NTTデータの企業概要

NTTデータの企業概要

NTTデータとは、データ通信やシステム構築を主軸とした事業を展開する企業であり、その始まりは1967年に設置された日本電信電話公社データ通信本部です。

当時は主に日本の社会インフラや電子計算機に関わる事業を行っており、1988年にNTT通信株式会社が発足しました。

それからは銀行のデータ通信や、社会保険システム、住民基本台帳ネットワークシステムなどの実績を積み上げ、現代の日本社会をIT面から支える企業となりました。

会社名株式会社NTTデータ(NTT DATA Japan Corporation)
住所〒135-6033 東京都江東区豊洲3-3-3 豊洲センタービル
設立1988年
代表代表取締役社長 佐々木 裕
資本金1,000百万円(2023年11月1日現在)

NTTデータの事業内容

NTTデータの事業内容

NTTデータは、日本社会における重要なインフラを担う事業を多く展開しています。

投資する際はその企業が行う事業について理解することが重要なので、ここではNTTデータが行っている事業内容について紹介します。

ポイント

  • 統合ITソリューション
  • ITコンサルティング
  • システムインテグレーション・ソフトウェア開発
  • メンテナンス・サポート

統合ITソリューション

NTTデータの総合ITソリューションでは、官公庁や自治体だけでなく、金融機関など幅広い業種の企業における情報システム構築を主に行っています。

NTTデータといえば通信系のシステムを扱っているイメージですが、医療や食品といった、普段の生活を支えるサービスも展開しており、コロナで世間のDX化が進む中でも最適なシステムを提供しています。

参考:NTTデータ「業種別ソリューション」

ITコンサルティング

NTTデータはITコンサルティングも行っています。

NTTデータは昨今の急成長するテクノロジー社会に合わせ、既存のビジネスモデルに囚われないことをモットーとしてコンサルティングを行っています。

さらに長年あらゆる業種でシステム構築を行ったそのノウハウにより、事業改革や組織能力の変革を提供し、新たな産業の在り方を目指しています。

参考:NTTデータ「ITコンサルティング」

システムインテグレーション・ソフトウェア開発

NTTデータのシステムインテグレーション・ソフトウェア開発事業では、顧客の事業内容に合わせたソフトウェア開発に企画段階から加わり、進めています。

顧客事業の課題を分析し、それを解決するための新しい価値観を提案し、実現するための高く確かな技術力がNTTデータにはあります。

最先端の技術も積極的に取り入れつつも、従来のソフトウェアの強みも柔軟に統合することで、より最適なシステムを構築することができます。

参考:NTTデータ「システムインテグレーションサービス」
参考:NTTデータ「アプリケーション開発」

メンテナンス・サポート

NTTデータでは システム構築やソフトウェア開発に留まらず、実際の運用時に発生するさまざまな問題の防止や解決にも尽力しています。

システムのメンテナンスだけではなく、システムをリモートで24時間365日監視するサービスも提供しており、問題が発生しても迅速にシステム復旧にあたります。

また顧客の要望に合わせた細かい対応も可能であり、円滑なシステム運用をサポートします。

参考:NTTデータ「NTTデータ ルウィーブ株式会社 運用・保守サービス」

NTTデータの業績推移|売上・営業利益

NTTデータの業績推移

以下のグラフはNTTデータの業績推移を表したものです。

NTTデータは2020年以降、営業利益率を大きく伸ばしており、業績は好調といえます。

NTTデータの業績推移

2020年といえばコロナが世界的に流行した年で、外出を自粛する巣ごもりの影響により多くの企業の業績に悪い影響を及ぼしていました。

しかしNTTデータはデータ通信事業を主軸としているため、むしろ需要は増して売上高や営業利益率は大きく跳ね上がりました。

またNTTデータの場合、それまで赤字だった海外事業においても構造改革が成功したことで黒字転換し、NTT全体を見ても業績的には絶好調といっても過言ではないでしょう。

