バンダイナムコの企業概要
バンダイナムコとはスマートフォンのゲームアプリによるネットワークコンテンツ、家庭用ゲームの提供などで構成されるデジタル事業と、カード商材やカプセルなどIPを活用したトイホビー事業に分かれます。
元々のバンダイ社、ナムコ社それぞれが得意としていた部分を事業部として展開しています。
社名 | 株式会社バンダイナムコホールディングス |
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本店所在地 | 東京都港区芝5丁目37-8 バンダイナムコ未来研究所 |
設立年月日 | 2005年9月29日 |
役員 | 代表取締役社長 川口勝氏 |
バンダイナムコの事業内容
バンダイナムコはDRAGONBALLやONE PIECEなどのキャラクターの展開版権を有しており、そこからデジタルコンテンツへの派生と、同時に子ども向け玩具などのアナログコンテンツを展開しています。
また家庭用ゲーム領域においても実績があります。もともと競合領域の少ないバンダイ社、ナムコ社による合併で創立された企業であり、事業を統一化したというよりもお互いの長所を伸ばした事業展開をしている印象です。
家庭用ゲーム機の変遷やスマホゲームの登場など、時流にも確実に乗っている企業といえるでしょう。来日客向けのガシャポンも話題になりました。デジタルに振れ過ぎず、昔を思い起こさせるアナログ商材も大切にしている印象があります。
バンダイナムコの業績推移|売上・営業利益
バンダイナムコの近年の業績は、確実に成長しています。最新の2023年上半期実績は売上高5,020億円、営業利益654億円と、予想よりも上振れる結果となりました。
最新の決算で同社の川口社長は、過去最高の売上高を記録したと述べています。営業利益や純利益の面でも好業績が記録されているものの、続く2024年は一転して伸び悩む見込みが発表されています。
同社はライセンスビジネスのメリットを上手に活用しているものの、デジタル・ホビーともにとても移り変わりの早い領域です。
事業の施策が当たった2023年に対し、2024年が反動で落ち込んでいるのを盛り返せるかが、2024年度の通期に向けたポイントといえるでしょう。
通期見込みは例年並みの業績を提示しているので、下半期の挽回に期待です。
バンダイナムコの株価推移|過去3年のチャート
バンダイナムコの株価推移をチャートから見ていきましょう。2020年からの3年間を見ると、2020年から2021年まで上昇を続けるも、長期間の横ばいに転じています。
- 2020〜2021年にかけて株価が上昇
- 2021〜2023年にかけて株価が横ばい
2020〜2021年にかけて株価が上昇
引用:Yahoo!ファイナンス
2020年から2021年にかけては株価も上昇基調です。子ども向けのツールもデジタルの時流に乗って、様々な商品が提供されました。
バンダイナムコの強みは、既に知名度と信頼感のあるキャラクターを土台にビジネスできることです。
この期間の業績向上は、デジタル領域で売上に繋がる商品を次々と発表できたことによります。
なお2021年の夏以降は一時的に株価が落ちるものの、2022年のはじめには回復しています。四半期の業績や業界の状況による一時的な変動とみられます。
2021〜2023年にかけて株価が横ばい
引用:Yahoo!ファイナンス
2022年以降の株価は横ばいの時期が続きます。横ばいといっても上下変動が無いわけではなく、800円から1000円の幅で上昇後すぐに下落し、また上昇するという推移です。
新作のリリースなどがニュースとなり投資家の注目を集めるものの、長続きせず、株価が下落するという繰り返しです。
このようなボラティリティは長期的には買いづらく、また短期的に利益を作るには企業業績の見立てやチャートの分析知識を前提とした購入行動が不可欠です。
いわば素人には手を出しづらいチャートといえるでしょう。
バンダイナムコの株は買い時?買うべき?
