ロボアドバイザーとは

ロボアドバイザーとは

ロボアドバイザーとは、資産運用のお金を預かり、AIiや人工知能が最適と考えられる投資信託を購入するサービスです。証券会社の提供するラップ口座に似ています。ラップ口座と異なるのは銘柄選びをするのが証券会社ではなく、AIや人工知能になるため正確性が高いこと。かつ人の手を介さないため諸経費が安いことです。

多くのロボアドバザーは低リスク低リターンのインデックス投信を選択する機能が内臓されており、評価の定まっていないファンドを購入する危険性もありません。投資嗜好が強いながらも、時間がなくて具体的な購入銘柄を判断する時間が無い方に特におすすめのサービスです。アメリカにおいて先行し、2010年代中盤から日本でも広まってきました。

ロボアドバイザーはやめとけと言われる理由

ロボアドバイザーはやめとけと言われる理由

一方でロボアドバイザーはやめとけと言われることもあります。革新的なサービスとして注目されるロボアドバイザーですが、デメリットはどのような理由によるものでしょうか。

ポイント

  • 投資信託と比較すると手数料が比較的高い
  • ロボアドバイザーは短中期の投資には向いていない
  • ロボアドバイザーは元本保証ではない

投資信託と比較すると手数料が比較的高い

ロボアドバイザーは投資信託と比較すると手数料が高いです。証券会社で推奨銘柄を選ぶラップ口座と並べると人の手が入らない分手数料は安いですが、自分たちで銘柄を選択する通常の投資信託と比較すると高めです。

投資信託のなかで、何と比べるかという点でしょう。投資信託の手数料は販売時の目論見書などによって必ず説明されていますので、ロボアドバイザーと比較する習慣をつけましょう。購入時の手数料と、投資信託を所有している期間にかかる手数料の二種類があることにも注意します。

手数料の高い方法と低い方法を組み合わせるのが投資信託の基本のため、手数料の高いロボアドバイザーと手数料の低い既存の投資信託を組み合わせて、自分にとって適切なポートフォリオを組成するのが大切です。

サービス・銘柄名運用手数料・信託報酬(年率・税込)
ウェルスナビ1.1%
FOLIO ROBO PRO1.1%
SUSTEN利益の1.1/6~1.1/9
eMAXIS Slim 全世界株式(オールカントリー)0.1144%
eMAXIS Slim 米国株式(先進国株式S&P500)0.0968%
eMAXIS Slim 先進国株式インデックス0.1023%
<購入・換金手数料なし>ニッセイ・インデックスバランスF 4資産均等型0.154%

ロボアドバイザーは短中期の投資には向いていない

ロボアドバイザーは長期投資向きです。特に積立投資は一時評価額がマイナスでも購入し、バランスを取ります。短期で利益を生みたい方や、結婚や住宅購入などの決まったライフイベントに向けて数年でお金を貯めたい方には不向きです。

AIが購入銘柄を決めるという仕組みもあり、ロボアドバイザーであれば高い利益を出してくれるはず、と期待を持って利用開始する方もいます。ロボアドバイザ-はリスクを取ってリターンを取りに行くよりも、確実に投資習慣を身に着けるためのサービスという認識を持ちましょう。

これも組み合わせが大切で、ロボアドバイザーとアクティブ投資やヘッジファンドを組み合わせることで、利益を最大化することが可能です。

ロボアドバイザーは元本保証ではない

ロボアドバイザーはAIが購入銘柄を決めるため、確実に利益を生みだすものと誤解している人たちもいます。現実にそのようなことはありません。ロボアドバイザーによる証券購入においてもリスクはどれくらいなのかを可視化したうえで購入しましょう。

ロボアドバイザーに限らず、投資はもともと元本保証ではありません。運用をする代わりに、リスクが必要となることを理解する必要があります。リスクを受け入れることが難しければ、銀行にお金を預けていく方法がおすすめです。ただ近年は物価高のため、お金を預けておくだけでは収支がマイナスになることに注意します。

資産運用全体のなかでは、ロボアドバイザーの持つリスクは低いものです。AIがすすめてくれたからだけではなく、その方法はどれくらいのリスクを有しているのかを確認する習慣をつけましょう。

ロボアドバイザーの失敗例・後悔するパターン

ロボアドバイザーの失敗例・後悔するパターン

ロボアドバイザーの持つ意外なリスクは理解できました。実際にロボアドバイザーを試して失敗し、後悔している方もいます。どのような傾向があるのでしょうか。失敗したパターンを紐解いていきます。

ポイント

  • 塩漬けにしていたら損失が生まれていた
  • 自分で運用した方がリターンを生むことができた
  • どの会社のロボアドバイザーを選べばいいか

塩漬けにしていたら損失が生まれていた

ロボアドバイザーはAIが投資銘柄を決めるから安心だろうと投資して塩漬けにしていて、ある日評価額を確認したら損失が生じていることがあります。そこで慌てて売却して評価損を確定損にしないことが大切なのですが、慌てて解約してしまう方もいます。

