三菱UFJの企業概要

三菱UFJの企業概要

三菱UFJとは、日本を代表する金融機関の一つです。設立は1919年で、現在は多岐にわたる金融サービスを提供しています。主な事業は、国内外の貸出や資金決済、資産運用などを行っており、金利や為替に関連するサービスも展開しています。

また、三菱UFJはデジタル事業サービスや法人・リテール事業、グローバルCIB事業など、7つのセグメントで事業を展開しています。さらに、企業の社会的責任(CSR)活動にも力を入れており、環境保護や社会貢献活動にも積極的に取り組んでいます。

名称株式会社三菱UFJ銀行
英語表記:MUFG Bank, Ltd.
代表者氏名取締役頭取執行役員 半沢 淳一
資本金17,119億円(単体)
株主株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ(100%)
設立日1919年(大正8年) 8月15日
従業員数32,786人(2023年3月末現在、単体)
支店等国内421、海外105(2023年3月末現在)
本店所在地東京都千代田区丸の内二丁目7番1号

三菱UFJの事業内容

三菱UFJの事業内容

三菱UFJの事業内容は多岐にわたり、デジタル事業サービス、法人・リテール事業、グローバルCIB事業など7つのセグメントがあります。以下でそれぞれの事業について詳しく見ていきましょう。

ポイント

  • デジタルサービス事業
  • 法人・リテール事業
  • グローバルCIB事業
  • グローバルコマーシャルバンキング事業
  • 受託財産事業
  • コーポレートバンキング事業
  • 市場事業

デジタルサービス事業

国内の個人や法人向けに非対面取引を中心としたサービスを展開しています。デジタル取引の接点を拡大し、利便性を向上させることで、高品質なデジタル金融サービスを提供しています。さらに、全社を通じてデジタルトランスフォーメーションを推進し、ビジネス基盤をより強固にしています。

法人・リテール事業

国内の個人や法人に向けて、幅広い金融サービスを提供しています。これには、貸出から資金決済、資産運用に至るまでのサービスが含まれます。また、相続や不動産関連のサービスも行っており、お客様の多様なニーズに応えるソリューションを提供しています。

グローバルCIB事業

グローバルに展開する大企業のニーズに応えるべく、三菱UFJはコーポレート&インベストメント・バンキング(CIB)ビジネスを展開しています。この事業は、商業銀行機能と証券機能を核としており、グループ全体で高付加価値のソリューションを提供しています。

グローバルコマーシャルバンキング事業

三菱UFJは、東南アジア地域での金融サービス展開を積極的に進めています。特に、タイのクルンシィ(アユタヤ銀行)やインドネシアのバンクダナモンといったパートナーバンクを通じて、現地の中小企業や個人向けに多岐にわたる金融サービスを提供しています。

受託財産事業

三菱UFJは受託財産事業において、資産運用(AM)、資産管理(IS)、そして年金事業の3つの柱でサービスを展開しています。これらの事業では、高度かつ専門的な知識を活用してコンサルティングを行い、運用力と商品開発力の向上に努めています。

コーポレートバンキング事業

三菱UFJは、日系大企業のお客様を対象に、多岐にわたるサービスを提供しています。これには、貸出や資金決済、外国為替といった基本的なサービスから、M&Aや不動産関連ビジネスといった専門的なソリューションまでが含まれます。

市場事業

三菱UFJの市場事業は、主に二つの核心業務に焦点を当てています。一つ目は、金利(債券)、為替、株式のセールス&トレーディング業務が含まれる顧客向けビジネス。二つ目はトレジャリー業務であり、MUFGの資産・負債や各種リスクを総合的に運営管理しています。

三菱UFJの業績推移|経常収益・経常利益

三菱UFJの業績推移
Timon - stock.adobe.com

当連結会計年度は、連結業務粗利益が前年度比で5,390億円増の4兆5,030億円を記録しました。この増収は、投信解約益の増加や貸出利ざやの改善、外貨預貸金収益の増加が影響しています。

しかし、営業費も円安の影響で1,614億円増加し、2兆9,087億円となりました。経常利益に目を向けると、前年度比で5,169億円の減益を見せ、1兆207億円となりました。この減益は、MUFG Union Bank、 N.A.の株式譲渡決定に関連した一連の損失計上が主因です。