バンダイナムコの株は買い時でしょうか。
短期狙いならば価格変動による急落を受ける可能性があるため見送り、長期ホールドならば買い時といえるでしょう。
経営陣の発表している業績目標にどのような根拠があるのかを検討することをお勧めします。
当然ながら投資家に新しいゲーム発売のスケジュールなどは事前に伝えられないため、低迷している第一四半期および第二四半期から、どのような媒介策を講じてくるかを分析し、購入のタイミングを定めていきましょう。
XなどのSNSを見ると、特定のゲームのファンが推して短期的に株価が上昇し、沈静化していく繰り返しに見えます。
そのなかから長期的に急騰させるインパクトが生じるか否かが、購入検討のポイントです。
バンダイナムコの株主還元|配当・自社株買い・株主優待
バンダイナムコの株主還元について見ていきましょう。同社の配当や自社株買い、株主優待制度はどのように整備されているのでしょうか。
もともと堅実な配当継続が評価されていましたが、2022年以降はより手厚くなっています。
- バンダイナムコの一株配当・配当利回り推移
- バンダイナムコの自社株買い推移
- バンダイナムコの株主優待について
バンダイナムコの一株配当・配当利回り推移
1株あたりの配当金 | 配当金総額 | |||
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中間期末 | 期末 | 年間 | ||
2023年3月期 | 27円 | 179円 | 206円 | 45,337百万円 |
2022年3月期 | 24円 | 188円 | 212円 | 46,649百万円 |
2021年3月期 | 21円 | 91円 | 112円 | 24,640百万円 |
2020年3月期 | 20円 | 112円 | 132円 | 29,034百万円 |
2019年3月期 | 18円 | 127円 | 145円 | 31,888百万円 |
同社では安定的な配当額としてDOE(純資産配当率)2%をベースに、総還元性向50%を目標に株主還元を実施しています。
バンダイナムコの自社株買い推移
2019年3月 | 500万円 |
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2020年3月 | 800万円 |
2021年3月 | 900万円 |
2022年3月 | 800万円 |
2023年3月 | 400万円 |
引用:IRBANK
バンダイナムコの自社株買いは少額で定期的に実行されています。数百万円単位の自社株買いは、上場企業においてとても珍しいケースです。なかには10%以上株価が上昇している実施回もあります。
バンダイナムコの株主優待について
バンダイナムコの株主優待は、ポイント制を導入しています。このポイントに応じてこども商品券やアミューズメントチケット、同社発行の電子マネーであるバンダイナムココインに活用することができます。
保有株式数 | 株主優待ポイント |
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100~299株 | 1,000ポイント |
300~1,499株 | 2,000ポイント |
1,500~2,999株 | 4,000ポイント |
3,000~14,999株 | 6,000ポイント |
15,000~29,999株 | 10,000ポイント |
30,000株~ | 20,000ポイント |
バンダイナムコの株価が急落している理由を解説
2023年11月中旬からバンダイナムコの株価は急落を見せます。底を打ち2024年1月には従来の価格に戻るものの、多くの投資家が急落の原因を分析しています。どのような理由が考えられるのでしょうか。5つの仮説です。
- 経営陣と市場で重視する分野が異なったか
- 着服事件の発生が株価に影響したか
- 第二四半期の決算が市場想定より低かったか
- ゲーム領域全体の下落に巻き込まれたか
- 円安の一服感が影響したか
経営陣と市場で重視する分野が異なったか
バンダイナムコは事業領域がきわめて広い企業です。ゲームにアニメ、ホビーと収益性のある事業が並んだときに、短期的に経営陣が重視する分野と、市場が重視する分野が異なった可能性があります。
複数の個人投資家というよりも、確固たる投資方針を持つファンドが売却し、株価が急落した可能性も考えられるでしょう。
ただ、株価が挽回したところを見ると影響は一時的だったのかもしれません。
個人投資家は自身の想定する株価変動要素だけではなく、大きな株を持った株主が動いたときに所有株がどう変動するかも想定しておきたいものです。
着服事件の発生が株価に影響したか
バンダイナムコは2023年11月24日、子会社の派遣社員が廃棄物を持ち出し、外部業者に売却していた着服事件を公表しました。
これは個人の問題であると同時に、予見できなかった企業のセキュリティの甘さが糾弾されるリリースでもあります。タイミングからも、この着服事件が株価急落に影響した可能性は、充分に考えられるでしょう。
今回の事件が危惧されるのは、廃棄物流出の期間が2015年から2023年と、8年間にもおよぶという点です。このあいだ社内が気づかなかったということが、最も株価に影響を与えていると考えられます。
