セミリタイアとは
セミリタイアとは、定年を迎える前に資産を貯めて退職し、自由な働き方をしながら生きていくライフスタイルのことです。完全なリタイアとは異なり、退職後も労働を続けるのが特徴ですが、好きな仕事で十分に生計を立てられる可能性があるのが大きなメリットです。
セミリタイアに必要な資産額は、セミリタイア後の収入や支出によって変わります。また、資産運用を行う場合は、生活水準を保ったまま収入を減らして暮らすことも可能です。
資産5000万円の割合【年代別】
年代別「資産5000万円以上」の世帯の割合を表にまとめました。
■年代別「資産5000万円以上」の割合
20代 | 0.1% |
---|---|
30代 | 0.5% |
40代 | 1.0% |
50代 | 1.6% |
60代 | 2.8% |
70代 | 2.7% |
資産5000万円以上の世帯の割合は、もっとも高い60代であっても3.0%未満と、かなり限られていることがわかります。特に20代は、1000世帯に1世帯とかなり低い割合です。
資産5000万円で何年暮らせるか【老後生活/勤労世帯】
資産5000万円で何年暮らせるかは、老後世帯か勤労世代かで異なります。 資産5000万円で何年暮らせるかについて、想定データを用意しましたので、老後世帯・勤労世帯それぞれについて解説します。
- 老後世帯の場合、資産5000万円で何年暮らせるか
- 勤労世帯の場合、資産5000万円で何年暮らせるか
老後世帯の場合、資産5000万円で何年暮らせるか
老後世帯の場合、資産5000万円で何年暮らせるのかについて、毎月の支出ごとに表にまとめました。
年金受給額は、厚生労働省が発表する「令和3年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、平均20万2033円(国民年金5万6368円、厚生年金14万5665円)であることがわかっているため、毎月約20万円と想定します。
■【老後世帯】資産5000万円で暮らせる年数(労働収入なし、年金受給額毎月20万円)
毎月の支出額 | 暮らせる年数 |
---|---|
25万円 | 68年 |
30万円 | 39年 |
35万円 | 25年 |
40万円 | 20年 |
45万円 | 16年 |
50万円 | 13年 |
毎月の支出を25万円以内に抑えれば、資産と年金のみで生涯暮らせる可能性が高いです。毎月の支出が30万円の場合は、臨時の大きな支出がなければ問題なく暮らしていけるでしょう。
一方、毎月35万円以上を支出するゆとりのある暮らしをする場合は、資産と年金のみでは足りない可能性があります。ゆとりのある老後を過ごしたい場合は、年金以外の収入を得たり、資産運用で資産を増やしたりする必要があります。
勤労世帯の場合、資産5000万円で何年暮らせるか
勤労世帯の場合、資産5000万円で何年暮らせるのかについて、年収と毎月の支出ごとに表にまとめました。
■【勤労世帯】資産5000万円で暮らせる年数(労働収入、支出別)
▼スクロールできます
毎月の支出額 | ||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
年収 | ||||||||
20万円 | 25万円 | 30万円 | 35万円 | 40万円 | 45万円 | 50万円 | ||
200万円 | 125年 | 83年 | 41年 | 27年 | 20年 | 16年 | 13年 | |
250万円 | 何年でも生きられる | 100年 | 48年 | 29年 | 21年 | 17年 | 14年 | |
300万円 | 何年でも生きられる | 何年でも生きられる | 83年 | 41年 | 27年 | 20年 | 16年 | |
350万円 | 何年でも生きられる | 何年でも生きられる | 500年 | 71年 | 38年 | 26年 | 20年 | |
400万円 | 何年でも生きられる | 何年でも生きられる | 何年でも生きられる | 250年 | 62年 | 35年 | 25年 | |
450万円 | 何年でも生きられる | 何年でも生きられる | 何年でも生きられる | 何年でも生きられる | 166年 | 55年 | 33年 | |
