第1章:年代別 投資戦略:20代・30代編 - 資産形成の基礎を築く
20代・30代の世代の特徴は、以下の3点です。
- 長期的な視点で投資ができる
- リスク許容度が高い
- 収入が上がりやすい
これから30年〜40年程度は現役で働けるため、長期間にわたって安定した収入を得られます。また、自社内でのポジションが上がるチャンスが多いため、収入も上がりやすいという特徴があります。
このような特徴を持つ20代・30代は、将来を見据えた「資産形成の基礎」を築く時期です。そのため、まずはリスクが比較的低い投資信託に積立投資を行い、着実に資産形成を行いましょう。さらに多少リスクはありますが大きなリターンが期待できる、成長性の高い株式投資の併用もおすすめします。
具体的な投資先は、以下の2点です。
1. 投資信託
積立NISAを活用し、全世界株式インデックスファンドやバランス型ファンドで長期運用
2. 債券投資
成長性の高い企業の個別株投資を少額行い、リスク分散を意識
堅調な利益が期待できる全世界株式インデックスファンド、株式以外に債券・リート(不動産投資)に分散投資するバランス型ファンドを長期運用し、資産形成の基盤を構築していきます。
一方、多少のリスクを取りますが、成長性の高い企業の株式にも少額投資し、大きなリターンも狙う戦略です。
20代・30代が投資を行う際に、留意すべきポイントは次の3点です。
- 実際に投資を始めて投資経験を積む
- 投資の勉強を行い金融リテラシーを高める
- ライフプランに合わせた投資計画を立て実行していく
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第2章:年代別 投資戦略:40代編 - 資産増加と守りのバランス
40代の特徴は、以下の3点です。
- 収入の増加
- 教育費や住宅ローンなど支出の増加
- 老後への備えも意識し始める
一般的な企業では、40代に入ると責任が重いポストに就くようになります。役職が上がるため収入も増えてきます。また、子どもが大きくなり教育費も増えますし、自宅の購入により住宅ローンの返済も始まる世代です。
また、残り20年もすると定年となるため、そろそろ老後への備えも意識してきます。安定した収入を得られる期間も短くなってくるため、リスクの高い金融商品への投資は減らしていく時期になります。
具体的な投資先は、以下の2点です。
1. 投資信託
引き続き積立NISAを活用し、バランス型ファンドやテーマ型ファンドで分散投資を図る
2. 債券投資
国債や社債など株式よりも比較的リスクの低い債券に投資
積立NISAを活用しながらリスクが比較的低いバランス型ファンドへの投資や、売上や利益の伸びが期待でき株価上昇が予想されるテーマ型ファンドで、やや高めのリターンを狙うという戦略です。
また、株式よりも比較的リスクが低い、国債や社債などへの投資額を増やし、徐々に低リスクな金融商品に変更していきます。
40代が投資を行う際に、留意すべきポイントは次の3点です。
- ライフイベントの変化に対応できる資金計画を立てて実行していく
- リスク管理の徹底
- ファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談
40代は大きなライフイベント(自宅購入・子ども進学など)や、突発的な支出が増えやすい年代です。ライフイベントの変化に柔軟に対応できる資金計画を立てましょう。その際、専門家に相談するのもおすすめします。
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第3章:年代別 投資戦略:50代編 - 老後資金準備の本格化
50代の特徴は、以下の3点です。
- 収入がピーク
- 子育てが一段落
- 老後まで残り時間がわずか
一般的な企業では、55歳になると役職定年です。そのため、50代前半がもっとも収入が多い時期といえます。プライベートでも、子どもが学校を卒業し就職を始める時期であり、子どもが独立する家庭も増えてきます。
一方、会社員生活も残り10年を切って、老後までの残り時間はわずかといった状態になるため、老後のための蓄えを真剣に考え始める時期です。
そのため、50代の投資戦略は老後資金準備の本格化に伴い、資産の保全を第一目的としましょう。インカムゲイン(資産を保有していることで得られる利益)重視へのシフトも必要でしょう。
具体的な投資先は、以下の2点です。
1. 投資信託
インカム重視型の投資信託、REIT(不動産投資信託)などを検討
2. 債券投資
個人向け国債など、元本保証のある商品で資産を守る
現在保有している資産をそのまま保有し続けるとともに、より低リスクな元本保証のある金融商品への投資を行っていきます。その結果、資産の減少を極力抑えられます。
50代が投資を行う際に、留意すべきポイントは次の3点です。
- 老後資金の目標額を設定する
- 退職後の生活設計を考える
