商船三井の企業概要
商船三井は、鉄鋼原料や石炭、木材チップなどを運ぶ各種専用船、原油を運ぶタンカー、液化天然ガスを運ぶLNG船、自動車船、さまざまな製品を運ぶコンテナ船など、多彩な分野に対応している企業です。
世界最大級の船体を有しており、140年以上の歴史で培われた経験と技術で様々な活動を展開しています。地域全体を舞台に世界経済の発展に貢献しているのが特徴です。
- 商船三井の事業内容
- 商船三井の企業規模
商船三井の事業内容
商船三井の事業内容は、以下の通りです。
- ドライバルク事業
- エネルギー事業
- 製品輸送事業
- ウェルビーイングライフ事業
- 多彩な周辺事業
ドライバルク事業は世界最大規模の船隊で世界の資源を輸送する事業です。エネルギー事業は豊富な輸送実績を活かしたエネルギーの安定供給を目指す事業です。
製品輸送事業は高度なネットワークと高品質のサービスによって多様化する輸送ニーズに対応する事業です。ウェルビーイングライフ事業はウェルビーイングとライフスタイルに関する人を中心とした新たな価値を創造する事業です。
その他にも多彩な周辺事業を展開しています。
商船三井の企業規模
商船三井の企業規模は、以下の通りです。
商号 | 株式会社 商船三井 Mitsui O.S.K. Lines, Ltd. |
---|---|
本社 | 〒105-8688 東京都港区虎ノ門2丁目1番1号 |
設立日 | 1942年12月28日 |
資本金 | 65,589,827,533円 |
発行済株式数 | 362,010,900株 |
株主数 | 384,381名 |
株式上場 | 東京証券取引所 |
従業員(単体) | 1,168名(陸上829名 海上339名) |
グループ会社数 | 509社(連結子会社及び持分法適用会社) |
グループ会社従業員数 | 8,748名(当社及び連結子会社) |
グループ運航船舶規模 | 697隻 5,067万重量トン(当社及び連結子会社) |
事業内容 | ドライバルク事業 エネルギー事業 製品輸送事業 ウェルビーイングライフ事業 多彩な周辺事業 |
商船三井の業績・株価の推移
商船三井の配当の高さを裏付けるような業績や株価がどのくらいの推移なのか気になる人も多いのではないでしょうか?それでは、商船三井の業績や株価の推移についてご説明しましょう。
- 商船三井の売上・営業利益の推移
- 商船三井の株価の推移
商船三井の売上・営業利益の推移
商船三井の売上や営業利益の推移は、以下の通りです。
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決算期 | 2019/3連 | 2020/3連 | 2021/3連 | 2022/3連 | 2023/3連 |
---|---|---|---|---|---|
売上高 | 1,234,077 | 1,155,404 | 991,426 | 1,269,310 | 1,611,984 |
営業利益 | 37,718 | 23,779 | -5,303 | 55,005 | 108,709 |
経常利益 | 38,574 | 55,090 | 133,604 | 721,779 | 811,589 |
当期利益 | 26,875 | 32,623 | 90,052 | 708,819 | 796,060 |
一株利益(円) | 224.72 | 272.79 | 752.98 | 5,910.48 | 2,204.04 |
一株配当(円) | 45.00 | 65.00 | 150.00 | 1,200.00 | 560.00 |
決算月数(カ月) | 12 | 12 | 12 | 12 | 12 |
単位:百万円
引用元:日本経済新聞
商船三井の株価の推移
商船三井の株価の推移は、以下の通りです。
引用元:Yahoo!ファイナンス
3月から4月にかけて緩やかに株価が下がっており、一旦株価が上昇したかと思えば5月頃になって株価が下がっている傾向にありました。
しかし、そこから8月にかけて株価が右肩上がりとなっており、波に乗っている状態だと言えるでしょう。
