資産1億円以上の割合
日本の世帯のうち、資産1億円以上の割合は0.02%です(2021年時点)。つまり、5000世帯にたった1世帯という計算です。
ちなみに、資産1億円以上5億円未満の世帯を富裕層、5億円以上の世代を超富裕層と呼びます。それぞれの割合は、富裕層が0.025%、超富裕層が0.0016%です。
このように、資産1億円以上の世帯はほとんど存在しません。ただし、割合は2011年を底に、2021年まで年々上昇し続けています。
割合上昇の要因としては、富裕層・準富裕層(資産5000万円以上1億円未満)の世帯が資産運用によって保有資産を増やし、それぞれの一部が超富裕層・準富裕層に移行したことが考えられます。
1億円あったら何年暮らせる?
1億円あったら何年暮らせるかは、気になる方が多いでしょう。実際に1億円で暮らせる年数は、支出によって異なります。以下の見出しでは、1億円で暮らせる年数について、世帯別に解説します。
- 1ヶ月の平均支出額(世帯別)
- 単身世帯の場合、1億円あったら何年暮らせるか
- 夫婦二人世帯の場合、1億円あったら何年暮らせるか
1ヶ月の平均支出額(世帯別)
1億円で暮らせる年数を知るためには、1ヶ月の平均支出額を把握する必要があります。そこで、1ヶ月の平均支出額について、世帯ごとに調べました。データは以下のとおりです。
- 単身世帯の場合:16万1753円
- 夫婦二人世帯の場合:25万3318円
上記データを見ると、世代人員が2人に増えても、支出も2倍になるのではないとわかります。共働きの場合は収入も増えるため、その分生活にゆとりが出るでしょう。以降の見出しでは、こちらのデータをもとに、世帯ごとに1億円で暮らせる年数について解説します。
単身世帯の場合、1億円あったら何年暮らせるか
単身世帯の平均支出は16万1753円であるため、1億円で暮らせる年数は以下のとおりとなります。
つまり、支出が平均前後である場合、1億円で老後まである程度安心して暮らせることが分かります。
ただし、上記の計算結果はあくまで平均支出に基づくものであるため、支出額によって1億円で暮らせる具体的な年数は変動します。また上記には、結婚式やマイホーム購入などのライフイベントは考慮されていないため、実際に1億円で暮らせる年数はより短くなるでしょう。
夫婦二人世帯の場合、1億円あったら何年暮らせるか
夫婦二人世帯の平均支出は25万3318円であるため、1億円で暮らせる年数は以下のとおりとなります。
資産1億円を達成する年代にもよりますが、老後の生活費まで賄うのは難しそうです。また単身世帯の場合と同様に、上記にはあらゆるライフイベントによる支出が考慮されていないため、実際に1億円で暮らせる年数はより短くなります。
そのため、1億円を貯めてもそれだけで暮らすのは難しく、労働や資産運用によって資産をより大きく増やす必要があります。
1億円の貯金があっても利息生活は難しい理由
1億円の貯金があれば、利息生活も実現できると思われるかもしれませんが、現実的には厳しいです。なぜなら、日本の金融機関の金利は、0.001%~0.025%と非常に低いためです。では、実際のデータを表で確認してみましょう。
預金種類 | 平均年利 |
---|---|
普通預金 | 0.001% |
貯蓄預金 | 0.001% |
定期預金 | 0.005%~0.006% |
定期積金 | 0.002~0.003% |
仮に1億円を、比較的利率が高いとされる定期預金に回したとしても、年間で60万円しか増えません。もちろんこの金額で生計を立てるのは困難です。
また、元本をより大きくしたとしても、利息生活が難しいのは変わりません。例えば元本を2億円に増やし、すべて定期預金に回したとしても、年間の利息は120万円です。
したがって、1億円を貯めて働かずに生きていきたい場合は、資産運用する必要があります。資産運用であれば、年利3.0%程度は高い可能性で期待できます。1億円を年利3.0%で運用する場合、年間300万円の運用益を得られるため、それだけで生計を立てることも可能です。
1億円あったら資産運用で早期リタイア(FIRE)は可能?
