アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信とは
アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信とは、米国株を中心に据えたアクティブファンドです。主に継続成長性のある企業を投資対象としており、とりわけ投資初心者から中級者ではインデックスファンドのe-MAXISと並び、日本国内で購入できる投資信託として圧倒的な人気を誇っています。インデックス+バーンスタインというポートフォリオの投資家も多いでしょう。
特にファンドを組成する企業選びに定評があり、アクティブファンドのなかでは随一といえるでしょう。資産ポートフォリオはインデックスを中心としつつも、ベンチマークを追うだけではなく、アメリカ株まわりでアクティブ性質のファンドも購入し分散投資を実現させたいと考える投資家に人気があります。投資家のなかでは頭文字をとって「AB」と呼ばれるのも特徴のひとつです。
アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信の特徴
アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信は投信のファンドとして、どのような特徴があるのでしょうか。ファンドとして投資先を選択する企業選びや、投資実行において重視する投資スタンスを分析します。
- アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信の投資対象
- Aコース・Bコース・Cコース・Dコースの違い
- アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信の組入上位銘柄
- アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信の購入時手数料・信託報酬
アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信の投資対象
アライアンス・バーンスタイン・米国成長投信の投資対象は、持続的な成長企業です。マザーファンドを通じて、以下の3点を指針にポートフォリオを構成します。
まず最初の視点は高い収益性の持続力です。経営陣の優秀さやビジネスモデルの独自性、または獲得シェアの安定性による高い収益性を持続できる企業を選びます。次の視点は財務健全性です。貸借対照表(BS)が安定しているなどの、強固な財務体質を誇る企業が評価されます。
最後の視点は投資効率の高さです。投資することにより、高い利益を生みだすことのできる投資資本利益率(ROIC)を重視します。ベンチャーファンドが重視することの多い10年後の高収益よりも、ある程度地盤となる事業があり、既に収益獲得段階にある企業が好まれます。
Aコース・Bコース・Cコース・Dコースの違い
アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信は為替ヘッジのあるAコースと、為替ヘッジのないBコースに分かれています。更に毎月決算型の為替ヘッジがあるCコース(予想分配金提示型)と、Cコースから為替ヘッジ機能を除したDコースに分かれています。
コース | 為替ヘッジ | 分配金の事前周知(毎月決算型か否か) |
---|---|---|
Aコース | ◯ | × |
Bコース | × | × |
Cコース | ◯ | ◯ |
Dコース | × | ◯ |
予想分配金提示型とは最近流行っている形態で、決算の前営業日に分配金の告知があります。投資しているお金から分配金を削っただけの投信が問題となるなか、分配ルールが明確でわかりやすい仕組みといえるでしょう。
一方為替ヘッジとは、所有投信が円高になったことにより、基準価格が値下がりすることを抑える仕組みです。為替ヘッジにより円高・円安の影響が受けにくくなる一方、仮に円安になっても為替益が期待しづらいという側面があります。またヘッジする手数料もかかります。
アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信でもっとも人気があるのが為替ヘッジなし、かつ毎月分配型のDコースです。その次点が分配型ではないけれど、為替ヘッジのないBコースと予測されます。
アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信の組入上位銘柄
2024年2月29日に発行された月次報告書のデータを基に組入上位銘柄、業種、組入比率について表にまとめて紹介します。
各コースにおける組入上位銘柄および組入比率に違いはありません。
上位銘柄には、S&P500やNASDAQ100と同じ銘柄が目立ちますが、時価総額2位のアップルがないことや比較的時価総額が小さいモンスター・ビバレッジが上位に入っていることが特徴的です。
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順位 | 銘柄 | 国・地域 | 業種・セクター | 組入比率 |
---|---|---|---|---|
1位 | マイクロソフト | アメリカ | 情報技術 | 8.8% |
2位 | エヌビディア | アメリカ | 情報技術 | 6.7% |
3位 | アマゾン | アメリカ | 一般消費財・サービス | 6.4% |
4位 | メタ・プラットフォームズ | アメリカ | コミュニケーション・サービス | 5.5% |
5位 | ビザ | アメリカ | 金融 | 4.6% |
6位 | ユナイテッドヘルス・グループ | アメリカ | ヘルスケア | 4.3% |
7位 | アルファベット | アメリカ | コミュニケーション・サービス | 4.2% |
8位 | モンスター・ビバレッジ | アメリカ | 生活必需品 | 3.0% |
9位 | コストコ・ホールセール | アメリカ | 生活必需品 | 2.9% |
10位 | バーテックス・ファーマシューティカルズ | アメリカ | ヘルスケア | 2.8% |
アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信の購入時手数料・信託報酬
さらに信託財産から支払う手数料として、年率1.57%の運用管理費用(信託報酬)が必要です。信託報酬は委託会社・販売会社・受託会社に対し、所定の割合にもとづいて分配されます。
アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信の運用実績・リターン