このまま株価が上がり続けば過去最高レベルの株価になることが予想されるため、今後の商船三井の動向次第で多くの投資家が高配当を得られる可能性があります。
商船三井の株主還元策
商船三井は様々な株主に満足してもらえるように、株式分割などの株主還元を実施しています。それでは、配当金の推移と合わせて商船三井が行う株主還元策についてご説明しましょう。
- 商船三井の配当金の推移
- 商船三井が株式分割を実施
商船三井の配当金の推移
商船三井の一株あたりの配当金の推移は、以下の通りです。
2021/3 | 50.0円 |
---|---|
2022/3 | 400.0円 |
2023/3 | 560.0円 |
2024/3(予定) | 180.0円 |
引用元:株情報Pro
商船三井の一株あたりの配当金を見る限り、2021年から2023年にかけて配当金が増えていることが分かります。
特に2021年から2022年までの配当金が8倍も上昇しており、2023年も配当金が増えているので高配当が期待できるでしょう。ただ、2024年はまだ見通しができないせいか、低く見積もられています。
商船三井が株式分割を実施
商船三井では株式分割を実施しているのがポイントです。株式分割とは既に発行されている株式を分割する方法です。たとえば100株を200株、300株にして分割するため、投資家には分割した株式が割り当てられることになります。
ただ、分割されても株式の価値は変わらないので、分割された分だけ1株あたりの価値が変動します。たとえば、株価が2,000円の株式を1:2で分割した場合、保有株数は2倍になりますが、理論上の株価は1,000円です。
商船三井が株式分割を実施したのは、個人投資家などが参加しやすいように投資に必要な金額を下げて流動性を高める狙いがあるからです。
商船三井の配当はなぜ高いのか
商船三井は配当金が高めになっていますが、配当金がなぜ高いのか気になる人も多いのではないでしょうか。それでは、商船三井の配当金はなぜ高くなっているのかご説明しましょう。
- 配当利回りとは
- 商船三井の配当利回りは4%以上
- 商船三井と他海運会社の配当利回りを比較
配当利回りとは
配当利回りとは、株価に対する年間配当金の割合を示す指標です。1株あたりの年間配当金を現在の株価で割って決めるもので、株価が下落すると配当利回りが上がっていきます。
配当金が上がるのと株価の上昇による値上がり益とではどちらがいいのかと思うかもしれませんが、確実に利益を得たいのであれば配当金がおすすめです。
商船三井の配当利回りは4%以上
商船三井の予想配当利回りは4%以上です。
市場全体で見た配当利回りの平均は2.5%~3%が最も多く、次いで2%~2.5%、3%~3.5%と続きますが、4%以上の配当利回りを維持できているのはかなり期待できる企業だと言えるでしょう。
今後も4%以上を維持できるのであれば、配当利回りを重視する多くの投資家にとっておすすめできる企業だと言えるのではないでしょうか。
商船三井と他海運会社の配当利回りを比較
商船三井と他海運会社の配当利回りは、以下の通りです。
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商船三井 | 日本郵船 | 川崎汽船 | ヤマトH | |
---|---|---|---|---|
予想1株配当 | 180.0円 | 130.0円 | 200.0円 | 46.0円 |
予想配当利回り | 4.56% | 3.43% | 4.19% | 1.76% |
前期配当性向 | 25.4% | 26.1% | 15.6% | 36.3% |
引用元:株情報Pro
1株あたりの配当では川崎汽船より下回っていますが、予想配当利回りだけで比較すると他の海運会社よりも高いことが分かります。
商船三井の増配につながった好業績の理由
商船三井はここ直近年度の配当金が上がっていることから、増配した好業績には様々な理由があります。それでは、商船三井の増配につながった好業績の理由についてご説明しましょう。
- オーシャン・ネットワーク・エクスプレス
- 完全子会社化した非海運事業への参入
- コロナ禍の影響で人手不足が起きた
