INPEXの企業概要
INPEX(インペックス)とは、2006年に設立され、国内外で石油や天然ガス、鉱山資源などの探鉱、生産、販売などを行っている企業です。
「エネルギーの開発・生産・供給を、持続可能な形で実現することを通じて、より豊かな社会づくりに貢献」を経営理念とし、私たちのエネルギーインフラの安定を担っています。
INPEXの企業概要は以下の通りです。
商号 | 株式会社INPEX(英文商号:INPEX CORPORATION) |
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本社所在地 | 〒107-6332 東京都港区赤坂五丁目3番1号 赤坂Bizタワー |
設立 | 2006(平成18)年4月3日 |
決算期 | 12月 |
資本金 | 2,908億983万5,000円 |
従業員数 | 連結:3,557人 単体:1,367人 (2024年3月30日現在) |
INPEXの事業内容
INPEXは石油・天然ガス事業とネットゼロ事業を展開しています。石油・天然ガス事業は、石油や天然ガスを供給するために、「探す」「掘る」「生産」「運ぶ」の4つの工程を行っています。
「探す」工程では、地下に存在する石油や天然ガスを最先端の技術を使って調査やテストを行います。
次に、リグという装置で井戸を掘り、石油や天然ガスを採取します。石油やガスを採取したら、製品として利用できるように精製・処理をし、ガスや石油が私たちのもとへ届けられます。
ネットゼロ事業とは、水素事業、森林保全の促進、カーボンリサイクル、再生可能エネルギー、CO2削減の5つの分野で、石油や天然ガス事業の強じん化を目指すとともに環境に配慮したCO2削減や再生可能エネルギーの拡大を目指しています。
INPEXの業績推移|売上・営業利益
INPEXの業績は近年、一貫して堅調な成長を示しています。2024年第1四半期の連結業績では、売上収益が前年同期比で3.3%増の5,968億円に達しました。収益増加の主な要因は、販売数量の増加と為替レートの影響です。原油売上は12.7%増の4,501億円を、天然ガスの売上は前年同期比で18.7%減少しながらも1,411億円を記録しています。営業利益も1.4%増の3,801億円を達成しており、財務健全性が非常に高い企業です。
売上収益の内訳は原油が4,501億円、次いで天然ガスが1,411億円を占めています。原油の売上は前年同期比で508億円増加していますが、天然ガスは325億円ほど減少しています。販売数量の増加が売上増の一因となっている一方で、販売単価の下落が収益に影響を与えていると考えられます。
INPEXの株価推移|過去10年のチャート
- 2018〜2021年にかけて株価が低迷
- 2021〜2024年にかけて株価が高騰
2018〜2021年にかけて株価が低迷
2018年から2021年にかけて、INPEXの株価は時より回復を見せながらも低迷を続けました。主な要因としては、原油価格の大幅な変動が挙げられます。同期間、ブレント原油の価格は95ドルから85ドルへと大きく下落したことが、INPEXの収益にネガティブな影響を与え、株価の下落を引き起こしました。
加えて、当時の市場全体の不安定さや、高配当株への投資動向の変化も株価低迷に影響したと考えられます。
2021〜2024年にかけて株価が高騰
長い停滞期間を抜けて、INPEXは2021年から2024年にかけて安定した株価成長を遂げました。成長を支えた主な要因は、国際的なエネルギー価格の上昇です。特に、原油市場での価格回復がINPEXの業績に直接的に好影響を与えました。
さらに、持続可能なエネルギーシフトに伴って、INPEXが投資を加速した再生可能エネルギープロジェクトへの期待も市場からポジティブに評価されました。これらの動向が投資家からの信頼を集め、中長期的な株価上昇を支える要因となりました。
