ソフトバンクの企業概要

ソフトバンクの企業概要

ソフトバンクとは、日本を代表する情報・通信業界の巨人であり、多岐にわたる事業を展開している企業です。1986年の設立以来、その成長は目覚ましく、現在では国内キャリアの第3位のシェアを誇ります。特にスマートフォン関連の事業は多くの人々に親しまれており、その名は家庭にも浸透しています。

ソフトバンクの主力事業は、コンシューマ事業としてのモバイルサービスやブロードバンドサービス、そして電力サービスなどが挙げられます。これらの事業は、ソフトバンクの売上の約50%を占めており、企業の基盤となっています。

また、法人向けのサービスとしては、モバイル回線の提供や携帯端末・固定電話のレンタル、さらにはセキュリティやAI技術の提供など、幅広いサービスを展開しています。

社名(商号)ソフトバンク株式会社
事業内容移動通信サービスの提供、携帯端末の販売、固定通信サービスの提供、インターネット接続サービスの提供
設立1986年(昭和61年)12月9日
本社所在地〒105-7529 東京都港区海岸一丁目7番1号
従業員数単体:19,045人(2023年3月31日現在)
連結:54,986人(2023年3月31日現在)
資本金2043億円

ソフトバンクの事業内容

ソフトバンクの事業内容
Timon - stock.adobe.com

ソフトバンクは、その名前が示す通り、もともとはソフトウェアの販売を主力とする企業でした。しかし、時代とともに事業領域を拡大し、現在では多岐にわたる事業を展開しています。その事業内容を詳しく見ていきましょう。

ポイント

  • コンシューマ事業
  • エンタープライズ事業
  • ディストリビューション事業
  • メディア・EC事業
  • ファイナンス事業
  • その他事業

コンシューマ事業

ソフトバンクのコンシューマ事業は、主に個人向けのサービスを提供しています。これには、モバイル通信サービスやブロードバンドサービスなどが含まれます。特に、モバイル通信サービスは、ソフトバンクの主力事業の一つとして、多くのユーザーに利用されています。

エンタープライズ事業

企業向けのソリューションを提供するエンタープライズ事業では、クラウドサービスやセキュリティサービス、IoTソリューションなど、企業のデジタルトランスフォーメーションを支援するサービスを展開しています。

ディストリビューション事業

ディストリビューション事業では、ソフトバンクのネットワークを活用して、さまざまな商品やサービスを提供しています。これには、モバイルデバイスや関連アクセサリーの販売、さらには通信インフラの構築サービスなどが含まれます。

メディア・EC事業

メディア・EC事業では、ソフトバンクの強力なブランド力を活用して、オンラインショッピングやデジタルコンテンツの提供を行っています。これには、音楽配信サービスや動画配信サービス、オンラインゲームなどが含まれます。

ファイナンス事業

ソフトバンクのファイナンス事業は、金融サービスを提供しています。これには、保険サービスやローンサービス、投資サービスなどが含まれます。特に、ソフトバンクの投資活動は、国内外での大型投資を行う「ソフトバンクビジョンファンド」を通じて、多くの注目を集めています。

その他事業

ソフトバンクは、上記の主要事業以外にも、様々な分野での事業展開を行っています。これには、エネルギー事業やロボット事業などが含まれます。ソフトバンクは、技術の進化や社会の変化を捉え、新しいビジネスチャンスを追求しています。

以上が、ソフトバンクの主要な事業内容になります。ソフトバンクは、これらの事業を通じて、情報革命を起こすという創業の精神を継続して追求しています。

ソフトバンクの業績推移|売上・営業利益

ソフトバンクの業績推移

ソフトバンクは、国内キャリアの第3位のシェアを持つ企業として、その業績には常に注目が集まっています。特に、コロナ禍を経てどのような業績推移を遂げてきたのか、多くの投資家や関心を持つ人々が気にしています。

多数の企業がコロナ禍を背景に、経営の難航を強いられる中ソフトバンクはどのような業績を示してきたのでしょうか。以下に、ソフトバンクの売上と営業利益の推移を詳しく見ていきます。

