スノーピークの企業概要

スノーピークの企業概要

スノーピークは、テントなどのアウトドア製品の開発・製造・販売を展開している企業です。またアウトドア事業から派生したキャンピングオフィスや地方創生分野においても存在感を示しています。

新潟県三条市の広大な高原地に本社(キャンプフィールドと直営店を兼ねる)を構えるほか、新潟を中心に自社工場が稼働しています。

商号株式会社スノーピーク
代表者代表取締役会長兼執行役員 山井太氏
創業1958年7月
従業員数(連結)697人(2022年12月31日現在)
本社スノーピーク ヘッドクォーターズ
新潟県三条市中野原456

スノーピークの事業内容

スノーピークの事業内容

スノーピークの事業内容です。印象の強いアウトドア商品の開発・販売のほかにも、さまざまな領域での事業を展開しています。

企業の掲げるキーワードは「人生に野遊びを」。キャンプを楽しむ特別な時間に限らず、人生を通じて付加価値の提供を掲げています。

ポイント

  • アウトドア製品の開発・製造・販売
  • アパレル製品の開発・製造・販売
  • アーバンアウトドア事業
  • キャンピングオフィス事業
  • 地方創生事業
  • グランピング事業

アウトドア製品の開発・製造・販売

メイン事業です。主に自社工場で製造したアウトドア製品の開発・製造を行っています。テントやキャンプ用品、キャンプ遊具などが中心です。

デザインにこだわりながらも、同時に実用性を追求しており、「スノピ」と呼ばれる固定ファンがいる事業領域でもあります。現会長の山井太氏はオートキャンプの火付け役と呼ばれ、マイカーで乗り入れテントを張ってキャンプを楽しむ文化を作った一人といえるでしょう。

1990年以降キャンプブームの収束によって業績が低迷するものの、商品力の強化によって業績が回復します。今も昔も同社の基幹ビジネスといえます。

アパレル製品の開発・製造・販売

キャンプ領域から派生して、アウトドア向きのアパレル製品の提供も確固たる立場を築いています。同社の創業領域である登山やキャンプと、飲食やキャンピングオフィスを繋げる潤滑油としての存在意義もあります。

「HOME⇔CAMP」をコンセプトとしており、普段使いでも自然のなかでも快適な着心地とデザイン性を備えたアパレルを展開しています。

アーバンアウトドア事業

工務店やディベロッパーと連携し、都会にいても身近に自然を感じることのできる住まいや暮らしの提案を行っています。

居住部分の提案は多くの企業が得意としている一方、自然を感じる部分に関しては得意とする業者が少なく、同社のノウハウを充分に活かせる事業といえるでしょう。

派生して自然を重視する住宅デザイン監修や、住宅向け製品の販売などを展開しています。

キャンピングオフィス事業

テントやタープなど自然と人、人と人とを繋ぐスノーピークのノウハウをビジネスに取り入れ、オフィスを提供するビジネスです。

ハードの提供に限らず導入コンサルティングやファシリテーション、研修までもサポートしています。屋内のオフィスのなかでもテントを活用したアウトドア空間を作ることで、斬新な発想や前例の無いアイデアの創出に寄与します。

今日のビジネスシーンにおいて、とても重視されている領域です。

地方創生事業

行政や地方の企業と連携して、体験開発や地元産業の製品開発を生み出しています。

手ぶらキャンプ、ツアー、アウトドア研修といった実例がありますが、軸は地域事業者とともにオーダーメイドのプログラム開発です。

また地方創生事業にて開発した商品は全国のスノーピーク直営店で取り扱うほか、製品が生み出される製作工程を見学するツアーを実施するなど、独自の視点での販売促進戦略も広く展開しています。

グランピング事業

テント型の宿泊施設であるグランピング事業の展開です。長野県の白馬村や徳島県の小松島、新潟県の阿賀野市にてグランピング施設を展開しています。

BBQの提供や、アクティビティを併せたオールインクルーシブの体験提供が強みです。

白馬は山、徳島は海、新潟は邸宅型と、ジャンルの違う施設の提供も利用者の満足度を高めています。

スノーピークの業績推移|売上・営業利益

スノーピークの業績推移

スノーピークはアウトドア型サービス・体験の提供というメインモデルのため、2020年以降本格化したコロナ禍の影響が懸念されるところです。

ところが予想と反し、2020年から2021年は営業利益、1株あたりの純利益のいずれも上昇しています。その後、下落に転じ現在に至ります。

(営業利益:単位 百万円)

スノーピークの業績推移

(当期純利益:単位 百万円)

スノーピークの業績推移

(1株あたりの純利益(単位 円))

スノーピークの業績推移

2021年4月にスノーピークは本社の敷地を5万坪から15万坪に拡大し、敷地内に温浴施設を中心とする複合型リゾート「フィールド スイート スパ ヘッドクォーターズ」を2022年に開業すると発表しました。

