三井住友フィナンシャルグループの企業概要
三井住友フィナンシャルグループとは、日本を代表する三大メガバンクである三井住友銀行が属するホールディングス会社です。同行のほか、SMBC日興証券や三井住友カード、SMBCファイナンスサービスなど三井住友の冠を持った金融関係の企業が並びます。三井住友の頭文字をとってSMBCグループと呼ばれることも多いです。
商号 | 株式会社三井住友フィナンシャルグループ (英語表記:Sumitomo Mitsui Financial Group,Inc) |
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設立年月日 | 2002年(平成14年)12月2日 |
本社 | 東京都千代田区丸の内1丁目1-2 |
執行役社長 | 太田 純 |
従業員数 | 1,290人 |
資本金 | 23,425億円 |
三井住友フィナンシャルグループの事業内容
三井住友フィナンシャルグループの事業内容について解説していきます。グループ内の三井住友銀行による銀行業の印象がとても強いですが、含めてどのような事業の特徴があるのでしょうか。
- 銀行業
- リース業
- 証券業
- カード・コンシューマーファイナンス
- その他事業
銀行業
三井住友フィナンシャルグループの中心は銀行業です。顧客から預金を預かり、また融資の実行を通じて収益を得ています。現在の銀行業は現金の貸し借りだけではなく、住宅ローンや保険商品の窓販や投資信託など金融商品の販売も主商品です。また高齢化社会の到来に対応し、相続相談からの信託や公的遺言関連も広く展開しています。
リース業
銀行業が金銭であるのに対し、リース業はモノを販売・斡旋します。割賦販売やレンタルなどです。また数々の担保型資金調達もリース業の枠組みに含まれます。不動産や船舶のファイナンス、請求書買取のファクタリングなどです。既存のノウハウを活用して、経営サポートやデジタルソリューションサービスも展開しています。データベースサービスの日経テレコンも三井住友リースの一環です。
証券業
株式購入や投資信託、FXや積立など、いわゆる「投資」といわれる金融取引全般を展開しています。2024年1月からはNISA新制度が始まるため、金融業界のなかで勢いに乗っている部署のひとつです。また、銀行業のところでも投資信託の販売について言及しましたが、あくまで代理販売であり、本筋としての三井住友フィナンシャルグループであるSMBC日興証券が存在します。
カード・コンシューマーファイナンス
クレジットカードやデビットカードの展開を担っている会社です。即時決済だけではなく、カード利用をもとにポイント社会を実現しています。また、一般に消費者金融といわれるコンシューマーファイナンスも同社の事業です(サービス名はプロミス)。もともとは別会社でしたが、コンシューマーファイナンス領域の事業可能性に魅力を感じ、金融会社としての一部分に取り入れた形となっています。
その他事業
そのほかにも、日本総合研究所や三井住友DSアセットマネジメントといったリサーチ、コンサルティング事業を展開しています。銀行業や証券業を推進することは、世の中の時勢や専門知識の醸成に繋がります。それらを体系化し、事業展開している印象です。
なお元々は三井銀行と住友銀行の合併組織ですが、同業だった関係から、各セグメントにおける旧行の色は既に取り払われている印象です。同様のメガバンク2行と比べても、スムーズな移行に成功した感があります。
三井住友フィナンシャルグループの業績推移|経常収益・経常利益
三井住友銀行の過去5年の粗利益は堅調に推移しています。円安影響とインドの事業会社の買収が背景となっています。一方で、海外の金利上昇やロシア・ウクライナを中心としたカントリーリスクに対して引当金を計上していますが、全体で見ると収益の安定性が上回っている印象です。同時に政策保有株式の売却を進め、安定した決算を計上しています。