参考:日本経済新聞「NTTデータ海外事業黒字化」

NTTデータの株価推移|過去3年のチャート

NTTデータの株価推移

業績を見るとNTTデータは絶好調といえますが、株価にはどのような影響を及ぼしているのでしょうか。

ここではNTTデータの過去3年分の株価チャートを見ながら、どのような変化があったかを解説していきます。

ポイント

  • 2020〜2022年にかけて株価が上昇
  • 2020〜2023年にかけて株価が下落

2020〜2022年にかけて株価が上昇

NTTデータの株価推移

世界的にコロナが流行した頃に、NTTデータは株価が上昇しています。

この頃はまだコロナ収束の見通しが立っておらず、ビジネスにおいてもオフィスではなくテレワークといった新しい働き方を推奨する企業が多くなりました。

このことで企業のDX化が急速に進み、その結果、さまざまな業種でデータ通信事業を扱っているNTTデータの需要が上がり、株価にも影響を与えました。

また、これまで赤字が続いていた海外事業においても黒字転換したことで、多くの投資家が好印象を持ったことも、株価上昇の一因となっていると考えられます。

2020〜2023年にかけて株価が下落

NTTデータの株価推移

ここ最近のNTTデータの株価は下落傾向になっています。業績自体は右肩上がりであるものの、2022年に金融引き締めが加速したことで、IT関連の株価が急落してしまいました。

またコロナによるDX化が急速に進んだことで、NTTデータの株価への期待が少し大きくなりすぎてしまったことも、株価下落の原因の1つといえます。

現在もまだ株価は低迷しており、また親子上場解消への思惑も後退もあり、見切り売りの投資家が増えてきています。

参考:FRBの量的引き締め加速は金融市場を混乱させるか|NRI
参考:NTTデータが反落、NTTの完全子会社化期待薄れ手仕舞い売り|会社四季報オンライン

NTTデータの配当実績|一株配当・配当利回り推移

NTTデータの株主還元は配当金のみです。以下の表は、NTTデータの配当実績を示す表です。

NTTデータの配当実績

NTTデータの配当金はそれほど高くは設定されておらず、利回りを確保しづらい株となっています。

しかし昨今のNTTデータは増配傾向にあり、短期的な利益は見込めずとも長期的な観点からいえば買いを検討してみても良いかもしれません。

コロナが収束した今でも、世界的にDX化の急進が収まることはなく、IT需要はなおも保たれており、下がる見込みもありません。さらに現在業績が上がり続けているNTTデータであれば、十分利益を得ることができるでしょう。

NTTデータの株価はなぜ安い?下落した理由など解説

NTTデータの株価はなぜ安い
JHVEPhoto - stock.adobe.com

NTTデータの株価はなぜ安いのか?

業績を見れば右肩上がりで、IT需要も今後低くなることは考えられないため、手堅く利益が出せそうですが、株価は下落傾向にあります。

ここではNTTデータが下落した原因を3つ紹介していきます。

ポイント

  • 政府が財源確保のためにNTTデータ株を売却
  • 異例の1株25分割の株式分割により信用買いが増加
  • NTT法によって経営に関する縛りがある

政府が財源確保のためにNTTデータ株を売却

日本政府はNTTデータの株式を多く保有する株主でもあります。しかし国が防衛力強化のために必要な費用を捻出するために、NTTデータの株式を売却する流れとなっています。

日本政府は約33.3%の株を所持しており、これを全て売れば約5兆円となる計算です。

国の防衛力強化のために増額する財源は4兆円です。そのうち3兆円までは財源確保が出来ている現状ですが、残り1兆円の不足をNTTデータの株式売却によって確保する案が浮上しています。