2タイプ3棟のヴィラ棟、レストランが設置されています。体験型アウトドアが注目されるなかでの打ち手であり、業績を見ると確実な成果が出ているようです。

スノーピークの株価推移|過去3年のチャート

スノーピークの株価推移

スノーピークの株価をチャートから見ていきましょう。2021年から2022年にかけて株式市場の期待を集め株価は急騰するものの、以降は下落基調が続いていることが読み取れます。

ポイント

  • 2020〜2021年にかけて株価が上昇
  • 2022〜2023年にかけて株価が下落

2020〜2021年にかけて株価が上昇

スノーピークの株価推移

2020年から2022年の手前まで株価が急騰しています。コロナ禍は同社のビジネスに悪影響をもたらしそうですが、コロナ禍で様々に制限されたレジャーのなかで、同社の事業は「リスク(感染確率)が少ないもの」と判断されたことがわかります。

レジャーを楽しむにあたっての人と人の距離やアウトドアという環境が後押しになったのではないでしょうか。また、同社の取り組みも功を奏し、株価の上昇に繋がっていったことがわかります。

2022〜2023年にかけて株価が下落

スノーピークの株価推移

2022年から2023年にかけて、段階的に株価が下落しています。同社の業績は確かに前年比割れしていますが、それほど著しい下落でもありません。

コロナ禍からの回復で同社以外に(投資銘柄の)選択肢が増えたことと、2022年9月に発生した代表取締役の交代事例が影響しているのではないでしょうか。新しい代表が前職の復帰であり、かつ高齢ということも影響しているのではと考察します。

新たに取り組んでいるオフィス支援や地方創生などはマネタイズに時間がかかる分野でもあるため、2023年以降の数字への反映に期待です。

スノーピークの株主還元|配当・株主優待

スノーピークの株主還元

スノーピークの株主還元制度を分析します。同社の配当実績や株主優待はどのようになっているのでしょうか。

株主還元にかかわるIRレポートを見ると、同社の固定ファンや常連の購入客と株主が近いところにいることがわかります。

そのため、株主還元も手厚いものになっています。

ポイント

  • スノーピークの一株配当・配当利回り推移
  • スノーピークの株主優待について

スノーピークの一株配当・配当利回り推移

同社の株主優待は、安定した配当に代表されます。以下、過去8年の年間配当です。

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2015年2016年2017年2018年2019年2020年2021年2022年
1.25円3.75円6.25円6.25円6.25円6.25円10円12円

なお2017年12月に1株→2株、2021年12月に1株→2株の株式分割を実施しています。両回とも分割のあと株価が上昇しているため、分割戦略が成功したといえるでしょう。

2021年から従来より手厚くなっている一株配当も評価することができるものです。

スノーピークの株主優待について

スノーピークでは、当社株式を1年以上継続して保有された株主を対象に、株主優待電子クーポンを付与しています。当該クーポンを利用すると、同社商品を販売価格から15%割り引いた値段で購入できる仕組みです。

クーポンの対象は同社製品、直営キャンプフィールドにて提供しているサービスのほか、キャンプフィールド宿泊領域やレストランの飲食代に対しても、幅広く活用することができます。購入者と株主が近いからこそ、実施できる優待の施策といえます。

スノーピークの株価が下落した理由を解説

スノーピークの株価が下落した理由

スノーピークの株価が下落した理由を考えていきます。コロナ禍で高く注目され高騰した株価が下がっているのは、競合との距離感とガバナンスの問題というポイントがあります。

ポイント

  • 多角化方針への反動が見て取れる
  • 社長の退任劇の影響は否定できないもの
  • 脱キャンプのビジネスモデルを構築する過渡期では

多角化方針への反動が見て取れる

2021年以降、同社は従来のアウトドア領域に留まらず、不動産や行政連携といった多角化に舵を切っています。

同社の株をホールドする固定ファンに至らず、アウトドア思考から同社の株を購入した投資家にとっては多少のハレーションが発生しているのではないでしょうか。

一方で、これらの不動産や行政との連携はきわめて斬新な取組みであり、マネタイズ面で結果が生まれれば反転し、同社の魅力の裏付けになる可能性も高いものです。

既に同社が構築していたノウハウの延長線上である仕掛けであるのは間違いないため、推移を見守りたいと思います。

社長の退任劇の影響は否定できないもの

ゴシップ的な書き方になりますが、2022年に当時の社長が既婚男性との交際と妊娠を理由に社長職を辞職した影響は、株価低迷の根拠のひとつとして否定はできません。

1つはアウトドア領域というファミリー向けビジネスを展開する企業としてのイメージです。もうひとつは創業家で起こった事例であること。

創業家は企業と一心同体で見られることもあり、非創業家とは株式市場の反応が異なるものでした。さらには、新たな代表取締役が世代交代ではなく、先代に戻るものであったこと。