ロボアドバイザーで購入していても、定期的に運用状況を見ることが大切です。また損失を生じていたとしても慌てず、損を確定させないこともポイントです。2022年の終わりなどはアメリカの債務問題で、低リスクのインデックスも軒並み下落傾向に陥りました。なぜ損失が出ているんだ!ではなく、相場がどうなっているかの確認も大切です。

自分で運用した方がリターンを生むことができた

こちらはリスクではなくリターンについてです。AIが銘柄算定を進めるロボアドバイザーとはいえ、利益最大化の投資をするとは限りません。自分で進めた方がリターンを埋める可能性もあります。

特に高リターンのファンドは万人に提供するロボアドバイザーでは組み込みにくく、その分期待リターンを逸しているということもいえます。

資産運用についてしっかり自分で勉強している方、IFAや証券会社などに信頼できるパートナーがいる方はロボアドバイザーでの運用を回避するか、ロボアドバイザーのほかに自分で運用する分の投資枠を持つことをおすすめします。

どの会社のロボアドバイザーを選べばいいか

ロボアドバイザーはさまざまな会社が提供しています。長期投資向きもあれば比較的中期向けもあります。また金融機関のサービスとして提供されているロボアドバイザーは、その金融機関が扱っているファンドのみ組入れられる仕組みになっています。

ロボアドバイザーを使う投資家側としては、自分はどの会社のロボアドバイザーを使えばいいのかわからないケースもあります。各社に問合せても自分のところをすすめることは仕方がないため、客観的にアドバイスしてくれる専門家を近くに置きたいところです。

もちろん前提として、2つの会社のロボアドバイザーサービスを組み合わせるという方法もあります。

ロボアドバイザーでの投資をおすすめしない人

ロボアドバイザーでの投資をおすすめしない人

ではロボアドバイザーでの投資をおすすめしない人には、どのような共通項があるのでしょうか。ロボアドバイザーはお任せ具合に主眼を置いたサービスですが、それを最適としない方は別の方法をおすすめします。

ポイント

  • 自分で投資判断をすることができる
  • 既にIFAなどのアドバイザーがいる
  • 日中投資にかけられる時間がある

自分で投資判断をすることができる

ロボアドバイザーの持つお任せの特徴よりも、自分で投資判断をすることが出来る方にはおすすめできません。定期的に評価額を確認する習慣もあり、損切りなども滞りなくできるためです。

ただすべての資産を自分で判断するよりも、資産運用の一部をロボアドバイザーに委託するという考え方はあります。指標の定まったインデックス投信はロボアドバイザーに委託し、上乗せの利益を狙う部分は自分で決めるという両立の方法もあります。

既にIFAなどのアドバイザーがいる

既にIFAなどのアドバイザーがいる場合、AIに銘柄選びを委託する必要はありません。ロボアドバイザーに委託する資産も、IFAに相談してどうすればいいかを考えていきましょう。

資産ポートフォリオの一部をIFAに、一部をロボアドバイザーに委託する方法もありますが、資産運用は全体像を見てリスク・リターンを可視化して投資配分を決めるのが理想なので、あまりおすすめしません。

信頼できるIFAがいるならロボアドバイザーの投資結果を共有するようにしましょう。

日中投資にかけられる時間がある

日中投資にかけられる時間があるのなら、ロボアドバイザー以外の運用方法がおすすめです。取引市場が空いているときに売買できるETF(上場投資信託)や単元株の購入の方が、値動きをリアルタイムで確認して売買判断をすることができます。

基本的にロボアドバイザーは入金後の夜間に購入処理をするため、アメリカやヨーロッパで短期的な暴落が起きているときは影響を引き摺ってしまうリスクもあります。相場傾向として株価の変動が大きい荒れ相場であるときこそ、リアルタイムで人が流れを見ることが大切でもあります。

注目ファンド

詳細な投資分析によるバリュー投資を中心に実践しており、短期的な利益追求ではなく安全性を追求しながら中長期的な利益を求めているヘッジファンド。

詳細はこちら

ロボアドバイザーはデメリットだけ?メリットは?

ロボアドバイザーはデメリットだけ?メリットは?

本稿ではロボアドバイザーのデメリットに主眼を置いて説明してきましたが、ロボアドバイザーにはどのようなメリットがあるのでしょうか。ロボアドバイザーを活用すると、手軽に投資をはじめることができます。

ポイント

  • 手軽に投資習慣を開始することができる
  • 第三者に自分の資産状況を知られない
  • ロボアドバイザーは証券会社に比べ手数料が安い

手軽に投資習慣を開始することができる

投資を始めたいと考えている方は多いですが、実際に始めるまでは大きなハードルがあります。ロボアドバイザーは手軽にスタートできるため、投資習慣を身に着けるには最適のサービスです。

また多くの方が頭を悩ませる銘柄選びもAIが担ってくれるため、敬遠することになります。お金を入れれば誰でも投資家になることができるというサービスです。ロボアドバイザーを始めたのちに投資が面白くなってきたら、あらためてほかの証券口座を作ることもおすすめです。

第三者に自分の資産状況を知られない

IFAや証券会社の職員などの専門家だからといって、ぺらぺらと自分の家の家計状況を共有するのは抵抗があります。無いとは信じていても、漏洩リスクがあると考えれば気分の良いものではありません。

