すかいらーくの企業概要

すかいらーくの企業概要

すかいらーくとは、和洋中をはじめとする各種テーブルサービスレストランを中核として約3000店舗を国内外に展開する日本の代表的な外食チェーン企業です。

1962年に前身となることぶき食品有限会社を設立し、1970年にファミリーレストランすかいらーく1号店(国立店)を東京都府中市に出店しました。

1974年に株式会社すかいらーくに社号を変更し、2016年には持株会社体制に移行し、2018年から株式会社すかいらーくホールディングスに社名変更しました。

企業名株式会社すかいらーくホールディングス
設立1962年4月4日
資本金25,134百万円(2023年12月末)
従業員数正社員5,700名/クルー98,015名(連結 2023年12月末)

すかいらーくの事業内容

すかいらーくの事業内容

すかいらーくは日本全国、台湾、マレーシア、アメリカの4ヵ国で3000店舗の飲食店を運営しています。

顧客の多様なニーズに応えるために18ブランドでさまざまな種類の食を提供しており、代表的なブランドとしてガスト、バーミアン、夢庵、しゃぶ葉などが挙げられます。

ブランドによって単価と顧客が異なり、ファミリーダイニングとカジュアルダイニングに分けたポートフォリオ管理を行っています。

全ブランドの原材料の一括調達、約3000店舗をカバーする10カ所のセントラルキッチン、共通の配送ネットワークによって高品質なメニューをリーズナブルに提供する事で強いコスト競争力を実現しています。

また、2025年から2027年にかけて100店の海外出店を計画しています。

すかいらーくの業績推移|売上・営業利益

すかいらーくの業績推移

上図は、直近4四半期のすかいらーくの売上高および営業利益の変化を表した図です。

今期の売上高成長率は、前年同期比+11.5%、前期比-2.7%です。

すかいらーくの業績推移

上図は、2020〜2023年度の年間売上高および営業利益を表した図です。

2020年度と2022年度は営業利益のマイナスを記録しています。

2020年はコロナウイルスの流行による既存店売上高の減少、2022年は原材料費・水光熱費・人件費の高騰によるコスト増加と店舗減損損失が主な要因です。

2024年2月の決算で示された2024年度のガイダンスは、売上高3750億円(前年比+5.7%)、営業利益150億円(前年比+28.3%/営業利益率4.0%)、1株当たり配当10円でした。