このようなガバナンスの問題は時間が経つと沈静化されていくため、同社としては推移を見ている状態と考えられます。

脱キャンプのビジネスモデルを構築する過渡期では

ただ同社の施策を見ていると、脱キャンプの売上をつくるのに試行錯誤しているわけではなく、長期的な経営計画のもとビジネスモデルを再構築していることがわかります。

長期ホールドとしては、敢えて現段階で株を購入しておき、再び上昇基調となることを備えるのも選択肢のひとつです。新事業がどの方向に進んでいるか、マネタイズがどうなっているかは同社のIRから見て取れます。

また山井社長自身がアメリカに居住するなど、日本に留まらない事業領域が今後どうなっていくかも注目です。

数年来には日本事業を牽引する人材が発表されると考えられますので、そこから同社がどのように新しい色を出していくかに投資家の評価が委ねられています。

注目ファンド

詳細な投資分析によるバリュー投資を中心に実践しており、短期的な利益追求ではなく安全性を追求しながら中長期的な利益を求めているヘッジファンド。

詳細はこちら

スノーピークの株価に対する投資家の口コミ

スノーピークの株価の口コミ

スノーピークの株価における投資家の口コミを見ていきましょう。

#スノーピーク
コロナ禍で流行ったキャンプブームがひと段落してから、株価下落し続けているスノーピーク。
空売り機関の利益確定フェーズが終わり、直近で少しずつ信用買いが減り始めています

そろそろ底打ち反発してほしいですね

引用:X

フリマアプリではスノーピークのほぼ新品のテントが安く手に入れられるようになって喜ばしいですがスノーピークの株価が購入した価格に戻ってきたのもキャンプブームの終わりということかもしれないですね。

引用:X

スノーピーク、株価の底打ち感はありそうだけど、業績の戻りが分からんから過度な期待は難しいか・・・目先は権利落ちの12/28以降の株価推移だろうか。

引用:X

スノーピークの株価は、コロナ禍とキャンプブームで急騰した。アフターコロナと、成長株から資金が離れる相場環境の変化で急降下。売上、利益共に下落傾向の中、まだPER50あるが、PER20前後まで下落可能性がありそう。
業界をリードするハイエンドな商品やアパレルと海外展開に期待。

引用:X

本当にキャンプブーム終焉なのかは置いといて、スノーピークの株価がナイアガラの滝に自分の手持ちギアはアライテント、イスカ、SOTO、モンベル、ユニフレーム、ヘリノックスなどどちらかと言うと登山寄りで、スノーピークとはあまり縁がなかったんだけど……キャンパーは使っていたのかな

引用:X

SNSでは同社の魅力や取組みよりも、急激な株価の下落が話題になっています。マイナスイメージとなってしまっているので、早急に打開したところです。

スノーピークの株価は今後どうなる?将来性を解説

スノーピークの今後の株価

スノーピークの株価は今後どうなるのでしょうか。投資家の注目は、下落一本の株価推移がいつ反転するかです。反転の材料として考えられるものをまとめます。マネタイズは当然ですが、他社と差別化を進めている戦略が今後どのように評価されるかでしょう。

ポイント

  • 不動産や行政連携におけるマネタイズが動けば反転に
  • 反転時期は株式のプロだとしてもなかなか読めず

不動産や行政連携におけるマネタイズが動けば反転に

同社が進めている不動産や行政連携は、とても斬新なものです。同社を既に知っていても、「そういうこともやっているんだ」と驚く領域進出であることは間違いありません。

月並みですが、あとは数字です。事業部ごとの数字や連携ニュースが動いてくれば、会社全体における株価の上昇材料として認められていく可能性があります。

特に後者の連携ニュースは重要で、斬新な線を行く同社が他社と連携して動くという事例が積み重なれば、株式市場における評価も期待できるのではと思います。

反転時期は株式のプロだとしてもなかなか読めず

下落基調にある同社の株ですが、格付け会社が高評価をしたり、個人投資家のなかでも底入りと判断したりと、今後の株価推移にはさまざまな見立てがあります。

長期的に見れば上昇する可能性も十分にあるため、長期ホールドを見込んで動くのもひとつの選択肢です。問題はその反転がいつ起こるか。短期で売買するのは、いまだリスクが高いといえるでしょう。

チャートの動きなどで看過できないなら、せめて小単位から買い増していくのが懸命なところかもしれません。

スノーピークの業績・株価・配当についてまとめ

スノーピークの株価についてまとめました。下落の続く同社の株ですが、従来のアウトドア型ビジネスはもとより、新しく取り組む領域もとても可能性のあるものです。マネタイズへの効果が表れることで、株価反転の材料となることに期待し、推移を見守りたい銘柄といえるでしょう。

競合アパレルと異なり、独自性の高い会社であることは間違いない企業です。

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