という少数精鋭の傾向があります。

そのうち今回の記事でメインで取り上げている「セゾン資産形成の達人ファンド」は約1900億円、2022年12月に新規設定されたばかりの「セゾン共創日本ファンド」は約17億円です。喫緊の成績だけではなく、長期的な安心感があるからセゾン投信を積み立てている、という投資家も目立つように思います。

なお、NISAでセゾン投信を購入している方も多いです。NISAは2024年から新制度が始まりますが、社会的貢献性も加味するNISAは金融庁としても推奨しやすいファンドといえるため、継続して購入できるものと考えられます。

セゾン投信「セゾン資産形成達人ファンド」の今後の見通し

セゾン投信

2023年に入って乱高下気味だったセゾン投信の基準価格ですが、春以降持ち直している印象があります。2023年3月に入ってアメリカ・シリコンバレーのスタートアップ向け銀行が破綻しましたが、セゾン投資の投資先からは領域が少しずれている印象です。

とはいえ、ファンドのなかで投資割合が大きいアメリカの金融不安がどのように影響していくでしょうか。ただセゾン投信は、金融庁が公表を促している共通KPIにおいても「99%の顧客が利益を出している」と発表しています。

ここ数年はウィズコロナによる金融緩和で株価上昇局面だったものの、2023年に入り繰り返しアメリカの利上げが示唆され、リセッションの可能性が叫ばれるなど、局面は確実に変わっています。

そもそもセゾン投信の好むポートフォリオは消費財や生活必需品など実生活に即したものが多く、世界各国において生活に日常が戻るなか大きなマイナス要因はないのではないかという見立てが強いです。

ただそのなかでも、ロシアとウクライナの戦争の行く末など消費財に影響のあるカントリーリスクの動き(特にマイナス要因として)には留意すべきだといえます。

上記の表も喫緊の数カ月の上下で訝しがる声もありますが、そもそも十数年スパンでは大きくグロースしている投資信託といえるでしょう。繰り返しになりますが、長期投資の社会的意義と短期的な利益は時に反比例します。

セゾン投資は両面で成功を収めているヘッジファンドと定義できるものではないでしょうか。

セゾン投信「セゾン資産形成達人ファンド」をおすすめしない理由

セゾン投信

一方でネガティブな評価もあります。セゾン投信の「セゾン資産形成の達人ファンド」をおすすめしない理由には、長期投資やファンド・オブ・ファンズのデメリット部分に難色を示す意見が目立ちます。

ポイント
  • セゾン投信の長期重視は時代に合わない?
  • ファンド・オブ・ファンズの危険性
  • 新NISAのもとでの投資追加はおすすめか

セゾン投信の長期重視は時代に合わない?

セゾン投信の掲げている長期投資ですが、2023年に入り段々と世情不安が強くなってきたように思います。特にセゾン投資が重視している北米は来年2024年に大統領選挙も控えており、国民間の分断も深刻です。

ロシアとウクライナの戦争も近々、何かしらの結果が出るような空気感にもなっています。長期投資を掲げながら、必要な場面では先を見たリバランス策が打てるかどうかが、セゾン投信周りのマイナス意見を沈静化させるきっかけになるでしょう。

長期投資には1つのファンドを継続して所有することと、投資習慣を長期に渡り継続することがあります。同社は長期投資という言葉の先駆者として、使い分けていて欲しいものです。

ファンド・オブ・ファンズの危険性

セゾン投信のデメリットとして代表的なものは投資コストの高さです。セゾン投信はファンド・オブ・ファンズのため、同社の先にもトレーダーがおり、ファンドがあります。インターネットのSNS上でもセゾン投信は手数料が高いけれど、運用成績がいいので継続している、という声が目立ちます。

統計が無いのでわかりませんが、NISAとしてあまりスイッチングを意識していない所有者が多いという傾向も強いかもしれません。なお、コロナ初期のような各種ファンドが軒並み値を下げる事態は当面考えづらいため、同社もうまくリバランスしていくことでリスクを軽減していけるのではないでしょうか。

