投資信託とは
投資信託とは、投資家からお金を集めてそれを1つの大きな資金として運用の専門家が様々な株や債券に分散投資してくれる商品です。集めた資金をどのように運用するかによって投資信託としての商品の特徴が出ます。
また、投資信託には2種類あります。1つが日経平均株価やアメリカの株価指標であるNASDAQやS&P500といった何かの指標に連動するインデックスファンドです。もう1つが、指標にとらわれずに調査や分析を通じて優良な銘柄を選定するアクティブファンドです。
投資信託とは、このように一口にいっても結構多様性がある商品なのです。
- 投資信託の運用の仕組み
- 投資信託で得られる利益
投資信託の運用の仕組み
ここでは投資信託の運用の仕組みを紹介します。投資信託は投資信託運用会社によって作られ、主に証券会社や銀行などで購入することができます。これを「販売会社」と言います。ネットの証券会社だと楽天証券やSBI証券などが有名です。
投資家から集めたお金はひとつにまとめられ、資産管理を専門とする「信託銀行」に保管してもらいます。さらにその保管している資産を「運用会社」が信託銀行に指示することで資産を運用します。
この時、資産は信託銀行の企業運用資産とは別に預かるという法律になっているため、資産は安全に保全されます。このように投資信託は投資家と販売会社、信託銀行、運用会社がそれぞれ役割を果たすことで成り立っています。
投資信託で得られる利益
投資信託で得られる利益は大きく2つに分かれます。「売却益(キャピタルゲイン)」と「分配金(インカムゲイン)」です。
まず、キャピタルゲインについて説明します。投資信託には基準価格というものがあります。これはいわゆる株価のようなものです。この基準価格が投資したタイミングより高くなると投資信託は値上がりをします。このときに投資信託を売却して得られる利益がキャピタルゲインです。
一方、インカムゲインとは株でいうところの配当金です。投資信託の中には毎月または四半期、半期、1年に一度などのタイミングで値上がり分や配当等を加味して投資家のもとにお金が還元されるものがあります。これを分配金といいます。分配金は基本的には投資信託の決算日に配分されることになります。
このように投資信託の利益は「売却益(キャピタルゲイン)」と「分配金(インカムゲイン)」から成り立っています。
投資信託はやめた方がいいと言われる理由【デメリット】
ここまで投資信託の仕組みや利益がでる仕組みを紹介しました。投資家から見ると配当金を預けておけばよいだけに感じるため、あまりデメリットがあるように思えません。
しかし、投資信託にはやめた方がいい理由も存在します。ここではやめた方がいい理由を3つ紹介します。
- 元本割れするリスクがある
- 投資信託の購入・運用は手数料が掛かる
- 投資信託は短期投資での利益が出にくい
元本割れするリスクがある
投資信託は株や債券のパッケージ商品になりますので、基準価格は日々変動します。そのため、市場の動向によっては元本割れするリスクがあります。選んだ投資信託の種類や市場の状況によっては長期間にわたって元本割れしてしまうこともあります。
いざ使いたいという時に資産が目減りしてしまうこともあるので、投資をする際には自己責任で慎重に行わなければなりません。
投資信託の購入・運用は手数料が掛かる
投資信託の購入や運用においては手数料が掛かります。手数料は大きく2種類あり、購入するときに必要な購入手数料、投資信託を管理・運用してもらうための経費として掛かる信託報酬です。この2つは安いものもありますが、費用が高いものもあります。
銀行などから投資信託を購入する場合には購入手数料が3%、信託報酬が2%近く掛かるものがあり、投資した瞬間から資産が目減りしてしまう可能性があります。
投資信託は短期投資での利益が出にくい
投資とは一瞬でお金が増えるものだと思っている方はいないでしょうか。
投資信託はほとんどの場合、短期的に利益を出すのが難しい商品です。一般的に資産運用の利回りの目標値は7%と言われています。これは100万円預けていたとして年間7万円しか増えない計算です。
このように投資信託は資産増加の爆発力はありません。そのため、短期間で利益を出したい場合にはレバレッジをするなどさらなるリスクを承知で投資を行わなければなりません。
投資信託をやめた方がいい・おすすめしない人