500万円 | 何年でも生きられる | 何年でも生きられる | 何年でも生きられる | 何年でも生きられる | 何年でも生きられる | 125年 | 50年 |
たとえば現在30歳であと60年生きると仮定した場合、年収300万円以上かつ毎月の支出30万円以内、もしくは年収350万円以上毎月の支出35万円以内が目安となります。
資産5000万円で何年暮らせるか【不動産を未保有/保有済み】
資産5000万円を持っている世帯のなかには、不動産を持つ世帯もあるでしょう。不動産の有無、また地方によっても資産5000万円で何年暮らせるかが変わってくるため、それぞれ解説します。
- 地方暮らしで不動産を未保有の場合、資産5000万円で何年暮らせるか
- 地方暮らしで不動産を保有済みの場合、資産5000万円で何年暮らせるか
- 都会暮らしで不動産を未保有の場合、資産5000万円で何年暮らせるか
- 都会暮らしで不動産を保有済みの場合、資産5000万円で何年暮らせるか
地方暮らしで不動産を未保有の場合、資産5000万円で何年暮らせるか
地方暮らしで不動産を未保有の場合、資産5000万円で何年暮らせるかについてですが、結論からいうと約10.2年です。
住宅支援機構の「2021年度 フラット35利用者調査 」によると、全国の不動産(新築一戸建て)の平均価格は、約3605万円であることがわかっています。
このデータには首都圏の不動産の価格も含まれているため、地方の場合はより安価な2500万~3000万円程度が相場であると推測されます。
仮に、3000万円の物件を以下の条件で購入するとしましょう。
- 金利:0.5%
- 頭金:500万円
- ボーナス返済:なし
そうすると、毎月の住宅ローン返済額は約6万5000円になります。(参照:支払額シミュレーション|SUUMO)
月の総支出は、総務省統計局の「家計調査(二人以上の世帯)2023年(令和5年)1月分 (2023年3月10日公表)」によると、平均約30万2000円となっています。
30万2000円に、先ほど算出した住宅ローン返済額6万5000円を加えると、合計36万7000円です。この支出額で、頭金500万円を引いた資産4500万円を切り崩して生活する場合、約10.2年暮らせることがわかります。
地方暮らしで不動産を保有済みの場合、資産5000万円で何年暮らせるか
地方暮らしで不動産を保有済みの場合、資産5000万円で何年暮らせるかについてですが、結論からいうと、約13.7年です。
不動産保有済みの場合、毎月の居住費はローン返済額を除いた設備修繕・維持費・固定資産税(支払いは毎月ではなく四半期に1回)などで済みます。
そのため月の総支出は、総務省統計局の「家計調査(二人以上の世帯)2023年(令和5年)1月分 (2023年3月10日公表)」のとおり、平均約30万2000円となります。
月の支出が30万2000円の場合、年間支出は362万4000円です。年間支出362万4000円で、資産5000万円を切り崩して生活する場合、約13.7年暮らせることになります。
不動産を保有していても、意外と暮らせる年数が短いと思われるかもしれません。しかし、こちらのデータは、子どもがいる家庭も含めた平均です。つまり、世帯構成人数がより少ない場合は、資産5000万円で暮らせる年数も長くなります。
都会暮らしで不動産を未保有の場合、資産5000万円で何年暮らせるか
都会暮らしで不動産を未保有の場合、資産5000万円で何年暮らせるかについてですが、結論からいうと約7.1年です。
住宅支援機構の「2021年度 フラット35利用者調査 」によると、首都圏の不動産(新築一戸建て)の平均価格は約4133万円であることがわかっています。
仮に、4000万円の物件を以下の条件で購入するとしましょう。
- 金利:0.5%
- 頭金:500万円
- ボーナス返済:なし
そうすると、毎月の住宅ローン返済額は約9万1000円になります。(参照:支払額シミュレーション|SUUMO)
月の総支出は、東京都の「「都民のくらしむき」東京都生計分析調査報告(月報) 令和4年12月」によると、平均約37万8000円となっています。