オーシャン・ネットワーク・エクスプレス
商船三井の増配につながった好業績の理由として挙げられるのが、オーシャン・ネットワーク・エクスプレスです。オーシャン・ネットワーク・エクスプレスとは国内海運大手3社で共同出資しているコンテナ船事業会社です。
コロナ禍によって物流網が大混乱を極めていましたが、それに伴って運賃が高止まりしたことがオーシャン・ネットワーク・エクスプレスに追い風をもたらしたことが要因となっています。
3社のコンテナ船事業を統合したことによって規模のメリットと効率化を追求した結果、2022年3月連結決算では当期利益が過去最高を記録したほどです。
完全子会社化した非海運事業への参入
商船三井はコロナ禍の勢いが衰えると共に業績低下を防ぐため、不動産事業のダイビルと港湾運営やプラント建設、物流事業を手がける宇徳を相次いで完全子会社化しています。
完全子会社化した企業に共通しているのは、海運事業とは全く関係がない事業だという点です。
海運市況に業績が左右されにくい事業を強化することによって経営を安定化させることに成功しています。ダイビルは国内外に物件を持っているので経営が安定していること、そして宇徳は比呂物流ニーズの取り込みができているのもポイントです。
コロナ禍の影響で人手不足が起きた
商船三井を初めとする海運業界が好調になっている理由として、コロナ禍による人手不足や円安の影響が挙げられます。
コロナ禍によって港湾運営に必要な人が不足すると、輸入・輸送する際に一度に運べる量が少なくなるため、運賃が高騰しているのがポイントです。運賃高騰による利益増加と共に、円安も拍車をかけています。
基本的に運賃はドル建てなので円安になると円ベースでの売り上げが膨らみやすくなるのです。今後も円安が続く見込みとなっているため、まだまだ純利益が膨らむ可能性があるでしょう。
商船三井の配当が増えた(増配)の理由
商船三井の配当が増えた理由が気になる人も多いのではないでしょうか。投資家にとっては配当が増えた理由も含めて今後も投資するか決める傾向にあります。それでは、商船三井の配当が増えた理由についてご説明しましょう。
- 1株利益が大きく伸びているため
- 配当性向の高さにより純利益が高まるほど配当も高まる
- 株主への利益還元を優先する経営方針
1株利益が大きく伸びているため
商船三井の配当が増えた理由として挙げられるのが、1株あたりの利益が大きく伸びていることです。
配当金は基本的に1株利益によって決められるため、2023年3月期は1株利益が2204円だったことから560円もの配当金を得ることができました。
海運事業はまだまだ将来性がある事業として注目されており、大手海運会社でもある商船三井は今後も好業績を維持することで安定した配当金が得られる可能性があります。
また、経営安定のための他事業まで手を広げているため、今後も業績が伸びる見込みもあるでしょう。
配当性向の高さにより純利益が高まるほど配当も高まる
商船三井の配当が高い理由として挙げられるのが、配当性向が高いことです。配当性向とは当期純利益に占める年間配当金の割合を示す指標であり、配当性向と純利益が高いほど配当が増加する仕組みになっています。
商船三井の配当性向は25%でしたが、2023年には30%まで引き上げられており、たとえ純利益が少なくなったとしてもある程度の配当金が得られる可能性が高いでしょう。
急激に配当が少なくなるリスクが低いという点でも、配当性向が高いのは大きなポイントです。
株主への利益還元を優先する経営方針
商船三井の配当が高い理由として挙げられるのが、商船三井の経営方針が株主への利益還元を優先していることだからです。
積極的な事業投資を行い、企業価値の向上や配当を通じた株主への直接的な利益還元が基本方針となっており、余剰利益の内部留保とすることなく還元してくれるのがポイントです。
コロナ禍が収まりつつある中でも純利益が下がることを見越して配当下限を整備し、減益時も株主を裏切らないような方針を立てていることからも、株主優先となっているのが分かります。
商船三井の株価に対する投資家からの口コミ・評判
商船三井の株価に対する投資家からの口コミ・評判は、以下の通りです。
