メルカリの企業概要
メルカリとは東証一部に上場する企業です。祖業のフリマアプリを軸とした非接触型決済サービス「メルペイ」を提供しています。今後は暗号資産やNFT市場にも展開予定と発表しているほか、Jリーグチームの鹿島アントラーズを子会社化し、経営に参画しています。
会社名 | 株式会社メルカリ |
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設立 | 2013年2月1日 |
事業内容 | フリマアプリ「メルカリ」の企画・開発・運用 |
代表者 | 山田進太郎 |
所在地 | 東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー |
メルカリの事業内容
メルカリの事業内容を解説します。フリマアプリの開発と提供が代表的ですが、キャッシュレスサービスやJリーグチームの運営など、ほかにも取り組んでいる領域があります。セグメント別に見ていきましょう。
- フリマアプリ「メルカリ」の企画・開発・運用
- メルカリのグループ会社・その他事業
フリマアプリ「メルカリ」の企画・開発・運用
企業を代表するサービスであるフリマアプリのメルカリの開発と運用です。フリマアプリ領域においてメルカリはフリル(現楽天ラクマ)の後発だったものの、圧倒的な知名度向上戦略により主役の座を獲得しました。サービス浸透後、有名人のサインをはじめとする出品不適合品や偽物の対応に注目が集まったのも、フリマアプリサービスの先導企業たる所以といえるでしょう。サービス商圏は日本にとどまらず、アメリカにもフリマアプリ市場の構築を目指して奮闘しています。
メルカリのグループ会社・その他事業
メルカリのグループ会社として代表的なのは、キャッシュレスサービスのメルペイと鹿島アントラーズです。
- 株式会社メルペイ
- 株式会社鹿島アントラーズ
メルペイは非接触型の決済サービスを提供しています。競合各社より決済サービスは提供されていますが、メルペイはメルカリユーザーを軸に置いた決済サービスです。メルカリの利用による売却益をそのままキャッシュレス原資として移行し、利用者で受送金するほか、他社の各サービスの利用時に活用することができます。
一方の鹿島アントラーズはJリーグの方針で企業によるスポンサードを前面に出していませんが、メルカリが運営するメリットは数多くあります。現地スタジアムの決済をメルペイが担う発想が代表的です。また、子会社化の前から鹿島アントラーズはJリーグを代表する強豪クラブであるため、サッカーチーム運営としても成長を期待できるビジネスでもあります。
メルカリの業績推移|売上・営業利益
業績を見ると売上は右肩上がりで上昇していますが、2022年期まで営業利益ベースでは収益ラウンド以前といえます。2021年に黒字転換を果たしたものの、2022年に再び赤字となりました。2023年にはいよいよ安定した営業利益の獲得フェーズに移行しています。国内向けのメルカリ事業の伸びが主な要因のようです。その一方でメルカードや暗号資産取引などの新規施策もユーザー数の押し上げ要因となっています。暗号資産口座開設数は約53万件と急伸し、かつ大半がはじめての暗号資産開設と、ライト層(暗号資産に興味を持ちつつも、ハードルの高さを感じていた層)に訴求できた効果は大きいものです。今後、メルカリ内の各種サービスと連携して、売上・利益への寄与も見られる時期に入っています。
メルカリの株価推移|過去2年のチャート
メルカリのチャートから株価を分析していきます。メルカリは上場企業のなかでは唯一のフリマアプリといったビジネスモデルのため、株価の適正値が判断しづらい企業です。長期的に株価を見ると、2021年から2022年の暴落から数年が経過した後も取り戻せていないことが見て取れます。
- 2020年〜2021年にかけて株価が上昇
- 2022年〜2023年にかけて株価が暴落
2020年〜2021年にかけて株価が上昇
出典:Yahoo!ファイナンス
メルカリは上場後、2019年から2020年にかけて株価が低迷しています。先行投資で赤字が継続していた状況に加え、問題ある出典物の増加などで社会的にも同社が糾弾された時期でした。社内体制を整えて対策が評価されたことや業績の向上を受け、2020年から2021年にかけて株価が上昇していることが読み取れます。また2020年12月には総出品数が20億庫を超え、社会インフラとして多くの人の生活に無くてはならないものに変わったことも、株価向上の一要因といえるでしょう。
2022年〜2023年にかけて株価が暴落
出典:Yahoo!ファイナンス
2022年以降株価は下げ止まるものの、反転攻勢とはならず、横ばいに近い株価下落が継続されています。同社の報告書で顧客数の上昇は常にアナウンスされているため、経常利益への寄与が待たれていたと考えるのが自然です。今後収益局面が安定するのであれば、株価への刺激策となっていくのではないでしょうか。社会インフラとして存在感は確固たるものとなっているため、企業努力にてビジネス領域が可視化することができれば、期待値の高い銘柄ではあるといえるでしょう。
メルカリの株主還元|配当や株主優待はある?