同じ銘柄に投資を行っていますが、各コースでどのように違いが出ているのでしょうか。
- Aコース(為替ヘッジあり)の基準価額推移と運用実績
- Bコース(為替ヘッジなし)の基準価額推移と運用実績
- Cコース(為替ヘッジあり・毎月決算型)の基準価額推移と運用実績
- Dコース(為替ヘッジなし・毎月決算型)の基準価額推移と運用実績
Aコース(為替ヘッジあり)の基準価額推移と運用実績
上図は、Aコース設定日の2006年5月25日を10000として指数化したチャートです。
各コースで最も歴史があります。
パフォーマンスの基準日は2024年2月29日で、ベンチマークは為替ヘッジありのS&P500です。
直近1年間と設定来パフォーマンスはS&P500より高いですが、過去3年間ではS&P500の方が高いです。
為替ヘッジありの商品のため、過去数年の円安の恩恵が受けられておらず、過去3年を基準とすると円/ドルレートよりパフォーマンスは出ていません。
Bコース(為替ヘッジなし)の基準価額推移と運用実績
Aコースと同じ日に設定され、最も歴史があります。
ベンチマークとの相関性についてはAコースと同じ傾向で、直近1年間と設定来パフォーマンスがS&P500より高いパフォーマンスが確認できます。
Bコースは為替ヘッジがなく、ここ数年円安傾向のため、Aコースよりも高いパフォーマンスが発揮されています。
Cコース(為替ヘッジあり・毎月決算型)の基準価額推移と運用実績
上図は、Cコース設定日の2014年9月16日を10000として指数化したチャートです。
分配金再投資の場合、パフォーマンスはAコースとほぼ同じです。
分配金はCコースが毎月配布が予定されているのに対して、Aコースは年2回検討されます。
分配金実績は、Aコースは過去5回中4回、1万口当たり合計630円支払われており、Cコースは5回中2回、1万口当たり合計200円です。
Dコース(為替ヘッジなし・毎月決算型)の基準価額推移と運用実績
上図は、Dコース設定日の2014年9月16日を10000として指数化したチャートです。
設定日はCコースと同じ日です。
分配金再投資の場合、パフォーマンスはBコースとほぼ同じです。
分配金はDコースが毎月配布が予定されているのに対して、Bコースは年2回検討されます。
分配金実績は、Bコースが過去5回中4回、1万口当たり合計870円支払われており、Dコースは5回中5回、1万口当たり合計1100円です。
アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Dコースが人気の理由
純資産総額で比較するとDコースは25,642億円で他コースよりも圧倒的に多いため、最も人気であることが分かります。
Dコースは為替ヘッジなし、毎月分配金が検討されるシステムです。為替ヘッジなしが好まれている最大の要因は、近年の円安の影響と推測されます。
騰落率表にも記載があるように、過去3年で41.8%円安に傾いており、パフォーマンスに大きく寄与しています。
BコースよりDコースが好まれている理由は、分配金の頻度と実績が多いことが挙げられます。
Dコースは、毎月15日に基準額を上回っている場合に既定されている分配金が支払われます。
過去5カ月間は特に米国株式市場が好調だった影響もあり、1万口当たり合計1100円の分配金が支払われていることから投資家の注目度が高い状況が窺えます。
しかし、目論見書に記載されている通り、分配金にはリスクがあるため注意が必要です。
アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Dコースの口コミ・評判
一部の投資家は投機的な投資を行っている印象を受けます。
アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Dコースの今後の見通し
上位銘柄を比較すると、マイクロソフトやエヌビディアなどハイテク企業の組入比率が高いことが分かります。
2010年代以降、米国株市場をハイパフォーマンスで支えてきたハイテク企業の比率が高いことが基準額の上昇につながっています。
また、銘柄数に注目するとアライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信は52銘柄とS&P500よりも集中して投資しています。
集中投資した銘柄の結果が良ければS&P500よりもパフォーマンスが良くなることが予想できます。
次に、各セクターの組入比率を確認します。
アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信の特徴は、S&P500に比べて大手ハイテク企業の比率が高く、金融セクターの比率が低いことなどが挙げられます。
また、エネルギー、工業、不動産、ユーティリティなどのセクターも含まれていません。
そのため、比較的NASDAQ100のようにハイテク銘柄の動向に大きく左右されることが予想されます。
アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Dコースは資産運用としておすすめか?
先述のように、投資先の約半分はハイテク企業です。
S&P500とNASDAQ100の中間的な投資に近いでしょう。
そのように考えるとパフォーマンスはS&P500に近いため、パフォーマンスについては議論となるでしょう。
分配金に関してはリスクをよく考える必要があります。
目論見書に記載がある通り、分配金の支払いを優先する投資信託はパフォーマンスが悪い時に元本割れのリスクが高まります。
そのため、万人におすすめする投資ではなく、相場展望が読める玄人向けと言えます。
ただし、その場合アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Dコースである必要性はないかもしれません。
アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Dコースの特徴と口コミ・評判をおさらい
アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Dコースの口コミや評判では、分配金についての良し悪しについて議論されています。
2024年2月末時点では、米国株の52銘柄に集中投資しています。
投資銘柄はハイテク企業が中心で、今後の推移は組み入れられているハイテク企業のパフォーマンスに左右されると予想されます。
また、分配金システムは元本割れのリスクがあるため、玄人向けの投資先です。
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