アシックスの企業概要
アシックスとは、1949年に鬼塚喜八郎氏によって設立された日本のスポーツ用品メーカーです。ランニングシューズ分野では世界的に高い評価を受けており、プロアスリートはもちろん一般ユーザーからも根強い支持を集めています。
アシックスの事業はそれぞれの事業分野でデジタル化、個別対応、持続可能性を共通テーマに掲げています。顧客一人ひとりに最適な価値を提供し、健康的で充実した生活をサポートすることを目指しています。
会社名 | 株式会社アシックス |
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株式市場名 | 東京証券取引所プライム市場 |
創業者 | 鬼塚喜八郎 |
代表取締役社長 | 富永満之 |
本店所在地 | 〒650-8555 兵庫県神戸市中央区港島中町7丁目1番1 |
創立年月日 | 1949年9月1日 |
資本金 | 23,972百万円(2023年12月31日現在) |
従業員数(連結ベース) | 8,927人(2023年12月31日現在) |
グループ会社数 | 国内13社、海外52社 |
アシックスの事業内容
アシックスの事業は、主にプロダクト事業とサービス事業の2つに分かれます。ここではそれぞれの事業内容について詳しく解説します。
- プロダクト事業
- サービス事業
プロダクト事業
アシックスのプロダクト事業では、主にスポーツシューズとアパレル製品の製造および販売に力を入れています。特にアシックス製のランニングシューズは、技術力と品質の高さで世界的に評価されています。
同社では、ASICS Institute of Sport Science(スポーツ科学研究所)の研究成果に基づいて、常に最新の技術を取り入れた製品を開発しています。なかでもGELシリーズやMETARUNなど、クッション性と安定性に優れた製品が人気です。
また、アシックスはランニングシューズだけでなく、ランニングウェアやトレーニングウェアなどのアパレル製品や、スポーツバッグやソックスなどのアイテムも開発・製造および販売しています。
サービス事業
アシックスは製品販売にとどまらず、スポーツを通じた健康増進やコミュニティ活動にも力を入れています。サービス事業の具体的な取り組みは次のとおりです。
ランニングイベント | グローバル規模のランニングイベントやスポンサー活動を行い、ランニング文化の普及に貢献。 |
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デジタルサービス | ASICS RunkeeperやASICS Studioなどのアプリを通じて、ユーザーのフィットネス活動をサポート。トレーニングプログラムやモチベーション管理など、幅広いサービスを提供。 |
コミュニティ活動 | Right To PlayなどのNPOとの連携を強化し、地域社会への貢献活動を展開。スポーツを通じた社会貢献活動も積極的に実施。 |
アシックスの業績推移|売上・営業利益
出典:日経電子版
最近の決算情報によると、アシックスは2023年12月期において売上高が約5,704億円、営業利益が約542億円を記録しました。当期の売上高は前年同期比で約3%増加しており、営業利益も同様に増加傾向にあります。
2024年12月期の売上高予想は約5,900億円で、前期比で約3.4%の増収を見込んでいます。営業利益に関しても、前期実績の約542億円から約580億円まで増加する見込みで、約7%の増益が予想されています。
経常利益も順調に推移しており、2023年12月期には約506億円を記録しました。2024年12月期の経常利益予想は約530億円で、前年同期比約4.6%の増益が見込まれています。これにより、3期連続で過去最高益を更新する見通しです。
アシックスの株価推移|過去10年のチャート
アシックスの株価はさまざまな変動を経験したのち、近年では目覚ましい成長を記録しています。ここでは過去10年分のチャートをもとにを、アシックスの株価推移とその要因を紹介します。
- 2014年〜2016年にかけて株価が高騰
- 2017年〜2019年にかけて株価が低迷
2014年〜2016年にかけて株価が高騰
出典:日経電子版
2014年から2016年にかけて、アシックスの株価は大きく上昇しました。同期間中、アシックスはグローバル市場での販売拡大を図り、ランニングシューズ市場で大きな成功を勝ち取ります。
特に、アシックスの代表的なランニングシューズ「GELシリーズ」が消費者から高い評価を受け、売上が急増したことが株価上昇の主要な要因となりました。この結果、株価は2016年初頭には約2500円まで上昇しました。
2017年〜2019年にかけて株価が低迷
出典:日経電子版
2010年代前半は堅調に推移したアシックス株は、2017年以降は低迷の一途をたどっています。同期間中は競争の激化や一部市場での売上減少、さらに製品のリコール問題などが株価停滞につながったと考えられます。
2017年初頭は約2400円だったアシックスの株価は、2019年末になると約1500円まで下落。アシックスの収益性に対する市場の懸念が、株価の低迷につながりました。
アシックスの株主還元|配当・自社株買い・株主優待