ほったらかし投資。
商船三井は何があったん?気がついたらおもろいことに。
イオンは優待狙い。引用:X
【商船三井】
うわーこんなに上がるんだ
先月3700位で売っちゃった
やっぱりガチホールドだったのか
損して勉強になりました‼️引用:X
9104商船三井の株価調子良いので
しばらくガチホしようと思っていたのに
調子悪い時に入れた指値に刺さり売却
4000円で売却益11万ちょっと
プラス➕出てもガッカリ
9月配当もらう気満々だったのに
指値注文はきちんと管理しようと
勉強になった1日引用:X
川崎汽船<9107>が一時6%高で4600円台に買われ連日の年初来高値更新。このほか、日本郵船<9101>、商船三井<9104>など大手海運株が頑強な値動きをみせ、業種別騰落でも「海運」は33業種中、唯一4%を超える値上がりで異彩を放っている。
引用:X
昨日、商船三井全部4060で売って、勿体無いけど、他の信用売りの期日が16日だったんでマイナス決済に合わせて売った。
株式投資も今年はマイナス100万超えですわ。
FIREして〜!引用:X
商船三井は現在株価が右肩上がりになっている状態なので、気づいたら株価が大幅に上がっていて驚く人も多いようです。海運事業の時代は終わっているという意見も散見されましたが、見通しを大きく外した結果になっていると言えるでしょう。
また、ここまで株価が上がると思っていなかった人も多く、もっと株価が上がることを知っていれば売却することもなかったかもしれません。将来性がある事業に投資する場合、売却するタイミングを慎重に見極めることがいかに重要なのかが分かります。
他の海運会社も負けじと高値更新を続ける中、商船三井は手堅い動きを見せているため、売却するタイミングを図る一つの指標になっているでしょう。
商船三井の配当や株価・業績など今後の見通し
商船三井の配当や株価・業績など今後の見通しなどで、今後投資するかどうか判断する人も多いのではないでしょうか。それでは、商船三井の配当や株価・業績など今後の見通しについてご説明しましょう。
- エネルギー事業の拡大を目指している
- オーシャン・ネットワーク・エクスプレスの事業拡大
- 2035年に向けた他事業展開に注力している
エネルギー事業の拡大を目指している
商船三井は現在、エネルギー事業の拡大に向けた活動を積極的に行っています。
これまで経営を安定させるために参入した事業もあることから、クリーンエネルギーの普及に向けた環境整備が行われています。無事に普及されれば大きな事業になる上、それに付随して配当も高くなる可能性があるでしょう。
タンカーや液化天然ガス、輸送船隊の整備も積極的に行われているのがポイントです。
オーシャン・ネットワーク・エクスプレスの事業拡大
商船三井は定期コンテナ船事業のオーシャン・ネットワーク・エクスプレスによる事業拡大やデジタル戦略が期待されています。
自動車輸送を含めた環境に柔軟に対応していくことで顧客からの評価を高めることが、パートナーとしての価値を向上させていきます。海外展開を拡大させる上で環境問題に取り組む姿勢が、商船三井の追い風になるでしょう。
2035年に向けた他事業展開に注力している
商船三井は2035年に向けて海運以外の事業分野を柱にする方針となっています。不動産やフェリー、クルーズなどの事業展開を行うことによる、商船三井の柱となる他事業を積極的に展開していきます。
海運事業だけではいずれ限界が来ることを見越して、海運市況の乱高下に影響されにくい事業を育てることで新たな収益構造へと変化していくことが狙いです。
商船三井の配当が高い理由をおさらい
商船三井の配当がなぜ高いのか、それは株主を優先した経営方針になっていること、配当性向が高いので純利益が高くなるほど配当も高くなるなど様々な理由があります。
商船三井は大手海運会社として2023年3月期には過去最高の純利益をたたき出すなど、活躍が目覚ましい企業です。
だからこそ、海運市況の乱高下に影響されにくい他事業に展開することで、株主を裏切らない経営方針が一貫していると言えるでしょう。
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