貯金3000万円の割合【30~60代】

貯金3000万円の割合【30~60代】

まず、金融資産3000万円を持っている方は年代別にどれくらいの割合がいるのかを日本銀行の統計からお伝えします。60歳代になって一気に増えるのは、退職金としてまとまったお金が入ってくることが理由として上げられます。

ポイント
  • 単身世帯・年代別「貯金3000万円以上」の割合
  • 2人以上世帯・年代別「貯金3000万円以上」の割合

単身世帯・年代別「貯金3000万円以上」の割合

日本銀行の作成している「家計の金融行動に関する世論調査」によると、統計母数1,637人のうち、3000万円以上の金融資産を持っている人は220人、全体の13.4%にあたります。これらを踏まえた以下の表は10歳ごとに区切った年代別の金融資産3000万円保有割合です。

年代別統計母数3000万円保有割合年代別中央値(万円)
30歳代2781.1%300
40歳代2627.3%375
50歳代24813.7%420
60歳代4084.9%845

出典:家計の金融行動に関する世論調査にもとづき作成

50歳代までは現役世代として支出も多く、資産形成も難しいのですが、子どもが大学を卒業したあたりから貯蓄が進むことが読み取れます。60代になって勤務先の定年からの退職金が一時金として受け取れることも背景にあります。

2人以上世帯・年代別「貯金3000万円以上」の割合

これが2人以上世帯だとどうなるでしょうか。

年代別統計母数3000万円保有割合年代別中央値(万円)
30歳代4932.8%390
40歳代7776.7%500
50歳代77414.3%810
60歳代80925.6%1270

出典:家計の金融行動に関する世論調査にもとづき作成

単身ではなく2人世帯の場合は、50歳代から3000万円所有者が増えていくことがわかります。単身世帯の蓄財ともととなった退職金だけではなく、もともと収入力のあったところに子どもの独立などで支出ベースが落ちることが想定できます。

貯金3000万円を超えたらできること

貯金3000万円を超えたらできること

貯金3000万円を超えたら、さすがに毎月の収入を期待する必要はありません。すでに所有している3000万円という貯蓄に、どのような動きをさせるのか。お金に働いてもらうことが重要なポイントになります。60歳を超えると、それまでの延長ではないまとまったお金が入ってきます。それらの退職金や一時所得の予定額を見ながら、ライフプランを組み立てていきます。

ポイント
  • リスクを許容して不動産投資に挑戦するべきか
  • 法令順守のうえ、積極的な節税を意識しよう
  • もしものときのために相続を意識する
  • まとまったお金の生前贈与を活用する

リスクを許容して不動産投資に挑戦するべきか

まとまったお金があると不動産投資を検討される方は多いです。不動産投資はリターンが期待できる分、リスクが高いものです。だからこそ借入金ではなく、基本的には自己資金で投資することが理想です。ただ購入価格の高い不動産購入資金を自己資金で捻出するのは現実的には難しく、不動産ローンの利用を検討することになります。

貯金が3000万円ある方は、このうちの幾分かを頭金として充当するようにしましょう。不動産ローンの借入額が少ないほど、元本にかかる利息も少ないうえ、返済額が一定と考えると返済期間も短くなります。

法令順守のうえ、積極的な節税を意識しよう

貯金3000万円はすでに獲得している資産のため、収入3000万円のような所得税・住民税が上昇する懸念はありません。基本的に貯金に対して課税されることはありませんが、生命保険、ふるさと納税など現金からほかの資産に変えることで節税が可能です。

保険にすると生命保険料控除(所得税)、ふるさと納税は寄附金控除(所得税)の対象となります。可能であれば税金のスペシャリストである税理士を身近に置き、自分の資産状況でどのような節税策が考えられるのかを確認するようにしましょう。

もしものときのために相続を意識する

収入と違い貯金は多ければ多いほど税金がかかるものではありませんが、相続と贈与に関しては状況が変わります。自分の亡くなる日がわかっていれば対策も可能ですが、ある日突然、ということも考えられます。そのときに残された資産は法定で定められた家族(配偶者や子どもなど)に承継されますが、多額の相続税を納めなくてはなりません。

特に現金で所有していると相続税負担はきわめて大きいものなので、証券や保険などに変えておくことが大切です。貯金3000万円を超えたら極論ですが、いつ亡くなってもいいように資産の準備をすることが大切です。

まとまったお金の生前贈与を活用する

相続に準じますが、生前贈与の活用も大切です。現在国はお金を持っている高齢者層から若い現役世代にお金を移行して消費に使ってもらう政策を順次発表しています。そのなかで注目なのは、住宅購入や教育資金、結婚・子育て資金に用途限定した生前贈与は1000万円、1500万円を上限に贈与することができます。

相続や贈与は何も手を打たない場合、半分近くが税金が持っていかれるものです。しっかりと関連知識を蓄え、早めに手を打つようにしましょう。

貯金3000万円でセミリタイアは可能か

貯金3000万円でセミリタイアは可能か

数年前から流行しているFIREという言葉にある通り、貯金3000万円あれば日常の生活で資金が枯渇することは考えづらいと思います。ただ、まったく収入が入ってこないのは考え物なので、何かしら収入を得ていくことが肝要です。