特に与信関係費用総額が3,434億円増加し、その他の臨時損益が4,906億円悪化しています。

特別損益は同銀行の株式売却益6,995億円の計上が主因で、前年度比で5,969億円増益となりました。しかし、全体として親会社株主に帰属する当期純利益は143億円減益の1兆1,164億円となりました。

三菱UFJの業績推移

三菱UFJの株価推移|過去5年のチャート

三菱UFJの株価推移

三菱UFJの株価推移を過去5年間にわたって詳細に追跡し、その動向をチャートで分析します。この期間には多くの経済的変動があり、それがどのように三菱UFJの株価に影響を与えたのかを見ていきましょう。

ポイント

  • 2018〜2020年にかけて株価が下落
  • 2021〜2023年にかけて株価が高騰

2018〜2020年にかけて株価が下落

2018年から2020年にかけて三菱UFJの株価は下落の一途をたどりました。まず、景気後退が大きな影響を与えました。企業活動の停滞は貸し出し需要の減少を引き起こし、これが銀行の業績に直接影響を与えました。さらに、景気の悪化は金利の低下を引き起こし、これが貸し出し金利の低下と収益性の低下をもたらしました。

そして、2020年2月下旬から4月1日にかけての期間は特に注目すべき時期です。この時期には新型コロナウイルス感染症の拡大が世界的な情勢不安を引き起こし、三菱UFJの株価は大幅に低下しました。

三菱UFJの株価推移

2021〜2023年にかけて株価が高騰

三菱UFJは2022年3月期第3四半期に2021年4月から12月までの期間で過去最高の純利益を記録しました。純利益は1兆7039億9800万円に達し、前年同期比で76.3%増加しました。

経常収益は前年同期比で2.9%減の4兆3639億1800万円でしたが、経常利益は65.8%増の1兆3936億1100万円を記録しました。この好調な業績は主に二つの要因によるものです。

一つ目は、コロナ禍の影響で倒産する企業が予想よりも少なかったため、与信関係費用が大幅に減ったこと。二つ目は、融資先の米モルガン・スタンレーの事業が好調に推移していることです。

株価も上昇基調にあり、過去1年で45%、年初からは16%上昇しています。これは日経株価指数のパフォーマンスを大きく上回っています。

三菱UFJの株価推移

三菱UFJの株主還元|配当・自社株買い

三菱UFJの株主還元

三菱UFJフィナンシャル・グループは、投資家に対する株主還元策として「配当」と「自社株買い」を積極的に行っています。この取り組みは、企業の財務状態や株価に大きな影響を与えるものであり、投資家が三菱UFJの株を保有するメリットを評価する上で重要な指標となります。

ポイント

  • 三菱UFJの一株配当・配当利回り推移
  • 三菱UFJの自社株買い推移

三菱UFJの一株配当・配当利回り推移

三菱UFJファイナンシャルグループがこれまで開示してきた堅実な配当の推移に目を向けると、投資家としての期待が膨らみます。公式データによれば、不透明な世界情勢を背景に2020年から連続して増配を行っており、その強固な財務基盤が見て取れます。

2024年には利益が1兆3000億円に達する見通しであり、この業績好調は配当や株価に良い影響を与えています。具体的には、一株あたりの配当金が41円を目指しており、これは株価が1000円の時点で約4%の配当利回りを意味しています。

この数字から見て、三菱UFJは配当銘柄としての魅力を十分に保持していると言えるでしょう。

年度中間配当期末配当合計
202012.512.525
202112.512.525
202213.514.528
2023161632
2024(予)20.520.541

三菱UFJの自社株買い推移

三菱UFJファイナンシャルグループは、継続的な自社株買いを通じて堅実な成長と株主還元を進めています。コロナ禍に見舞われた期間でも500億円規模の自社株買いを行い、その後の増加傾向が明確に描かれています。

以下に自社株買いの推移が分かる表を貼っておきます。特に注目すべきは2022年の動きであり、その年には約4500億円の自社株買いを行っており、これは2020年の9倍の規模に達しています。

そして、2023年も変わらず1500億円規模の自社株買いを実施する計画があるとロイター通信が報じています。この積極的な自社株買いの取り組みは、企業の業績が好調であり、株主に対する還元策として高く評価されていることを示しています。

