GSフューチャー・テクノロジー・リーダーズ(ネクストウィン)とは

GSフューチャー・テクノロジー・リーダーズ(ネクストウィン)

GSフューチャー・テクノロジー・リーダーズ(ネクストウィン)とは、次世代で大きく飛躍する可能性のあるハイテク銘柄を、業界の雄ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント(以降、「ゴールドマン・サックス」)が選別して運用するファンドです。

ハイテク株で急上昇した銘柄と言えば、ひと昔前ですとGAFAM(Google/Apple/Meta(Facebook)/Amazon/Microsoft)が思い起こされます。ゴールドマン・サックスの目利き力により、次のGAFAMとなる可能性のある企業が組み入れられています。

GSフューチャー・テクノロジー・リーダーズ(ネクストウィン)の特徴

GSフューチャー・テクノロジー・リーダーズ(ネクストウィン)

GSフューチャー・テクノロジー・リーダーズ(ネクストウィン)は様々な国のハイテク企業に投資しているという特徴があります。その投資先や銘柄からより詳細な特徴を見てみましょう。

ポイント
  • ネクストウィンの主な投資先
  • ネクストウィンの組入上位銘柄
  • ネクストウィンの4つのコースの違い
  • ネクストウィンの手数料

ネクストウィンの主な投資先

ネクストウィンの投資先を、地域、通貨、業種、規模で分析するとその特徴が見えてきます。

GSフューチャー・テクノロジー・リーダーズ(ネクストウィン)

①地域で見ると北米が約6割でアジアが2割強と続きます。テクノロジーに強い企業がアメリカに多いことが理由でしょう。ゴールドマン・サックスが分析に強みを持つエリアということもあるかもしれません。

②通貨については、地域特性から米ドルが同じく6割を占めますが、特徴的なのは次が台湾ドルであることです。これは後ほどご紹介する台湾のIC受託製造会社が上位銘柄に存在することが理由です。

この点は、アメリカと台湾の政治的な繋がりが見え隠れしそうですが、中国の企業も上位銘柄に含まれており、地政学リスクから中国を排除してしているということではないと思われます。

③業種は、ハイテク銘柄中心ということを裏付けるように情報技術が8割弱となっています。

④規模については、中小型株式の流動性リスクを考慮しているようですが、成長性も両睨みとするため、大型株式と中小型株式が混成した構成となっています。

ネクストウィンの組入上位銘柄

ネクストウィンの2023年1月末時点における組入上位銘柄は下表の通りです。

#銘柄名事業内容構成比率(%)
1ケイデンス・デザイン・システムズソフトウェアメーカー米国3.2
2KLAコーポレーション半導体製造装置メーカー米国3.0
3モトローラ・ソリューションズ総合電子通信機器メーカー米国2.8
4メルカドリブレオンライン取引会社ブラジル2.8
5ユナイテッド・マイクロエレクトロ ニクスIC・関連電子製品の受託製造会社台湾2.7
6ハブスポット情報テクノロジー関連会社米国2.7
7マーベル・テクノロジー半導体メーカー米国2.5
8キンディー・インターナショナル・ ソフトウェア・グループソフトウェアメーカー中国2.5
9シラジー高性能アナログICの設計・製造会社中国2.4
10ヴィーナステック・グループ情報セキュリティ製品メーカー中国2.3

銘柄名を見ると、新聞にも頻繁に登場するような有名どころがあるわけではありませんが、「南米のAmazon」と呼ばれるメルカドリブレのように、知る人ぞ知る銘柄が集まっています。

また、1月末時点で構成比トップのケイデンス・デザイン・システムズは、本社をカリフォルニア州サンノゼに置き30年以上リーダー的な位置にいる会社で、ベンチャーの類ではないことが分かります。

今後大きな成長を遂げNext GAFAMになり得る世界中の企業を探すのは、機関投資家であっても難しいものです。日本の個人投資家もそうした企業への投資ニーズは高いものの、情報を収集し分析することは難しいため、人気を集めました。

ネクストウィンの4つのコースの違い

ネクストウィンに投資をしたい人には、為替ヘッジの有無と分配金の回数で4つのコースが用意されています。

分配金(年2回 5・11月)分配金(毎月)
為替ヘッジありAコースCコース
為替ヘッジなしBコースDコース

海外株式への投資となるので、為替の影響を受けます。その影響をヘッジしたい投資家は、AコースかCコースを選択することになります。

また分配金を受け取りたいタイミングでもコースが選べます。分配金の回数は投資家のスタイルによるものですが、毎月分配の場合は基準価額の減少につながるため、長期投資を考える人には向かないようです。

ネクストウィンの手数料

手数料は主に購入時に発生する「購入手数料」と「信託報酬」があります。交付目論見書に次のように記載されています。

    購入手数料:購入申込みの翌営業日の基準価額に3.3%(税抜3%)を上限として販売会社が定める

    信託報酬:純資産総額に対して年率1.7875%

アクティブファンドなのでインデックスファンドより高いのは当然ですが、一般的なアクティブファンドより若干高めの設定になっているようです。

GSフューチャー・テクノロジー・リーダーズ(ネクストウィン)の運用実績・リターン

GSフューチャー・テクノロジー・リーダーズ(ネクストウィン)

2023年3月10日時点での基準価額の推移は下チャートの通りです。ネクストウィンは4つのコースがありますが、為替をヘッジしたAコースを取り上げます。

GSフューチャー・テクノロジー・リーダーズ(ネクストウィン)

