オリエンタルランドの企業概要
オリエンタルランドとは、千葉県浦安市に本社を置く企業です。1960年に設立され、東京ディズニーランド(TDL)と東京ディズニーシー(TDS)の運営と同時にTDR関連事業を担当しています。また、ディズニー関連の著作権や版権ビジネスも手がけており、日本国内でディズニーパークを運営する唯一の企業として位置づけられています。
同社は米国からディズニーランドを招致するため、1960年に京成電鉄と三井不動産が中心となって設立されました。したがって京成電鉄と三井不動産が最大の株主で、企業構造としては監査役会設置会社に該当します。筆頭株主である京成電鉄の株保有率は約22%で、他にも日本マスタートラスト信託銀行や日本カストディ銀行、三井不動産などが主要株主に名を連ねています。
会社名 | 株式会社オリエンタルランド |
---|---|
市場名 | 東証プライム |
代表取締役社長 | 吉田 謙次 |
本店所在地 | 千葉県浦安市舞浜1番地1 |
創立年月日 | 1960年7月11日 |
資本金 | 632億112万7千円 |
従業員数(連結ベース) | 社員5,213名/準社員16,811名(2023年3月31日現在) |
連結子会社数 | 15社(2022年6月29日現在) |
オリエンタルランドの事業内容
オリエンタルランドの事業内容は、「テーマパーク事業」「ホテル事業」「その他の事業」の3つに分けられます。ここでは3つの事業の特徴や実績について、それぞれ詳しく解説します。
- テーマパーク事業
- ホテル事業
- その他の事業
テーマパーク事業
オリエンタルランドのテーマパーク事業は、東京ディズニーランドと東京ディズニーシーの2つのパークを中心に展開しています。1983年の開園以来、これらのテーマパークは多くのファンから愛され続け、国内レジャー産業において圧倒的な立ち位置を確立しています。
東京ディズニーリゾートが設立35周年を迎えた2019年には、過去最高の3,256万人の入園者数を記録しました。テーマパーク事業は、連結売上高の約80%を占めるオリエンタルランドの主力事業です。
ホテル事業
ホテル事業では、東京ディズニーリゾートに隣接する複数のディズニーホテルを運営しています。具体的には、ディズニーアンバサダーホテルや東京ディズニーシー・ホテルミラコスタなどが挙げられます。
ホテルはディズニーの世界観を踏襲した装飾やサービスが特徴的で、非日常的な体験を求めるゲストを中心に人気を集めています。ホテル事業は、ディズニーリゾート入園者の顧客満足度を向上させるうえで重要な役割を果たしており、グループ全体の収益向上に貢献しています。
その他の事業
その他の事業としては、商業施設「イクスピアリ」やモノレール「ディズニーリゾートライン」の運営があげられます。イクスピアリは、130店舗以上のショップやレストラン、シネマコンプレックスを備えたエンターテイメントモールで、ディズニーリゾートの訪問者に多様なショッピングや食体験を提供しています。
ディズニーリゾートラインは、リゾート内の各施設を結ぶ便利で楽しい交通手段として、ゲストの滞在をサポートしています。
オリエンタルランドの業績推移|売上・営業利益
オリエンタルランドの近年の業績は、世界的なパンデミックの影響を受けながらも、段階的な回復を遂げています。特に、入園制限の緩和と新アトラクションの導入が売上の回復に寄与しました。
直近5年間の業績推移を見ると、2019年度の売上高は約5,256億円で、営業利益は約1,292億円でした。その後、世界中がコロナ禍に苦しんだ2020年度では、売上高が約4,644億円に、営業利益も968億円に落ち込みます。
2021年度はさらに経営が悪化し、売上高は約1,705億円に減少。営業利益はマイナス459億円の赤字を記録しました。
2022年3月になると、ソーシャルディスタンスの要件が緩和されます。これを受けてオリエンタルランドは、入園者数の上限を段階的に引き上げました。結果として、2022年度の売上高は約2,757億円、営業利益77億円まで回復します。
2023年度はさらに業績を伸ばし、売上高は約4,831億円、営業利益は約1,111億円を達成。2024年度の業績も非常に好調で、3期連続での増収・増益となると予想されています。
