貯金5000万円とは準富裕層の資産水準

貯金5000万円とは準富裕層の資産水準

保有する資産額に応じて世帯を分けたとき、自世帯がどのグループにいるのか理解することで、セミリタイアに関して現実的な見方ができます。野村総合研究所によると貯金5000万円世帯は「準富裕層」に属しており、日本には約341万世帯(2019年調べ)あるとされています。

これは日本全体の「約7.4%」にあたります。準富裕層の割合は2005年以降ずっと右肩上がりであり、資産額が1億円を超える富裕層に上がる人も増加していると予測されています。

参考:野村総合研究所「日本の富裕層は133万世帯、純金融資産総額は333兆円と推計」

貯金5000万円を超えている割合|40歳・50歳・60歳

貯金5000万円を超えている割合

全体の「7.4%」にあたる貯金5000万円を超える準富裕層ですが、どの年代の割合が最も多いのでしょうか。次からはそれぞれの年代ごとに、金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査(令和4年)」を元に解説していきます。

ただし金融広報中央委員会が公表しているのは「3000万円以上」の世帯のみであるため、あくまで参考として考えてください。

参考:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査(令和4年)」

ポイント
  • 貯金5000万円を超えている40歳の割合
  • 貯金5000万円を超えている50歳の割合
  • 貯金5000万円を超えている60歳の割合

貯金5000万円を超えている40歳の割合

金融資産保有額が3000万円を超えている40代の割合は、金融商品を保有している全世帯のうち「7.2%」であり、金融商品を保有していない世帯を含めると「5.2%」となります。金融資産保有世帯における40代全体での平均資産額は「1114万円」であり、そのうち定期預金を含む預貯金が占めるのは「469万円」となっています。

貯金5000万円を超えている50歳の割合

金融資産保有額が3000万円を超えている50代の割合は、金融商品を保有している全世帯のうち「14.7%」であり、金融商品を保有していない世帯を含めると「10.5%」となります。金融資産保有世帯における50代全体での平均資産額は「1705万円」であり、そのうち定期預金を含む預貯金が占めるのは「672万円」となっています。

貯金5000万円を超えている60歳の割合

金融資産保有額が3000万円を超えている60代の割合は、金融商品を保有している全世帯のうち「25.0%」であり、金融商品を保有していない世帯を含めると「19.2%」となります。金融資産保有世帯における60代全体での平均値は「2217万円」であり、そのうち定期預金を含む預貯金が占めるのは「1038万円」と、40・50代よりも現金が占める割合が高くなっています。

貯金5000万円を超えたら得られるメリット

貯金5000万円を超えたら得られるメリット

貯金5000万円を超えたらどのようなメリットが得られるのでしょうか。貯金5000万円以上を超えることで得られる主なメリットを3つ紹介します。

ポイント
  • 十分にゆとりのある老後生活を送ることが可能
  • 人間関係に縛られない自由な時間ができる
  • 生活費以外の資金で資産運用ができる

十分にゆとりのある老後生活を送ることが可能

貯金5000万円を超えたら、老後もゆとりのある生活が可能となります。生命保険文化センターによると、老後に必要な生活費は月額で「23.2万円」、ゆとりある生活を送りたい場合は「37.9万円」が必要とされています。

貯金5000万円を達成している世帯は、全く無収入でも10~15年程度は余裕のある生活ができる計算となります。セミリタイアでは月数万円の収入が得られる仕事を別に行っていることが前提であるため、貯金5000万円は普通の生活を送るのに何不自由ない資産額といえるでしょう。

都市部ではなく家賃や生活費等が安い郊外で暮らす場合は、老後に向けたセミリタイアの難易度がさらに低くなります。また定年を待たずに早期リタイアした場合でも副業や不動産経営等による副収入がある方は余裕のある生活が可能ですが、この場合はあくまで「最低限の生活費は収入で賄える」能力があることが前提となる点には注意が必要です。

参考:公益財団法人生命保険文化センター「老後の生活費はいくらくらい必要と考える?」

人間関係に縛られない自由な時間ができる

貯金5000万円を超えたら、セミリタイアすることにより自由な時間が大幅に増えます。とりわけフルタイムでの仕事を当然のように行ってきた方は、自分の好きなことをできる時間が大幅に増えるため、身体的または精神的なストレスから開放されます。

これにより長時間労働や職場の人間関係を起因とするうつ病等の精神疾患に罹るリスクも低くなります。また少ない収入を得るための仕事時間以外は、国内や海外に旅行に行ったり、プログラミングやCGデザインなど新しいことに挑戦できるかもしれません。

たとえ高齢になってからでもリスキリング(学び直し)を実践するなら、在宅で収入を得る手段も増えることになるため一石二鳥です。ただし「自由な時間が多い」ということは、「何もしない」時間が増えるということでもあります。