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年度売上営業利益営業利益率
2020年4兆8,612億47百万円9117億25百万円18.75%
2021年5兆2,055億37百万円9707億70百万円18.65%
2022年5兆6,906億6百万円9655億53百万円16.97%
2023年5兆9,119億99百万円1兆6,016億68百万円17.93%
2024年(予想)6兆円7800億円13.00%

参考:みんかぶ

上記表から、ソフトバンクはコロナ禍を背景にしながらも、堅調な業績を維持してきたことが分かります。特に、2023年の営業利益は、前年比で増加しており、企業の経営体質の強さが伺えます。しかし、2024年の予想では営業利益が大きく下落することが予想されており、今後の経営の方針や市場環境の変化によって、業績がどのように変動するのかが注目されます。

ソフトバンクの株価推移|過去5年のチャート

ソフトバンクの株価推移

ソフトバンクの株価は、過去5年間で多くの動きを見せてきました。特に2021年から2023年のチャートを見ると、その株価が横ばいとなっていることが注目されています。では、なぜこのような動きが見られるのでしょうか。

ポイント

  • 2018〜2020年にかけて株価が低迷
  • 2021〜2023年にかけて株価が横ばい

2018〜2020年にかけて株価が低迷

2018年、ソフトバンクの株価は1500円付近を維持していました。しかし、その後徐々に下落の兆しを見せ始め、コロナ禍の影響を受けてさらに下落しました。2020年終盤には、株価は20%近くも下落。

この下落は、日経平均銘柄と比較しても大きなものでした。この理由として2020年9月に政府から発表された、携帯電話料金の値下げ問題が影響を与えたことが考えられます。この日から通信関連株が連日下落するという状況が見られました。

ソフトバンクの株価推移

2021〜2023年にかけて株価が横ばい

ソフトバンクの株価は、2021年から2023年にかけて大きな変動が少なく、横ばいの状態が続いています。この期間、ソフトバンクは多くの投資を行い、特にテクノロジー関連のスタートアップ企業への投資が増加していました。

ビジョンファンドという大型投資ファンドを通じて、世界中のイノベーション企業への出資を積極的に行ってきました。

その結果、多くの企業が成功を収め、ソフトバンクの投資ポートフォリオは拡大し続けました。しかし、一部の投資先企業での失敗や、外部環境の変動、経済の不安定さなどが影響し、株価の大きな上昇を阻んできたと考えられます。

ソフトバンクの株価推移

ソフトバンクの株主還元|配当・自社株買い

ソフトバンクの株主還元

ソフトバンクは、その経営方針の一環として、株主還元を重視しています。特に「配当」と「自社株買い」は、ソフトバンクの株主還元の主要な手段として注目されています。これらの手段を通じて、ソフトバンクは株主価値の向上を図り、投資家からの信頼を獲得しています。

ポイント

  • ソフトバンクの一株配当・配当利回り推移
  • ソフトバンクの自社株買い推移

ソフトバンクの一株配当・配当利回り推移

■一株配当の推移
年度中間配当期末配当年間配当(調整後)
2024年3月期43.00円43.00円86.00円
2023年3月期43.00円43.00円86.00円
2022年3月期43.00円43.00円86.00円
2021年3月期43.00円43.00円86.00円
2020年3月期42.50円42.50円85.00円

■配当利回りの推移
年度配当利回り平均株価
2024年3月期(予想)4.99%1,722.5円
2023年3月期5.74%1,498.0円
2022年3月期5.82%1,475.4円
2021年3月期6.31%1,360.9円
2020年3月期5.86%1,449.6円

参考:みんかぶ

これらの表は、ソフトバンクの過去5年間の一株配当と配当利回りを示しています。ソフトバンクは、近年のビジネスの拡大と成功により、一株当たりの配当も増加傾向にあります。特に、2024年3月期の一株配当は86.00円と、前年度と同じでありながら、2020年3月期の85.00円からはわずかながら増加しています。このような一株配当の増加は、ソフトバンクの経営戦略の成功と、その結果としての収益性の向上を示しています。