1億円あったら資産運用で早期リタイア(FIRE)できるかどうかも、関心の集まる点でしょう。結論からいうと、十分可能です。
念のためFIREの定義を簡単に説明すると、経済的な自立を実現してから早期退職することを指します。
1億円あれば資産運用でFIREできる理由ですが、これは資産運用の標準的な年利が3.0%~5.0%とされているためです。たとえ金利が3.0%と低めであったとしても、1億円を運用することで毎年300万円の利益を得られます。生活水準にもよりますが、ある程度豊かな生活を送るにしても十分な金額でしょう。
もちろん年によっては利回りが予想どおりにならなかったり、税金が引かれたりすることで、生活費のすべてを賄えないケースは出てくる可能性があります。
そのため、投資方法を分散してよりリスクを抑えたり、資産の一部をより大きな利回りが期待できる金融商品への投資に当てたりすることが望ましいです。
おすすめの資産運用方法については、次の見出しで解説します。
1億円あったらどこに預ける?おすすめの資産運用方法
1億円あったら資産をどこに預けるべきかも気になるポイントでしょう。実際に資産運用方法を誤ってしまうと、1億円が減ってしまったり、最悪の場合なくなってしまったりする恐れがあります。以下の見出しでは、おすすめの資産運用方法について解説します。
- ヘッジファンド|資産1億円以上ならおすすめ
- 投資信託|リスクが比較的小さい
- 株式投資|比較的ハイリスクハイリターン
- 不動産投資|半不労所得と譲渡所得を狙える
- REIT(不動産投資信託)|不動産に特化した投資信託
- ロボアドバイザー|投資を完全自動化できる
ヘッジファンド|資産1億円以上ならおすすめ
ヘッジファンドは、機関投資家や富裕層から集めた資金をファンドマネージャーに運用させ、運用益を狙う機関です。
ヘッジファンドの「ヘッジ」とは「避ける」という意味であり、その名のとおり長期的な不況などさまざまなリスクを想定して、回避しながら利益を目指します。
ヘッジファンドの最低投資額は基本的に1000万円以上で、なかには数千万円必要なケースもありますが、1億円あれば多くの機関を選択肢に入れられます。
ヘッジファンドの利回り相場は、6.0%~30.0%です。想定利回りとリスクの大きさは比例する傾向にあるため、それぞれを考慮してヘッジファンドを選びましょう。
最低投資額 | 1000万円 |
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目指せる利回り | 6.0%~30.0% |
メリット | ・安定して資産を増やしやすい ・平均利回りが高い |
デメリット | 報酬として手数料が運用資金から引かれる |
こんな人におすすめ | 手堅くかつ大きく資産を増やしたい富裕層 |
投資信託|リスクが比較的小さい
投資信託は、信託会社に資産を預けて自身の代わりに運用してもらう金融商品です。
投資信託は、最低100円から始められるため手軽です。また、自分で投資銘柄を選ばなくて済むため、知識も手間もほとんど必要ありません。
資産1億円あればヘッジファンドにも投資できますが、まずは小さく始めたいという場合は投資信託がおすすめです。
投資信託の平均利回りは、3.0%~10.0%程度です。
最低投資額 | 100円 |
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目指せる利回り | 3.0%~10.0% |
メリット | ・少額から投資を始められる ・リスクが小さい ・知識と手間があまり必要ない |
デメリット | ・利回りはヘッジファンドほど高くない ・短期的に利益を得ることは難しめ |
こんな人におすすめ | いきなり数千万円の資金を投資へ回すのに抵抗がある人 |
株式投資|比較的ハイリスクハイリターン
株式投資は、企業が発行する株式を購入し、それを活用して利益を狙う投資方法です。
株式投資で得られる運用益には「配当金」と「売却益」があります。
配当金とは、株式発行元の企業が利益を出した際に、持株数に応じて配分されるお金のことです。一方で売却益は、株式が安いときに買い、値上がり時に売ることで得られる利益を指します。
売却益を狙う手法には、株価暴落などのリスクが伴いますが、多額の利益を得られる可能性があります。
株式投資の利回り相場は、4.0%~7.0%程度です。
最低投資額 | 500円 |
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目指せる利回り | 4.0%~7.0% |
メリット | ・短期間で大きなリターンを得られる可能性がある ・運用益以外に経営参加権や株主優待を得られる |