ただ、FIREといいながらそれまでのように働くのもまた違和感があるでしょう。そこで、お金に働いてもらうことをお勧めします。いわゆる資産運用です。FIREという言葉もアーリーリタイアと誤って伝わっている節がありますが、運用の結果日常生活の捻出分を確保できて働く必要が無くなったことを指すため、決して支出を上げて耐えきれるものではありません。

世の中で一般的なセミリタイアには後者の意味が強いため、自分がどのあたりの生活水準を想定しているのか、を設定するようにしましょう。また近年のように物価水準があがると、当然ですが1年間にかかる支出金額は上昇します。

そのような外圧的な要因も含めてのFIREなので、決してゴールではなく、一時的な休息時期としつつ、本格的なセミリタイアを目指す、という二段階の考え方が大切です。

貯金3000万円は60歳以降の老後資金として十分?

貯金3000万円は60歳以降の老後資金として十分?

貯金3000万円あれば60歳以降の老後資金として十分なのでしょうか。もちろん個人や家計により60歳以降の支出額が異なるので、一概に定めることはできません。現在の日本の平均余命が概ね90歳なので、月の支出額を1年で×12、年ベースで60歳から90歳の30年間を計算します。

1カ月の生活費を30万円とすると年間で360万円、30年間で1億800万円です。純粋に貯金3000万円だと約7000万円不足しています。現在の貯金が3000万円でも、今後入って来る退職金や定期保険の満期金、iDeCo(個人型確定拠出年金)の年金などで入ってくるお金を可視化して、不足している部分を計算します。

不足している部分は資産運用で準備することをお勧めします。できるだけ年齢の低いうちに、このあたりの可視化を進めておくことが大切です。早期に家計における可視化を進めることで、いわゆる「修正力」をつけることができます。現在の貯蓄で問題ないかどうかを判断し、計画を見直す支線が大切といえます。

貯金3000万円を達成するためのポイント

貯金3000万円を達成するためのポイント

貯金3000万円を達成するにはどのようなポイントがあるのでしょうか。貯金3000万円というまとまったお金は一朝一夕に蓄えられるものではないため、長期的なスケジュールづくりが必要です。また、毎年の節税策をしっかりと考えることによって、確実に貯金を確保することができます。

ポイント
  • 目に見える形での月々の家計の管理
  • 所得税をはじめとした各所での節税の工夫
  • 前向き思考と運動習慣による健康維持・メンタル維持
  • リアルもしくはインターネット上での貯金仲間を持つ
  • 貯金は「無いもの」として考える

目に見える形での月々の家計の管理

まずは、目に見える形での家計管理です。毎月入ってくるお金と出ていくお金を管理します。生活していると、「使っていないはずなのにいつしか無くなっているお金」が存在します。お金を貯めるにあたってこれは大敵です。

貯蓄可能なお金を月単位・年単位で可視化することで、複利運用したときの運用想定利率も把握することができるため、どれくらいの年数で3000万円に到達することが可能か計算することもできます。同じ考えで、出ていくお金がどのような内訳なのかを合わせて可視化するように心がけましょう。

所得税をはじめとした各所での節税の工夫

節税の工夫は貯金が貯まったあともそうですが、貯まる前にも大切です。毎年の年末調整や確定申告での控除の活用、生命保険への加入(医療費控除の活用)、住民税の対象となる期間に無理な残業をしないなどです。1年ごとでは僅かな節税額でも、毎月積み上げると大きな金額になります。

税金関連は多少複雑ですが、お金を貯める、というモチベーションと親和性も高く、効果が目に見えるものなのでお勧めです。なお、定期的に税制改正があるため、検討している方法は改正ですでに終了したものではないかは常々注意するようにしましょう。

前向き思考と運動習慣による健康維持・メンタル維持

日常生活においてまとまったお金がかかる場面は突然の病気やケガです。また最近はメンタルを痛み、当該の医療機関に通う人も増えてきています。公的保障や生命保険に加入することで保障対象とはなるものの、対象とならない先進医療や加入保険の対象外の病気などのリスクがあります。

予防するためには、前向き思考と適度な運動習慣による健康維持・メンタル維持が大切です。想定できない大きな出費を避けるために、メンタルも含めた日々体には留意しましょう。

リアルもしくはインターネット上での貯金仲間を持つ

スムーズに貯金を貯める方法論を1人で集めるのはとても難儀です。そのため、貯金仲間を持ちましょう。リアルでもいいですし、インターネットもお勧めです。お金まわりはセンシティブな内容なので、インターネットの距離感はちょうどいいかもしれません。

最近はSNS上でお金を貯めたい人が集まって闊達なコミュニケーションを取っています。ただなかには詐欺を目的とした人や、何か商品を売りたい人もいるので、参加するときはすべてを信じ込まず、警戒することも大切です。

貯金は「無いもの」として考える

貯金の難しさはどれだけ初心にて「絶対に貯めよう」と誓っても、何か不測の事態があるとそこに手をつけてしまいがちです。対策としていったん貯金したお金は「無いもの」として考えるようにしましょう。簡単に引き出せない定期預金などにすることをお勧めします。