人間関係が希薄になることで強い孤独感を感じるようになったり、自宅にいることが増えて運動不足になるなど健康面でのリスクもあるため、たとえセミリタイアしても「心身共にアクティブに活動する」ことを心がけるべきです。

生活費以外の資金で資産運用ができる

貯金5000万円を超えたら、その資産を元手として低リスクの資産運用が可能となります。例えば、貯金5000万円を利回り3%で30年間運用するだけで複利の効果も合わせて 1億2000万円の資産運用が可能です。5%で運用すると30年間で約2億円以上になり4倍以上の資産になります。資産運用を適切に行うには、ポートフォリオを組み長期投資を行いましょう。

貯金5000万円を超えたら何年暮らせる?セミリタイア可能?

貯金5000万円を超えたら何年暮らせる

貯金5000万円を超えたらセミリタイアできるかどうかを考えるとき、「セミリタイアした後に何不自由ない生活を送れるか」という基準で考えることが重要です。過去に「老後2000万円問題」が話題になったことがありますが、老後を何不自由なく過ごすために少なくとも2000万円以上の大金が必要だという前提で考えるならば、準富裕層はそのボーダーラインを軽々とクリアしていることになります。

しかし先程解説したように、余裕がある生活をするためには1ヶ月あたり約37万円が必要であり、貯金5000万円だと「10年弱」で貯金が底をついてしまう計算となります。それも定年を迎えてからではなく、30・40代という早期でリタイアした方は老後を迎える前に貯金が底をつくことになります。

将来的に大規模なインフレが発生し資産価値が大幅に下がった場合、さらに生活は苦しくなるでしょう。そのためセミリタイアを30年以上の長期スパンで考えるなら、少なくとも月10万円程度の収入を得られる環境を整えておく必要があるため、資産運用の活用を前提としたセミリタイアも視野に入れるべきです。

貯金5000万円から1億円を目指すには|狙うべき利回り率

貯金5000万円から1億円を目指すには

セミリタイアを長期スパンで考えた場合貯金5000万円では厳しいですが、もし貯金が「1億円」ある状態でセミリタイアするとどうなるでしょうか。貯金が1億円あれば、月々37万円の余裕ある生活を無収入状態で送っても20~25年程度は暮らせる計算になります。

では、資産運用により10年で貯金5000万円から1億円を目指したい場合、どれだけの利回りが必要となるでしょうか。年率ごとに将来の資産額を計算した計算結果は次のとおりです。

  • 年率3%:67,467,678円
  • 年率5%:82,350,475円
  • 年率7%:100,483,069円

このように資産運用で貯金1億円を10年で達成するには、期待利回りが年7%程度は必要です。これはあくまで期待値であり、運用期間中にインフレ率が2%高くなるだけで1000〜2000万円という単位で総資産額が大幅に減ることもあり得るため、可能であれば積極運用により8〜10%の利回りを達成するのが理想となります。

参考:アセットマネジメントOne「簡単投資シミュレーション」

貯金5000万円を超えたらおすすめの投資・資産運用

貯金5000万円を超えたらおすすめの投資・資産運用

余裕のあるセミリタイアを実現するために、貯金5000万円を超えたら投資や資産運用で1億円を目指そうとしている方は多いでしょう。そこで次からは、貯金5000万円を超えたらおすすめできる資産を増やすための4つの手法についてそれぞれ解説していきます。

ポイント
  • ヘッジファンド:高いリターンを期待できる
  • 株式投資:ノウハウが豊富な投資方法
  • 不動産投資:手堅い長期的収入を得られる
  • 投資信託:運用をプロに一任できる

ヘッジファンド:高いリターンを期待できる

他の投資方法と比較して、利回り「10%以上」による高いリターンを期待できるのが「ヘッジファンド」です。ヘッジファンドでは主に富裕層の資産家・投資家が対象となる資産運用方法であり、株式や債権、為替や先物取引など複数の商品に対して分散投資を行います。

ヘッジファンドは積極的に売りポジションを取るなど、これと似た投資方法である投資信託よりも自由な運用が可能です。株価等の市場が下落した場合でも利益を出すことが可能であるため、その名の通りリスクをヘッジ(回避)しながら高い利回り・リターンを期待できます。

またヘッジファンドの運用はプロのファンドマネージャーが行うため、投資初心者でも効率的で安全な資産運用ができるというメリットがあります。

注目ファンド

詳細な投資分析によるバリュー投資を中心に実践しており、短期的な利益追求ではなく安全性を追求しながら中長期的な利益を求めているヘッジファンド。

詳細はこちら

株式投資:ノウハウが豊富な投資方法

安定した投資を追求する方は、「3〜5%」程度の利回りが期待できる株式投資がおすすめです。株式投資とは投資家が企業の成長を見越して株式を購入し、価格変動による運用益や配当により資産を増やす手法です。