INPEXの株主還元|配当・自社株買い・株主優待
INPEXは、長期的な株主価値の向上と株主還元を重視しており、その戦略の一環として配当政策や自社株買いに積極的に取り組んでいます。ここではINPEXの株主還元について配当、自社株買い、株主優待について解説します。
- INPEXの一株配当・配当利回り推移
- INPEXの自社株買い推移
- INPEXの株主優待
INPEXの一株配当・配当利回り推移
INPEXは2022年から2023年にかけて、2期連続で配当を増配しました。2022年12月期では1株あたりの配当が前年比14円増の62円になり、配当利回りは4.4%に達しました。続いて、2023年12月期ではさらに12円の増配を行い、1株あたりの配当は74円、配当利回りは4.6%を記録しています。
配当増加の背景にあるのが、INPEXの堅調な業績と経営戦略です。中期経営計画においても、総還元性向を40%以上でキープしながら、安定した配当を実現することが目標とされています。
INPEXの自社株買い推移
INPEXは2021年から2024年にかけて、大規模な自社株買いを実施しています。2024年には、最大4000万株、総額500億円の自社株買いプランを発表し、6月時点で約543万株の取得を実現しました。
自社株買いは株価安定や、株主価値の向上を図るための戦略の一環です。2023年には、最大8000万株、1000億円の枠で、約4776万株が取得されました。これにより、企業の資本効率向上とEPS増加が期待されます。
INPEXの株主優待
INPEXでは株主優待として、特別仕様のQUOカードを配布しています。QUOカードは前年12月31日時点でINPEXの普通株式を400株以上、かつ1年以上保有している株主を対象に、毎年3月下旬ごろから順次発送されます。優待制度の詳細は保有株式数と保有年数によって異なるものの、QUOカードについては一定条件を満たす株主には毎年恒例で贈られるようになっています。
さらに、INPEXは株主優待の一環として社会貢献活動も行っており、QUOカードの券面額の一部を自然保護団体などに寄付しています。INPEXは株主還元を通じて、持続可能な社会づくりにも貢献しているのです。
INPEXの株価に関する掲示板の評判・口コミ
恐ろしく優良銘柄。
今月末の配当もでかいので株主に取ってはこのPBRもかなり安心できる成長銘柄❗️引用:Yahoo!ファイナンス
心配しなくても、配当確定日には2500近くきてるだろし、一生売らなくていい銘柄だと思うよ!
引用:Yahoo!ファイナンス
数年後には普通に5000円超のレーティングになっているかと(・∀・)
引用:Yahoo!ファイナンス
超絶円安で、原油も上がってるのに動きが微妙なのは、信用が多いから?
引用:Yahoo!ファイナンス
円安、原油高の追い風でも株価はさえない残念な銘柄
引用:Yahoo!ファイナンス
肯定的な口コミには、原油価格の上昇や新規プロジェクトの成功が株価にプラスに働いていることを強調する声が目立ちます。特に、配当利回りの高さや政府のエネルギー政策支援が長期的な安定をもたらすとの見解が多く見られます。
一方、懐疑的な評価も無視できません。原油価格の変動に伴うリスクや環境規制の厳しさ、新規プロジェクトの不確実性などに対して、一部の株主からは不安の声が上がっています。また、海外投資による地政学的リスクも指摘されています。
投資を検討する際には掲示板の意見だけでなく、専門家の分析や自分自身のリサーチも重要です。投資初心者はこれらの意見を参考にしつつ、自身のリスク許容度や投資方針に合わせてどの株を持つべきか慎重に判断しましょう。
INPEXに将来性はある?
