サイバーエージェントの企業概要

サイバーエージェントの企業概要

サイバーエージェントとは、インターネット広告会社です。同社のパーパス(社会的な目的)は「新しい力とインターネットで日本の閉塞感を打破する」と掲げています。1998年の創業当時はインターネット広告会社でしたが、ブログ事業やゲーム事業を成功させています。2012年よりインターネットTVのAbemaを展開し、TVを見る習慣の無い若年層向けの新しい生活文化を確立します。

社名株式会社サイバーエージェント
本社所在地東京都渋谷区宇田川町40-1 Abema Towers
代表者代表取締役 藤田 晋
設立1998年3月18日
事業内容メディア事業
インターネット広告事業
ゲーム事業
投資育成事業

サイバーエージェントの事業内容

サイバーエージェントの事業内容
monticellllo - stock.adobe.com

サイバーエージェントの事業内容を分析します。サイバーエージェントは祖業であるインターネット広告会社から展開し、さまざまな事業を提供しています。それぞれのサービスが各領域で抜群の存在感を示すものであり、同社の業績を支えています。

ポイント

  • メディア事業
  • インターネット広告事業
  • ゲーム事業
  • エンタメテック事業
  • AI事業
  • DX事業
  • スタートアップ(新規事業)

メディア事業

2016年に開局したAbemaテレビです。PCやスマートフォンで見られるのはもちろん、既存の地上波キー局であるテレビ朝日と連携し、テレビ機器でも見られる仕組みです。平日にはテレビ朝日が22時から放映する「報道ステーション」を2時間後の24時から再放送し、深夜に帰宅する視聴者の支持を得ています。

また、国内最大規模のブログサービス「Ameba」やマッチングアプリ「タップル」などもメディア事業の収益源です。

インターネット広告事業

サイバーエージェントの祖業です。インターネット×広告という、電通や博報堂が進出していなかった領域に地盤を築き、広告効果最大化を強みに国内トップクラスの規模に成長しました。近年はAIを活用したテクノロジーや3DCG等の最先端技術を駆使したクリエイティブ制作やDX事業にも参入しています。先行投資の事業が多い同社のなかで、安定してキャッシュを生み出す屋台骨としての存在感もあります。

ゲーム事業

約50本のスマートフォン向けゲームを提供しています。「ウマ娘」や「グランブルーファンタジー」、「プリンセスコネクト」など知名度の高いゲームも多く、著しい売上を築きあげています。またゲーム提供から人気タイトルのアニメ化、キャラクターアイテムの販売といったエンターテイメントビジネスにも展開し、収益を獲得しています。

エンタメテック事業

メディア事業から展開し、多様化の鍵を握るのがエンタメテック事業です。オンラインライブの企画・販売やファンコミュニティアプリの開発やサービス運営、映画・ドラマの制作まで展開しています。

さまざまな要素をごった煮した印象の事業部ですが、将来の同社の新事業として育成する新規事業開発部としての側面も見られます。広告事業などほかの事業部と連携しながら、今後の可能性を見出していく組織です。

AI事業

サイバーエージェントでは2016年に研究開発組織「AI Lab」を設立し、学術面や研究面での産学連携を進めました。技術を生かして確立した極予測AIにて、広告クリエイティブやマーケティング、オンライン接客などさまざまな領域でオンライン化や工数削減、スピードアップを実現しています。エンタメテックと同じく、祖業としての広告会社の地盤があるからできることであり、当社の次世代を担う有用な武器といえるでしょう。

DX事業

社内で保有するデジタル領域の知見や技術力を応用し、社会課題解決にむけたDXの推進に取り組んでいます。小売業界においてはチラシのデジタル化やサイネージ、AIカメラなどのリテールテックへの応用、官公庁むけには行政手続きの情報管理から施策提案・運用・実行に至るまで幅広い範囲を抑えています。やはり他の事業部と同様、広告事業などでネットワークを構築した顧客に提案し、二重三重の収益源としている印象です。