デメリット | ・株価下落リスクが大きい ・株式売買できる時間が平日9時~15時と短い |
こんな人におすすめ | ・ある程度大きなリスクを許容できる ・株式投資の知識もしくは興味がある |
不動産投資|半不労所得と譲渡所得を狙える
不動産投資は、自身の居住用ではなく投資用に不動産を購入し、それを運用して利益を狙う投資方法です。
不動産投資では、家賃収入と譲渡所得を得られます。
家賃収入は、不動産を賃貸に出すことで毎月半自動的に得られます。一方で、保有不動産の値上がり時に売ることで、大きな譲渡所得を得られる可能性もあります。
不動産投資の利回りは3.3%~6.5%ですが、相場は地域(首都圏か地方か)や物件タイプ(一戸建て、区分マンションなど)によって変わってきます。
最低投資額 | 80万円~100万円程度 |
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目指せる利回り | 3.3%~6.5% |
メリット | ・家賃収入を毎月半自動的に得られる ・譲渡所得で大きく資産を増やせる可能性がある ・物件の管理を管理会社に委託すれば手間もそれほどかからない |
デメリット | ・物件の価値下落や空室リスクによって赤字になる可能性がある ・流動性が低め ・不動産投資の知識がないと優良物件を選ぶのが難しい |
こんな人におすすめ | ・不動産が好き ・ある程度不動産投資の知識がある |
REIT(不動産投資信託)|不動産に特化した投資信託
REIT(不動産投資信託)は、投資家から集めた資金で不動産を購入し、そこから得た運用益を投資家に分配する金融商品です。簡単にいうと、不動産に特化した投資信託です。
REITは、通常の不動産投資のように大きな元手を必要としません。そのため、まずは小さく不動産投資を始めたい人におすすめです。
REITのなかでも、日本で購入できるのがJ-REITです。J-REITの利回り相場は、一般社団法人不動産証券化協会の調査によると、2023年4月時点では4.1%とされています。
最低投資額 | 数十万円 |
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目指せる利回り | 3.0%~4.8% |
メリット | ・少額で不動産投資を始められる ・過去10年間で利回り3%を下回った月が一度もなく安定感がある |
デメリット | ・基本的に途中解約ができない ・REIT向けのローンがない |
こんな人におすすめ | 小さく不動産投資を始めたい人 |
ロボアドバイザー|投資を完全自動化できる
ロボアドバイザーは、AIを活用した資産運用です。AIが資産配分を最適化してくれるため、リスク許容度や目標に合わせて資産運用できます。
ロボアドバイザーには「アドバイス型」と「投資一任型」の2種類があります。アドバイス型は、投資に関する助言のみ行うのに対して、投資一任型では運用も含めて任せられます。
自身で投資対象を選びたい場合はアドバイス型、すべて自動で任せたい場合は投資一人型がおすすめです。
ロボアドバイザーの利回りは、1.0%~8.0%程度です。
最低投資額 | 1000円 |
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目指せる利回り | 1.0%~8.0%程度 |
メリット | ・手間がかからない ・投資知識が少なくても始めやすい |
デメリット | ・手数料が高め ・税制面で不利になる可能性がある |
こんな人におすすめ | 投資に割く時間と労力を極力抑えたい |
1億円の資産運用でおすすめのヘッジファンド「BMキャピタル」
BMキャピタルは、東京に本社を置くヘッジファンドです。組織は東京大学や京都大学など、一流大学出身のメンバーで構成されており、かつそれぞれが外資系投資銀行や海外ヘッジファンドでの実務を経験しています。各人が豊富な専門知識と高度な分析能力を持っているため、安心して資産運用を任せられます。
実際にBMキャピタルは、2013年の運用開始から現在まで、年間利回りがマイナスになったことはありません。さらに、平均年間利回りは10%~20%と高水準で安定しています。そのため、リスクを抑えつつも大きく資産を増やしたい場合は、特におすすめです。
最低出資額は1000万円であるため、1億円あれば問題なく利用できます。興味がある場合は、ぜひ検討してみましょう。
BMキャピタルの評判・口コミ|怪しい?利回りや運用実績など実態調査
BMキャピタルの評判・口コミについては気になっている方に加えて、実際の運用実績やリターンについても詳しく知りたい方は多いでしょう。
本記事ではBMキャピタルがどのような運用理念を...