投資信託には向き不向きもあります。うまくいけば利益を得られる一方、失敗してしまうと大きな損失を出してしまうかもしれません。ここでは投資信託をやめた方がいい人、おすすめしない人を紹介します。
- 余剰資金が手元にほとんどない人
- 市場価格の急降下などリスクに敏感な人
- 短期投資を目的に利益を上げたい人
余剰資金が手元にほとんどない人
まずは、余剰資金があまりない人です。投資信託は長期的な視点で運用するものです。そのため、すぐに使いたいお金を投資信託に回すことはできません。投資信託に限らず、投資をするためには余剰資金で運用するようにしましょう。
しかし、余剰資金といってもどこまで確保しておけばよいのか、疑問に思う方も多いのではないでしょうか。個人の状況にも寄りますが、おおむね3か月から6か月程度生活ができる資産を確保しておけばよいでしょう。これだけの資産をすぐに引き出せるようにしておけば、有事の際にも対応できるはずです。
市場価格の急降下などリスクに敏感な人
続いてはリスクに敏感な人です。リターンがある投資商品には必ずリスクが付きまといます。投資信託では市場の状況などにより基準価格が下がることがリスクになります。
リスクに敏感な人は基準価格が下がって資産が目減りしてしまうと不安になり、ストレスの原因になります。場合によっては基準価格が下がった状態で危機感を感じて売却してしまうこともあるでしょう。
投資信託は全体的に利益が出やすい商品なのでリスクに惑わされずに耐える姿勢が大切になります。
短期投資を目的に利益を上げたい人
短期的に利益を上げたい人にも向いていません。投資信託は長期投資を前提としており、長期投資の目標利回りはだいたい7%前後です。この利回りを積み上げて最終的に大きな利益を作り出していくのが投資信託です。
そのため、実際に資産が増えたと実感できるようになるには多くの時間が掛かります。短期的に利益を上げたい人には向いていない商品です。
投資信託はやめた方がいい?メリットはないの?
では、投資信託はやめた方がいいのでしょうか。実際にはそんなことはありません。投資信託は資産運用において大きなメリットがある商品です。ここではそのメリットを紹介します。
- 投資信託は少額から簡単に始められる
- 投資信託はほったらかしで運用が可能
- 分散投資でリスクの分散ができる
投資信託は少額から簡単に始められる
1つ目が少額から始められる点です。投資には他に株式や債券に投資する手法もありますが、この場合には数万~数十万円の投資資金が必要になります。一方、投資信託はネット証券などを活用すれば最低100円から始めることができます。
少額からの投資であれば、お試しで初めて見ることができますし、ご自身がリスクに対してどれくらい敏感なのか検証してみることも可能です。
投資信託はほったらかしで運用が可能
株式投資では購入する銘柄を自分で分析して、選定しなければなりません。この調査には専門的な知識も必要になりますし、時間も掛かります。また、投資した企業の状況を定期的に調べて、リスクが高くなってきたら株を買い替えるなどの手間も掛かります。
一方、投資信託であれば、そのような作業をすべてプロの投資家が行ってくれます。投資家は投資をしてほったらかしにしておくことも可能です。このように手間が掛からないのは投資信託の魅力と言えます。
分散投資でリスクの分散ができる
日本株を購入する場合、最低売買単位が100株と大きいため、有名な銘柄に投資しようと思うと、まとまった資金が必要になります。
株式投資でリスク分散をするためには、このような銘柄を数十個程度投資をしなければならないため、まとまった個人ではリスク分散ができません。
しかし、投資信託であれば運用会社が投資家から集めた資金を元手に様々な株式や債券に分散投資を行ってくれます。そのため、リスクを抑えることができます。
投資信託を初めて購入する時の注意点【初心者向け】
投資信託は手軽に購入できるメリットがあり、投資初心者向けの商品です。しかし、ただ漫然と投資をすると失敗に繋がってしまうでしょう。
ここでは、投資信託を初めて購入するときの注意点を初心者向けに紹介します。
- 長期運用を見据えて投資目標を明確にする
- 長期の運用実績を前提とすること
- リスクがあることを明確に理解する
- 購入手数料・信託報酬には細心の注意が必要
長期運用を見据えて投資目標を明確にする