1兆円レベルの株式売却となると、株価にも大きな影響が出ると考えられ、その嫌気が現在の株価下降の理由の1つだと考えられます。

参考:NTT株売却で思惑交錯、自民党で議論 「絶対売らせない」の声も|朝日新聞デジタル

異例の1株25分割の株式分割により信用買いが増加

NTTデータは株主や投資家に投資しやすい環境を整え、より幅広い投資家層に拡大することを目的に株式分割を実施しました。

その分割数は1株25分割と異例で、多くの投資家から注目を集めました。

その結果NTTデータ株の信用買いが増加し、信用倍率の急上昇に繋がっています。

一般的に信用倍率が増加することは、株価上昇の可能性が高くなることですが、一方で信用買いが増えると売り需要が高まり株価が上がりにくくなります。

NTTデータの信用倍率は既に収束に向かっており、これが原因で株価が下落傾向にあるようです。信用買いが減るまではしばらくこの状態が続くと思われます。

NTT法によって経営に関する縛りがある

最近の株価下落の直接的な要因ではありませんが、NTTデータの株が安値で留まっている理由の1つがNTT法による経営面での縛りです。

そもそもNTTデータは1985年までは国営であり、現在も日本政府が大株主であったりと、政府とのつながりが強い企業です。

そのため政府の意向に背く経営を行うことができず、何をするにも日本政府の意思決定が強く反映されます。

一度日本政府による調整を挟まなくてはならない他、NTT法により研究成果の公開義務などがあるため、革新的な技術を生み出してもそれを無償で公開しなければなりません。

こういった縛りが多くあるせいで、NTTデータの株価は安値で留まりやすくなっています。

注目ファンド

詳細な投資分析によるバリュー投資を中心に実践しており、短期的な利益追求ではなく安全性を追求しながら中長期的な利益を求めているヘッジファンド。

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NTTデータの株価に対する投資家の口コミ

NTTデータの株価に対する投資家の口コミ

現在NTTデータの業績は右肩上がりで、配当金も増配傾向にあります。

一方で日本政府によるNTTデータ株の売却や、信用買いの急増により、現在の株価は下落傾向にあります。

このNTTデータの株について、実際の投資家による口コミを集めてみました。

株価に折り込み済みかどうかなんかだれにもわからない。
今頃なってNTTデータ株価下落。

株価なんか人気投票、思い込みの集合

引用:X

9613 NTTデータグループ
株価は知らんが、業績はぶっちぎりで絶好調ですな。
流石です。

引用:X

おはよ☀️
NTTデータ、10月10日の全銀システムのトラブル以降、株価が下がり続けてだけど、昨日上昇に転じたよ
日経平均株価が全体的に下がってたから下落がシステム障害の影響だけなのかいまいち判断しかねるな〜。
『少なからず影響はあると思うにゃでもNTTなら回復が早そうにゃ〜』

引用:X

9613 NTTデータグループ
大和証券が投資判断「バイ」継続で、
目標株価も2390円から3250円に引き上げている明日ストップ高予想
http://jdu.mkoghzd.xyz/auto/mb/0914/9613

引用:X

9月末の権利確定から、急落し350万円近い含み益が190万円にまで落ち込んだのはキツかったが耐え凌いだ。
今回の急落でビキナーズラックの株主は含み損を抱えたようで消失した模様。
京急の取得は株価見直し、NTTデータ再取得かつ取得株価を1,800円きれたのはいい。損切はしません♪
#株式投資

引用:X

最近NTTデータは全銀システムでトラブルを起こしてしまい、その影響で一時株価が下落していることに嫌気を起こしている投資家が多いようです。

一方で業績が落ちているわけではなく、急落も一時的なものだったので、NTTデータであればすぐに立て直すだろうという判断も見受けられます。

元々NTTデータ株は長期的な運用が合っている株でもあるので、まだまだ様子見という段階だと思われます。今後、政府の株式売却案などが固まれば、再び大きく変動しそうです。

NTTデータの株価は今後どうなる?

NTTデータの株価は今後どうなる

NTTデータの株価は今後どうなるのか。日本政府の株式売却による不安はあるものの、NTTデータ自体の業績は右肩上がりです。

そんなNTTデータ株ですが、今後はどうなっていくのか、買うべきか否かを解説していきます。

ポイント

  • 短期的には横ばいが続き、すぐ利益には繋がらない
  • 今後株価上昇が予想されるため長期運用なら最適

短期的には横ばいが続き、すぐ利益には繋がらない

NTTデータの株を短期的に売買する目的で見ると、利益には繋がらないと考えられます。

日本政府による株式売却案が固まるまで大きな株価上昇は期待できず、信用買いが落ち着くにも時間がかかってしまいます。

その結果、NTTデータの株価は今後しばらくの間は横ばいが続くと考えられるため、短期的な運用には向かないでしょう。

ここ最近では全銀システムトラブルにより、システムの開発元であるNTTデータの株価が一時下落してしまっています。

とはいえNTTデータはNTT法もあることから、株価が急激に上がることもないので、運用するのであれば長期的に考える方が良いでしょう。

今後株価上昇が予想されるため長期運用なら最適

NTTデータの株を買うのであれば、長期運用が最適です。

NTTデータの新中期経営戦略によれば、2027年までにEBITDAの20%増加を目標にすることを発表しています。

EBITDAとは営業利益+減価償却費のことを指しており、これが上昇すれば1株あたりの利益が増加することになるので、株価上昇にも繋がります。

また現在の信用買いが落ち着けば、本格的に株価も上昇していくので、NTTデータの株運用は長期的に考えましょう。

NTTデータの業績・株価・配当についてまとめ

NTTデータの株価は今後しばらく横ばいが続いた後、上昇していく流れだと思われます。

しかし日本政府によるNTTデータ株の売却案の行方が固まれば、現在の予想が覆る展開も大いにあります。NTTデータ株はどうしても長期的運用を考えていかなければならないので、購入する場合はNTTデータや日本政府の動向に注目していきましょう。

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