オリエンタルランドの株価推移|過去10年のチャート
オリエンタルランドの株価は、どのように推移してきたのでしょうか。ここでは過去10年分のチャートに基づいて、オリエンタルランドの主な株価トレンドを解説します。
- 2017〜2020年にかけて株価が上昇
- 2020〜2023年にかけて株価が上昇
2017〜2020年にかけて株価が上昇
出典:日本経済新聞
2017年から2020年にかけて、オリエンタルランドの株価はゆるやかな上昇を記録しました。同期間に株価が上がった主な要因としては、大規模な設備投資と、東京ディズニーリゾートのエリア拡張計画に関連する報道が挙げられます。
2017年11月、オリエンタルランドの株価ははじめて1万円を超える大台に乗り、その後も連日にわたり最高値更新を記録しました。同時期には、3000億円超の設備投資によるテーマパークの拡張計画が報道されたことで、投資家の期待を集めて株価を押し上げたと考えられます。
2020〜2023年にかけて株価が上昇
出典:日本経済新聞
2020年から2023年にかけてのオリエンタルランドの株価は、コロナショックからの回復を経て再び上昇トレンドをたどりました。コロナ禍では一時的に株価が下落したものの、入園制限が緩和したことと、新アトラクションを導入したことで業績が回復し、株価の上昇も加速しました。
2024年3月期の第三四半期決算では、売上高と営業利益が前年比で大幅に増加し、市場予想を大きく上回ります。とくに営業利益は通期予想の96.5%に達し、投資家の信頼を取り戻しました。
オリエンタルランドの株主還元|配当・自社株買い・株主優待
オリエンタルランドはどのような株主還元に取り組んでいるのでしょうか。ここでは配当、自社株買い、および株主優待の3つにフォーカスして、オリエンタルランドの株主還元方針を紹介します。
- オリエンタルランドの一株配当・配当利回り推移
- オリエンタルランドの自社株買い推移
- オリエンタルランドの株主優待について
オリエンタルランドの一株配当・配当利回り推移
オリエンタルランドの配当推移を見ると、2019年から2024年予想までの間にいくつかの変動がありました。2023年4月1日の株式分割(1株→5株)を考慮に入れると、以下のような配当の推移が見られます。
年度 | 一株配当 | 配当利回り(純資産配当率) |
---|---|---|
2019年度 | 8.40円 | 1.8% |
2020年度 | 8.80円 | 1.8% |
2021年度 | 5.20円 | 1.1% |
2022年度 | 5.60円 | 1.2% |
2023年度 | 8.00円 | 1.7% |
オリエンタルランドの自社株買い推移
出典:IRBANK
オリエンタルランドは、2017年度と2020年度の2度にわたって自社株買いを実施しました。自社株買い実績の詳細は次のとおりです。
年度 | 総額 | 取得株数 | 平均取得単価 |
---|---|---|---|
2017年 | 412億円 | 約276万株 | 約7,229円 |
2020年 | 207億円 | 約150万株 | 約13,830円 |
その後、同社は2020年3月3日に自己株式の取得を終了しました。取得株式数は累計150万株、総取得額は207億円で、発行済み株式総数の0.41%を取得しました。
オリエンタルランドのように定期的な自社株買いを実施する企業は、投資家からの信頼を得やすく、中長期的な投資先として魅力的といえます。
オリエンタルランドの株主優待について
オリエンタルランドの株主優待では、株主が保有する株式数に応じて、東京ディズニーランドまたは東京ディズニーシーで使用できるパスポート(入場券)を入手できます。このパスポートはワンデーパスとして利用できます。パスポートには株主専用のデザインが施されており、コレクターアイテムとしても価値があります。
株主優待を受けるためには、最低500株以上の株式を保有する必要があります。さらに株式を3年以上長期保有している株主は、追加でパスポートを受け取れます。オリエンタルランドにとっては株の長期保有を促す施策である一方で、ディズニーファンにとっては非常に魅力的な優待サービスです。
オリエンタルランドの株価はどこまで上がる?