37万8000円に、先ほど算出した住宅ローン返済額9万1000円を加えると、合計46万9000円です。この支出額で、頭金500万円を引いた資産4500万円を切り崩して生活する場合、約7.1年暮らせることがわかります。
都会暮らしで不動産を保有済みの場合、資産5000万円で何年暮らせるか
都会暮らしで不動産を保有済みの場合、資産5000万円で何年暮らせるかについてですが、結論からいうと、約11年です。
不動産保有済みの場合、毎月の居住費はローン返済額を除いた設備修繕・維持費・固定資産税(支払いは毎月ではなく四半期に1回)などで済みます。
そのため月の総支出は、東京都の「「都民のくらしむき」東京都生計分析調査報告(月報) 令和4年12月」のとおり、平均約37万8000円となります。
毎月の支出が37万8000円の場合、年間支出は453万6000円です。年間支出453万6000円で、資産5000万円を切り崩して生活する場合、約11年暮らせることになります。
地方で不動産保有済みの場合と比べると、資産5000万円は約2.7年と短いです。首都圏は地方よりも生活コストが高いため、このような結果となりました。
上記の数値はあくまで平均であるため、子どもを私立学校や学習塾に通わせる場合、資産5000万円で暮らせる年数は、10年を下回る可能性があります。
資産5000万円でセミリタイアするための条件とは
資産5000万円でセミリタイアするための条件ですが、どのくらいの金額を資産運用に回すのかによって、必要な収入が変わってきます。以下の見出しではその目安について解説しますが、ゆとりのある生活をしたい場合はより収入を増やす必要があります。
- 5000万円を年100万円ずつ切り崩しながら生活
- 3000万円年利5.0%運用かつ年収200万円以上
- 5000万円年利5.0%運用かつ年収120万円以上
5000万円を年100万円ずつ切り崩しながら生活
収入次第では、資産運用をせず5000万円を切り崩していくというかたちでも生計を立てられます。例えば5000万円を年100万円ずつ切り崩して生活する場合、約50年は生きられます。
年間支出が300万円の場合は、年収200万円程度で充分です。65歳前後からの年金受給を加味すると、より安心でしょう。夫婦で年金を受給できる場合、生活にはよりゆとりが生まれます。
ただし、結婚式やマイホーム購入などの大きなライフイベントが控えている場合は、年収を増やすか資産運用によって5000万円をさらに増やす必要があります。そのため、今後どのようなライフイベントがあるのか、それぞれどのくらいの費用がかかるのかについて想定しておいた方が良いです。
3000万円年利5.0%運用かつ年収200万円以上
5000万円のうち、有事の際に備えて現金2000万円を手元に残し、余剰資金である3000万円を年利5.0%運用する場合の年間運用益は150万円です。仮に年間支出を300万円とすると、年収は200万円程度で賄える計算になります。
この場合、元手である3,000万円を切り崩さずに生活できます。また、手元に2000万円あるため、大きな出費があっても怖くないでしょう。
3000万円を少しずつ切り崩して生活する場合は、年間運用益が減るため、年収を増やす必要があります。理想は年金受給まで3000万円を切り崩さずに生活し、年金受給から毎年少しずつ3000万円の一部を切り崩していくというスタイルです。そうすることで、資金を使い切れずに後悔するリスクを抑えられます。
5000万円年利5.0%運用かつ年収120万円以上
5000万円をすべて資産運用に回す場合は、年利5.0%程度出せれば、年間運用益は250万円になります。仮に毎月の支出を30万円、年間支出を360万円とする場合でも、年収は120万円程度で十分です。
少しゆとりのある生活をする場合でも、月収10万円程度で暮らせると考えると楽でしょう。
できれば、年間運用益のうち150万~200万円程度のみを生活資金に回し、残りの50万~100万円を追加で運用に回すとなお良いです。そうすることで、年間運用益は徐々に増えていきます。
収入は一時的に増やす必要はありますが、年間運用益が増えてきたら、その分収入を減らしても問題ありません。
ここまでできると、老後の生活まで安心です。大きなライフイベントをすでに終えている場合は、資産の多くの割合を運用に回しやすくなるため、検討してみると良いです。