チャートでは2021年後半から基準価額は低下しており、設定来の騰落率は2023年1月末時点で9.24%(Aコースの場合)となっています。この動きはネクストウィンだけに限ったものではなく、ハイテク銘柄全般で同様に動きが見られました。

下チャートはハイテク銘柄が多いNasdaqのものですが、赤丸部分で2021年後半から同じように低下傾向を示しています。この背景には大きく2つ理由があり、1つは2020年代にハイテク銘柄の人気が上昇する中で期待成長が数年先まで織り込まれた反動、もう2つはアメリカの金利上昇に伴うグロース株の下落です。

GSフューチャー・テクノロジー・リーダーズ(ネクストウィン)

出典:TradingView

アクティブファンドなので少なくともインデックスには勝っていなければなりません。そこでS&P500と比較してみると、2022年1年間の騰落率についてS&P500は−19.44(出典:<>S&P月例レポート)に対し、ネクストウィンは−24.64(出典:ゴールドマン・サックス 月次レポート)となっており、負けてしまっています。

設定されてから3年しか経っていないため評価は難しいところですが、現時点では厳しい状況です。

注目ファンド

詳細な投資分析によるバリュー投資を中心に実践しており、短期的な利益追求ではなく安全性を追求しながら中長期的な利益を求めているヘッジファンド。

詳細はこちら

GSフューチャー・テクノロジー・リーダーズ(ネクストウィン)の評判・口コミ

GSフューチャー・テクノロジー・リーダーズ(ネクストウィン)

ここから、掲示板での評判や口コミを見てみましょう。

泥舟だ。逃げて正解だった。

引用:Yahoo!ファイナンス


証券会社の人に勧められてかったけど、すっと横横でまた下がりでいいところなしです。
やはりちょっと上がった所で売ればよかった!
今日も下がってます。
いつ上がるの?

引用:Yahoo!ファイナンス


1年半の間、1ヵ月に1回定額買い足してるけど、収支ー20%
証券会社の一押しという事で買い始めたけど、ほぼプラスになったことない
いつか浮上するのだろうか

引用:Yahoo!ファイナンス


1月から少しだけ戻ってきました。
長期金利が下がるまで我慢我慢。

引用:Yahoo!ファイナンス


アクティブファウンドばっかりで草
GSフューチャーとか管理費用2%ぞ。高すぎだろ。

引用:Twitter

口コミを読む限りでは、アクティブで高い手数料の割りに運用成績が良くないため、悲観的な内容が見受けられます。それでも我慢して保有し続ける内容の投稿もあるため、やはり業界を牽引するようなリーダーとなる企業の出現に期待しているのかもしれません。

問題は、本当にそのような企業が構成銘柄の中から出現するのか、そしてそれはいつなのか、ということでしょうか。それが分かれば投資に苦労するなどということはないのでしょうが。

GSフューチャー・テクノロジー・リーダーズ(ネクストウィン)の今後の見通し

GSフューチャー・テクノロジー・リーダーズ(ネクストウィン)

今後しばらくは、ネクストウィンにとって厳しい状況は続くと思われます。その理由は、アメリカのインフレ傾向が続いており、長期金利は更に上昇することが確実視されているからです。折しも、FRBのパウエル議長が3月7日に米連邦議会上院の銀行・住宅・都市問題委員会で利上げペースを加速させるという発言をしています(出典:日経新聞)。

また、アメリカ経済はインフレ後にリセッション(景気後退)に突入するという観測もあります。このような状況では株価全体の上昇は見込めないことになります。

米国の2年債の利回りが5.02%という状況なので、ほぼノーリスクでこれだけのリターンが得られるのであれば、リスクをとって株式を購入するメリットが見出だせません。

更に、ハイテク銘柄は景気後退期には消費が抑えられるためその影響を受けやすい景気敏感銘柄と言われています。そこに投資先を特化しているネクストウィンのパフォーマンスもしばらくは上昇することが難しいのではないでしょうか。

GSフューチャー・テクノロジー・リーダーズ(ネクストウィン)はおすすめか?

GSフューチャー・テクノロジー・リーダーズ(ネクストウィン)

アメリカにおいて金融引き締めが続けられる中で米国株式全体のパフォーマンスが今後もしばらく低迷し、運用成績ではインデックスに負けており、手数料の高いアクティブファンドであるといった材料から考えると、現時点でネクストウィンを購入することはおすすめできないことになります。

ただし、将来有望な企業がゴールドマン・サックスによってセレクトされているということもあり、この先GAFAMのような存在が構成銘柄の中から生まれる可能性もあります。

その可能性、インパクト、急成長をする時期といったことを見越すことは誰にもできませんが、投資余力があれば新規投資先候補の1つとしてウォッチしておくことはおもしろいと思われます。そのためには、構成銘柄も確認し、その動向やニュースにある程度注意を払っておくことが必要です。

GSフューチャー・テクノロジー・リーダーズ(ネクストウィン)の評判・口コミ【まとめ】

ここまで、GSフューチャー・テクノロジー・リーダーズ(ネクストウィン)の特徴や評判、その運用実績を見てきました。次世代のリーダーとなるテクノロジーをテーマにしていますが、先端技術はその道の専門家ですら将来を見通すことは難しいものでしょう。

投資先として選択する場合は、その不確実性も理解した上で、手数料等も考慮して判断いただければと思います。

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