オリエンタルランドの株価は今後、どこまで上がるのでしょうか。ここではオリエンタルランドの安定した株価上昇を支える要因と、その結果どこまで株価上昇を期待できるのかについて解説します。
- インバウンド需要と客単価向上よって株価上昇は必至
- 株式分割によってさらに買いが集中する可能性大
- 10年スパンで見れば単元株100万円越えも十分にありえる
インバウンド需要と客単価向上よって株価上昇は必至
オリエンタルランドの株価は、インバウンド需要の増加と客単価の向上が進む中で、今後も上昇が期待されます。
日本を訪れる外国人観光客の数は、年々増加傾向にあります。とくにディズニーランドやディズニーシーは外国人観光客の間でも人気のスポットです。政府の観光促進政策も同社の収益性アップを後押しして、今後も株価を押し上げる要因となるでしょう。
また、同社は2023年10月から入園料を値上げしたものの、入園者数が増え続けていることも注目すべきポイントです。入園料だけでなく、待ち時間を削減したい人向けにデジタル・ファストパスを導入したこともあり、客単価は従来の1.5倍程度まで上がりました。増収・増益が続く限り、同社の株価も上昇し続けると予想できます。
株式分割によってさらに買いが集中する可能性大
オリエンタルランドは2023年4月1日に株式分割をおこない、投資家からの注目を集めました。それまでの一株が五株に分割されたことで、単元株を手頃に買えるようになったのです。
株式を分割すれば、少額からでも株価が入手できるようになります。その結果。より多くの個人投資家が市場に参入し、株価にプラスの影響を与えることが多いです。
オリエンタルランドの場合、分割前の株価は約22,000円であったものが、分割後は約4,500円に調整されました。これにより、株を購入しやすくなった個人投資家の新規参入が予想され、株価のさらなる上昇が期待されます。
10年スパンで見れば単元株100万円越えも十分にありえる
オリエンタルランドの株価は、過去10年で顕著な成長を遂げ、10倍以上の上昇を記録しています。同社の強みは、国内で唯一無二のディズニーリゾートを運営しているブランド力と、リピート率の高さによる安定した収益基盤です。
さらに新規顧客の獲得にも力を入れており、定期的に新しいアトラクションや施設を拡張しています。実際、2020年にディズニーランドで大規模な拡張事業「ニューファンタジーランド」をオープンした後、2024年にはディズニーシーで新エリアを拡張すると公表しています。
2024年4月現在、同社の株価は1株あたり4,771円です。単元株数は100株からなので、実質的にはおよそ47万円から取引が可能です。中長期的にみれば、同社が株価を2倍以上に成長させて、単元株100万円を超える可能性は十分に考えられます。
オリエンタルランドの株価に対する投資家の口コミ
オリエンタルランドの株価について、投資家の間では次のような口コミが寄せられています。
オリエンタルランド、15年保有してます。
年齢、性別問わず、ファン層が非常に厚いディズニーランドや任天堂などは、昔から短期的な下落に見舞われますが、長期保有すれば、インデックスのように右肩上がりしています。
京成電鉄の件も、一過性の需給要因で、オリエンタルランドの企業価値が下がるわけではないので、心配していません。
新NISAで買われた方も、10年以上保有すれば、高い確率でかなりの含み益になると思います。(自分は13倍です)
半導体銘柄のような短期利益をとる旬銘柄ではなく、ジリジリと上がるインデックスのような株なので、buy and holdが最適です。
長文、失礼致しました。引用:Yahoo!ファイナンス
先週平日夢の国行ってきたけどポップコーンですらあいかわらずな待ち。上げしかないだろう。
引用:Yahoo!ファイナンス
ここは長期投資でいきましょう
20年前からホルダーですが株式分割を2回行い
株数は20ばいになりました
あとは株価が上昇してくれれば言う事なし
配当はびびたるもので気にしてません
6月ファンタジースプリングスオープンに向かい
徐々に上昇してほしいもので
がんばれOCL引用:Yahoo!ファイナンス
徹夜組迷惑行為がテレビニュースで取り上げられ、OLCの運営方法巡ってまた炎上してる。
最近はファンからも批判される事が多いOLC。
キャストも人手不足で掃除も行き届かない。
まずそこから改善してもらわないと、今年に入って下降続けている状況は変わらない。引用:Yahoo!ファイナンス
35年間貯め続けた貯金が
コロナ休園で無くなった。
エリア新しくしないと客は来ず。
オリランの懐事情…
知らずに買った人乙引用:Yahoo!ファイナンス
一部の投資家は「SNSで炎上すると株価が下がりそうで怖い」「施設のアップデートが止まると株価上昇も止まりそう」といった懸念を持っているようです。しかしながら、おしなべてほとんどの投資家が「強気で買うべき」「長期保有すべき」といった好意的な口コミを寄せています。
口コミ投稿者の中には、実際にオリエンタルランドの株を10年以上保有している投資家も少なくありません。ずっと持っておく銘柄を探している投資家にとっては、非常に魅力的な銘柄と言えます。
オリエンタルランド株の買い時はいつ?