- 相続対策も検討する
老後の暮らし方も現実的に考え始めるため、老後資金の目標額をしっかりと設定しましょう。
それに伴い、退職後の生活設計も考えていく必要があります。また、50代になると自らの相続対策も具体的に検討し、財産の洗い出し・財産分与先の選定も行う必要があるでしょう。
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第4章:年代別 投資戦略:60代以降編 - 安定収入の確保と資産の有効活用
60代の特徴は、以下の3点です。
- 退職による収入減
- 老後生活の開始
- 相続の準備
60代後半となると、多くの企業では定年となり収入も減ってしまいます。また、自らの財産の相続も現実のものとなりつつあります。
定年を迎えると再就職などをしない限り、収入は年金と自らが築いてきた資産に頼らざるを得ません。そのため、リスクの高い金融商品への投資は危険であり、安全資産中心のポートフォリオが投資戦略となります。また、生活資金の確保も重要です。
具体的な投資先は、以下の2点です。
1. 預貯金
生活費の確保
2. 債券投資
低リスクで安定収入が得られる個人向け国債などを活用
生活資金は、すぐに現金として下せる預貯金を活用しましょう。また、低リスクでかつ元本保証のある個人向け国債などに投資し、老後生活の蓄えを少しでも増やすとよいでしょう。
60代以降が投資を行う際に、留意すべきポイントは次の3点です。
- 無理のない資産運用
- 健康寿命を延ばすための投資
- 専門家との連携
60代以降の世代は、収入が少なくなるため、保有資産を少しづつ切り崩しながら生活を送ります。そのため、資産の減少が大きくなる高リスクな金融商品への投資は避け、無理のない資産運用を行いましょう。
また、自らが要介護とならないように、健康寿命を延ばす投資をおすすめします。例えば、運動をしたり身体のメンテナンスに、お金を使うとよいでしょう。
老後の資産計画を見直す必要がある場合には、ファイナンシャルプランナーなどの専門家との連携をおすすめします。
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第5章:投資の三大原則:長期・積立・分散投資 - 成功の秘訣を掴む
いわゆる投資の三大原則「長期」「積立」「分散」について、詳しく紹介します。
長期投資
長期投資のメリットは、時間分散と複利効果の2つです。時間分散とは、ある程度長い期間に複数回に分けて投資・売却を行うことです。複数回に分けることで買値や売値が平均化され、高値づかみや安値売りのリスクを避けられます。
複利効果とは、資産運用で得た利益を再投資し、利益が利益を生み出しさらに資産が増える効果です。長期にわたって投資を行っていくと、利益を生み出す期間も長くなるため、より複利効果のメリットを享受しやすくなります。
積立投資
積立投資を行うメリットは、「時間分散」「リスク分散」「心理的負担軽減」の3点です。積立投資は長期間にわたって購入するタイミングを分散し、一定金額ずつ購入するため、価格が高いときは少なく・価格が安いときには多く買えます。その結果、平均購入単価を下げる効果があり、これを「ドルコスト平均法」と呼んでいます。
購入するタイミングを分散するため、一度に大量に購入する場合に比べて、リスクの分散化も可能です。また、一定の金額を機械的に購入するため、投資に対する心理的負担を軽減させる効果もあります。
分散投資
分散投資の「分散」には、「資産分散」「分野分散」「地域分散」の3つの分散が含まれています。資産分散とは、投資する金融商品の分散です。例えば、株式と債券に分散して投資することが資産分散にあたります。
分野分散とは、半導体業界の企業と、製造業界の企業の株式に投資するといった、分野を分散して投資を行う考え方です。
地域分散は、文字通り投資する地域を分散する方法です。日本国内の株式と海外の株式へ投資するといった例があります。
中級投資家へのメッセージ
投資信託や債券は、長期投資・積立投資・分散投資の原則を満たしており、しかも比較的リスクも少ない金融商品のため、中級投資家の方におすすめの投資方法です。また、投資をするにあたっては積極的に情報収集を行い、自分自身のライフプラン・余裕資金・投資方針に合った金融商品を選ぶとよいでしょう。
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まとめ
今回は年代別のおすすめ投資法について紹介してきました。各年代によって最適な投資方法は異なること、資産運用(特に1000万円以上の場合)は、長期的な視点とリスク管理が重要だと理解できたのではないでしょうか。
本記事を参考に、自分自身のライフプランに合った投資戦略を立て、将来に備えましょう。
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