貯金2000万円以上の割合【年代別】
日本銀行の作成している「家計の金融行動に関する世論調査」によると、単身世帯で統計母数1,637人のうち、2000万円以上の金融資産を持っている人は329人、全体の20.1%にあたります。これらを踏まえた以下の表は10歳ごとに区切った年代別の金融資産3000万円保有割合です。ふたり以上の世帯では数字が更に増加する印象です。
(単身者)
年代別 | 統計母数 | 3000万円保有割合 | 年代別中央値(万円) |
---|---|---|---|
30歳代 | 278 | 6.5% | 300 |
40歳代 | 262 | 11.9% | 375 |
50歳代 | 248 | 21.8% | 420 |
60歳代 | 408 | 26.7% | 845 |
(2人以上の世帯)
年代別 | 統計母数 | 3000万円保有割合 | 年代別中央値(万円) |
---|---|---|---|
30歳代 | 493 | 7.9% | 390 |
40歳代 | 777 | 13.8% | 500 |
50歳代 | 774 | 20.4% | 810 |
60歳代 | 809 | 36.7% | 1270 |
出典:家計の金融行動に関する世論調査にもとづき作成
貯金2000万円を超えたら投資に有利である理由
貯金2000万円を超えたら、投資を積極的に進めたいものです。では世の中の方のうち、どれくらいの割合の方が2000万円以上の資産を所有しているのでしょうか。国の統計資料から見てみましょう。
- 貯金2000万円は複利運用に期待
- 貯金2000万円の運用はリスクヘッジを忘れずに
- 2000万円はリスクヘッジを意識した分散投資が理想
貯金2000万円は複利運用に期待
日本銀行がまとめている「家計の金融行動に関する世論調査(知るぽると)」によると、回答者のうち2000万円以上は全体の24%です。2人以上の世帯を対象にしている世帯合計額とはいえ、大部分の想像より多いことがわかります。
ただ、この金額は現預金のほかに不動産や証券をはじめとする資産ポートフォリオの合計額のため、注意が必要です。むしろ、現金ではあまり期待できず、証券などで運用することで期待できるものが複利効果です。複利効果は運用の結果生み出せた利益を、次年度の元本として再投入することによって、より多くの利益を期待することができます。
貯金2000万円の運用はリスクヘッジを忘れずに
貯金2000万円のような元本があると、細々とした投資をせず、いわばドカンと元手をかけた投資に走りがちです。ただ投資の原則として、高いリターンを期待した運用には高いリスクがあります。
貯金2000万円といえども自身の資産のなかで、損失を許容できる保守的になる資産はどれくらいなのか、ドカンと勝負できる資産はどれくらいなのか、分散をして考えることが大切です。無くなっては事業や生活に影響が出る部分にリスクを取らないようにする、リスクヘッジの概念を忘れないようにしましょう。
2000万円はリスクヘッジを意識した分散投資が理想
2000万円を投資に投下するならば、リスクヘッジを意識した分散投資が理想です。リスクが少なくリターンが抑制された投資と、高いリターンが期待できる一方でリスクの可能性が高いものです。
前者としては値動きの多くない株式(単元株)や世界の経済指標に追随する投資信託など、後者としては成長個別株に投資する投資信託や不動産、最近だと暗号資産などが該当します。厳密にいえば現金もインフレ効果があるため、低リスク低リターンの資産運用の1つです。
貯金2000万円を超えたらどんな投資の選択肢があるか
それでは具体的に、貯金2000万円を超えたら投資の選択肢はどのようなものがあるのでしょうか。想定リスクと期待リターンに言及しながら、投資方法に分けてお伝えしていきます。
- ヘッジファンドへの投資を検討する
- リスク・リターンに合わせた投資信託の購入を検討する
- リスクに合わせた株式投資の購入を検討する
- 不動産投資はよりリスク算定を入念に
ヘッジファンドへの投資を検討する
ヘッジファンドとは、投資家からお金を集め、有望な企業に投資する会社です。後述する投資信託は日本株やアメリカ株、インデックスやアクティブと投資先方針を示したうえで投資家のお金を集めますが、ヘッジファンドは基本的に「自分たちで有望だと判断した会社の株」を購入します。つまり個人投資家は、そのヘッジファンドの方向性や腕利きを信じて出資することになります。
とはいえ各ヘッジファンドもアメリカを中心に投資します、ITサービスを中心に投資します、といった方向性は出しますので、ヘッジファンド自体を購入するときの判断根拠になります。国内のヘッジファンドのなかには、企業の持つ社会性を重視した株を購入し長期保有する「草食投資隊」として活動しているヘッジファンドの経営者もおり、高い信頼を集めています。
リスク・リターンに合わせた投資信託の購入を検討する
投資信託の購入を検討するのも1つの方法です。ヘッジファンドよりも投資先が明瞭なため、投資初心者にもわかりやすいというメリットがあります。NISAで購入すると、運用をして生まれた配当的に配当所得(税率20%)がかからず、非課税となる仕組みもあります。