すかいらーくの株価推移|過去10年のチャート

すかいらーくの株価推移

引用:みんかぶ

上図は、すかいらーくの2014年10月の上場以来の株価チャートです。

上場以来のパフォーマンスは+95.78%です。

2020年にコロナショックの影響で株価が大幅下落した後、2023年から株価は大きく上昇しました。

ポイント

  • 2014〜2015年にかけて株価が高騰
  • 2021〜2022年にかけて株価が横ばい

2014〜2015年にかけて株価が高騰

すかいらーくの株価推移

引用:みんかぶ

上場した2014年10月9日〜2015年8月5日の期間に株価は+66.3%の大幅上昇を記録しました。

上場直後はプレミアム価格であると評価され株価は不安定でしたが、10月28日にTOPIX組入から持ち直し、株主優待の発表があり安定し始めました。

2015年1月に日本経済新聞がすかいらーくの12月期純利益が大幅増加の見通しである事を報じ、株価が高騰しました。

また、その後は株式市場が好調である事とすかいらーくの良好な決算発表により2015年8月まで株価が上昇し続けました。

2021〜2022年にかけて株価が横ばい

すかいらーくの株価推移

引用:みんかぶ

2021年年初から2022年末までに株価は3.6%下落しましたが、2年間でおおよそ横ばいの推移でした。

株価が長期に渡り横ばいだった要因の一つは、コロナウイルスの再流行です。

再流行時に外食産業は売上高が落ち込む傾向にあり、2021年5月や2022年8月の決算で通年ガイダンスが下方修正され、株価が下落しました。

さらに2022年はエネルギー価格高騰や人件費のコスト増加が影響し、営業利益もマイナスに落ち込んだ事も要因です。

また、2021年2月に公募増資したことで株式希釈を投資家が嫌った事も2021年上半期の下落につながりました。

すかいらーくの株主還元|配当・株主優待

すかいらーくの株主還元

すかいらーくは、株主還元の一環として配当、株主優待を行っていますが、自社株買いは行っていません。

特に注目されているのが株主優待で個人投資家を中心に人気があります。

ポイント

  • すかいらーくの一株配当・配当利回り推移
  • すかいらーくの株主優待

すかいらーくの一株配当・配当利回り推移

すかいらーくの一株配当・配当利回り推移

上図は、すかいらーくの直近5年の年間配当金の推移を表しています。

連結配当性向の目安は、調整後当期利益の約30%です。

2020年度と2022年度は調整後当期利益が赤字のため、配当がありませんでした。

2023年度は、2022年度が無配だったため配当性向は33.31%と高く設定されていましたが、2024年度は30.33%に設定され、一株当たりの年間配当金の見通しは10円です。

すかいらーくの一株配当・配当利回り推移

引用:みんかぶ

上図は、2020年度〜2024年度の配当利回りを表したグラフです。

2024年3月8日引け後の株価を基準にした配当利回りは、0.45%です。

すかいらーくの株主優待

すかいらーくは2014年12月から100株以上を保有する株主に対して、年間2000円のグループレストランで使用可能な優待食事券の年一回配布を開始しました。

すかいらーく

2016年度年度末決算で、2017年度からは株主優待が以前の約3倍に拡充されました。

すかいらーく

しかし、2020年9月10日に新型コロナウイルスの影響により不透明な経営環境が続くことを理由に株主優待は大幅な減額が発表され、500〜999株の保有株主が最も影響を受けて51.5%の減額を経験しました。

2024年度もこの制度が継続する予定です。

すかいらーくの株価がなぜ上昇したのか解説

すかいらーくの株価がなぜ上昇したのか

すかいらーくの株価は大きく株価が伸びている時期があり、直近では2023年に株価が高騰しました。

すかいらーくの株価がなぜ上昇したのかを業績や株主還元の観点から紹介していきます。

ポイント

  • 2023年は新型コロナウイルスの影響を受けなくなった
  • インフレ問題を乗り越えた黒字転換
  • 株主優待の拡充で個人投資家の注目度が上がった

2023年は新型コロナウイルスの影響を受けなくなった

すかいらーくの株価は2023年に35.7%の高騰を記録しています。

この要因は、2023年から新型コロナウイルスの影響が軽微になった事が挙げられます。

2022年は新型コロナウイルスの第6波〜第8波を経験しており、特に第6波ではまん延防止等重点措置が必要であったことから大きく影響し、第6波と第7波は売上高が20%近く減少しており、通年ベースで赤字でした。

しかし、段々と影響が小さくなり2023年は増収増益が達成され、堅調な進捗から株価は大きく上昇しました。

また、2023年2月の決算ガイダンスで黒字転換と復配を出しており、外食産業にとって数年ぶりの見通し良好な1年でした。

インフレ問題を乗り越えた黒字転換

2022年度は新型コロナウイルスの再流行以外にインフレ問題が大きく、通年で赤字を記録しました。

インフレの背景は、円安の進行などによる食材価格の高騰、エネルギー価格の高騰、物流コストの上昇、最低賃金の上昇と都心部およびデリバリー要員の採用難が影響しました。

2023年度は円高やエネルギー価格の高騰などの影響は継続しましたが、既存店売上高の増加や原価低減、値上げによる粗利率改善、減価償却費の増加などにより、通年で大きく黒字転換しました。