INPEX(インペックス)の業績や株価、配当が増加していますが、今後の将来性は見込まれるのでしょうか。
ここではINPEXの将来性について業績や環境問題の視点から考えていきましょう。
- 原油価格が業績に大きく影響する
- 2050年カーボンニュートラルの実現に向けて
- 日本政府(経済産業省)が筆頭株主
原油価格が業績に大きく影響する
INPEXは主な事業として石油や天然ガスの開発から生産、販売を行っています。そのため原油価格は業績に大きく影響します。
実際にウクライナ危機による原油価格の高騰によって2022年の12月期は売上、営業利益ともに過去5年最高を記録し、営業利益は初めて1兆円を超えました。
また、INPEXはグローバル企業であるため、円安/ドル高の影響により利益が出しやすい状況にあると言えます。今後も世界情勢による原油価格の推移や為替に注目です。
2050年カーボンニュートラルの実現に向けて
2015年に行われたパリ協定によって、世界各国は環境問題に取り組む政策を行っています。
日本では、2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにするカーボンニュートラルを目指しています。
カーボンニュートラルとは、温室効果ガスの排出量と吸収量を合算し、実質ゼロにすることです。2030年を中間目標として、温室効果ガスの排出量を2013年度比で46%の削減を掲げています。
INPEXでもカーボンニュートラルの取組みとして政府の支援を受けながら、水素・アンモニア事業、森林保全の促進、カーボンリサイクル、再生可能エネルギー、CO2削減の5つの取組みを行っています。
日本政府(経済産業省)が筆頭株主
INPEXは、エネルギー分野の専門企業であり、国内外で石油と天然ガスの開発と生産に従事しています。同社は日本政府(経済産業大臣)が筆頭株主であり、約20%の株式を保有しています。
さらに、INPEXは日本において唯一の黄金株(企業買収や合併など、株主総会の決議事項について拒否権を行使できる株式のこと)として保有されています。
これは、経済安全保障が重視され、資源に乏しい日本にとってINPEXがどれだけ重要な存在であるかを示しています。
また、INPEXは日本の年間エネルギー消費量の約1割に相当する石油と天然ガスを生産しています。
参考:早わかりINPEX
INPEXの株価は今後どうなる?
ここでは、INPEX(インペックス)の今後の株価についてどうなるかについて紹介します。
短期的な視点では原油価格、長期的な視点では脱炭素社会について触れて今後の株価を展望していきます。
- 原油価格が高騰しているなら期待できる
- 脱炭素時代の需要に対応できるかが今後の鍵
原油価格が高騰しているなら期待できる
INPEXの業績や株価は原油価格や為替の影響を大きく受けます。2022年の売上高と営業利益はウクライナ危機による原油価格の高騰や円安などにより、好調でした。
また株価も2020年の新型コロナウイルス感染拡大以降、業績拡大に伴って上昇していきました。
そのため今後も原油価格が高騰し続け業績が拡大すれば、株価の上昇も期待できるでしょう。
またINPEXは海外事業を展開するグローバル企業のため為替の影響も受けます。
円安/ドル高の現在は利益が出しやすく株価も上がりやすい状態と言えます。今後もウクライナ危機などの世界情勢による原油価格と為替市場に注目しましょう。
脱炭素時代の需要に対応できるかが今後の鍵
世界各国では、2015年のパリ協定によって環境問題への取組みを行いました。
日本でも2050年までにカーボンニュートラルを宣言し、脱炭素社会の実現を目指しています。
INPEXの主な事業は石油・天然ガスのため、クリーンエネルギーへの移行が不可欠です。
INPEXはカーボンニュートラルの取組みとして水素・アンモニア事業、森林保全の促進、カーボンリサイクル、再生可能エネルギー、CO2削減の5分野のネットゼロ分野の事業を行っています。
今後世界的に石油からクリーンエネルギーの需要が高まると考えられます。INPEXがその需要に対応し、業績が上がれば株価の上昇も期待できるでしょう。
INPEXの業績・株価・配当についてまとめ
ここまで、INPEX(インペックス)の業績・株価・配当について紹介してきました。INPEXの業績や株価は原油価格や為替などの影響を大きく受けます。
2022年はウクライナ危機による石油価格の高騰や円安などにより営業利益は1兆円を超え、株価は最近10年で最高値に近い値を記録しました。
今後も世界情勢による原油価格や為替、脱炭素社会のエネルギーの需要に注目です。
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