配当金だけで生活するために必要な金融資産
配当金は、株式会社が発行する株式を購入することで、会社の利益から持ち株数に応じて分配してもらえるお金です。
以下の見出しでは、配当利回りは何%が現実的か、配当金だけで生活するために必要な金融資産について解説します。
- 配当利回りは何%が現実的か
- 【世帯別】配当金だけで生活するために必要な金融資産
配当利回りは何%が現実的か
株式の平均配当利回りは、東京証券取引所のデータによると、2023年2月時点では2.18%です。5000万円を全額株式購入に当てた場合、年間運用益は109万円です。
年収を多めに確保し、年間支出を抑えれば、生活できない金額ではないでしょう。
ただしよりゆとりのある生活をしたり、仕事を減らして自由な時間を増やしたりしたい場合は、より高い利回りを目指す必要があります。
例えば運用利回り5.0%を出せる場合、年間運用益は250万円であるため、利回り2.18%の場合と比べるとかなり余裕が生まれます。
年利5.0%を超えると予想される銘柄数は、日本経済新聞のデータ(2023年3月10日時点)によると、全市場で79種類あります。このくらい選択肢があれば、ある程度現実的だと考えられるでしょう。
【世帯別】配当金だけで生活するために必要な金融資産
まず、世帯別(老後世帯・勤労世帯(子育て中)・勤労世帯(子育て後))の平均支出データを示します。
- 老後世帯:約25.6万円
- 勤労世帯(子育て中):約33万~36万円
- 勤労世帯(子育て後):約31.7万円
5000万円を株式配当利回りの平均である年利2.18%で運用する場合、年間運用は109万円であるため、いずれの世帯であっても配当金だけでは生活できません。
配当金だけで生活するには、以下の条件を満たす必要があります。
■配当金だけで生活するための条件(世帯別)
老後世帯 | 勤労世帯(子育て中) | 勤労世帯(子育て後) | |
---|---|---|---|
配当利回り2.18%固定の場合 | 運用資金約1億4128万円 | 運用資金約1億8165万~1億9816万円 | 運用資金約1億7449万円 |
運用資金5000万円固定の場合 | 配当利回り約6.2% | 配当利回り約7.9~8.7% | 配当利回り約7.6% |
資産5000万円をプロに任せる資産運用方法
資産5000万円をプロに任せる場合は、結論からいうとヘッジファンドがおすすめです。ヘッジファンドとは、機関投資家や富裕層から集めた資金をファンドマネージャーに運用させ、運用益を投資家に分配するファンドのことです。
ヘッジファンドと投資信託は、仕組みがよく似ていますが、厳密には以下のような違いがあります。
■ヘッジファンドと投資信託の違い
ヘッジファンド | 投資信託 | |
---|---|---|
最低投資金額 | 約1000万円 | 100円 |
運用目標 | 絶対収益(相場の上昇下落に関わらず利益を狙う) | 相対収益(株式指数に連動した利益を狙う) |
投資対象 | 株・債券・オプション・先物・仮想通貨など | 株・債券など |
成功報酬 | 有 | 無 |
平均利回り | 6.0~30.0% | 3.0%~10.0% |
両者を比べると、ヘッジファンドのほうが高い利回りを期待できることがわかります。最低投資金額が高く設定されていますが、5000万円の資産がある場合は問題ありません。
リスクはどちらも低めであるため、資産5000万円を持っている場合はヘッジファンドのほうがおすすめです。
資産5000万円あったら何年暮らせるか【まとめ】
資産5000万円あったら何年暮らせるかは、年収や年間支出、資産運用の有無によって異なります。しかし資産が5000万円あれば、生活水準や許容できる労働時間に応じて、条件を柔軟に変えられます。
例えば生活水準を上げたい場合は、年収を増やしたり、資産運用を積極的に行ったりすることで対応できるでしょう。5000万円の資産をどう使うべきかは、まず年間支出などの条件を決めてから検討すると良いです。
日本国内ヘッジファンドおすすめランキング10選|高利回り企業一覧
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