次年度以降も根本的な変動要因が無い限りは、粗利益は期待できると考えられます。国は預金から投資へというスローガンを掲げていますが、相変わらず日本は預金重視の考え方が根付いています。また、投資行為の具体的な制度であるNISAやiDeCo(個人型確定拠出年金)も金融機関が受け皿となっているため、同グループのなかで利益を獲得するセグメントが変わる印象が強いといえるでしょう。
三井住友フィナンシャルグループの株価推移|過去3年のチャート
三井住友フィナンシャルグループのチャートから過去3年の株価推移を見ていきます。時期によって停滞や一時的な下落はありますが、長期的に見ると右肩上がりで株価が上昇していることがわかります。
- 2022〜2023年にかけて株価が上昇
- 2023年夏〜2023年秋にかけて株価が横ばい
2022〜2023年にかけて株価が上昇
三井住友フィナンシャルグループの株価推移の特徴はその安定性です。好調な決算に牽引され、安定性が継続しています。期中には一時的な下落はあれど、それを引きずることなく回復しています。S&P500など、安定性の高いインデックスファンドの投資信託に近い印象を受けます。資産形成に適した長期所有株式に向いているといえるでしょう。一方で、3兆円近い粗利益の割には株価の伸びは低調で、良くも悪くも変動性の小さい銘柄ともいえるでしょう。
2023年夏〜2023年秋にかけて株価が横ばい
より最近の値動きをキャッチアップして見ていきましょう。2023年の春から順調に上昇していますが、2023年9月から横ばいになっています。長期的に銘柄を見てもこれまで見られない動きであり、今後の推移に気をつけたいところです。その前(2023年春から夏)を見ると上昇基調のため、あまり背景のない踊り場にいる印象を持ちます。留意した方がいい横ばいなのか、気にせずともいい動きなのかは、投資家によって見解が変わる局面でしょう。
三井住友フィナンシャルグループの配当実績|一株配当・配当利回り推移
三井住友フィナンシャルグループの配当実績について見ていきます。
2023年3月期 | 2022年3月 | 2021年3月 | |
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1株当たり配当額(円) | 240 | 210 | 190 |
1株当たり当期純利益(円) | 590.46 | 515.51 | 374.26 |
1株当たり純資産額(円) | 9430.52 | 8825.53 | 8825.53 |
連結配当性向(%) | 40.4 | 40.7 | 40.7 |
3年来で見ると配当額はもちろん、1株あたりの当期純利益や純資産額も増加しています。業績に比例して毎年増加していますが、元々が低いため、少しずつ業績相応な株価になっているという印象があります。
三井住友フィナンシャルグループの株価はなぜ安いか理由を解説
三井住友フィナンシャルグループの株価はなぜ安いのでしょうか。複数の視点から理由を考えていきましょう。業績面の背景は前提として、金融業ならではの背景もあると考えられます。
- もともとの株価が低いところからのスタート
- 事業展開が予想できるため、驚きがない?
- 金融関連はそもそも株価が上昇しづらい
もともとの株価が低いところからのスタート
記事内で何度か触れていますが、三井住友フィナンシャルグループの株価がもともと低いことが背景にあります。株価が低いと上昇基調だとしても、業績に反映された株価になるのは一定の時間がかかります。かつ業績好調でもさまざまな市況の影響があるため、一筋縄では上がりません。
2023年春にはアメリカの金融機関に破綻が相次ぎましたが、日本の銀行に対しての見方にも影響します。最新の株価を見ても、利益水準と株価水準には相当差がある印象が強いです。よって今後も上昇基調は保持しながらも、一時的には下落する可能性がある銘柄といえるでしょう。
事業展開が予想できるため、驚きがない?