配当利回りも4%前後を保持しており、株主にとって魅力的な条件を提供しています。

年度自社株買い実施額
2020499億9999万円
20224499億9987万円
20231499億9999億円

三菱UFJの株価はなぜ安いか理由を解説

三菱UFJの株価はなぜ安いか

三菱UFJの株価はなぜ安いのでしょうか、その理由は多岐にわたります。

その中でも特に影響力が高い要因として、マイナス金利政策の導入による利回りの低下、ネットバンクやフィンテックの急速な台頭、そして発行済み株式数が約130億株という膨大な数にあります。

これらがどのように相互に関連し合って三菱UFJの株価を形成しているのか、以下でくわしく見ていきましょう。

ポイント

  • マイナス金利政策の導入による利回り低下
  • ネットバンク・フィンテック等の台頭
  • 発行済み株式数が約130億株で日本で第2位

マイナス金利政策の導入による利回り低下

近年、日本の経済政策としてマイナス金利政策が導入されました。この政策は、銀行が中央銀行に預ける際の利率をマイナスに設定することで、銀行が貸し出しを増やすことを促すというものです。しかし、これには利回り低下という副作用があります。

三菱UFJは、この政策の影響を直接受ける金融機関の一つです。マイナス金利政策が導入されると、銀行の利益は減少し、それにより株価にも影響が出ます。利回りが低下すると、投資家は他の投資先を探すため、株価はさらに低下する可能性があります。

また、低利回り環境では、銀行が利益を上げることが難しくなります。利息収入が減少すると、銀行は新たな収益源を探さなければなりません。これにより、三菱UFJは新たなビジネスモデルやサービスを開発する必要があります。

ネットバンク・フィンテック等の台頭

スマートフォンやパソコンを利用したネットバンクが増加しており、それに伴い実店舗の利用が減少しています。特に、手数料の安さが人々を引き寄せ、従来の銀行の支店利用者は年々減少しています。

三菱UFJもこの流れを受けて、コスト削減を目的とした支店の窓口削減や統廃合を進めています。これは、銀行業界全体の効率化と競争力向上を目指す動きと言えます。

さらに、デジタル技術の進化はフィンテックの台頭を促し、キャッシュレス決済やブロックチェーン技術の普及を加速しています。これにより、銀行を介さない資金の送金や決済が可能となり、多くの投資家から銀行業は衰退産業と見られるようになっています。

この視点から、三菱UFJの株価が低い一因とされています。今後の銀行業界の動向に注目が集まる中で、新しい技術の採用とサービス改善が求められる時代となっています。

発行済み株式数が約130億株で日本で第2位

三菱UFJは、その巨大な規模を反映して、約130億株の株式を市場に供給しています。これは日本で第2位の発行数であり、トヨタに次ぐ数となっています。

この多くの株式を発行することは、1株あたりの価値、すなわち株価が低下するという結果が生じます。しかし、これには明らかなメリットがあります。それは、個人投資家が株を購入しやすくなること、そして企業がより多くの資金を調達できるようになることです。

ただし、これには企業の業績が良いという前提条件が必要です。つまり、投資家にとってアクセスしやすい株価を提供しながら、企業にとっては資金調達の手段を拡大するという双方向の利点を持っています。

このような背景を持つ三菱UFJの株は、多くの投資家にとって魅力的な選択肢となっています。

注目ファンド

詳細な投資分析によるバリュー投資を中心に実践しており、短期的な利益追求ではなく安全性を追求しながら中長期的な利益を求めているヘッジファンド。

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三菱UFJの株価に対する投資家の口コミ

三菱UFJの株価に対する投資家の口コミ

三菱UFJの株価がなぜ安いのか、多くの投資家がこの疑問を抱いています。SNSでは、三菱UFJの株価に関する様々な意見や評価が交わされています。現在の株価に対する口コミを見ていきましょう。

木曜日お疲れ様でした

三菱UFJが1,200超えてたり今の株価は高すぎると思いますが、一方でこれが今後のスタンダードになる可能性も感じます。
未来から見たら今でもお買い得かもしれません。

高値掴みのリスクと持たざるリスク、悩ましいですね

引用:X

三菱UFJが株価1200円台へ‼️

祝福の声より、『コロナの時にもっと取得しておけば〜』という後悔の声が多いはず。

私もその一人!