NISAは2024年以降新制度にアップデートされて継続しますが、NISAで投資信託を購入・売却できる仕組みと、配当所得への非課税措置は変わりません。むしろ現行制度では有限的(一般NISA5年、つみたてNISA20年)だったものが無制限に変わるため、より投資信託の拡充に適した仕組みになるといえるでしょう。
なお、NISAといっても投資初心者向きではない、個別株の運用ファンド(アクティブファンド)もあるため、NISA内でリスクを分散化することも可能です。
リスクに合わせた株式投資の購入を検討する
リターンを期待するのであれば、ファンドを挟んだ投資信託ではなく、直接の株式投資をお勧めします。現行の一般NISAでも購入することができます(つみたてNISAでは購入できません。また、2023年3月現在新制度で購入できるかは不明)。
株式投資の場合、購入して貰った企業から配当金が受け取れる場合もあれば、いわゆる株主優待として様々な商品や特典を受け取ることもできます。株式購入をする場合もふたつのスタンスがあります。
ひとつは長い時間をかけて長期所有を心掛けること。もうひとつは短期の株価の上げ下げを活用して購入と売却を繰り返すことです。想定通り値が動かないときは損失となります。また投資信託のようにプロの目が入らない以上、株の良し悪しがわからなかったり、想定外の下落損をこうむったりというリスクはあります。
不動産投資はよりリスク算定を入念に
より高いリターンを期待できる一方、リスクが考えられるものに不動産投資があります。ワンルームマンションが代表的です。マンションの1部屋を購入し(区分所有といいます)、その部屋を貸借希望の方に貸し出すことによって利益を得ます。マンションの購入は高額のため、金融機関からアパートローンや不動産ローンを借りて購入します。
毎月のローンの返済額から賃料収益を差し引いた金額が投資家の収益になる計算です。常に入居希望者がいれば投資益は安定するものの、空室率が高まればローンの返済は持ち出しとなり、リスクが高まる展開となってしまうでしょう。
既に土地を持っている方は、その土地に建物(上物)だけを建築する賃貸アパート経営もあります。ワンルームと同じくリスクは高いですが、建物を建てた土地には固定資産税と都市計画税が減免されるメリットもあります。
貯金2000万円を超えたら自力での投資は避けよう
貯金2000万円を超えたら投資元本もあるため、生活は安定でしょうか。実は貯金2000万円前後は投資家として最もリスクが高いという見立てもあります。その理由は、2000万円を投資して少々のリスクを負うと、焦ってハイリスクの投資で取り返そうとする実例が多いためです。
具体的にはFXや仮想通貨など、ハイリスクの方法を取る傾向が強いです。特に期限が定められたわけではないのに、短期間で取り返そうとする方が多いのは不安感の表れなのでしょうか。投資する金額が多いほどハイリスクの商品で一点突破を図るより。着実に損失を返していきたいものです。
貯金2000万円を超えたらヘッジファンドがおすすめ
上記のリスクがあるため、貯金2000万円を超えたら自分の眼で判断した単元株や投資信託はお勧めしません。リスクの抑制観点からもプロの目を入れることをお勧めします。プロの眼は投資信託のファンドとしてよりも、実際にどの投資信託を選ぶのかの目線の方が根本的な運用を委託することに繋がるため、効果的です。
各々のヘッジファンド会社の方針を確認して共感できる会社を確認するのが方法の1つです。もう1つは、ヘッジファンドの代表者などが発信している行動やメッセージです。既にお伝えした「草食投資隊」のように、ヘッジファンドの代表者の行動がファンドの特徴を示していることがあります。
ヘッジファンドに依頼するもう1つのメリットは、リスクの抑制です。前項のように損失が生じたら焦って取り返したくなるものですが、多くの信託を預かるヘッジファンドはプロです。取り返しにいくタイミングなのか、まだ様子見なのかの判断軸を持っています。そのように貯金2000万円を超えたあたりから、リスク回避の意味で「自分の力を過信しないこと」が大切です。
貯金2000万円を超えたらおすすめのヘッジファンド「BMキャピタル」
おすすめのヘッジファンドとしてBMキャピタルをご紹介します。投資対象は日本国内で、利益を出している割に株価が低い企業に投資し、成長を促します。世界中で使われているアメリカ発のスマートフォンにおいて、その一部品を納品している会社や、まだ無名ながらもこの先大きな成長を遂げる領域と考えている会社への先読み投資が特徴です。現状利益を出している会社は決算などを見ればわかるため、これから利益を出し始める会社のピックアップ力を有するふぇんどといえるでしょう。
価値算出の指標のひとつにPER(株価収益率:時価総額÷純利益)があります。利益を上げていても時価総額が低ければPERは上昇しませんので、先読みの判断基準の1つといえます。なお、PERには株価÷一株利益(EPS)で算出する方法もあります。
経済発展の著しい国ではなく「日本」でPERの上昇可能性がある企業を探すことは、綿密な取材と状況分析、将来性の確信がないことにはなかなかできることではありません。