また、配当利回りに関しても、ソフトバンクは安定した数字を維持しています。2024年3月期の配当利回りは4.99%と予想されており、これは平均株価1,722.5円を基にしたものです。

過去数年の配当利回りを見ると、2021年3月期の6.31%が最も高く、その後はやや低下していますが、それでも5%以上の高い数字を維持しています。この高い配当利回りは、ソフトバンクの株を保有する投資家にとって魅力的なポイントとなっています。

ソフトバンクの自社株買い推移

ソフトバンクは、近年の経済状況や市場の動向を背景に、自社株買いを積極的に進めてきました。この取り組みは、企業価値の向上や株主還元を目的として行われており、多くの投資家から注目を集めています。

自社株買いの推移を詳しく見ると、一定の周期で大規模な買い取りが行われていることが確認できます。これは、企業としての資金繰りや戦略的な判断に基づいて行われていると考えられます。また、自社株買いを行うことで、株の需給バランスが変動し、それが株価に一定の影響を与えることも考えられます。

ソフトバンクの自社株買い推移

ソフトバンクの株価はなぜ上がらないか理由を解説

ソフトバンクの株価はなぜ上がらないか

ソフトバンクの株価は企業の成長に比べ安い状態が続いています。なぜ株価が上がらないのか、多くの投資家や市場関係者が疑問に思っているテーマです。株価の動きは多くの要因に影響を受けますが、ソフトバンクに関しては多数の理由が考えられます。

ポイント

  • ソフトバンクの自己資本比率の低さ
  • リスクの高い投資による減配リスクへの懸念
  • ソフトバンクの投資戦略が高いリスクを含んでいるため

ソフトバンクの自己資本比率の低さ

株価が上がらない理由としてまず最初に考えられるのは、KDDIやNTTに比べて自己資本比率が低いことです。ソフトバンクの自己資本比率は2023年に20.55%となっています。同時期のKDDIやNTTはともに30%以上となっていました。

■ソフトバンク

ソフトバンク経営指標

■KDDI

KDDI経営指標

■NTT

NTT経営指標

自己資本比率は、企業の健全性を示す指標の一つであり、高いほど企業の財務が安定していると評価されます。ソフトバンクの自己資本比率が低いということは、他の企業に比べて財務が不安定である可能性が高いということを意味します。このような背景から、投資家はソフトバンクの株を手放す傾向にあり、株価の上昇が抑えられているのです。

リスクの高い投資による減配リスクへの懸念

減配リスクとは、企業が配当を減少させる、または配当を行わないリスクを指す言葉です。このリスクが高まると、投資家たちはその企業の株を手放す傾向があり、結果として株価が下落する可能性が高まります。

ソフトバンクの場合、多岐にわたる事業展開や大胆な投資戦略が話題となっていますが、それらの戦略が成功しない場合、企業の収益性が低下し、結果として配当を減少させる可能性が考えられます。特に、近年のテクノロジー関連の投資は高リスク・高リターンの性質を持っており、成功すれば大きな利益を上げることができますが、失敗すれば大きな損失を被る可能性もあります。

ソフトバンクの投資戦略が高いリスクを含んでいるため

ソフトバンクの投資戦略は、高リスク・高リターンを追求するものとして知られています。ソフトバンクはビジョンファンドという大規模な投資ファンドを通じて、世界中のスタートアップ企業への投資を行っています。

このビジョンファンドの投資先企業の業績や将来性が、ソフトバンクの株価に大きな影響を与える要因の一つとなっています。なぜなら、投資先企業の成功がソフトバンクの大きな収益となる一方、失敗すると大きな損失となる可能性があるためです。このようなリスクを背負っていることが、株価が安定しづらい要因とも言えるでしょう。

