任天堂の企業概要
任天堂とは1889年に京都で創業した企業です。
当初は花札やトランプを製造していましたが、1980年に携帯型ゲーム機「ゲーム&ウオッチ」を発売し、業態転換を実現します。
そして1983年、同社の代名詞ともいえるファミリーコンピュータを発売。ファミコンの愛称で一躍社会現象を引き起こします。
そのあともゲームボーイ、NINTENDO64、NINTENDswitchとハードの発売が続き、それらのハードのもと、ユニークで特徴的なソフト販売が続きます。
1980年以後、日本のゲーム業界の先頭を走り続ける企業です。
商号 | 任天堂株式会社 |
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事業内容 | 家庭用レジャー機器の製造・販売 |
設立 | 昭和22年11月 |
本社 | 京都府京都市南区上鳥羽鉾立町11-1 |
代表者 | 代表取締役社長 古川 俊太郎代表取締役フェロー 宮本 茂 |
社員数 | 連結:7,641名 単独:2,777名 (2023年9月末現在) |
任天堂の事業内容
任天堂の事業内容はゲーム機器のハード本体と、豊富なラインナップのソフトから構成されています。
2024年1月現在、ハード提供はNintendo Switch、NINTENDO3DS、Wiiの3種類で、開発・提供ソフトはNintendo Switchを中心に提供されています。
任天堂の意思決定が際立つのは、旬を過ぎたハードやソフトの撤退が早く、リソースの集中に繋がっている点です。
一段階前のツールはホームページでの告知面積の縮小のみならず、オンラインツールの販売なども早々と停止されています。
この迅速な動きは社内組織において、新作を売り出す営業面や開発面と、メンテンスサポートやカスタマーサービスを行う部署が連結できていることを示しています。
任天堂の業績推移|売上・営業利益
引用:決算ハイライト|任天堂
2019年から2023年の5年間で売上成長は鈍化しているものの、経常利益と純利益は平衡に推移しているといえるでしょう。
同社はハード・ソフトともに、開発および発売後の世間への浸透に一定の時間を必要とするため、企業規模から見て通期内の売上維持はとても難しい企業といえます。
Nintendo Switchへのリソースの集中と、安定的な売上の継続が平衡推移を実現しているといえるでしょう。
またサービス展開の柱となるハード・ソフトの開発は、従来より自社開発を中心としているものの、グループ会社や関係会社も広く活用しているようです。
ほか同社の法務部の優秀さは日本で1、2を争うとされており、自社のコンテンツを最大限保護し活用しているといえます。
任天堂の株価推移|過去4年のチャート
任天堂の株価推移をチャートから見ていきましょう。時期によって上下はありますが、長期的には安定していて、かつ上昇傾向の見られる銘柄といえます。定期的に発表される商品リリースや業績開示が好影響を及ぼしているといえます。
- 2020〜2023年にかけて株価が上昇
- 2023〜2024年にかけて株価が上昇
2020〜2023年にかけて株価が上昇
引用:Yahoo!ファイナンス
同社の株価推移は長期的に見ると、一時的に下落してもそれ以上の反転を見せて上昇していることが見て取れます。
四半期ベースで一時的な落ち込みはあっても、強力な商品開発力で定期的に魅力的な商品を発表できる点と、ゲーム業界で圧倒的な知名度、ブランディングに成功している点が背景にあるといえるでしょう。
また同社のマリオやポケモンといったキャラクターは多くの場所で活用されており、それらのロイヤルフィーの期待も高いといえます。
2023〜2024年にかけて株価が上昇
引用:Yahoo!ファイナンス
更に目を見張るのが2023年の伸びです。2023年年初は1株5500円前後だったものの、2023年の終わりには1株7100円台を突破しています。
特に10月以降の株価上昇が目覚ましいのは、好業績の上方修正への反応が大きいためでしょう。
投資家の期待の根拠となるブランディングを展開しつつ、「後は業績だけ」となっていたところに、最後のピースが揃った結果の株価上昇といえます。