アシックスは株主還元の一環として、配当、自社株買い、株主優待を実施しています。以下に、それぞれの内容について詳しく説明します。
- アシックスの一株配当・配当利回り推移
- アシックスの自社株買い推移
- アシックスの株主優待
アシックスの一株配当・配当利回り推移
出典:株予報Pro
アシックスの配当は非常に安定しています。2021年の配当金は一株当たり24円で、2022年には40円、2023年には65円に増加。2024年の予想配当は80円と、年々配当額が上昇しています。配当利回りも改善されており、2023年には0.98%と予想されています。
配当性向も安定しており、2023年には33.8%となっています。配当性向は、企業が得た利益のうちどれだけを配当に回すかを示すものであり、アシックスが持続可能な配当政策を実施している証といえます。
アシックスの自社株買い推移
出典:IRBANK
アシックスは株主価値の向上を目指し、自社株買いを積極的に実施しています。2023年12月期には、約500億円相当の自社株を買い戻す計画を発表。これにより、発行済み株式数の約5%に相当する株式が市場から回収され、株主への利益還元が強化されました。
自社株買いの実施は株価の安定化だけでなく、株主に対する信頼感を高める効果もあります。株式投資や資産運用に興味がある投資初心者にとっては、企業が積極的に株主価値向上を図る姿勢は魅力的に映るでしょう。
アシックスの株主優待
アシックスの株主になると、アシックス直営店舗および指定されたオンラインストアで使用できる優待割引券が付与されます。この割引券は、保有期間に応じて割引率が異なり、1年未満の保有で20〜25%、1年以上3年未満で25〜30%、3年以上の保有で30%以上の割引が適用されます。優待割引券の詳細は以下の通りです。
- 直営店舗での利用:1回の買い物につき1万円まで使用可能。複数枚の使用も可能
- オンラインストアでの利用:1回の注文につき5万円まで利用可能。クーポンコードを使用すれば割引が適用される
同社の株主優待制度は、自社製品を利用してもらうことで株主との結びつきを強化し、長期的な株式保有を促進する目的があります。
アシックスの株価はなぜ上がるのか理由を解説
アシックスの株価はなぜ上がるのでしょうか。ここでは近年、同社の株価が堅調な業績や市場の好感を受けて上昇している具体的な要因について詳しく説明します。
- 競争力のある製品ラインアップとマーケティング戦略
- 健康志向の高まりとグローバル市場の開拓
- たゆまぬコスト削減による収益性の改善
競争力のある製品ラインアップとマーケティング戦略
アシックスは、数多くの優れた製品と効果的なマーケティング戦略を背景に株価を上昇させています。特にランニングシューズ市場での強みで、「GELシリーズ」や「METASPEEDシリーズ」はプロアマ問わず世界中のランナーから高く評価されています。これらのシューズは、最新のクッション技術や軽量素材を取り入れることで、競技者のパフォーマンスを最大限に引き出す設計となっています。
さらに、アシックスはデジタルマーケティングを駆使して、オンライン販売を強化している点も特徴的です。公式ウェブサイトやSNSを通じたプロモーション活動により、世界中の消費者に直接アプローチしています。著名なアスリートとのスポンサー契約や、スポーツイベントの支援を通じてブランド認知度を向上させています。
アシックスのこうした戦略は、株価の成長を支える要因として多くの投資家から評価されています。
健康志向の高まりとグローバル市場の開拓
アシックスの株価が上昇する理由の一つは、世界的な健康志向の高まりと、同社の積極的なグローバル市場の開拓にあります。
近年、健康やフィットネスへの関心が世界中で急速に高まっています。特に、新型コロナウイルスの影響で健康維持や免疫力向上の重要性が認識され、スポーツやフィットネス活動に対する需要が高まりました。アシックスはランニングシューズやスポーツウェアなど、健康維持に役立つ製品を取り扱うため、スポーツ市場の拡大が追い風となっています。
さらに、アシックスはグローバル市場の開拓にも積極的です。北米や欧州、アジアなどの主要市場でのシェア拡大を目指し、現地のニーズに合わせた製品開発やマーケティング戦略を展開しています。近年では中国やインドなどの新興市場への進出も強化しており、これが売上の増加に寄与しています。
たゆまぬコスト削減による収益性の改善
アシックスは長年にわたり、生産拠点の海外シフトによりコストダウンを進めてきました。
1990年代後半には国への生産シフトを開始し、2000年代前半にはベトナムやインドネシアに。2010年代にはミャンマーやカンボジアにも工場を新設。人件費が安く、輸出環境に恵まれたアジア新興国に生産拠点を集約しました。こうした戦略的な生産拠点の最適化が、アシックスの株価上昇を後押ししたといえます。
アシックスの株価に対する投資家の口コミ
アシックスの株価は、投資家の間で多くの関心を集めています。ここでは、Yahoo!ファイナンスなどの掲示板やSNSでの口コミや評判を紹介し、投資家の見解を詳しく解説します。
あーあ損切りしなくてもよかった
引用:Yahoo!ファイナンス
天まで上がれ!