貯金2000万円を超えたら何年暮らせるかシミュレーション
貯金2000万円を超えたら、何年暮らせるかシミュレーションをしてみましょう。追加の収入を考慮せず、運用の有無で区分けしていきます。どのくらいの期間、お金の心配なく過ごすことができるでしょうか。
- 働かず、運用なしで貯金だけで生活する場合
- 働かず、利回り4%で運用しながら生活する場合
- 働いて、利回り4%で運用しながら生活する場合
働かず、運用なしで貯金だけで生活する場合
まず働かず、運用なしの貯金だけで生活する場合は2000万円÷1年あたりの生活費で何年暮らせるかを計算することができます。
■貯金2000万円で働かず、運用なしで貯金の取り崩しだけで生活する場合
1年の支出額 | 貯金2000万円でどれくらい生活できるか |
---|---|
300万円 | 6年数ヶ月 |
400万円 | 5年 |
500万円 | 4年 |
これらは単純計算なので、当初想定しないような臨時出費が必要となる可能性があります。また、昨今のようにエネルギー代や物価が高騰することによって、何も生活を変えていないのに支出額が高まってしまう可能性もあります。家計における支出は毎月変わらない(変わる金額が微々たる)固定支出と、毎月必要額が変動する変動支出があります。変動支出が上下することで家計を殖やさないように、働かなくてもお金が殖えていく仕組みづくりが大切です。
働かず、利回り4%で運用しながら生活する場合
ここからは運用をする場合です。運用には1年で生まれた利益を受け取る単利と、その利益を再び投資に回して運用する複利があります。投資はすぐに使うお金を工面するものではなく、将来のお金に期待するもののため、一般的に複利効果を期待します。
貯金2000万円で働かず、運用ありで生活する場合
諸条件設定 ※利率4%、年間生活費300万円、年間収入0円
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年数 | 元利合計 | 利息 | 生活費控除後 | 年間収入追加後 |
---|---|---|---|---|
1年目 | 20,800,000円 | 4% | 17,800,000円 | 17,800,000円 |
2年目 | 18,512,000円 | 4% | 15,512,000円 | 15,512,000円 |
3年目 | 16,132,480円 | 4% | 13,132,480円 | 13,132,480円 |
4年目 | 13,677,779円 | 4% | 10,677,779円 | 10,677,779円 |
5年目 | 11,084,090円 | 4% | 8,084,090円 | 8,084,090円 |
6年目 | 8,407,453円 | 4% | 5,407,453円 | 5,407,453円 |
7年目 | 5,623,752円 | 4% | 2,623,752円 | 2,623,752円 |
8年目 | 2,623,752円 | 4% | 0 |
この条件の場合、8年目で貯金2000万円が無くなってしまうことがわかります。
働いて、利回り4%で運用しながら生活する場合
では、同条件で毎年300万円の定期収入が入る場合など、計算表はどのように変わるでしょうか。
貯金2000万円で働いて、運用なしで貯金だけで生活する場合
諸条件設定 ※利率4%、年間生活費300万円、年間収入300円
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年数 | 元利合計 | 利息 | 生活費控除後 | 年間収入追加後 |
---|---|---|---|---|
1年目 | 20,800,000円 | 4% | 17,800,000円 | 20,800,000円 |
2年目 | 21,632,000円 | 4% | 18,632,000円 | 21,632,000円 |
3年目 | 22,497,280円 | 4% | 19,497,280円 | 22,497,280円 |
4年目 | 23,397,171円 | 4% | 20,397,171円 | 23,397,171円 |
5年目 | 24,333,058円 | 4% | 21,333,058円 | 24,333,058円 |
上記の5年目までの表でわかるように、年間4%で運用して生活費控除と年間収入が300万円と同額ならば、貯金2000万円は毎年複利で増えていきます。貯金があって運用していても、最低限の収入は入れておいた方がいいということがわかります。
貯金2000万円を超えたら何に投資すべきか【まとめ】
貯金2000万円を超えたら高い期待リターンはもちろんのこと、その利率を数年にわたって維持できる運用方法を見つけなければなりません。直接の単元株や投資信託で利益が出たとしても、それを数年間にわたって維持するのはとても難しいことです。だからこそお気に入りのヘッジファンドを見つけ、資産を委託するようにしましょう。
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