結論から言えば、オリエンタルランドの株を買うのであれば、買い時は「今」です。
オリエンタルランドのPERは、2024年4月時点で70倍以上を記録しています。日本企業のPERは平均で15倍ほどなので、オリエンタルランドのPERは異常なほどに高騰しているといえます。
PERが高いということは投資家から買いが集中している、つまり株価が上昇傾向にある証です。株式投資は「安いときに買って、高いときに売る」が基本なので、普通に考えればオリエンタルランドのPERが一般水準に落ち着くまで待つのが得策です。
しかし、オリエンタルランドが運営する東京ディズニーリゾートは、圧倒的な人気を誇るテーマパークです。国内のレジャーランド市場では過半数のシェアを誇る同社は、競合テーマパークの追随を許さない、まさに「唯一無二」の会社です。コロナ禍をきっかけに客単価を上げたものの、入園者数が増え続けていることが何よりの証拠といえます。
さらに最近は、円安の影響で国外からのインバウンド観光客も増加傾向にあります。国内客に加えて海外からの来場者も増えると考えると、オリエンタルランドの増収・増益はもはや確定路線です。その高い収益性から、投資家の間では今後も買いが集中し、株価は上昇し続けるでしょう。
したがって、今この瞬間こそが、オリエンタルランドの株をできる限り安く買えるタイミングといえるのです。
オリエンタルランドの株価は今後どうなる?将来性を予想
オリエンタルランドの株価は、今後どうなるのでしょうか。すでに述べたとおり、テーマパーク事業の長期的な増収・増益にともなって、同社の株価も上昇し続けるのは必至です。ここでは、同社の株価上昇がさらに加速する要因として、2つのシナリオを解説します。
- 円安が続いてインバウンド来場客が増えれば、株価はさらに向上する
- 設備投資やサービス革新も株価上昇に影響する
円安が続いてインバウンド来場客が増えれば、株価はさらに向上する
昨今は円安の影響から、国外からのインバウンド観光客が増えています。ディズニーランドやディズニーシーは国際的にも人気が高いため、今後も円安が続いて訪日外国人が増えれば、オリエンタルランドの収益向上に直結します。
とくに外国人観光客は国内の日本人に比べて、記念品の購入や飲食などで高額な消費行動を起こすケースが多いのが特徴です、したがって、ディズニーリゾートで外国人客が増えれば、平均客単価の向上が期待できます。ひいてはオリエンタルランドの増収・増益につながり、株価にも反映されると考えられます。
設備投資やサービス革新も株価上昇に影響する
オリエンタルランドは来場者の期待に応え続けるため、既存のアトラクションのリニューアルや新しいエリアの開発などの設備投資に多額の資金を投じています。さらに近年はデジタル・ファストパスを導入するなど、新たなサービスの開発にも力を入れています。
こうした設備投資やサービス革新は、オリエンタルランドの長期的な成長戦略の一環です。今後もこうした企業努力が続くかぎり、来場者数やリピート率は伸び続け、株価の向上につながるでしょう。
オリエンタルランドの業績・株価・配当についてまとめ
オリエンタルランドの株価がどこまで上がるのか、また株の買い時はいつなのかについて紹介しました。
オリエンタルランドの株価は上昇の一途をたどっています。今後も同社のテーマパーク事業は増収・増益が見込まれているため、投資家からの期待感は高く、さらなる株価上昇が予測されます。
オリエンタルランドの株を買うのであれば、できる限り早いうちから行動に移すのが得策です。株を手にしたらすぐには手放さず、数十年のスパンで保有し続けておくと、高い配当が期待できます。
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