引用:Yahoo!ファイナンス
ここの株価操縦も目に余る。買わせて落とす。
引用:Yahoo!ファイナンス
そりゃ株価上がるわ。軽井沢マラソン見学に来たけどASICSとNIKEの2強で、大きく離してHOKAかなぁ。NBとadidasが思いの外いない。アンダーアーマーとデサントはシークレットレア。
引用:X
優待目当てでホールドしているアシックス 株が爆上げして含み益が30万円ほどになりました。売らないで持ち続けるつもりです。
引用:X
アシックスの株価に対する口コミを調べると、多くの投資家がそのパフォーマンスや市場動向に強い関心を寄せていることがわかります。例えば、Yahoo!ファイナンス掲示板では「損切りしなくてもよかった」といった声があり、これは株価の回復や上昇を期待する投資家の声を反映しています。また、「天まで上がれ!」というコメントからも、株価上昇への期待感がうかがえます。
Twitterでも、「軽井沢マラソン見学に来たけどASICSとNIKEの2強」といった具体的なイベントからの評価があり、アシックスが市場で高く評価されていることが示されています。このように、実際の消費者の声や市場の動きが株価に対する肯定的な意見に繋がっています。
一方で、「ここの株価操縦も目に余る。買わせて落とす」といった批判的なコメントも散見されることから、アシックスの株価に対する期待と懸念が入り混じっていることがわかります。こうした市場の声を参考にしながら、自身の投資戦略を立てることが、投資家にとっては非常に重要です。
アシックスの株価は今後どうなる?将来性を解説
アシックスの株価は今後どうなるのでしょうか。ここでは近年の業績や株価の推移を考慮して、将来のアシックス株に考えられるシナリオを2つ紹介します。
- 高機能シューズの需要が増加すれば株価成長にも期待大
- グローバル展開と新市場への進出も株価を後押し
高機能シューズの需要が増加すれば株価成長にも期待大
ランニングシューズ市場でのアシックスの強みは、同社の成長を支える重要な要素です。近年、健康志向の高まりやフィットネスブームの影響で、高品質なスポーツシューズの需要が急増しています。
アシックスのランニングシューズは、高い技術力と革新性が人気。さらに同社は定期的に新製品を投入し、消費者のニーズに応じた製品開発を行っています。健康志向が強い都市部の消費者を中心に新規顧客を獲得できれば、売上増加ひいては株価のさらなる成長が期待できます。
グローバル展開と新市場への進出も株価を後押し
アシックスは既存市場の拡大に加えて。新興市場への進出を積極的に進めています。特にアジアやヨーロッパの市場において、アシックスの製品は非常に高く評価されています。
他にも、中国やインドなどでは中間層の拡大に伴って、スポーツ用品の需要が増加しています。このような国々のスポーツ市場でシェアを拡大できれば、事業全体の収益性が高まり、株価の上昇を支える要因となるでしょう。
アシックスの業績・株価・配当についてまとめ
今回は日本が世界に誇るスポーツブランド・アシックスについて、過去10年の業績や株価の推移に注目しながら、好調の理由や将来性について解説しました。アシックスは強力な製品ラインアップと効果的なマーケティング戦略、グローバル規模での健康志向の高まりなどを背景に、業績を堅調に伸ばしています。今後も高い成長が見込まれているため、投資初心者にとって魅力的な投資先となるでしょう。
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