ロボアドバイザーはその分、第三者に自分の資産状況を知られないという安心感があります。もちろんロボアドバイザーも、AIとはいえ広く展開しているサービスなので運営をしている人はいますが、抵抗感は明らかに異なるものです。

ロボアドバイザーは証券会社に比べ手数料が安い

前述した内容と繰り返しになりますが、投資信託全般のなかでは手数料が低い方です。ロボアドバイザーより手数料が安い証券もありますが、投資の手軽さなどを総合的に判断すると合格点ではないでしょうか。同程度の運用と比べると、とても財布に優しいサービスだと考えられます。

理想的な使い方としてはロボアドバイザーを第一段階、利益を取りにいくアクティブ投資を第二段階として、二段階方式でポートフォリオを組むことをおすすめします。

ロボアドバイザーおすすめサービスを比較【人気・評判】

以下では、ロボアドバイザーのおすすめサービスについて、サービス内容や特徴を比較紹介します。

ポイント

  • WealthNavi(ウェルスナビ)
  • FOLIO ROBO PRO(フォリオ ロボ プロ)
  • THEO(テオ)+docomo

WealthNavi(ウェルスナビ)|中長期的な運用におすすめ

WealthNavi(ウェルスナビ)

  • 世界50カ国1万2000銘柄への分散投資を実現
  • 短期的なマイナスは受け入れながら長期で大きなリターン狙い
  • 銘柄選びから税金最適化まで自動化

ロボアドバイザーの代表格といえば上場もしているWealthNavi(ウエルスナビ)です。CMを目にしたことのある方も多いでしょう。

最低投資額1万円から、中長期的な運用を進めることができます。時に短期的なマイナスが出るかもしれませんが、実直に続けることでの目標達成を謳います。ロボアドバイザーサービスのなかでも守備に強いという評価です。最短3分で口座開設できる手軽さも魅力です。

対象となる資産ポートフォリオ候補も豊富で、世界50カ国1万2000銘柄への分散投資を実現します。2023年現在、利用者数はなんと36万人を突破しています。

サービス名WealthNavi(ウェルスナビ)
運用傾向中長期の低リスク運用
手数料年率1%(税込1.1%)
取引ごとの手数料無料
最低投資金額10,000円
公式サイトWealthNavi(ウェルスナビ)公式サイト

FOLIO ROBO PRO(フォリオ ロボ プロ)|ETFを駆使したロボアドバイザー

FOLIO ROBO PRO(フォリオ ロボ プロ)

  • 40以上のマーケットデータを予測し将来予測
  • アメリカの取引所に上場している8種類のETFを購入
  • 相場の急変時には臨時のリバランスも実施

FOLIO ROBO PROはアメリカの8種類のETF(上場投資信託)に分散投資するロボアドバイザーです。米国株のほか新興国株や米国債、ハイイールド債まで幅広い選択肢があります。

AIはマーケットデータを活用し、日々パフォーマンスの向上を実現しています。相場の急変時には臨時に投資配分のリバランスを行うのも特徴です。

サービス名FOLIO ROBO PRO(フォリオ ロボ プロ)
運用傾向アメリカ株および債権のETF
手数料年率1%(税込1.1%)
※3000万円を超える部分は年率0.55%(税込)
取引ごとの手数料0.5%(税込0.55%)
最低投資金額10万円
公式サイトFOLIO ROBO PRO(フォリオ ロボ プロ)公式サイト

THEO(テオ)+docomo|世界70以上の国・地域への分散投資

THEO(テオ)+docomo

  • 株、債権のみならず金・銀まで広げたETFに分散投資
  • アメリカブラックロック出身のトレーダーを中心に運用
  • 社会にやさしいESG投資も選択可能

3つ目はTHEOです。プロとAIにおまかせの資産運用という建付けなので純粋なロボアドバイザーというよりも、半分自動で半分スペシャリストのサービスです。アメリカのETFに絞っているETFに比べ、世界中のETFに分散投資しています。

金や銀のETFまで含まれているため、先ごろの債務上限問題などでアメリカの株や投信が落ちても、値下がりリスクを最小限に抑えられるのではないでしょうか。無料診断で資産ポートフォリオのシミュレーションから開始できるため、自分にとってどれほどの資産運用が必要なのかを個別に認識することができます。

サービス名THEO(テオ)+docomo
運用傾向世界中の幅広いETF
手数料年率1%(税込1.1%)
取引ごとの手数料無料
最低投資金額1万円
公式サイトTHEO(テオ)+docomo公式サイト

ロボアドバイザーがやめとけと言われる理由・注意点をおさらい

ロボアドバイザーは便利で革命的なサービスな分、投資習慣のついている方や、しっかりと利益を生みだしたい方にとっては不要な機能や投資方針がついています。運用をするときに自分にとってロボアドバイザーが適切なのか否か、判断して利用を検討するようにしましょう。

またロボアドバイザーのなかでも運用する会社によって方針や投資対象が異なりますので、その違いにも注意しましょう。

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