新NISAのもとでの投資追加はおすすめか

2024年からはNISA新制度がはじまり、最高で年額上限360万円となることに加え、購入ファンドを売却したあと、その購入枠が消去される(生涯投資枠の設置)もあります。現在年40万円(月3万円前後)でつみたてNISAをしている方が、更に投資枠を拡大するという動きは活発化するでしょう。

全額をセゾン投信に費やすよりかは、中野社長も推奨する分散投資をお勧めします。同じアクティブファンドでもいいですし、リスク分散化を考えてインデックスやETFを購入するのもバランスがとれています。2024年初頭はカントリーリスクも懸念されるため、様子見を決める姿勢も大切かもしれません。

注目ファンド

詳細な投資分析によるバリュー投資を中心に実践しており、短期的な利益追求ではなく安全性を追求しながら中長期的な利益を求めているヘッジファンド。

詳細はこちら

セゾン投信「セゾン資産形成の達人ファンド」の掲示板・SNSの口コミや評判

セゾン投信

セゾン投信のセゾン資産形成ファンドはインターネットを中心とした評判はとても高いものです。手数料が高いという指摘は多々ありますが、ファンド・オブ・ファンズなので仕方がないともいえるでしょう。

セゾン投信さん
リフィニティブ・リッパー・ファンド・アワード・ジャパン 2023
最優秀ファンド賞 9年連続受賞
おめでとうございます

引用:Twitter


おすすめのファンドです。 僕は株をしても仮想通貨をしても損益ばかり発生してましたが、このファンドを買うようになってから利益ばかりです。長期チャートを見ても右肩上がりです。 このファンドは長期積立に向いていると思います。

引用:みんかぶ


5年前ぐらいに知識もなく始めたセゾン投信で
セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド
セゾン資産形成の達人ファンド
を積み立て続けているけどたまにくる暴落時でもずっとプラスのまま。
投資信託は5年・10年その先を見据えるとはこういうことか。

引用:Twitter


セゾン投信セゾン資産形成の達人ファンド、ここで言われてる通り手数料は高めなのでおススメはしませんが、10年前からコツコツと少額ずつ積み立ててこの含み益です。

引用:Twitter


セゾン投信のファンドは、オイラがセットしている「セゾン資産形成の達人ファンド」(世界株式100 %)の他に、「セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド」(株式50%債権50%)もある。投資初心者の方とか、より安定的に運用したい方には、後記のバランスファンドもおすすめ。

引用:Twitter

セゾン投信に対してポジティブ・ネガティブ両局面の意見を集めました。ポジティブは現時点(2023年3月時点)の好成績や社会性の強いファンドのブランディング姿勢について評価している一方、ネガティブ派はアメリカ中心のポートフォリオや、いわゆる動きの遅さについて警鐘を鳴らす意見が目立ちます。

相場環境の影響を受けない資産運用を行おう

セゾン投信

投資信託に限った話ではありませんが、アクティブファンドなど積極的な運用で資産形成をしている以上、相場環境の影響を受けないのは不可能です。そもそも金融機関にお金を預けていても増えないがための運用希望という方も多いでしょう。

よくインデックス運用は証券会社やヘッジファンドを全面的に信じるべし、という意見も目立ちますが、少なくとも自分のポートフォリオがどのようなリスクを掲げているか随時把握するようにしましょう。

相場環境の影響を受けない、は不可能だとしても、相場環境の影響を想定内にする、ことは大切だと考えられます。ましてや2023年は金融政策の変化やカントリーリスクが大きい数年間の入り口になると予測する識者も多いです。

個人投資家それぞれの心構えが大切といえるでしょう。

セゾン投信「セゾン資産形成ファンド」についておさらい

セゾン投信のセゾン資産形成の達人ファンドは10年以上前から運用されるアクティブファンドです。代表者の長期投資に関する信念も合わさり、とても人気の高いヘッジファンドとなっています。

一方でファンド・オブ・ファンズであることから手数料の高さを指摘されるSNSの投稿も多く、ネガティブな側面となっています。ファンドの立ち位置を理解し、購入を検討するようにしましょう。

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