スタートアップ(新規事業)

新規事業には積極的な会社です。サイバーエージェントの経営陣の著書などを読むと、社内コンペを継続的に実施し、次の事業の種を育てていることがわかります。また自社投資機能のほか、ベンチャーキャピタル(VC)であるサイバーエージェントキャピタルや代表者の名前を冠した藤田ファンドを設立し、スタートアップへの投資を展開しています。

当然これらの投資基準は「サイバーエージェントと協業可能性(シナジー)がある企業」です。投資事業全体を通して、自社の業績に繋げる姿勢が感じられます。

サイバーエージェントの業績推移|売上・営業利益

サイバーエージェントの業績推移

サイバーエージェントの通期営業利益です。同社のコメントにもあるように、ゲーム部門が業績を牽引しているのがわかります。2021年度(FY2021)の利益が爆発的に伸びたのは、社会現象にもなった「ウマ娘」の影響でしょう。

ただ、単発の影響力が高く再現性の無いゲーム頼みは業績が安定しません。後述する株価にも影響が強いものと考えられます。タイトルにもあるようにAbemaは赤字縮小しましたが、それでも業績には寄与していないのも事実です。先行投資の姿勢には強いこだわりのある会社のため、投資家によって評価の分かれる銘柄といえます。

サイバーエージェントの株価推移|過去3年のチャート

サイバーエージェントの株価推移

サイバーエージェントの株価推移をチャートから分析します。先行投資の期間が長く、また待ちきれない株主が増えたことにより、長く株価は低迷基調にありました。ただ2024年の年初より、反転している兆しも見えます。

ポイント

  • 2021〜2023年にかけて株価が下落
  • 2024年から株価が上昇

2021〜2023年にかけて株価が下落

サイバーエージェントの株価推移

サイバーエージェントの株価は2022年から下落傾向を辿っています。業績を牽引するゲーム事業はヒット作を飛ばしているものの、株価に反映されていない形です。理由は経営陣も株主も把握しており、Abemaへの先行投資といえるでしょう。

Abemaが先行投資に見合った黒字転換を迎えると、サイバーエージェントの株価にも如実に現れることは間違いありません。現にタイトルの通りAbema事業の赤字は縮小していること、2022年のカタールW杯の全試合中継で話題になったように確実に知名度を得てきているところから、長期ホルダーの期待している株価反映はまもなくのように思えます。

2024年から株価が上昇

サイバーエージェントの株価推移

2024年度第一四半期の決算直前から株価が上昇しています。理由はやはりAbemaの赤字縮小です。メディア事業の売上高が427億円(前年比プラス27.8%増)を記録し、セグメント別の営業損益もマイナス9億円(前年比プラス83億円)と赤字幅が一気に縮小しています。

そのほかの各セグメントも好調のため、ついにAbemaへの投資が認知度を捉え、CM広告料などが安定的になってきたのではないでしょうか。

そもそも若年層はテレビを持たないなど、Abemaが生活インフラになる下地は整っています。また災害や芸能ニュースの速報メディアとしても存在感を示しているため、2024年には大きく期待できそうです。

サイバーエージェントの株主還元|配当・自社株買い・株主優待

サイバーエージェントの株主還元

サイバーエージェントの株主還元を分析します。配当や自社株買い、株主優待はどのようになっているのでしょうか。サイバーエージェントは、配当金や自社株買いといった諸策とその背景を、自社ホームページで丁寧に説明しています。

ポイント

  • サイバーエージェントの一株配当・配当利回り推移
  • サイバーエージェントの自社株買い推移
  • サイバーエージェントの株主優待について

サイバーエージェントの一株配当・配当利回り推移

(期末配当金)