メルカリは事業成長性を優先させるため、上場以来配当および株主優待を実施していません。当面はこの方向性が変わらないものと考えられます。内部留保を充実する方針が株価上昇の阻害要因となっているのは充分に認識しつつも、優先順位を定めている段階といえます。ただ、同社の既存株主は決してインカムゲインを求めてはいないのではないでしょうか。もともと2010年代のベンチャー隆盛を代表する企業であるため、長期的かつ急進的な伸びが期待されている銘柄といえるでしょう。
メルカリの株価がやばい?下落している理由を解説
メルカリの株価はインターネット上でやばいと話題になっています。同社の株価はなぜ下落しているのでしょうか。同社の株価推移を見ると、「下落している」は必ずしも適切ではなく、「上がるきっかけがつかめない」という表現が近いように思います。
- 収益上天井の見立てが否定されて欲しい
- 配当金は段階的に手厚くすべき
- 海外展開の優先度を一時的に下げては
収益上天井の見立てが否定されて欲しい
本記事で繰り返し述べていますが、メルカリは独自性の高いビジネスモデルのため、株価の適正値がどれくらいなのか、最新の財務ハイライトに対してどれくらいの株価遡及効果があるのかが見えづらい企業といえます。
だからこそ、2023年以降の利益が生み出される雰囲気は継続して欲しいものです。今後、好業績の四半期報が続くことによって、ライト層の個人投資家の反応が期待できます。一方で、胆力の座った投資で成長してきたことは間違いがないため、経営陣の嗅覚を信じたいという銘柄評価もあります。両者のあいだでの舵取りが求められます。
配当金は段階的に手厚くすべき
メルカリ社も含めたスタートアップは、長い先行投資からのU字型成長を是として突き進んできました。上場後赤字が継続している銘柄が糾弾されないのも、独特の世界観といえます。ただ、メルカリ社は安定的な収益が見えているため、少額でも配当金は設定すべきではないでしょうか。配当金で動くライト層の投資家を重視することで、自社サービスの利用者へ好印象を与えることもできるはずです。
その視点では、2010年代からのtech系ベンチャーのなかでは一足抜けた銘柄といえるのではないでしょうか。サービスの利用者が拡大していても上場企業に赤字が許されるものではないので、適格な修正役が同社に求められていると考えられます。
海外展開の優先度を一時的に下げては
メルカリ社はアメリカ進出のあとイギリスにも展開しますが、短期間で撤退しています。最新の決算を見てもアメリカ事業は前年比で下がっているため、株価重視の視点では海外展開の優先度を一時的に下げることを推奨します。実際の事業投下リソースと、対市場としての見せ方は異なるものです。
利益創出が安定するまでは、国内優先とするのもひとつの考え方です。メルカリ社は、もはやメルカリサービスのみではありません。キャッシュレスや暗号資産も踏まえ、事業の再構築を整備してから、再度メルカリブランドを海外に展開する方策の方が、市場の求めているところといえるでしょう。
メルカリの株価に対する投資家の口コミ
メルカリの株価に対する投資家の口コミです。
国内首位のフリマサイトを展開するメルカリですが、現在の株価はRSI28.83まで落ち込んでいる。一旦、BBの中央線もしくは移動平均線までの戻しに期待して先週末inしました。
落ちるナイフはナンピン&戻しで堅実に対応してみます。引用:X
メルカリの株価、結構下がってきたね。
以前、決算発表直後に、ジャンピングキャッチした水準に近いかな。
だけど・・・今はフルポジだし、もし、そうじゃなかっても買わないかな。
2000円近くまで下がったら狙っても良い⁉︎かも・・・。引用:X
メルカリ株価底割れして落ちまくってんなー
引用:X
財務状況調べてみたらメルカリは今の下落した株価でも過大評価なんだよな。やっぱり今までの株価はメルカリの無形資産がかなり評価されてたんだな。
・積極的に成長と進化を求める経営姿勢
・最強フリマアプリという強み
・若くて挑戦的な社員
・メルペイによるキャッシュフロー引用:X
もう慣れちゃったけど#メルカリ っていつも株価の振り幅が大き過ぎません
引用:X
インターネット上は喫緊の株価(特に低迷)に対する辛辣な意見が多いです。株価の変動幅(ボラティリティ)の大きさも話題に上がります。
メルカリの株価は今後どうなるか将来性を予想
メルカリの将来は今後どうなるのでしょうか。銘柄の将来性を見ていきましょう。3年という長期的視野でみても下落と横ばいしか読み取れない株価推移ですが、2つの可能性が見出せます。
- 利益が安定的になれば先進的な企業に
- 鹿島アントラーズの存在はどのような効果を持つか
利益が安定的になれば先進的な企業に
本記事で何度か言及していますが、メルカリ社に顕著な競合はありません。本業のフリマアプリの数字の証明が確固たるものになれば、株価は回復すると考えられます。2023年には利益が生まれてきているため、今後の業績に期待です。1990年代後半に上場したITベンチャーも、長いあいだ株価低迷に悩まされましたが、最近はビジネスが確立し、安定株価を推移しているところは多いです。いわば2010年組のメルカリ社も、次世代として今後の存在感を構築することができるのではと予測します。
鹿島アントラーズの存在はどのような効果を持つか
業績が安定していないうちにサッカーチームを有する事業構成はとても珍しいものです。所有する鹿島アントラーズはJリーグの草創期からの伝統あるチームです。メルカリのビジネスモデルとフットボールチームの事業は一見親和性は高くはないものですが、メルカリのように新規事業を拡大してきた企業にこそ、あらたな親和性が生まれていくのではないでしょうか。期せずして、鹿島アントラーズを日本屈指のチームに押し上げたジーコの役割を、メルカリは期待されているのかもしれません。
メルカリの業績・株価・配当についてまとめ
メルカリの株価について分析しました。いまだ株価低迷期から横ばい状態にありますが、今後挽回する可能性を十分に持つ銘柄です。大きな挑戦者精神のもとで成長してきた企業だけに、今後に期待したいものです。投資先としてはきわめて長期投資と相性が良い銘柄といえるでしょう。配当や株主優待策の新設も踏まえて、同社の発展に期待したいと思います。
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