貯金1億円を達成するための実践ポイント
最後に、貯金1億円を達成するための実践ポイントを紹介します。どれも取り入れるのはそれほど難しくないため、より確実に早く貯金1億円を達成した場合は、なるべくすべて実行するのがよいです。
- 先取り貯金で確実に資産を増やす
- 家計簿で収支と貯蓄可能額を把握する
- 固定費を削減して浮いたお金を貯蓄する
先取り貯金で確実に資産を増やす
先取り貯金とは、収入から先に貯蓄分を天引きして貯金に回すことです。生活費は、天引き後の金額で賄います。例えば毎月の収入が50万円、貯蓄額が20万円の場合、残り30万円を生活資金とします。
先取り貯金のメリットは、毎月確実に決まった金額を貯められることです。余ったお金を貯蓄に回すという方法は、いざやってみると上手くいかない傾向があるため、貯金したい金額は先取りしてしまいましょう。
先取りしたお金は、銀行の定期積立や勤め先の財形貯蓄など、引き出すのに手間がかかる口座に預けるとより成功しやすいです。そうすることで、貯金に手を出してしまいにくくなるためです。
家計簿で収支と貯蓄可能額を把握する
貯金1億円を達成するためには、家計簿の利用もおすすめです。家計簿をつけることで、収支と毎月貯金できる金額を可視化できるためです。
家計簿は、毎日の習慣にすることで継続しやすくなります。家計簿をつけるのが面倒な場合は、手軽な家計簿アプリを使うのがおすすめです。また、支払いをなるべくキャッシュレス決済に切り替え、その管理画面を家計簿代わりとして使うことも有効です。
固定費を削減して浮いたお金を貯蓄する
固定費は、毎月の支出が決まっている費用です。例として、以下のものなどが挙げられます。
- 水道光熱費
- 家賃
- スマートフォン利用料
- 通信費
- 保険料
- サブスクリプションサービス
固定費が高いと、貯金する余裕がなかなか生まれません。そのため、固定費で削れるものはなるべくカットしましょう。スマートフォンを格安SIMに変更できないか、不必要な保険に加入していないかなど、減らせそうな固定費を検討するのがおすすめです。
1億円あったら何年暮らせるか改めておさらい
1億円あったら何年暮らせるかは支出によって変わりますが、ライフイベントで発生する支出も加味すると、それだけで老後まで安心して暮らすのは厳しい可能性があります。したがって、本記事で紹介した資産運用方法を使って、1億円をさらに増やすのがおすすめです。そうすることで、労働からの完全な脱却も可能となります。
日本国内ヘッジファンドおすすめランキング15選|高利回り企業一覧
この記事では、ヘッジファンドのおすすめをランキング形式でご紹介します。ヘッジファンドと聞くとどのようなイメージをお持ちでしょうか。政府が進める「貯蓄から投資へ」の流れの中で、株...