事業年度1株当たり配当額
2023年9月期 配当額15円
2022年9月期 配当額15円

引用:サイバーエージェント 株主還元策

サイバーエージェントの配当の目安は、経営指標としているDOE5%です。DOEはROE×配当性向で算出します。2023年の同社のDOEは142.5%と、目安を大きく超えました。

サイバーエージェントの自社株買い推移

サイバーエージェントの自社株買い推移

サイバーエージェントは上記表のように4度自社株の購入と消却を実施しています。2013年の株式分割後は自社株買いを実施していないため、過去の施策といえるでしょう。2000年から2010年はネットバブルの崩壊やコンプガチャショックなど、内外的に不安定だった時期です。

ゲーム事業が軌道に乗ってからは時期により上下幅はあるものの業績に安定性が増したため、自社株買いは実施されなくなったと見られます。なお、自社株買いを自社ホームページでグラフまで作成して報告しているのは、とても珍しいケースです。

サイバーエージェントの株主優待について

サイバーエージェントの株主優待では、Abemaプレミアムの無料クーポンを受け取ることができます。

保有株式数優待内容
100株(1単元)~499株3カ月無料クーポン
500株(5単元)以上12カ月無料クーポン

Abemaプレミアムでは自社作成のドラマのほか、新作映画を割引価格で視聴することができます。CMを省略することもできるため、ファンにとっては有難い優待制度でしょう。同社の株主=Abemaのファン層として認知していることが読み取れます。

サイバーエージェントの株価が下落した理由を解説

サイバーエージェントの株価が下落した理由

サイバーエージェントの株価が下落した原因を分析していきます。2021年から2023年にかけて、長い下落期間が続きました。1つの大きな要因はやはり、Abemaへの先行投資であることがわかります。

ポイント

  • 先の見えないAbemaへの投資期間
  • 株価が不安定になりやすいゲーム会社の影響を受ける
  • 外国からの短期売買投資家が多いのか

先の見えないAbemaへの投資期間

Abemaはテレビ離れが著しいなかで、PCでチャンネルを視聴できる画期的なサービスです。Abemaが知名度を高めてから、NHKをはじめとした地上波他局による、過去の放送を見られるサービスが本格化したと考えられます。

ただ業績的には赤字が続いたものの、ついに赤字幅が縮まってきたことから2024年の株価上昇期に繋がったと考えられます。率直なところAbemaプレミアムは収益源とは考えづらいため、Abemaのコマーシャル事業や、テレビ朝日をはじめとした対外的な協業によって数字が出てきている可能性が高いです。

かつ2022年秋のカタールW杯を全試合中継したことが知名度向上のきっかけとなったため、2024年はオリンピックなどスポーツイベントで再度仕掛ける可能性もあります。

株価が不安定になりやすいゲーム会社の影響を受ける

ゲーム会社は株価が不安定になりやすいものです。任天堂などブランディングが確立した会社は例外ですが、サイバーエージェントのようにスマートフォン向けサービスは業績維持のための連続したヒット商品の難易度が高く、二番煎じなども嫌われる印象があります。

ゲーム会社のほかに株価面で印象の強いサービスがあれば、この不安定さも軽減されるのではないでしょうか。そう考えると前項の通り、やはりAbemaに代表されるメディア事業の成長が待たれます。

サイバーエージェントがAbemaとゲームの二本立てとして株式市場に認知されれば、2021年からのような株価低迷期間の再現は無いのではないでしょうか。

外国からの短期売買投資家が多いのか

後述のSNSを見ていると、外国からの個人投資家が多いコメントが目立ちます。これは他社の名前で株価を検索してもあまり見られない傾向です。印象論ですが将来の取組みよりも単純に数字を見るため、Abemaやネットゲームの不安定さは忌避されているのではないでしょうか。

言い換えると、Abemaに黒字転換が見えてきた2024年以降は、やはりドライに株価上昇機運が高まっている可能性が高いです。

もともと広告や先進技術で業績の取り方をしっかり理解している印象が強い会社です。だからこそ目の前の小さな成功よりも、先行投資の先の大型成功を取りに行く姿勢が見られます。ここまでの株価低迷はその部分にミスマッチがありましたが、今後はどうでしょうか。