好業績を背景とした確実性の高い推移から、2024年も引き続き株価上昇に期待できるでしょう。
任天堂の株主還元|配当・自社株買い・株式分割
任天堂の株主還元策について解説します。同社における近年の配当や自社株買い、株式分割はどのようになっているのでしょうか。各種施策をみると、積極的な株主還元策を仕掛けていることがわかります。
- 任天堂の一株配当・配当利回り推移
- 任天堂の自社株買い推移
- 任天堂の株式分割について
任天堂の一株配当・配当利回り推移
引用:配当金|任天堂
まずは1株配当です。好業績の後押しを受け、中間・期末配当ともに高配当が実現できています。
同社は中間配当を株主総数における対象期間内の連結営業利益の33%、期末配当を同計算か連結配当性向の50%、両者のいずれか高い方を配当金と設定しています。
数ある上場企業のなかでもここまで明確な配当金の計算が事前開示されている企業はとても珍しいです。
既存株主、もしくは今後同社の株を購入検討する投資家にとっては、購入判断の一助としやすい姿勢といえます。
任天堂の自社株買い推移
2014年 | 1142億3750万円 |
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2019年 | 309億9994万円 |
2021年 | 950億5504円 |
2022年 | 506億9582円 |
引用:IRBANK
同社の自社株買いはとても規模の大きなものです。
2014年以降5年間にわたり実施されていなかったものの、2019年からは2021年、2022年と頻繁に実施されています。
自社株買いには株価安定効果があるため、今後も引き続き実施の可能性が高いです。
好業績を迎えているため、業績推移との引き合いを見ながら実施されていくことでしょう。
任天堂の株式分割について
2022年10月1日に1株→10株の株式分割を実施しているため2023年3月期の中間配当が膨れたように見えますが、実態は63円です。ただ、それを考慮しても2024年までの中間配当は期待できるものでしょう。
1株配当や株式分割から、同社は積極的な株主還元策を継続していることがわかります。
BtoCの同社にとって、会社のイメージを維持する観点でも評価できる姿勢といえるでしょう。
任天堂の株は買うべきか
任天堂の株は買うべきでしょうか。長期的には買うべき、短期的には買うべきではないといえます。
株価チャートを見ると、今後いったん株価が下落して、その後長期的には持ち直す可能性が考えられるためです。より詳しく分析して見ていきましょう。
- 2023年後期に天井感が見られる
- 2024年中盤以降までホールドを検討するなら所有
- 投資評価会社の評価が高いことに注目
2023年後期に天井感が見られる
最初の理由は株価チャートの見立てです。2023年10月の業績の上方修正を受けて、株価は著しく上昇しました。
ただ、これまでの数年のチャートの動きを見ると、天井を迎えたあとに長期的に下落しています。
日経平均などの指標次第ともいえますが、2024年前半には一時期高止まりを記録したあと、再び上昇基調に乗るのではないでしょうか。
そのため短期的に買うべきではないとしましたが、近日中に魅力的な商品の販売が控えている場合は、好材料となるのかもしれません。
商品販売予定は基本的に開示されるものではないので、これまでの発売履歴や経営陣のインタビューなどから判断したいところです。
2024年中盤以降までホールドを検討するなら所有
一方で、長期的には所有する期待値は十分にある銘柄といえます。前項の短期落ち込みがあったとしても、2024年の中盤以降にはリカバリーする可能性も十分にあるといえるでしょう。
ゲーム領域の新展開のほかにも、同社が誕生させた魅力的なキャラクターを活かしたアミューズメントパークの予定が報じられており、今後の続報は任天堂の株価にも期待できるものです。
マリオやポケモンに対する評価は日本国内よりも海外の方が高く、領域に拘らない今後の新展開に期待できます。
日本全体に目を向けても、キャラクタービジネスは多くの会社が取り組んでおり、「日本の発出するキャラクターは凄い」といった領域そのものの高い評価も期待できるでしょう。