株式投資では成長が見込める企業を見極めたり、長期的な視点で投資を行うことが重要となります。投機の見極めがうまく行けば大きなプラスを期待できる反面、企業の業績不振や不祥事等によって価値が大幅に下落するリスクもあるため、複数企業の株を保有する分散投資がリスクヘッジのために必要不可欠です。

株式投資は経験者やノウハウが豊富であるため初心者向けの投資方法として語られることも少なくないですが、自分で適切にリスク管理をしたり投資方針を明確にすることが求められますし、企業の経営状況や市場動向を逐一確認できる時間的余裕や能力・スキルも必要となるため、実は中~上級者向けの投資方法だといえます。

不動産投資:手堅い長期的収入を得られる

資産を手堅く増やしていきたい方は、株式投資と同程度の利回り「3~5%」を期待できる「不動産投資」がおすすめできます。不動産投資とは、マンション等の不動産を購入し、その不動産を賃貸・売却することで収益を得られる手法です。

人気の高い土地で好条件の住宅に住みたい人が選びやすい物件を購入できれば、安定した家賃収入を長期にわたって得ることができます。またマンションは大幅に価格が下落するリスクが低く、インフレへの強さやリセールバリューが高い等の点もメリットとして挙げられます。

ただし不動産投資は相場や地域ごとに異なるニーズを理解するための事前調査が非常に重要です。住民トラブルや家賃滞納、設備故障による有償修理等、他の投資方法には存在しないリスクがある点も理解しておくべきです。

投資信託:運用をプロに一任できる

最後に挙げるのは「3~4%」程度の利回りを期待できる投資信託です。投資信託とは投資家達が出し合った資金を、プロのファンドマネージャーが厳選した株式や債券、不動産などの資産に投資する分散投資により、リスクヘッジを行いながら資産運用を行う手法です。

運用益だけでなく分配金でも収入が得られます。投資信託は複数の資産に分散投資するのが大前提であり、複数のファンドに投資することで運用リスクも分散できますし、少額から投資できるため、貯蓄が5000万円あることによる自信で無理のある投資を行ってしまうリスクを低減できます。

自分で銘柄を選ぶ必要がなく、投資行為を経験豊富なファンドマネージャーに一任できます。

貯金5000万円を超えたら自分で運用すべきか?プロに委託すべきか?

貯金5000万円を超えたら

貯金5000万円を超えたら自分で運用するべきか、またはプロに運用を任せるべきかは、結局のところ「人による」といえます。まず、プロに頼らず自分で資産運用を行うべき人の特徴としては次の点が挙げられます。

  • 投資に関する基礎的な知識やスキルがすでに十分ある人
  • 市場の変化や金融商品が持つ価値の変動に関してある程度予測が立てられる人
  • 複数の投資先から最適なものを選別できる人
  • 短期的な視点ではなく投資に関して長期的な視野を持てる人
  • 毎日のように市場動向をチェックし、情報収集にも十分な時間をかけられる人
  • 第三者の視点で自分が行う投資を評価し、必要に応じて改善できる人

資産運用は元本として多額の貯金があることは大前提ですが、投資先の「見極め」が何よりも重要です。市場を常にチェックし、リターンとリスクの両方を考えながら、場合によっては損切りする覚悟も必要です。そのため自力での資産運用は、投資に関してある程度の知識がある方のみおすすめします。

逆に、資産運用をプロに委託するべき人の特徴は次のとおりです。

  • 投資に関する基礎的な知識やスキルが不十分な人(初心者)
  • そもそも投資行為や市場観察に時間をかけられない・かけたくない人
  • お金全般に関して長期的な見方をするのが苦手な人
  • 資産を増やすこととリスクヘッジを両立することに自信がない人
  • 最初から資産運用はプロの投資家やアドバイザーに頼りたいと考えている人

投資に関する知識が不足したまま資産運用を始めると正しいリスク管理ができないため、失敗し資産を大幅に失うリスクが高まります。また、他の仕事をしており投資に割く時間がなかったり、継続的に発生する手数料や税金等のコスト計算が面倒だと感じる方にも自力での資産運用はおすすめできません。

資産運用をプロに委託することで、長年の経験により培われたノウハウをベースにした適切な投資を行ってくれます。投資家として毎日のように市場をチェックしたり、一時的な下落で落ち込むようなこともなくなります。

貯金5000万円を超えたら資産運用を行い精神的余裕のあるリタイアを目指そう

セミリタイアにより必要以上に仕事や人に縛られない生き方ができますが、早期でリタイアする人ほど、お金に関する現実的な問題点と向き合う必要があります。。貯金5000万円を超えたらセミリタイアは可能ですが、金銭的・精神的に余裕のあるリタイアをしたいなら資産運用の活用を視野に入れましょう。

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