投資信託は長期運用を前提とした商品です。長期の資産運用・資産づくりでは、その目的と目標金額、さらに目標をいつまでに達成したいのか、最初にハッキリと決めておくことが大切です。この目標がぶれてしまうと途中で投資をやめてしまったり、感覚に基づいた投資になってしまったりしてしまい、うまくいきません。
まずは何のために投資をするのかという、目的を整理するところから始めましょう。
長期の運用実績を前提とすること
投資信託は長期運用を前提としています。また、投資を行うときには分散投資を行うことが重要です。このとき銘柄だけでなく、時間においても分散させることが大切です。すなわち一定期間継続して一定金額を投資していきます。
このように時間においても分散させることでさらなるリスク回避に繋がります。そのため、投資を開始する際には長期にわたって投資を続けることができる金額で投資を行うようにしましょう。
リスクがあることを明確に理解する
投資信託のリスクは大きく2つあり、価格変動リスクと為替変動リスクです。価格変動リスクとは投資信託に含まれる株や債券の値動きのことを指し、為替変動リスクは為替レートが変動する可能性のことを指します。
これらの要因により資産が目減りする可能性もあります。しかし、長期的な運用では利益が出やすい商品であることから、リスクを理解し、慌てないようにしましょう。
購入手数料・信託報酬には細心の注意が必要
投資信託には購入手数料や信託報酬が高い商品もあります。特にアクティブファンドではこれらの費用が高くなることがあります。また、店舗型の銀行などから投資信託を購入する場合にもこれらの費用は高くなる傾向にあります。これらの費用が高くなると継続的に利益を出すのが難しくなってしまいます。
たとえば、信託報酬が3%の場合、毎年投資信託は3%成長しなければ損失が発生してしまいます。そのため、購入手数料や信託報酬は本当にその商品に見合った比率なのか確認するようにしましょう。
投資信託の上手な活用方法|長期的な視点を!
ここまで投資信託のデメリット・メリットを紹介しました。投資信託は価格変動リスクや為替変動リスクなど様々なリスクがある商品ですが、投資信託を買っている以上すでに分散されているため、かなりリスクが抑えられている商品です。
また、株式とは異なり、いちいち企業分析を行う必要がないため、専門的な知識や経験も必要ありません。運用はプロにお任せしているため、自分で運用する必要がなくほったらかしで投資を行うことが可能です。
このように投資信託は、短期的には利益を上げづらい商品ですが、長期的にみるとかなりリスクを抑えられ、手間も掛からない投資商品です。投資信託を上手に活用して、長期的に資産を効率よく築いていきましょう。
投資信託でおすすめは「つみたてNISA」「iDeCo」
ここでは、投資信託でおすすめの制度を紹介します。特におすすめなのが「つみたてNISA」と「iDeCo」です。この2つは節税にもなるため、資金に余裕がある人は積極的に活用しましょう。
- つみたてNISAとは:おすすめポイント
- iDeCoとは:おすすめポイント
つみたてNISAとは:おすすめポイント
つみたてNISAとは、2018年1月より開始された少額投資非課税制度です。年間40万円まで投資でき、この投資で得られた利益や分配金・配当金を非課税で受け取ることができます(2023年3月時点)。国内株や投資信託には、現在利益や分配金・配当金に対して所得税15%と住民税5%の合わせて20%程度の税金が掛かります。
これらの税金を支払わなくて良くなるので、かなりの節税になります。投資を行う場合には、積極的にNISAを活用しましょう。
iDeCoとは:おすすめポイント
iDecoとは月々5,000円から自分自身で積み立てていき、原則60歳以降に受け取る仕組みです。iDecoは購入時、受取時のそれぞれにメリットがあります。購入時には購入した金額分所得税を控除することができます。
また、受取時には年金として分割で受け取る方法と、一時金としてまとめて受け取る方法がありますが、それぞれ公的年金等控除と退職所得控除という形で一定金額を非課税で受け取ることができます。60歳以降でしか引き出せないというデメリットがありますが、かなりの節税効果が見込める制度です。
投資信託でおすすめの証券会社
投資信託を購入できる場所は銀行や証券会社など様々です。しかし、一部の会社では信託報酬が高いなどのデメリットがあります。