注目ファンド

詳細な投資分析によるバリュー投資を中心に実践しており、短期的な利益追求ではなく安全性を追求しながら中長期的な利益を求めているヘッジファンド。

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ソフトバンクの株価に対する投資家の口コミ

ソフトバンクの株価に対する投資家の口コミ

ソフトバンクの株価は、近年多くの投資家の間で話題となっています。多くの投資家は掲示板やSNSで意見や評価を共有しており、その中には賛成の声もあれば、反対の声も存在します。本記事では、ソフトバンクの株価に関する投資家の口コミをいくつか紹介します。

ソフトバンク(9434)がここに来て上場来高値を更新していますね♪
他のキャリアに比べたら値上がり率は低いですが、IPO組PO組が全員儲かっているので全員が笑顔になる株です(*´∀`)
配当金も5%と高いので、長期で持てば持つほど下落にも耐えられます!

引用:X

これはソフトバンクの株価2000円
突破するかも?

ソフトバンクの株、買いですね

引用:X

#日本株
#米国株
#TradeNote

日経平均32,710円 91円高
TOPIXが33年ぶりにバブル後最高値を更新したとか。

パナHとソフトバンク⤴️で、全体のイマイチ感を救ってくれている。
あと地味に値嵩株のS株買っては少しずつ上げてる。ドルコスト平均法に近い楽さがある。
今週もありがとうございました。

引用:X

高配当株の代表格の一つ、ソフトバンクも年初来高値かつ上場来高値更新

今現在で配当利回りはちょうど5%

同社も明確に上抜けしたなぁ(^^;

引用:X

2年前にソフトバンク株を200億円分購入。保有株の現在の時価総額は243億円(1694円で計算)。わずか2年間で。。。

引用:X

これらの口コミを見ると、ソフトバンクの株は現在好調であり、投資家たちからの評価も高いことが伺えます。特に配当利回りの高さや、株価の上昇傾向がポジティブに評価されているようです。

ソフトバンクの株価は危ない?【今後の見通し】

ソフトバンクの今後の株価見通し

ソフトバンクの株価は、多数の投資家やマーケットの専門家たちの関心を引きつけています。特に「ソフトバンクの株は危ないのか?」という疑念が生まれてきており、今後は将来的な展望に関する詳細な分析が期待されています。下記ではソフトバンクのリスクを挙げていきます。

ポイント

  • グループ構造が複雑でリスクが読み切れない
  • スタートアップ企業への投資が多くリスクが高い

グループ構造が複雑でリスクが読み切れない

ソフトバンクの株価が上がらない主要な理由の一つとして、グループの構造の複雑さが挙げられます。ソフトバンクグループは、多数の子会社や関連企業を持つ大規模なコングロマリットであるため、その全体像を把握するのは非常に難しいと言われています。

もし各子会社や関連企業の業績が不安定であれば、ソフトバンクの株価にも影響を及ぼす可能性が高まります。このような複雑な構造は、投資家にとってリスクを伴う要因となります。

スタートアップ企業への投資が多くリスクが高い

ソフトバンクの投資先企業の多くは、高い成長ポテンシャルを持つスタートアップ企業です。これらの企業は大きな利益を生む可能性がありますが、その一方で、失敗のリスクも高いのが特徴です。

もしスタートアップ企業の多くが成功するなら、ソフトバンクの株価は大きく上昇するでしょう。しかし、失敗する企業が増えれば、株価にも大きな影響が出る可能性があります。実際に過去に大きな失敗を経験した例も少なくありません。

例えば、ディディへの投資では2021年12月期決算は500億元(約1兆円)の最終赤字に陥ったこともあります。これらの失敗に対してリスクを感じる投資家がいるため、株価が上がりにくいと考えられています。

ソフトバンクの業績・株価・配当についてまとめ

2023年現在、ソフトバンクの株価は過去最高値を更新しており、投資家からの注目を集めています。企業の堅調な業績と組み合わせて、高い配当率も投資家にとって魅力的な要因となっています。

このような背景から、ソフトバンクは現在、市場で注目の株となっているのです。この動向は、企業の多岐にわたる事業展開と、それによってもたらされる安定した収益が反映されていると言えます。今後もソフトバンクの動向には目が離せない状況が続きそうです。

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