自分ひとりだと気持ちが緩んでしまう人は、配偶者に管理して貰ったり、簡単には引き出せないところにキャッシュカードや通帳を保管するようにしましょう。貯金の意思が崩れ勝ちな状態をどのようにカバーするかで、貯金の可能性は著しく高まります。

貯金3000万円を超えたらおすすめの投資・資産運用

貯金3000万円を超えたらおすすめの投資・資産運用

貯金3000万円を超えたらどのような資産運用をすべきなのでしょうか。ポイントは自分の力を過信しないことです。運用が下落傾向に陥ると、とたんにハイリスクの投資に切り替えて損を拡大させる人がいます。

ポイント
  • 貯金3000万円を超えたらヘッジファンドがおすすめ
  • リスクに合わせた株式投資の購入を検討する
  • 不動産投資はよりリスク算定を入念に
  • リスク・リターンに合わせた投資信託の購入を検討する

貯金3000万円を超えたらヘッジファンドがおすすめ

貯金3000万円を超えたら自分の眼で判断した単元株や投資信託はお勧めしません。リスクの抑制観点からもプロの目を入れることをお勧めします。そのためにヘッジファンドの活用をお勧めします。

ヘッジファンドの選び方は、各々のヘッジファンド会社の方針を確認して共感できる会社を確認するのが方法の1つです。もう1つは、ヘッジファンドの代表者などが発信している行動やメッセージです。ヘッジファンドの代表者の行動がファンドの特徴を示していることがあります。

ヘッジファンドに依頼するもう1つのメリットは、リスクの抑制です。前項のように損失が生じたら焦って取り返したくなるものですが、多くの信託を預かるヘッジファンドはプロです。取り返しにいくタイミングなのか、まだ様子見なのかの判断軸を持っています。そのように貯金3000万円を超えたあたりの運用から、リスク回避の意味で「自分の力を過信しないこと」が大切です。

注目ファンド

詳細な投資分析によるバリュー投資を中心に実践しており、短期的な利益追求ではなく安全性を追求しながら中長期的な利益を求めているヘッジファンド。

詳細はこちら

リスクに合わせた株式投資の購入を検討する

リターンを期待するのであれば、ファンドを挟んだ投資信託ではなく、直接の株式投資をお勧めします。現行の一般NISAでも購入することができます(つみたてNISAでは購入できません。また、2023年3月現在新制度で購入できるかは不明)。

株式投資の場合、購入して貰った企業から配当金が受け取れる場合もあれば、いわゆる株主優待として様々な商品や特典を受け取ることもできます。

株式購入をする場合もふたつのスタンスがあります。ひとつは長い時間をかけて長期所有を心掛けること。もうひとつは短期の株価の上げ下げを活用して購入と売却を繰り返すことです。想定通り値が動かないときは損失となります。また投資信託のようにプロの目が入らない以上、株の良し悪しがわからなかったり、想定外の下落損をこうむったりというリスクはあります。

不動産投資はよりリスク算定を入念に

より高いリターンを期待できる一方、リスクが考えられるものに不動産投資があります。都市部におけるワンルームマンションが代表的です。マンションの1部屋を購入し(区分所有といいます)、その部屋を貸借希望の方に貸し出すことによって利益を得ます。マンションの購入は高額のため、金融機関からアパートローンや不動産ローンを借りて購入します。

毎月のローンの返済額から賃料収益を差し引いた金額が投資家の収益になる計算です。常に入居希望者がいれば投資益は安定するものの、空室率が高まればローンの返済は持ち出しとなり、リスクが高まる展開となってしまうでしょう。

すでに土地を持っている方は、その土地に建物(上物)だけを建築する賃貸アパート経営もあります。ワンルームと同じくリスクは高いですが、建物を建てた土地には固定資産税と都市計画税が減免されるメリットもあります。

リスク・リターンに合わせた投資信託の購入を検討する

投資信託の購入を検討するのも1つの方法です。ヘッジファンドよりも投資先が明瞭なため、投資初心者にもわかりやすいというメリットがあります。NISAで購入すると、運用をして生まれた配当的に配当所得(税率20%)がかからず、非課税となる仕組みもあります。

NISAは2024年以降新制度にアップデートしたうえで継続しますが、NISAで投資信託を購入・売却できる仕組みと、配当所得への非課税措置は変わりません。むしろ現行制度では有限的(一般NISA5年、つみたてNISA20年)だったものが無制限に変わるため、より投資信託の拡充に適した仕組みになります。

なお、NISAといっても投資初心者向きではない、個別株の運用ファンド(アクティブファンド)もあるため、NISA内でリスクを分散化することも可能です。

貯金3000万円を超えたら資産運用を始めよう

貯金3000万円を超えたら資産運用をはじめ、元本を確実に増やしていきましょう。十分な元本はあるので、上手に複利で利息をつけていくことが大切です。ただ元本が大きい分、下落局面に至ったときのリスクも大きくなります。ヘッジファンドなどのプロの目を活用し、更なる財産管理をしていきましょう。

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