注目ファンド

詳細な投資分析によるバリュー投資を中心に実践しており、短期的な利益追求ではなく安全性を追求しながら中長期的な利益を求めているヘッジファンド。

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サイバーエージェントの株価に対する投資家の口コミ

サイバーエージェントの株価の口コミ

サイバーエージェントの株価はSNSにてどのような評価を受けているのでしょうか。

サイバーエージェントの藤田社長が株主総会で「(楽天に100億出資した件について)楽天モバイルから撤退したら株価3倍に、楽天モバイルが成功しても株価3倍になるから良い投資案件だ」とか言ってました

引用:X

サイバーエージェント株、久しぶりに合計1000株も持つ身になった。ここまで一方的に下がると不安が増し増し。株価930円を下抜けしなきゃ2ヶ月以内に株価1050円超えを目指してくるかな思ってます。

引用:X

正しいものかよ、ウマ娘もライブ展開を縛られてサイバーエージェントの株価はウマ娘がヒットした時の半額だぞ…グラブルも暫くリアルイベントできず、プリコネなんて下手すりゃ年内サ終やぞ

引用:X

コナミのウマ娘訴訟ショック前くらいの株価にようやく戻ってきたサイバーエージェント。 比較的長期で保持していましたがほぼ同値で一時撤退‍ また戻ってきます

引用:X

サイバーエージェント1000円超え。元々株価下落の原因は外国人のしつこい売りで、逆張り個人が買ってる状況だったので、外国人が戻って来たのが確認出来たら上昇トレンドに。

引用:X

事業領域や業績の評価というよりも、株価を見て数字ありきで短期売買をする株主が多いような印象をSNSのコメントから受けます。

サイバーエージェントの株価は今後どうなる?将来性を解説

サイバーエージェントの今後の株価

サイバーエージェントの株価は今後どうなるのでしょうか。ポイントはやはりAbemaの行く末と、定期的に同社のまわりに起こる「変動性」に対する投資家の考え方次第です。詳しく見ていきましょう。

ポイント

  • Abemaが成功したならば会社全体の株価も期待
  • 定期的に発生する予想外の発表が株価に悪影響も

Abemaが成功したならば会社全体の株価も期待

2024年以降の同社の株価はAbemaにかかっていると言っても過言ではありません。既存の放送キー局とコラボして、インターネットテレビ局を作るなど競合はまず対抗できないためです。

投資家のなかにはAmazonやネットフリックスがあるからマイナス要因だとする声もありますが、詳しく見ると取組みジャンルが異なる部分もあり、棲み分けできるような印象を持ちます。もしかしたらモバイル事業で苦しむ某企業の野球チームを買い取って、Abemaとコラボした次の手が打たれるかもしれません。

定期的に発生する予想外の発表が株価に悪影響も

一方でウマ娘に対する訴訟や楽天への増資など、同社の経営陣(特に藤田社長)は株主よりも自身の信念を優先する傾向があります。利益の割に株価が低いのは、そのような背景も含まれていると思います。

Abemaの業績に期待して株を購入したはいいけれど、思わぬ予想外の発表に含み損を持ったとならないように、ほかの銘柄と上手に分散投資をしたいものです。また創業者である藤田社長が2026年の引退を公言しており、後継者育成にも注目が集まります。

サイバーエージェントの業績・株価・配当についてまとめ

サイバーエージェントの株価についてまとめました。Abemaへの長い先行投資期間から転換する2024年は期待できるものの、業績と株価が連動していない印象の強い銘柄のため、性悪説も捨てずに向き合いたいものです。ただ様々な挑戦野心を持つ事業会社のため、敢えて長期ホールドし、将来に期待することも受け止められる性格を持った銘柄であるともいえます。

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