ここでは、投資信託を取り扱っているおすすめの証券会社を紹介します。
- 投資信託でおすすめの証券会社1. 楽天証券
- 投資信託でおすすめの証券会社2. SBI証券
- 投資信託でおすすめの証券会社3. 松井証券
投資信託でおすすめの証券会社1. 楽天証券
投資信託でおすすめの証券会社として、1つ目が楽天証券です。
楽天証券では、投資信託の信託報酬は最低水準で自らの資産を効率的に運用することができます。また、楽天カードや楽天Payと紐づけることで、投資信託を購入するときに楽天ポイントを得ることができます。
この楽天ポイントは、楽天市場でのお買い物や投資信託の購入にも使えるなど多くの利用方法があります。また普段から楽天市場での買い物をする方もポイントを利用することができるので、一石二鳥で活用できます。
投資信託でおすすめの証券会社2. SBI証券
投資信託でおすすめの証券会社として、2つ目がSBI証券です。
SBI証券も楽天証券と同じく投資信託の信託報酬は最低水準の商品を取り扱っており、商品数も豊富にあります。
また、三井住友カードと連携すると毎月最大5万円分までクレジットカードで支払いを行うことができ、500Vポイント(100円1ポイント)得ることができます。三井住友カードのポイントはクレジットの支払いや新たな投資信託の購入に利用することができます。
投資信託でおすすめの証券会社3. 松井証券
投資信託でおすすめの証券会社として、3つ目が松井証券です。
松井証券は、100円という小額の金額から投資信託の購入が可能です。また、松井証券では毎月、毎週、毎日といった細かい設定で、投資信託を購入することができる点が特徴です。
さらに、毎月現金還元サービスも行っており、松井証券が受け取る信託報酬が0.3%を超える投資信託が対象で、年率0.3%(税抜)を超える分が毎月還元されます(2023年3月時点)。
【Q&A】投資信託を始めたいが不安がある人から多い質問
ここでは投資信託を始めたいが、不安がある人から多い質問を紹介します。
- 投資信託は収入の何割を回すのがよい?
- 元本割れしない投資信託はないの?
- 投資信託とヘッジファンドの違いは?
Q. 投資信託は収入の何割を回すのがよい?
どれくらいの資金を回すかは個人差があるため一律何割回せばよいのかとは回答できません。しかし、資金を以下の3つに分けて考えると良いでしょう。
- 生活に必要な当座のお金(そなえるお金)
- 将来使う予定のあるお金(まもるお金)
- 当面使う予定のないお金(のこすお金・ふやすお金)
3つに分けたうち、最後の当面使う予定のないお金を投資信託に回すと良いでしょう。
Q. 元本割れしない投資信託はないの?
投資信託で、元本割れしない投資信託はありません。これは、他の投資商品(株やFXなど)でも同様で、リスクのない商品は存在しません。投資信託は利益が出る分、損する可能性もあると認識をして投資を行うのを理解しておきましょう。また、短期ではなく長期で投資をするのも心がけましょう。
Q. 投資信託とヘッジファンドの違いは?
投資信託とヘッジファンドでは投資する対象や価格帯が異なります。投資信託は株や債券への投資が中心なのに対して、ヘッジファンドは株や投信信託以外にも農作物や金、仮想通貨などありとあらゆるものに投資を行います。
価格帯に関しては投資信託では100円から投資できますが、ヘッジファンドでは数千万円くらいから投資ができるようになります。また、投資の目標も投資信託は相対リターンなのに対してヘッジファンドは常に利益を出すことを目指す絶対リターンを追求しております。
個人が投資できるヘッジファンドは富裕層が自身の資産を守るために投資するものだと考えると良いでしょう。
投資信託をやめた方がいい理由・デメリットをおさらい
投資信託はやめた方がいいと言われる理由やデメリット、初心者が始めるための注意点などを紹介しました。投資信託はリスクがある商品であり、短期的な利益を上げたい人には向いていません。しかし、長期間運用する視点でみると利益を上げやすい商品と言えます。投資信託を利用して、ご自身の資産を効率的に活用しましょう。
日本国内ヘッジファンドおすすめランキング15選|高利回り企業一覧
この記事では、ヘッジファンドのおすすめをランキング形式でご紹介します。ヘッジファンドと聞くとどのようなイメージをお持ちでしょうか。政府が進める「貯蓄から投資へ」の流れの中で、株...