三井住友フィナンシャルグループの株価が急速に伸びない理由は、事業展開が予測できるためという視点も強いです。預金・証券・保険を軸として、カードやコンサルティングに至るまで、長い時間をかけて培ってきた事業内容です。短期間での株価の底上げ要因になるような新規事業や新分野への挑戦などには保守的な印象を受けます。
いわゆるスタートアップやベンチャーに出資のニュースも見ますが、主体力を持って現場の提携を見定めた出資というよりも、ベンチャー側の企業価値向上を目的とした提携の印象が強いです。一方でサステナビリティには積極的な印象があるため、株価上昇要因として期待できるでしょう。
金融関連はそもそも株価が上昇しづらい
三井住友フィナンシャルグループに限らず、銀行を傘下に持つ金融関連のホールディングス会社はもともと株価が上昇しづらい傾向にあると考えられます。新事業に挑戦するにも、預金であれ証券であれ、預り金が多い企業属性があります。あまり積極的なベンチャー型の挑戦をしてしまうと、銀行の本来の役割をする株主から信頼を毀損する懸念があります。新規展開としては、出資やM&Aを前提とする形が前提となるでしょう。
とはいえ事業会社としての銀行や、銀行傘下のベンチャーキャピタル(CVC)は自分たちで出資の意思決定をするよりも、ほかの出資に合わせてのフォローに限定する印象が強いです。その傾向が今後の株価にどのような影響があるでしょうか。
三井住友フィナンシャルグループの株価に対する投資家の口コミ
三井住友フィナンシャルグループに対して、投資家はどのような印象を持っているのでしょうか。口コミを見ていきましょう。
「金融緩和」は継続か出口へ向かうのか?「三井住友」「三菱UFJ」のさらなる株価上昇の可能性
引用:X
金利が上がると株価は下がる、という
理解でいいのでしょうか?
どなたか詳しい方、教えてください♀️
定期金利引き上げ 三井住友銀も10年ものの金利100倍に引用:X
銀行株は上がりますね。ローンの会社も上かな。
ただ、ローンの貸し倒れリスクには注意。
グロースとか中小の初期銘柄で借り入れが多い銘柄は金利負担が多いので利益が落ちる。
早い話が、財務が健全でキャシュフローが多くて、投資効率の高い銘柄が良いと思います。引用:X
8316 三井住友フィナンシャルグループ
野村證券が投資判断「A」継続で、目標株価は9390円に設定した。明日ストップ高来たらうけるな(笑)引用:X
買い増ししたかった三井住友Fの株価が一気に上がっちゃいました。悔しいやら嬉しいやらです。
引用:X
業績の安定をもとに今後の株価に期待する声が目立ちました。また今後、実行の可能性が高いとされる利上げ時に更なる株価上昇が期待できるという予測もありました。
三井住友フィナンシャルグループの株価は今後どうなる?
三井住友フィナンシャルグループの株価は今後どうなるのでしょうか。好調な業績を背景としながら、株価変動要素となるものを分析していきます。重要なキーワードとなるのは、先ほども言及した利上げです。
- 日銀による利上げが実現すれば株価上昇要因に
- 堅調な株価推移が期待できる銘柄のため安心
日銀による利上げが実現すれば株価上昇要因に
2023年11月現在、日銀による利上げが間近に迫っていると報道されています。現行のゼロ金利政策の施策であるYCC撤廃とはならずとも、市場に過剰な刺激を与えないように少しずつ利上げする戦略と指摘する評論家もいます。利上げが実行されれば、銀行株にとって後押しとなる可能性は高いため、利上げの実行に期待です。
なお諸外国では既に利上げが進んでおり、残りの先進国では日本を残すのみともいわれています。国際調整を考えると、利上げはそれほど遠くはない先に実行されるでしょう。三井住友フィナンシャルグループの良好な業績と合わせ、株価上昇に期待したいところです。
堅調な株価推移が期待できる銘柄のため安心
利上げのほかに判断要素となるものは何があるのでしょうか。そう聞かれてもすぐに答えられないほど、三井住友フィナンシャルグループは安定している銘柄といえます。利益に対して株価が低い点は長期的な課題のため、現在ホールドしている投資家は長期的に所有していきたいものです。ただ同時に「まさか」には気をつけるようにしましょう。これはどの銘柄に対してもいえますが、短期的に株価が下落するのは想定できないリスクが最たるものです。
三井住友フィナンシャルグループの業績・株価・配当についてまとめ
三井住友フィナンシャルグループの株価について分析しました。数年の業績が安定しているため、本来の抑えられた株価からどのように上昇基調を描いてくるのかに注目したいところです。また日銀からの利上げが実行されれば、強い後押しになります。投資家としては時勢のニュースに注目しつつ、今後の株価推移に期待していきましょう。
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