2024年度もインフレの影響によるコスト増加の環境は変わりませんが、継続的なコスト低減と売上高回復を見込み、増益の見通しです。

株主優待の拡充で個人投資家の注目度が上がった

株式投資家がすかいらーくに対して最初に思い浮かべる事は株主優待の強さです。

現在の配当利回りは0.45%ですが、100株保有での株主優待の利回りは1.8%です。

株主優待を活用できる投資家からすると、投資利回りの印象が異なります。

株主優待の拡充は2017年2月の決算で発表され、株価は一時7.14%上昇し、その後も堅調な株価上昇が確認できます。

当時の株価基準での優待利回りは3.9%で2017年配当利回りも2.6%と高く、現在より注目が集まりました。

しかし、2020年9月に新型コロナウイルスの影響で最大51.5%減額が発表され、株価が翌日9.67%下落する事もありました。

注目ファンド

詳細な投資分析によるバリュー投資を中心に実践しており、短期的な利益追求ではなく安全性を追求しながら中長期的な利益を求めているヘッジファンド。

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すかいらーくの株価に対する投資家の口コミ

すかいらーくの株価に対する投資家の口コミ

すかいらーくは、SNSでどの様な評価をされているのでしょうか。

すかいらーくの件ですけど
値上げがあって業績が良くなって
株価が上がり賃上げに至ると
これが本当の好循環っていう流れですよね

あとはここからその賃金が
上がったものを消費してくれるかどうか
これからの日本経済にかかってくるのかな

バフェットでした

引用:X

すかいらーくの株価にニヤニヤし過ぎて、優待使うの忘れてた笑、後1ヶ月しかない。まあ、2000円なんて一食で終わるのだが。

引用:X

すかいらーくよ……株主優待で半期8000円は魅力と思ったけど11%も下がったら配当含めて回収に7年かかるじゃないか……。
(日経平均株価は爆あがり中)

引用:X

すかいらーく株、安く500株持っていたのですが
昨年権利最終日、さらに500株追加購入しました。
新NISAの優待ブームに乗り堅調な株価だったのですが昨日、黒字/増配とは言え微妙な決算が発表され次の1Q決算まで美味しく食べられるのか意気消沈して食べるのか本日の相場次第(苦笑)

引用:X

普通の店なら廃業になるところをグループだからこそ業態転換ができるのが強みよな。最近株価も好調だしがんばってほしい!by株主
==
すかいらーく、ジョナサン・ガストをカフェに続々転換 インフレ克服へ

引用:X

個人投資家の多くは株主優待に言及しており、注目度の高さが伺えます。

すかいらーくの株価は今後どうなる?将来性を解説

すかいらーくの今後の株価

すかいらーくは2023年に新型コロナウイルスからの回復により株価は大きく上昇していますが、今後はどのようになるのでしょうか。

現状の課題や展望からくわしく解説していきます。

ポイント

  • インフレ問題の改善による利益率向上の可能性
  • 急増する新規店舗の成長が鍵を握る

インフレ問題の改善による利益率向上の可能性

2020年にパンデミックを引き起こした新型コロナウイルスの影響で世界中で金融緩和が行われた結果、2021年以降インフレ問題が発生しました。

日本でも2023年1月に前年比+4.3%の高いインフレ率が確認されました。

その後、緩やかにインフレ率は鈍化して2024年1月のインフレ率は2.2%であるため、インフレによるコスト増加率は緩やかになることが予想されます。

コストが低下すれば当期利益の上昇が予想され、株主還元が増えて増配や株主優待の拡充が期待できるので株価上昇が期待できます。

急増する新規店舗の成長が鍵を握る

2024年2月の決算では、2025〜2027年にかけて国内300店舗、海外100店舗程度の新規出店を目指しています。

国内の出店方針は、商業集積地域、大都市の私鉄沿線駅前、地方都市の駅前、地方中規模都市への複合業態を中心に検討されています。

既存店舗数が約3000店舗であることから出店が成功すれば、高い売上高成長率と利益増加による株価上昇が期待できます。

新店舗の急増には資金投入以外にも、人員増加やセントラルキッチンおよび物流の強化など課題がでてくることが予想されますので、進捗に注目です。

すかいらーくの業績・株価・配当についてまとめ

すかいらーくは新型コロナウイルスの流行の影響で2020年は売上高が大きく落ち込み、株価が急落しました。

しかし、2023年に新型コロナウイルスからの回復とインフレ問題を乗り越えたことで黒字転換し、株価は35.7%上昇しました。

2024年度の株主還元ガイダンスは、配当10円、株主優待現行維持が示されました。

個人投資家は主に株主優待の利回りに注目しており、今後の維持または拡充によって株価は変動すると考えられます。

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