第二四半期の決算が市場想定より低かったか
この時期の同社株の急落の直前には、第二四半期の決算発表が行われています。決算書の内容が株価急落を誘引することはよくありますが、この時の決算リポートは決して悪いものではありません。
想定通りの利益のほか、為替差益等により営業外収益が上方修正されています。市場の評価として、重視する分野などに引っかかる部分があったのでしょうか。
バンダイナムコのように事業領域が広いと、理由のわからない株価変動も付き物のようです。
ゲーム領域全体の下落に巻き込まれたか
2023年の秋から冬にかけては、バンダイナムコに限らずゲーム領域全体が落ちています。同年のクリスマス商戦を前に確定売りが広がったのか、そのほかの理由なのかは定かではありません。
往々にして同業や類似業者に引きずられることが考えられるため、それもこの時期の急落の理由のひとつと考えられます。ただ数ヶ月で株価は戻っているため、あくまで一時的な変動といえます。
ゲームに限らず、同社はアニメやホビーでも同様に影響を受ける銘柄です。それだけ幅広く事業展開できているともいえるでしょう。
円安の一服感が影響したか
バンダイナムコはアメリカ・アジア・欧州・中国と世界中にグループ会社を展開しています。最近の為替のなかで、円安は同社事業にとって後押しとなるものの、円高は反発になります。2023年秋ごろから為替が不安定となるため、業績や期待感にも影響したでしょうか。
2024年は金融緩和の推移により更に為替に影響が考えられるため、海外に高い関心を持たれる同社のビジネスにも影響があるものと見込んで売買タイミングを定めていきたいところです。
バンダイナムコの株価に対する投資家の口コミ
バンダイナムコの株について、SNSではどのような影響が寄せられているか確認していきましょう。
バンナム、異次元フェスの時期2700円だったんでそこで100株27万買っとば今3万(-税金)の儲けだったしこれからも上がれば更に増えるんですわね〜
ちなみになんか株価下がった場合売らずとも上がるまで握っておけば株主優待で1000バンナムポイントとか貰えますわよ〜引用:X
プレミアムバンダイの品質低下や顧客対応の悪さが目立ち始めてきていて、これが界隈でどんどん顕在化してくると、7832バンダイナムコくんも株価下げる要因に繋がるんでは?
引用:X
バンナムへのお布施っていう観点を除くとバンナム株を投資先として持つ意義大分薄れてたな
株主優待のアイマスグッズ、一番欲しい時は高騰した株価かつ分割前で手に入らなかったから持つ意義もなぁ…引用:X
バンナムとかブシロの株主になると、どんだけグッズ買ったり課金したりしてもどうせ株価とか配当になって返ってくるって言う心の余裕が生まれる(謎理論)
引用:X
バンナムの株価が振るわないのは、優待目当てに買っていた少額勢が、アートコレクションに届かず投げてる感じなんだよね
引用:X
バンダイナムコは同社のファンというよりも、同社の提供しているゲームの固定ファンがそのまま株主となっている様子が読み取れます。
SNSで発信している層=同社の個人投資家ではないですが、長期ホルダーであると同時に、ある意味「もの言う株主」ともいえそうです。
バンダイナムコの株価は今後どうなる?
バンダイナムコの株価は今後どうなるのでしょうか。
ゲームを含めた同社のファンが株主であるメリットとデメリットの意味を考えることと、今季の通期への計画が鍵となりそうです。
- ゲームファン=株主が続くならば流動性は続くか
- 24年期の通期の差異が明らかになれば株価上昇要因に
ゲームファン=株主が続くならば流動性は続くか
同社の株価推移を見ると、ゲームファン=株主の構図がプラスでもあり、マイナスでもあるように見えます。
株主として利益を追う前提として同社のファンであるため、長期ホールド前提になるためです。
一方でSNSを見れば、まるで「モノ言う株主」のように時に辛辣な意見が並びます。
株購入をしている固定ファン自体は簡単に売却しないとは思いますが、それを見ている一般投資家は、経営陣によるコントロールの難しさを実感するのかもしれません。
24年期の通期の差異が明らかになれば株価上昇要因に
2024年度は第一四半期、第二四半期とあまり伸びないにもかかわらず、経営時は強気な通期計画を掲げています。
今後のラインナップに自信を持っているか、投資家をあっと驚かせる意外な計画があるということでしょうか。これらが明らかになれば、短期的に株価上昇が期待できるかもしれません。
もちろんインパクトの強さを判断するのは投資家ですが、経営陣には何かしらビジョンがあるように思えます。
同社の繁忙期のひとつが卒業や入学を迎える春休みであると仮定すると、2024年早々には発表がある可能性があります。
バンダイナムコの業績・株価・配当についてまとめ
バンダイナムコの株価についてまとめました。
ゲームのファンが株主となっていると想定すれば同社株の舵取りは難しいですが、長くこの領域で展開している同社のため、自社銘柄の特徴は充分に把握したうえで、今後も成長戦略を描いていくことが想定されます。
日本を代表するエンターテイメント企業として、世界中に名の通った「バンナム社(インターネット上での同社の愛称」に注目していきましょう。
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