任天堂にとっては強い追い風になることは間違いありません。
投資評価会社の評価が高いことに注目
SNSなどを見ると、任天堂は投資会社の評価が高いことに気がつきます。特定の評価会社が格付けでA判定をつけると、翌日の株価は一気にストップ高まで急騰することもあります。
実際に2024年1月4日には各社がA判定を出しており、高い評価が印象づけられました。本業のほか、配当規定や株式分割といった株主還元の方向性も評価の背景にあるのではないでしょうか。
株式相場で長期間築かれた高い信頼感は持続するもののため、今後の任天堂のIRにも後ろ盾となることは間違いありません。また、評価の高い投資会社のニュースを見た肯定的な個人投資家も含めての信頼感といえます。
任天堂の株価に対する投資家の口コミ
任天堂の株価がインターネット上でどのような評価を受けているか見ていきましょう。
2023年の予想はできてたけど、買えなかった株
[任天堂]
ゼルダの新作が絶対売れるだろうって思ってたので、株価はずっとみてたのですが、入れなかったです…
その後映画やなんだとめちゃあげましたね。引用:X
任天堂の株価めちゃ上がってるね
Switch2くる?引用:X
7974 任天堂
SBI証券が投資判断「A」継続で、
目標株価は9570円に設定した。明日ストップ高になる可能性高い引用:X
今年最後の持株。任天堂さんがすごい伸びで最終日を気持ちよく終われました。今年は20%も株価が伸びたみたいですが自分のPFは微増で終了。力量からすればマイナスで無かっただけ良しとします一年間お疲れ様でした!
引用:X
6月には任天堂の株主総会に行ってきた。今まで株価が一時的に下がったときにミニ株で少しずつ買っていて、いつか一単元に達したら総会に行こうと思ってたんだけど、株式分割によって急に目標達成した。教科書に載るレベルの偉人を目の前で見れてよかった。天一の総本店も行って食べてきた。
引用:X
他の会社は喫緊の株価推移や経営陣の寸評などが多いのですが、個人投資家に「ファミコン」で育った世代が多いためか、投資家の視点からも同社のファンであることが窺えます。
任天堂の株価はこれからどうなるか今後の見通し解説
任天堂の株価はこれからどうなるのでしょうか。今後の将来性を分析していきます。
魅力的な商品の提供が続き、かつ株主還元戦略も積極的な同社であれば、引き続き大きな期待を持てることでしょう。
- switch2が販売となれば大きな話題に
- ファミコン世代が投資家の柱石になればより追い風に
switch2が販売となれば大きな話題に
前提として任天堂社から公式なアナウンス、もしくはそれに準ずる示唆は全くされていませんが、インターネット上では「Nintendo Switch2が販売されるのでは?」という書き込みが複数確認できます。どこかで経営陣が水面下で示唆したなどの情報があるのでしょうか。
発売決定となれば、株価には間違いなく上昇要因です。現行機が獲得した購入者やファンからの継続購入も期待できるでしょう。追加情報に期待しましょう。ただ、好調な株価から生まれた推測レベルの可能性も十分にあります。
ファミコン世代が投資家の柱石になればより追い風に
1980年代前半のファミリーコンピューター(ファミコン)の発売はゲーム業界どころか、社会を大きく変容させました。
たとえば当時10歳の子どもは2024年現在50歳前後です。平均基準では所得も高く、個人投資家の柱石と仮定される世代です。
根底的に同社のファンが多いため、今後の株式市場の評価にも期待できます。これもまた、同社が50年近く(花札やカルタの時代から含めるとそれ以上)を踏まえて獲得した信頼といえるでしょう。
任天堂の業績・株価・配当についてまとめ
任天堂の株価についてまとめました。任天堂は魅力的な商品のほか、積極的な株主還元策が多くの投資家に評価されてます。かつ後ろ盾には定着した同社のファンがいます。
株式市場の倣いで今後も短期的に株価が下落することはありますが、長期的に見れば上昇基調にある銘柄であることは間違いありません。
新商品の発売に期待しながら、長期ホルダーとして同社に注目することをお勧めします。
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