引用:X

配当株投資はやっぱり株数!!例えば今期三菱UFJの一株配は32円から41円に約28%大幅増配、もし5000株あれば4.5万円増。それだけ配当金を増やそうとしたら約100万円以上の追加投資が必要。そしてそんな大幅増が発表されると株価も⤴︎⤴︎。買い増したくても中々買えない状況に。だから買える時に買う!

引用:X

メガバンクは今朝3000万くらい利確して建て直ししたのに含み益が4000万超えてきた。
三菱UFJは株価1200円を明確に超えてきたのが大きいわ。

引用:X

三菱商事、三菱重工、三菱HCC、三菱UFJ
やっぱり日本を象徴する財閥軍団の力は強くてどんどん株価が上がっていくね~
これ持ち株やっている人ウハウハなんじゃない?
でも今から買えない。本当は買いたい葛藤を毎日している笑

引用:X

このようにSNS上では三菱UFJの株価に関する多くの意見が交わされており、投資家たちは現在の株価動向に注目しています。

一部のユーザーは株価が1,200円を超えたことについて、今後のスタンダードになる可能性を感じている一方で、高値掴みのリスクも懸念しています。また、多くの人々がコロナの時期に更に株を取得しておけばよかったと後悔している声が多く聞かれます。

配当株投資に関しては、今期の三菱UFJの一株配が32円から41円に増配され、株価も上昇傾向にあるとの声があり、これが投資家にとって買い増しの良いタイミングであるとの意見も見られます。

さらに、三菱グループ全体の力強さが株価上昇の要因として指摘され、持ち株者は喜んでいる一方で、新たに株を購入することに躊躇している人もいます。

三菱UFJの株価は今後どうなる?

三菱UFJの今後の株価

三菱UFJの株価は今後どうなるのでしょうか。金融市場は常に変動しており、その中で三菱UFJの動向を正確に把握することは投資の成功に不可欠です。以下では、三菱UFJのこれからの動きを予想したいと思います。

ポイント

  • 金利政策の見直しなら業績アップに期待
  • 業績向上すれば株価上昇と増配の可能性

金利政策の見直しなら業績アップに期待

金利の上昇が株価向上の新たな契機となる可能性があります。この動きは、融資による利ザヤ収益の急激な改善を引き起こし、三菱UFJの業績拡大を期待させるものとなります。

過去を振り返ると、2016年に導入されたマイナス金利政策は株価を押し下げる要因となりました。しかし、現在の金利引き上げの動きは、株価上昇の新たな流れを生み出す可能性を秘めています。

2023年初めから見られる金利政策の見直しの期待は、すでに銀行株の価格を押し上げています。特に、マネックス証券のデータを参照すると、このトレンドが明確に確認できます。

市場の予想が現実となると、三菱UFJの株価にとって追い風となる可能性が高まります。

この期待は、融資事業の活発化と利ザヤ改善を通じて収益増加をもたらし、結果として株価に好反応を引き起こす可能性があります。

業績向上すれば株価上昇と増配の可能性

三菱UFJは株主への還元を積極的に行っている企業として知られており、業績が拡大すると増配や自社株の買い戻しを行う可能性が高まります。この動きは、株価にも良い影響を与えると予想されます。

2023年以降、外国人投資家は株主への還元の積極性を評価基準として日本株を選定する傾向が強まっています。三菱UFJは増配の基調にあり、業績が拡大すると増配の余地が広がる企業として注目される可能性があります。

これは株価にも良い影響を与えると見られています。

三菱UFJの業績・株価・配当についてまとめ

三菱UFJは現在日本を代表する金融機関であり、国内外問わず広範囲の金融サービスを提供しているのが特長です。最近の連結会計年度では連結業務粗利益が前年度比で増加している一方、経常利益は減少しており、主にMUFG Union Bank, N.A.の株式譲渡決定に関連した損失計上が主因と考えられます。

株価が1,200円を超えたことに対する投資家の反応は混在しており、一部はこれが新しい基準になると感じていますが、高値掴みのリスクも懸念されています。

また、一株配が32円から41円に増配されたことから、投資家は買い増しの良いタイミングと感じていることも事実です。今後は、金利政策の見直しや業績拡大に伴う増配や自主株の買戻しなどに期待できます。

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